iDeCo(確定拠出年金)は契約社員も加入可能!企業型も加入できる?

個人型確定拠出年金(iDeCo)は契約社員も加入することができます。基本的に20歳~60歳までは加入することが可能で、個人型確定拠出年金(iDeCo)における税制上の優遇を受けることができ、正社員はもちろん契約社員も利用することが可能です。

内容をまとめると

  1. 契約社員の方でもiDeCoで資金を運用することができる
  2. 契約社員がiDeCoを活用するメリットは、節税ができること、老後資金が確実にためられる、運用益が非課税になることなど
  3. 逆にデメリットは積み立てたお金を契約期間まで引き出せないこと
  4. iDeCoをおすすめできる契約社員の方は、緊急事態に対応できるだけの貯蓄がある人
  5. iDeCoでお金を積み立てるべきなのか知りたいという人は、iDeCoのプロと一緒に複数の商品を比較するのがおすすめ
  6. 今ならスマホ1つで無料オンライン相談できるので、この機会にお金の悩みを解決しましょう! 

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は契約社員にもおすすめ!


契約社員で、企業の条件によって企業型確定拠出年金に加入できない方は、しっかりと老後資金を準備するにはどうしたらいいのか悩んでいることと思います。


国の年金だけでは不安な現在、個人型確定拠出年金[iDeCo(イデコ)]を検討してみようかなと思い始めている契約社員の方も多いのではないでしょうか。


iDeCo(イデコ)は毎月の掛け金が全額所得控除になり、運用利益も非課税です。60歳以降に受け取る時も税金がゼロまたは減額になります。そのため、契約社員が老後資金を準備するのにもメリットの大きな運用方法としてオススメです


この記事では、

  • 契約社員がiDeCoを活用することで得られるメリット
  • 契約社員がiDeCoを始める前に確認しておきたいデメリット
  • 契約社員のうち、どんな人にiDeCoが向いているか
  • 契約社員がiDeCoを利用した場合のシミュレーション
について解説していきます。

この記事を読んでいただけたら、契約社員が老後資金の準備にiDeCo(イデコ)を活用するうえで参考になるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

契約社員がiDeCo(イデコ)を活用するメリット

iDeCo(イデコ)に加入することの最大のメリットは、税金が安くなることです。また、運用方法にもよりますが、定期預金などの固定金利商品で運用するよりも多くの老後資金を貯めることができる可能性があります。


さらに、月々5,000円から1,000円単位で積み立てることができるので、無理なく始めることができます。


以下に、契約社員がiDeCo(イデコ)を活用するメリットについて詳しく解説します。

iDeCoのメリット①60歳以降の資金作りに役立つ

iDeCo(イデコ)で積み立てたお金は、60歳以降に次の3つのいずれかの方法で受け取ります。

  • 一時金
  • 年金
  • 年金と一時金の組み合わせ

一時金としてまとめて受け取る場合には「退職所得控除」、年金として分割して受け取る場合には「公的年金等控除」が適用されるので、一定の額までは税金がかかりません。

つまり、積み立てたお金を受け取る時に、税金の控除を受けられるのも大きなメリットです。

原則60歳までは受け取ることができませんので、iDeCo(イデコ)は老後資金のための積み立てという明確な目的のために活用できます

iDeCoのメリット②毎月の掛け金が全額所得控除になる

iDeCo(イデコ)の毎月の掛け金は全額が所得税控除の対象になります年末調整確定申告をすることで、所得税と住民税が軽減されるのです。


それは、iDeCo(イデコ)の掛け金が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、支払った掛け金が課税所得の金額から減額されるからです。


たとえば、年収240万円で毎月1万円積み立てていた場合、以下のとおり年間18,100円の節税効果があります。

iDeCoなしiDeCoあり差額
所得税39,800円33,700円6,100円
住民税78,100円66,100円12,000円
合計117,900円99,800円18,100円

