個人年金保険の解約返戻金にかかる税金を簡単に見極める方法

個人年金保険の解約返戻金には条件を満たした場合、税金がかかります。また、本人が受け取るかどうかで税金の種類が異なり、契約の内容によっては金融類似商品と扱われ、課税方法が変わります。さらに個人年金保険料が所得控除の対象の場合、解約後は税金が増える場合もあります。



▼この記事を読んで欲しい人

  • 個人年金保険の解約を検討している人
  • 個人年金保険の解約時の税金について知りたい人
  • 個人年金保険を検討している人


▼この記事を読んでわかること

  • 個人年金保険の解約時にかかる税金
  • 実際の計算方法と税率
  • 解約時の税金に関する注意点

内容をまとめると

  • 個人年金保険の解約返戻金には受取人によって「所得税」か「贈与税」の対象となる
  • 契約者と受取人が同一の場合は所得税の一時所得が課される
  • 50万円以下は課税されないが20万円以上の所得になると確定申告は必要
  • 契約者と受取人が異なる場合は贈与税が課される
  • 個人年金保険の解約することで個人年金控除がうけられなくなるため普段の税金が増えてしまう可能性がある
  • 金融類似商品と認められると「分離課税」となり20.315%の税金がかかるので注意
  • 税金で困ったことがあればプロ相談を!おすすめは「マネーキャリア」

個人年金保険解約時に解約返戻金で利益が出たら所得税・贈与税の対象


個人年金保険を解約した際に利益が出たら税金がかかることはご存じでしょうか。


種類は2つあり

  • 所得税
  • 贈与税
のどちらかを支払うことになります。

2つの違いや控除額について理解しておかなければ、予想外の税金が発生してしまう可能性があります。

この項目では税金の判別方法や利率を紹介しますので、自分がどちらに当てはまるのかの確認をしてみましょう。

解約返戻金に課される税金の判別方法

まず前提として課税は利益がでた時のみです。保険料支払額より解約返戻金の額が下回れば問題ありません。


では課される場合の税金はどのように判別するのでしょうか。


判別方法はシンプルで以下の通りです。

  • 契約者と受取人が同一の場合=所得税
  • 契約者と受取人が異なる場合=贈与税

つまり契約者と受取人が同一異なるかによって税金の種類は変わるのです。

具体例を挙げると

契約者受取人税金の種類
所得税
贈与税
祖父贈与税

のようになります。


ちなみに夫から妻への贈与税は一般贈与、祖父から孫への贈与税は特例贈与と税率が異なります。特例贈与は直系尊属の場合に適応されるもので一般贈与よりも税率が低くなっています。

所得税・贈与税の利率一覧

所得税

課税される所得金額税率控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円 


贈与税

一般贈与財産用(兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合)】

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%-
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

特例贈与財産用(祖父から孫への贈与、父から子への贈与など)】

基礎控除後の課税価格 税率控除額
200万円以下10%-
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

引用:国税庁

個人年金保険の解約返戻金を本人が受け取る場合の税金

個人年金保険は将来の資産形成として契約することが多いため、契約者と受取人を同じにしているケースがほとんどでしょう。


契約時に定めた期間積み立てを行い、その資金を保険会社が運用することで満期時100%以上の年金受取ができるようになっているのが個人年金保険です。


このような商品の性質上短くても5年、基本的には10年以上の契約期間が長期間となります。そのため契約途中で急に資金が必要になり解約するということも起こりえるでしょう。


この解約返戻金は収入になるため税金が課せられます

解約返戻金の受取人が保険料負担者本人の場合は一時所得扱い


個人年金保険を解約し、その解約返戻金を本人が受け取る場合は「一時所得」として所得税の対象です。


再度になりますが契約者が個人年金保険契約に基づいて保険料を支払い、保険会社がそれを運用し、利益を上乗せして契約者に返還するのが個人年金の仕組みです。


本人が支払った以上の利益を得たのであれば、それは所得税の対象となります。


国税庁によると一時所得とは営利目的の行為で得た所得以外の所得で、仕事等の対価や資産の譲渡による対価ではない一時的なものとされています。


生命保険の一時金は例として明記されています。

  • 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除く)
  • 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く)
  • 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除く)や損害保険の満期返戻金等
  • 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除く) 
  • 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

