個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金を給与天引き以外で支払う方法

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は天引きによって支払うことができますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金を給与天引き以外の方法で支払う方法やそれぞれの掛金の支払い方法のメリットやデメリットについて詳しく説明します。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は天引きにすべきか否か

個人型確定拠出年金(iDeCo)の支払保険料(掛金)は給与天引きにする方が手間がかからず便利だという話を聞きますが、天引きのメリットとデメリットについてしっかりと理解したうえで掛金の支払い方法を選択することをオススメします。 

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は給与から天引きする方法

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は給与から天引きすることができます。

では受取給与から天引きするには具体的にどのような手続きが必要になるのでしょうか。

企業の事務局に依頼する

企業の個人型確定拠出年金(iDeCo)の事務局(人事部など)に、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金を給与から天引きしたい旨申し出ることが必要です。

事務局としては、国民年金基金連合会への登録、毎月天引きされる掛金が発生することで税金が変更になりますのでその分の給与の源泉徴収額を調整、などの作業が発生します。

個人型確定拠出年金(iDeCo)を天引きする際の事業主払込とは

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金の払い方には、従業員個人で払込をする個人払込と事業主が払い込みをする事業主払込があります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)なのに個人以外の掛金の支払方法があることは不思議な感じがしますが、従業員の給与から引き落とされることに変わりはありません。


事業主払込の仕組みは、毎月、国民年金基金連合会から事業主へ通知される掛金額を、事業主が加入者に変わって毎月給与から天引きします。

そして、この天引きした掛金を加入者の代わりに事業主が口座振替(金融機関口座からの自動引き落とし)により払込をします。


会社は毎月払込をすることにより従業員(加入者)の掛金を把握することができているので、従業員(加入者)は年末調整のときに何もする必要はありません。

しかし、会社としては払込をするための作業などの必要があるので会社に個人型確定拠出年金(iDeCo)に関する事務負担が発生します。


一方で従業員(加入者)が掛金を変更する場合には会社(事務局)に対して掛金変更を連絡しておいた方がよいでしょう。

必ず連絡しなければいけないというものではありませんが、給与から天引きや年末調整などの手続きが多少なりともスムーズに進むものと考えられます。




個人型確定拠出年金(iDeCo)掛金の給与天引き以外の方法

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金を給与から天引きされる以外の方法で支払う方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

これが前述した個人払込の方法による掛金の払い方です。


個人払込の場合は加入者名義の金融機関の口座から毎月掛金が引き落とされます。

個人払込は会社を経由しないので、毎年10月頃に国民年金基金連合会から送付される「小規模企業共済等掛金払込証明書」を年末調整の時に会社に提出しなければなりません。


転職などで給与を支払う会社が変更になった場合は「加入者登録事業所変更届」を極力早く提出しないと掛金の拠出がすぐに止まってしまいます。

個人払込の場合でも「加入者登録事業所変更届」を提出する必要はありますが、加入者個人の口座から掛金が引き落とされるので掛金の拠出がすぐにストップすることはありません。

個人口座から年末調整での引き落としも選べる

個人払込の場合は前述した「小規模共済等掛金払込証明書」が発行されますので加入者はこの証明書を会社に提出することにより、事業主が年末調整を行います。

通常年、末調整は給与受取口座での引き落としが行われますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の個人支払での確定申告分は従業員(加入者)の個人口座での引き落としを選択することができます。

年末調整できなかった場合は確定申告で対応する

もし会社での年末調整までに必要な書類が提出できなかった場合などには、確定申告を行って個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金に関する税額控除の手続きを行うことができます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)掛金を天引きにするメリット・デメリット

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金支払いは必ず事業主払込をしなければいけないわけではなく、個人払込を選択することも可能です。

それでは個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金を事業主払込で給与天引きをするメリットとデメリットはそれぞれどのような点にあるのでしょうか。 

メリット1:残高不足の心配がない

個人型確定拠出年金(iDeCo)を給与から天引きする場合には、金融機関の口座残高不足を気にする必要がありません。

従業員(加入者)の給与からあらかじめ個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金を天引きして事業主が他の従業員分とまとめて払込みますので、残高が不足するといったことが起きることはありません。

個人払込に比べると、従業員(加入者)が残高を心配しなくて良い点は大きなメリットだと言うことができます。

メリット2:年末調整の手間が省ける

次に個人型確定拠出年金(iDeCo)を給与天引きする場合には会社の方で年末調整をしてくれますので、時間や手間をかける必要がありません。

そもそも会社は事業主払込をする場合に従業員(加入者)がいくら掛金を払っているかを認識していますので、年末調整に必要な情報を保有していることになります。

したがって、その情報に基づいて従業員(加入者)の年末調整を行えば良いので従業員(加入者)側は個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金の払込に関して特別なことをする必要はありません。

デメリット1:掛金の額を変更したり停止したいとき会社に対して手続きをとらなければいけない

個人型確定拠出年金(iDeCo)の天引きを選んでいる場合に、掛金の金額を変更したり、天引きを停止したり、したい場合には会社に対して手続きをする必要があります。

会社の事務局(人事部など)に対して掛金変更や給与からの自動引き落としの停止の届けを出さないと、それまでと同様の金額で掛金が引き落とされてしまいます。

会社にもよりますが、場合によっては掛金変更や天引き停止の理由を聞かれることもあるかもしれませんので、個人的事情を伝えなければいけない可能性もあります。

デメリット2:会社の事務負担が増える

個人型確定拠出年金(iDeCo)の天引きに関しては会社の事務負担が増えると言うことができます。

従業員(加入者)としては、前述したように、年末調整は会社側で実施してくれますが会社側としては個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金に関する税額控除の計算などをしなければなりませんので、それだけ事務負担が増えることになります。

また掛金変更や天引き停止などの従業員(加入者)からの申し出にも対応する必要がありますので、この点でも個人型確定拠出年金(iDeCo)の手続きに関する負担が増えると言うことができます。

会社によってはこの負担を嫌って天引きを望まない企業もあるようですが、従業員(加入者)が天引きを求めている場合には、原則として、会社側で拒否することはできません。

まとめ

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金を給与からの天引きにすることは従業員(加入者)からするとメリットがありますが、会社側からはデメリットと考えられるポイントもあります。

それぞれのメリットとデメリットをよく考えて、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金を事業主払込とするか個人払込とするか選ぶことが大切だと考えます。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

ランキング