50代から始める、おすすめの個人年金保険は?FPおすすめの選び方とは

老後の生活費の準備方法として人気の個人年金保険。50代から老後について真剣に考え、検討している方も多いのではないでしょうか。実は個人年金保険の加入率が最も高いのが50代です。今回は、50代から始めるおすすめ個人年金保険とその理由、選び方について解説します。

50代から始める個人年金保険の加入率は?

個人年金保険は、若いうちに毎月一定額の保険料を払い続けることで、将来定年退職したあとに年金形式で積み立てたお金が返ってくる金融商品です。簡単に言うと、国民年金などの公的年金の民間保険版です。 


そして実は、50代は個人年金保険の加入率が最も高い世代なのです。


こちらが年代別の個人年金保険の加入率の表です。 

年齢加入率
20〜29歳15.3%
30〜39歳19.3%
40〜49歳25.5%
50〜59歳30.2%
(参照:生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」)

50代の個人年金保険の加入率は30.2%に上ります。つまり、50代の3.3人に1人は個人年金保険に加入している、ということです。

また、年齢を重ねるほど加入率が高くなっており、40代から50代にかけて加入する人も多くいることが表から読み取れます。

そして、実際に50代からでも個人年金保険に加入するメリットはあり、さらに他の世代にはないメリットもあります。次に、そのメリットについて説明していきます。

50代からの個人年金保険がおすすめな理由

50代から個人年金保険に加入する場合、どういったメリットがあるのでしょうか?


個人年金保険の一般的なメリットは

  • 銀行預金よりもお得に積み立てられる
  • 口座引き落としのため、強制的に老後の貯蓄ができる
  • 個人年金保険料控除により節税効果がある
の3つがおすすめされる理由です。

今回はこれらに加えて、他の世代ではなく、50代から個人年金保険に加入する場合ならではのメリットをご紹介します。

おすすめ理由①:一時払いや全期前納ができてお得

50代から個人年金保険に加入する場合、すでに貯蓄が十分にあることで、お得な支払い方法を選択できる、というメリットがあります。


個人年金保険の支払い方法には、毎月一定額の保険料を支払う「月払い」形式の他に、最初に一括で全部の保険料をまとめて支払う「一時払い」形式と、最初に全部の保険料を保険会社に預けて毎月そこから保険料を支払う「全期前納」形式があります。


一時払いと全期前納は、月払いに比べて利回りが良くなるのが特徴です。つまり、少ない保険料で同じだけの年金を受け取ることができるということです。


そして一時払いが最も利回りが良く、次に全期前納、月払い、と続きます。そのため、もし手元にお金があるのであれば、一時払いや全期前納をするのがおすすめです。


一般的に若い世代ほど貯蓄額は少ないので、個人年金保険に加入しようと思っても、月払いや年払いしか選択できないケースが多いのですが、50代で個人年金保険を検討する場合、手元に貯蓄がすでにあるケースが多く、一時払いや全期前納を選択してお得に個人年金保険に加入することができます。


個人年金保険は、加入年齢が高くなるほど保険料が割高になり利回りが下がる、というデメリットもあるのですが、一時払いや全期前納にすることで、利回りを高くしてそのデメリットを減らすことができます。

一時払いと全期前納はどう違う?

一時払いと全期前納は、どちらも加入するタイミングで、保険料を全額用意しなければならない、というのは同じです。しかし、一時払いは最初のタイミングで全て支払うのに対し、全期前納は、あくまで保険会社に預ける、という形式を取り、毎月そこから保険料を支払う形になります。


これらの違いは主に2つあり、解約時の扱い節税効果になります。


まず、解約時についてですが、全期前納の場合はあくまで保険料を預けていることになっており、まだ支払っていない保険料の分についてはそのまま返還される場合が多いのですが、一時払いの場合は保険料を支払ってしまっているので、受け取れる解約返戻金は元本割れしてしまう場合がほとんどです。


また、節税効果については、毎月支払いとして扱う全期前納は個人年金保険料控除の適用を毎年受けることができますが、一時払いはその支払った年のみの適用となります。そのため、個人年金保険料控除を受けられる額は全期前納の方が多く、お得になります。


以上のように、一時払いと全期前納はそれぞれメリットデメリットがあるので、自分の場合に当てはめてどちらがお得なのか検討してみてください。


そして、両方とも月払いより確実にお得になるので、50代から加入する場合は一時払いや全期前納ができる商品がおすすめされることが多いです。

おすすめ理由②:将来のリスクが見積もりやすい

50代から個人年金保険に加入する場合の、他の世代にはないもう1つのおすすめなポイントは、老後までの時間が短いために将来のリスクを見積もりやすいことにあります。


個人年金保険に加入する場合、確定年金だと加入した時点で老後の受取額が確定します。そのため、受け取るまでの期間に物価が上昇してしまうことで受取額が目減りする「インフレリスク」が存在します。