一時所得・所得税の計算方法

一時所得の計算は

(総収入金額-収入を得るために支出した金額※-特別控除額50万円)×1/2


にて求められます。


※生命保険の場合は「解約返戻金(満期金)‐支払保険料の総額」となります。


下記にて詳しく説明しますが解約返戻金が課税対象になる場合はほとんどありません。そこで、ここではある保険商品を満期まで継続した場合のシミュレーションを使いどのような計算になるか見てみます。


総支払保険料が1260万円、満期金が1329万円の場合の所得税は(1329万円ー1260万円ー50万円)×1/2=9.5万円が課税対象となり税率表から税率は5%控除額はなしと分かります。


結果9.5万円×5%=4,750円が納税額となるのです。


ただし、実際は給料など他の所得と一時所得の金額を合計して課税所得を計算するため生命保険の一時所得のみで納税額は確定しません。

一時所得がある場合は確定申告が必要

生命保険の保険金の一時所得も確定申告が必要です。 

ただし、特別控除の50万円以内であれば課税はされません。 

一般的な給与所得者(給与の所得が2000万円以下)でも、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合は確定申告が必要です。 

課税対象にも関わらず届け出がなかった場合は税務署から無申告加算税が課せられます。 

無申告加算税は、納めるべき税額によって加算率が異なります。
利率
50万円以下15%
50万超え20%
仮に70万円の申告分を届けなかった場合50万円×15%+20万円円×20%=115,000円の追加分を払わなければなりません。

納めるべき税額によってはかなりの加算額となってしまいますので必要な場合は必ず申告するようにしてください。

ちなみに自主申告をすれば加算は5%になります。また
  • 無申告に正当な理由があること
  • 期限後申告日から過去5年間のうちに無申告加算税もしくは重加算税を課されたことがないこと
  • 期限後申告の後、税額を期日までに納付したこと
の項目に該当すれば無申告加算税が課されない場合もありますので解約返戻金を受け取った際の確定申告を忘れていた場合は自ら申告しましょう。

実際は解約返戻金が一時所得として税金がかかることはほとんどない

解約返戻金の税率について解説してきましたが、実際は解約返戻金に一時所得として税金がかかることはほとんどありません


個人年金保険は長期間運用を基本とするものなので一般的には10年程度運用をしなければ元本を上回りません。


保険会社は保険料から運営コストを差し引きますし、短期間では運用益もでないからです。


一時所得の税金は、解約返戻金(収入)から支払ってきた保険料(経費)を差し引きます。早期に中途解約した場合はそもそも支払保険料以上の金額は返ってきませんのでプラスになることがほとんどないのです