※所得控除は給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除のみ

※住民税の税率は10%で計算

iDeCoのメリット③運用益は非課税になる

金融商品で資産運用する場合、通常であれば利益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCo(イデコ)での運用益は非課税です


つまり、通常は10万円の利益が出ても20,315円の税金を引かれて手元には79,685円しか残りませんが、iDeCo(イデコ)なら10万円まるまる運用し続けることができるのです。


そのため、より効率的に老後資金を貯めるための運用ができます。

契約社員がiDeCo(イデコ)を活用するデメリット

iDeCo(イデコ)を活用した運用はメリットだけではありません。最大のデメリットは、「コスト」と「受け取れる年齢」です。


iDeCo(イデコ)は、とりあえず口座だけ作ることはできません。また、1人1口座しか作れないので、金融機関によって違う商品ラインナップ口座管理手数料などにも注意しなければいけません。


以下に、契約社員がiDeCo(イデコ)を活用するうえでのデメリットについて詳しく解説します。

iDeCoのデメリット①手数料が何かとかかる

iDeCo(イデコ)をどの金融機関で運用するかは重要です。iDeCoには、加入時運用期間中受け取りの都度に手数料がかかるからです。また、運用期間中は商品の信託報酬などのコストもかかります。


加入時の手数料

iDeCo(イデコ)へ加入する時に、国民年金基金連合会への手数料が2,829円かかります。


口座管理料

口座管理料」は毎月かかるコストなので、できるだけ安い金融機関を選ぶべきです。加入時にかかる手数料はどこでも同じですが、運用期間中の「口座管理料」は金融機関によって変わってくるからです。


どの金融機関で口座管理料がいくらかかるかは、NPO法人・確定拠出年金教育協会のiDeCoナビの資料を参考にしてください。


その差は金融機関によって月に0円~500円程度ですが、1年では5,000円~6,000円にもなります。60歳までの長期運用を考えると、その差は馬鹿になりません。


受け取りの際の手数料

受取時は給付手数料が振り込みの都度かかります。また、還付時には国民年金基金連合会と信託銀行への還付時手数料が毎回かかります。


運営機関変更時の手数料

ある金融機関から別の金融機関へ変更する場合、4,400円の手数料が発生する場合があります。


信託報酬

信託報酬は投資信託を保有しているだけで一定の率が差し引かれるので、運用成績に直結します。コストを低く抑えるためには、信託報酬の低いインデックス型商品の品揃えが充実している金融機関を選ぶべきです。


以上のように、iDeCo(イデコ)にはさまざまな手数料がかかるので、しっかりチェック・比較してから口座開設する金融機関を決めるようにしましょう

iDeCoのデメリット②60歳まで掛け金のお金を引き出せない

iDeCo(イデコ)は老後のための資産運用を目的としています。そのため、原則として60歳まで引き出すことができません


支払いが苦しくなった時に掛け金の減額や積み立ての停止はできますが、途中解約は原則として認められていません。


急にまとまったお金が必要になったからといって、受け取り可能な年齢になる前に受け取ることはできないのです。


なお、受け取り可能な年齢は、加入期間によって以下のように変わるので注意してください。

通算加入期間
受給可能な年齢
10年以上60歳
8年以上 10年未満61歳
6年以上 8年未満62歳
4年以上 6年未満63歳
2年以上 4年未満64歳
1ヶ月以上 2年未満65歳

個人型確定拠出年金(iDeCo)がおすすめな契約社員の方

前述のとおり、個人型確定拠出年金(iDeCo)には何かと手数料がかかります。そのため、あまりにも掛け金が少なすぎるとマイナス運用となるリスクもあります。


元本割れのリスクをなくし安定的に運用するためには、次のポイントを押さえておく必要があります。

  • 60歳まで引き出せないので、急な出費に備えるだけの貯蓄があるかどうか
  • 拠出可能な上限額を確認し、現状でいくらまでなら無理なく積み立てられるか

つまり、iDeCo(イデコ)がオススメな契約社員は、充分な貯蓄があって、毎月一定額を積み立てる余裕のある人です。以下で、その2点について詳しくみていきます。

iDeCoがおすすめな人①貯蓄がある人

契約社員は正社員と比べると不安定な雇用形態なので、何かあった時にはすぐに使えるお金が必要です。また、契約期間が切れた後に継続して雇用されなければ、貯蓄を切り崩して生活することになるかもしれません。