インフレリスクは、加入してから受け取るまでの期間が長ければ長いほど高くなります。


そのため、若い世代の場合は慎重に検討しないと損をしてしまう可能性があるのですが、50代であれば受け取りまでの期間が非常に短いため、インフレリスクを最小に抑えることができます。


また、保険会社が破綻してしまうリスクや、自身の収入が不安定になるリスク、公的年金がいくらもらえるか不明、退職金がどの程度になるか不明、など、保険料支払いや受取額や老後資金に関するリスクは多くありますが、老後までの期間が短い50代の場合、それらのリスクをほとんど気にする必要がなくなります。


20代で加入する場合、老後まで40年あると考えれば、50代で加入する場合のリスクへの考え方が大きく異なることがご理解いただけるでしょう。

50代から始める、おすすめの個人年金保険の選び方

ここまでで、50代から個人年金保険に加入する場合のメリットについて説明してきました。


では、50代から個人年金保険に加入する場合、どんなことに気をつけながら商品を選んだら良いのでしょうか。


ここでは、50代から個人年金保険を検討する場合に、判断するポイントをご紹介します。


まず、個人年金保険には大きく分けて、「確定年金」「変額年金」「外貨建て年金」の3種類があります。


それぞれの違いを表にしたものが以下になります。

確定年金
変額年金外貨建て年金
特徴支払った
時点で受取額
が確定する
保険会社の
運用実績に
よって受取額
が変動する
米ドルなど
の日本より
金利の高い
外貨で運用する
利率
低い

高い

高い
確実性
受取額が確定
するので
元本割れしない
×
運用実績次第で
元本割れする
可能性がある
×
為替レートの
変動によっては
元本割れする
インフレ
リスク
(50代には
関係なし)
×
受取額が確定
しているので
インフレには
対応できない

インフレしても
運用実績が
その分よくなれば
対応できる

インフレにより
日本円が相対的
に安くなれば
対応できる


まずこの3つについて、どのように選ぶのがおすすめか、解説します。

ローンの支払いなど、残っているリスクの大きさで商品を選ぶ

50代の個人年金保険選びで重要なポイントが、個人年金保険でどのくらいのリスクを取れるのか、というポイントです。そしてそれは、家計が抱えているリスクとのバランスで決まります。


家計が抱えているリスクとは、子育てに必要なお金の目処が立っているかどうか、や、住宅ローンの支払いの目処が立っているかどうか、などがあります。


例えば、子育てがすでに終了している場合や、もう大学生になっており、必要なお金の目処が立ち、支払いえる見込みがある場合などは、家計のリスクが低いため、変額年金や外貨建て保険でリスクを取ることもできます。


また、住宅ローンをすでに完済していたり、払いきれる目処が立っている場合などは、同じく家計のリスクが低いため、変額年金や外貨建て保険でリスクを取ることもできます。


一方で、まだ子供が小さく、今後の教育費が不明瞭であったり、まだ払いきれるか分からないような場合や、住宅ローンが完済できるかまだ不安な場合などは、個人年金保険でリスクを取るのは危険なので、リスクの少ない確定年金に加入すると良いでしょう。


ご自身の抱えているリスクと、個人年金保険のリスクのバランスを意識して選ぶようにしましょう。

何歳まで働くかで、一時払いか全期前納かを選ぶ

次に、払込方法の選び方ですが、先ほど月払いよりも、一時払いや全期前納がおすすめと説明しました。


では、一時払いと全期前納はどちらが良いのでしょうか。


これは何歳まで働くつもりかによって答えは変わってきます。


一時払いと全期前納の違いは、利率と個人年金保険料控除の額にありました。


つまり、一時払いと全期前納のどちらがお得なのかを考えるには、それぞれの総額保険料の差額と、個人年金保険料控除の差額を比較することで、どちらがお得かを判断することができます。


当然、定年を早く迎える場合は、定年後所得がなくなるため、個人年金保険料控除の恩恵を受けにくくなり、一時払いがお得になりますし、長く働けば個人年金保険料控除の恩恵を大きく受けることになり、全期前納がお得になります。


