要注意!個人年金保険は払うときも、貰うときもかかる所得税に注意!

個人年金保険には4つの受け取り方がありますが、その方法に応じて所得税や贈与税が課税されることもあります。また、個人年金保険では貰う時にもこの注意を払わなければなりません。老後の大事な年金を確保するためにも個人年金保険と所得税の関係をおさらいします。

個人年金保険の満期金は所得税の対象

公的年金保険というのはその仕組み上、脆弱性を持っている保険でもあります。また、その取り扱う金額の大きさや公共性などを鑑みても十分に注意を払いながら運用していかないことにはその制度自体を継続させていくことはできません。

現に日本の公的年金についてはその限界を見え隠れするようなところがあります。2050年には労働人口1人が年金受給者1人を支えるようになるという推察もあります。

そのため、個人年金保険というものが必要になってきています。個人年金保険はあくまでも民間の保険会社が加入者から保険料をもらいその保険料を運用することで得た利益を契約者に還元していくという仕組みを持っています。


民間の企業はその利益追求により時には公的社会保険よりも手厚い保障をすることもあります。


その民間の保険会社が運営する個人年金保険には所得税が課せられる場合があります。これは個人年金保険を支払えるだけの能力があるので、その保険料に対しては所得としてみなしても問題が無いという判断になります。


個人年金保険による保険料が所得税として認められるのは保険料を負担している者と個人年金保険による給付金を受け取る者が同一の時です。

自身の所得を個人年金保険に投入し、その保険から報酬を頂く形をとるのでこれは所得税の課税対象となります。ちょうど会社の仕事をするという労務に対して支払われた報酬という対価に所得税が課せられる形と似ています。



保険料負担者と受取人が異なる場合は贈与税の対象

仮に個人年金保険の保険料負担者と受取人が異なる場合は所得税ではなく贈与税が課せられることになります。所得税とは受け取る形が異なっており、受取人は何ら対価を支払わずその報酬を受け取っていることからその報酬には贈与税というものが付加されます。

贈与税に関してはその資産を送った方が負担することになります。これは意図的に多額の資産を特定の人物に譲渡することでその者に支払い能力以上の税金を課すことになるためです。

一方で資産を譲渡した方にはその資産を持つだけの能力があり、よってその分の税負担能力も有していると判断できます。


個人年金保険ではその満期金の受け取りの際に所得税のみならず贈与税に関しても付加される恐れがあるものです。また所得税と贈与税では負担額が大きく変わってきます。

満期金の受け取り方が年ごとか一括かで所得税の種類が変わる

個人年金保険の特徴としてその満期金の支払方法が挙げられます。個人年金保険の場合では一括支給ではなく毎年少しづつ給付していく形式をとるところが多いです。そうすることで年間にもらうお金の総額が減り、あたかも年収が続くかのように装うことができるためです。

しかし、その個人年金保険の支払い方によっては所得税の種類が変わってきます。所得税の種類が変わることでその課税額も変わってきます。この点については非常に重要になってくるので他の保険についても十分気をつけてください。


また個人年金保険の受け取り形式は全部で4つあり、それぞれに特徴があります。年金形式(分割受取)・ 全額一括受取・一部一括受取・残金一括受取という4つの形式です。

この中でも年金形式が最も多くの保険金を受け取ることのできる受取方法です。たいして全額一括受取に関しては保険会社の負担が増えることから最も受取金額が少なくなります。

満期金を分割して年ごとに受け取る場合は雑所得扱い

最も多くの保険金を受け取れる年金形式で個人年金保険を利用した場合ではその受取金に関しては雑所得として考えられることになります。この雑所得を算出する式というのは
  • 1年間で受け取った年金額 - 必要経費である保険料(総払込保険料の1/10)

となります。この雑所得の金額に対する所得税の課税についてはその所得の取得事由から変わってくるものですが、この場合は生命保険契約での年金ですので総合課税されることになります。