契約社員には退職金がないため貯蓄以外にも老後資金への備えは必要ですが、iDeCo(イデコ)は原則的に60歳まで引き出せません。何かあった時のことを考えると、いつでも解約できる商品への貯蓄を優先するべきです。


つまり、充分な貯蓄があることがiDeCo(イデコ)を始めるための前提条件といえます

iDeCoがおすすめな人②毎月一定額を払う余裕がある人

iDeCo(イデコ)は、当月の掛け金が翌月の26日に口座振替で引き落とされます。そして、残高不足で引き落としできなかった場合、後日再振替や振込で納付することはできません。


毎月決まった日に定額を積み立てることは、投資信託を「ドルコスト平均法」で運用するメリットがあります。毎月の積み立てができない場合はこのメリットもなくなり、口座管理料などの手数料だけが負担になります。


しかし、老後に備えた資金を形成するための積み立てが、毎月家計を圧迫して生活が苦しくなるようなら本末転倒です。


すでに貯蓄が300万円~500万円あり、毎月一定額を貯蓄に回しているような方に、iDeCo(イデコ)を使った老後資金の備えを検討してみることをオススメします。

契約社員の方がiDeCo(イデコ)を活用した時のシミュレーション

まず、iDeCo(イデコ)のシミュレーションをする前に、公的年金の加入者区分を確認する必要があります。なぜなら、掛け金の上限が公的年金の加入状況によって違うからです。


iDeCo(イデコ)の掛金の上限額は、

職業掛け金の上限額
自営業者など(第1号被保険者)月額68,000円
会社員(第2号被保険者)企業年金なし月額23,000円
会社員(第2号被保険者)企業型拠出年金のみ加入月額20,000円
会社員(第2号被保険者)企業型拠出年金以外に加入月額12,000円
公務員(第2号被保険者)月額12,000円
専業主婦・主夫(第3号被保険者)月額23,000円

となっています。


契約社員の場合、労働時間が正社員と同じ、または週の所定労働時間がおおむね正社員の4分の3以上で契約期間が2ヶ月を超える場合は第2号被保険者で、それ以外は第1号被保険者になります。


また、iDeCo(イデコ)では加入者自身が掛け金の何割をどの商品で運用するかを決めるので、運用益も変わってきます。そこで、運用利率が1%、3%、5%で、60歳まで毎月1万円積み立てた場合と2万円積み立てた場合をシミュレーションしてみます。


【1】30歳からスタート

運用利率/掛け金1万円2万円
1%4,193,284円8,386,568円
3%5,787,130円11,574,260円
5%8,153,759円16,209,568円


【2】40歳からスタート

運用利率/掛け金1万円2万円
1%2,654,369円5,308,738円
3%3,268,544円6,537,088円
5%4,058,044円8,107,389円


【3】50歳からスタート

運用利率/掛け金1万円2万円
1%1,261,209円2,522,418円
3%1,394,479円2,788,959円
5%1,543,631円3,087,263円

以上のように、将来の資金作りは、早く始めるほうがリスクを抑えて効率的に積み立てることができます。

契約社員に知ってもらいたいiDeCoの情報についてのまとめ

個人型確定拠出年金(iDeCo)は正社員はもちろん、契約社員も加入することができ、毎月5,000円から拠出することが可能です。


さまざまな税制上の優遇を利用することができ、60歳から受け取ることができます。老後の資金作りとして加入している人は多く、幅広い世代の人が利用している制度です。


さまざまな金融商品があるので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。


その際、お金や保険のプロであるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。


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