そのため、何歳まで働くつもりなのか、その場合はどちらがお得になるのかを計算して、選ぶようにしましょう。

自分に合ったおすすめの個人年金保険を選ぶならプロに相談

ここまでで、50歳ならではの個人年金保険の選び方を見てきましたが、あくまでこれは目安であり、実際に自分に合った個人年金保険を選ぶのは非常に難しいです。


例えば、変額年金を選ぶ場合は運用実績が高い商品を選びたいところですが、どの商品が有望なのかは判断が難しいです。


また、外貨建て年金の場合は、為替リスクを勘案しなければいけませんが、向こう数年の為替予想ですら、非常に難しいことがお分りいただけると思います。


このように、入る商品タイプを選べたとしても、その先でさらに検討・比較が必要になりますし、各家庭や個人によって事情は様々のため、本当に自分に合った個人年金保険を選びたいなら、保険のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのがおすすめです。


FPに相談すれば、複数の個人年金保険を一度に比較することができますし、現在入っている保険や資産状況からぴったりの個人年金保険を提案してもらうことができます。


個人年金保険を検討している、という段階でも相談できるので、まずはFPに相談してみてはいかがでしょうか?

55歳から個人年金保険に加入した男性の体験談

過去にほけんROOMのサイトから加入された方の体験談です。


  • 55歳男性
  • 埼玉県在住の一般企業勤務、退職金あり
  • 貯蓄:700万円程度
  • 相談内容:銀行に預金している700万円程度の貯蓄を積立または投資をしたい。ただ、元手よりも減ってしまうリスクが少なくて、少しでも増やしたい。
    ちょっとネットで調べたら、一時払いの個人年金保険や養老保険がおすすめとのことが書いてあり、おすすめの商品があれば聞いてみたい。

FPの回答
まずは、将来の老後に必要な生活費、ご趣味等についてお話をお伺いしました。お子様が2人おり、2人とも成人されて独立されているということで、ご夫婦お二人の生活費のみで計算することになりました。老後は奥さんと2人で定期的に海外旅行もしたい、とのことでしたので、年間400-500万円の支出で計算しました。

次に、将来の収入について考えていきました。貯蓄状況や、退職金の金額、年金定期便について確認しました。年金については、満額もらえる状況でした。

奥さんも旦那さんも55歳ということで、今から個人年金保険や養老保険を検討するのは遅いのでは?と不安がっていらっしゃいましたが、全然遅くはありません。10年程度寝かしておける資金は500万円程度と話し合って決めましたので、一時払いで個人年金保険への加入をされました。元本保証の一時払いのなかで、おすすめの商品で調整させていただきました。

55歳加入でも全然遅くありませんので、ご相談がある方はぜひお気軽に。

50歳からのiDeCoやつみたてNISAはおすすめ?

個人年金保険について調べていると、個人型確定拠出年金(iDeCo)や投資信託(つみたてNISA)などをおすすめされることがあります。


iDeCoは掛け金が全額所得控除になるため、個人年金保険よりも節税面で効果が大きい商品です。


また、つみたてNISAは運用益が非課税になるので、大きな利益を産むことができれば非常にメリットの大きい商品です。


そして、iDeCoもつみたてNISAも利率が個人年金保険に比べて高いのが特徴です。


しかし、iDeCoやつみたてNISAは、変額年金や外貨建て年金以上に選ぶのが難しい商品で、正しい商品を選べないと元本割れするリスクが十分にあります。


また、iDeCoは60歳までしか拠出できないので、50代で始めるには積立期間が短くなりメリットの薄い商品になってしまいます。


個人年金保険と同様に、現在自分の抱えているリスクについて考えた上で検討し、どの商品が良いのかプロに相談してみましょう。

まとめ:50代からの個人年金保険はプロに相談!

老後が迫っている今、手元にある預金を少しでも老後に向けて積み立てることが重要です。


今回の記事では以下のポイントについて説明してきました。

  • 50代は個人年金保険の加入率が最も高い世代でおすすめ
  • 50代からの個人年金保険は、一時払いか全期前納で
  • 50代の個人年金保険選びは、自分の抱えているリスクから判断
  • 自分にぴったりのおすすめの商品はプロに相談して決める

50代からでも個人年金保険は遅くありません。むしろ、今こそ入るべき保険ということができるでしょう。

預金にしてしまっているお金はそのまま置いておいても増えることはありませんが、少なくとも確定年金であれば確実に増やすことができます。できるだけ早く、検討・相談することをおすすめします。

個人年金保険だけでなく、iDeCoやNISA・つみたてNISAなど、商品に迷ったり、老後の漠然とした不安を確かな安心に変えたい方は、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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