雑所得金額を算出した後に他の所得と合算してその合計所得に見合った所得税を課すことになります。

例えば総払込保険料が360万円で一年間に116万円の支給を受けたとすると雑所得は80万円ということになります。これに各々の所得を加算することで所得税を算出することができます。

満期金を一括受取の場合は一時所得扱い

対して満期金を一括で取得してしまうとその受取金額が一時所得の扱いとなります。この一時所得の場合では一度に所得が急増してしまい納税者に対して必要以上の負担を負わせることになります。

そのため一時所得に対しては特別控除が行われます。それらを合算した金額が所得税対象額として認識されます。


一時所得に対する所得税対象額の計算式は次のようになります。


  • (満期保険金受取総額-払込保険料-一時所得の特別控除額50万円) /2


例えば満期金受取総額が1000万円、払込保険料が500万円であれば


  • (1000万円-500万円-50万円)/2=225万円

となります。この算出された225万円についてはそのほかの所得と合算して税率と控除額が決まります。


個人年金保険の保険料は所得控除を受けられる

個人年金保険の支払に対してはその保険料に対して所得控除を受けることができます。これは個人年金保険を生命保険の一種であるという判断ができることから生命保険料控除の対象となるためです。

この生命保険料控除となる保険はこのほかにもありますが、個人年金保険では所得税控除に対する制約が異なってきます。その条件の要点をしっかりと把握していなければ大切な年金を守らなければなりません。

所得控除を受けられる個人年金保険の条件

個人年金保険の保険料に対して所得控除を受ける場合は次の条件をクリアしておかなければなりません。
  1. 保険料負担者本人または配偶者
  2. 受取人が被保険者である
  3. 保険料支払期間が10年以上
  4. 確定年金の場合、受取開始は60歳以降で10年以上の受取期間がある

この条件を満たすことで対象となる個人年金保険に対しては税制適格特約が付き個人年金保険料控除を受けることができます。



また、この特約の対象外であっても生命保険料控除の対象となり所得税の節税が可能になります。

所得控除を受ける手続きの流れ

この所得控除を受けるためには税務署あるいはそれと同等のサービスを受けることのできる場所で申請する必要があります。

生命保険会社から10月から11月にかけて生命保険料控除証明書が送付されてきます。


会社員である場合は毎年ある年末調整時に生命保険料控除証明書を提出するともに所定の書類に記入し提出することで控除を受けることができます。


自営業の方は年末調整の代わりに2月中旬から3月中旬に行われる確定申告時に確定申告書に記入することで控除を受けることができます。

参考:個人年金保険の解約返戻金も所得税の対象

個人年金保険では一定期間を経ると一気に返戻率が高まる仕組みを持っています。その特徴を生かして解約し解約返戻金を受け取ることもできます。

この解約返戻金を受け取る場合でも保険料負担者と受取人が同一であれば所得税、異なっているのであれば贈与税がかかることになります。しかし実際には課税対象になることはあまりありません。


解約返戻金に関しては一時所得として認識されますが、その一時所得の計算式は


  • 総収入金額-収入を得るために支出した金額(注)-特別控除額(最高50万円)

となります。個人年金保険の解約返戻金が払込保険料総額を超えることはめったにありませんので課税対象になることは少ないでしょう。しかし、一時払いのタイプでは返戻率が上がってしまい総収入金額が支払保険料総額を超える場合がありますので注意が必要です。



また確定年金を5年以内に辞めると金融類似商品として扱われ源泉徴収の対象になることもあります。ここには一律20.315%(所得税15.315%、地方税5%)の税率による源泉分離課税が適用されます。

まとめ

個人年金保険というのは将来に備えた年金を積み立てるものであり、既定の時まで支払い続けなければなりません。しかし、そこには払う時およびもらう時に税金がかかることがあります。そのため支払いきれずに解約することもあります。

そういった状態にならないためにも税制上のポイントを押さえておくことが必要です。

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