仮にこれがプラスでも特別控除の50万円を引き、更にそれを1/2した額が課税額となるので該当することはめったにないでしょう。

個人年金保険の解約返戻金を保険料負担者本人以外が受け取る場合の税金


契約者と受取人は同一が多い個人年金保険ですが、例外もあります


例えば

  • 専業主婦で配偶者に収入がない場合、将来に備えて夫が契約者になり妻を受取人にする
  • 祖父が孫のための学資保険代わりに加入する

などの場合です。


このように解約返戻金を契約者本人以外が受け取った場合、今度はその人が収入を得たことになり、税金の対象となるのです。

保険料負担者と受取人が異なる場合は贈与税

個人年金保険を解約してその返戻金が発生し、それを本人以外が受け取った場合受取人は何一つ出費をしてはいません。


契約者が契約期間に支払った保険料を、受取人が、解約返戻金という「プレゼント」でもらったような形になります。


つまり、個人年金保険契約者から受取人に解約返戻金相当の贈与があったとして、贈与税の対象となるのです。


一時所得の場合は解約返戻金が支払保険料を下回った場合税金はかかりませんが、贈与の場合は返礼率に関わらず税金が発生する可能性があることを覚えておきましょう。

贈与税がかかる場合の計算方法

贈与税は

(贈与を受けた財産の合計-基礎控除110万円)×税率

で求められます。


解約返戻金を350万円受け取った場合は350万円ー110万円=240万円が課税対象です。


税率表から利率は15%、控除額は10万円と分かるため(240万円×15%)ー10万円=26万円が納税額となります。


一般に贈与とは、もらう側がほとんど何も負担しないのにたまたま手にする収入とされます。そのため、税金としてはあまり控除枠が大きくありません。


同じ個人年金保険を解約して、解約返戻金の金額が同じであっても、本人が受け取る場合の所得税より多くの税金を支払うことがほとんどです。


中途解約した場合にどのぐらいの税金がかかってくるのか計算をしておかなければ、支払保険料プラス納税額で損をする可能性があります。110万円を超える場合は気を付けましょう


契約者と受取人を別の人に設定する場合には贈与税が発生する可能性があることを理解しておいてくださいね。

個人年金保険の解約で損をしたくないならまずは専門家に無料相談!

個人年金保険の解約で損をしたくないのであればまず専門家に相談しましょう


保険相談窓口の中でもおすすめは「マネーキャリア」です。


全国対応で何度でも相談は無料、スマホ一つで簡単に相談できます。契約件数は12,000件以上にのぼり、顧客満足度は驚きの93%を誇っている信頼できる保険サービスです。


解約する方は資金の捻出が必要なためという理由がほとんどですが、契約者貸付を利用する、家計の見直しを行い保険料の負担を軽くするなど解約以外の別の方法もあります。


熟練のFPがあなたのライフプランに合わせた提案をしてくれることでしょう。

個人年金保険の解約で普段の税金が増える可能性に注意



個人年金保険は個人年金保険料控除を受けることができます


条件は

  • 被保険者と年金受取人が同一であること 
  • 年金受取人が契約者本人または配偶者であること 
  • 保険料支払期間が10年以上であること 
  • 年金受取開始年齢が60歳以上であること 
  • 年金受取期間が10年以上であること
  • 保険料の払い込み期間が10年以上

等の規定がありますが、満たすことで一般の生命保険料と別枠で個人保険年金料控除が受けられます。


ところが解約してしまうと、生命保険料控除に該当する所得控除がなくなってしまいます。そして、結果的に支払う税金の額が増える可能性があるのです。


控除については

  • 平成23年以前の契約の場合
  • 平成24年以後の契約の場合
で異なりますので違いを下記で解説します。

平成23年以前の契約の場合

契約時期が平成23年以前の個人年金保険控除額については以下の通りです。

年間の支払保険料等控除額
25,000円以下支払保険料等の全額
25,000円超50,000円以下支払保険料等×1/2+12,500円
50,000円超100,000円以下支払保険料等×1/4+25,000円
100,000円超一律50,000円

所得税の税率が20%だとすると5万円×20%で1万円の税金がお得になっているわけです。


もし、個人年金保険を解約するとこの生命保険料控除枠を利用できなくなり、毎年の税金が増えることになります。

平成24年以後の契約の場合

契約期間が平成24年以降の契約については、所得控除の上限は4万円です(この年から、生命保険料控除に「介護医療保険料控除」が加わったため、従来の控除枠が少し小さくなりました)。


変更後は

年間の支払保険料等控除額
20,000円以下支払保険料等の全額
20,000円超40,000円以下支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円

となっています。


平成23年以前の契約でも、契約内容を平成24年以降に変更した場合はこちらの控除枠に該当します。


上記と同じく税率を20%で考えると8000円とメリットは少し減りましたが、それでも所得税を節税する効果は十分にあると言えるでしょう。


個人年金保険を解約すると、この分の税金の額が増えることになります。

金融類似商品とみなされる可能性も要注意

一般的に保険は金融商品ではありません。死亡や病気、あるいは老後資金がかさむ等のリスクに備えるためのものだからです。


しかし、個人年金保険をはじめとする貯蓄性の高い保険はその境目が微妙になることもあります。


これらの保険が一定の条件に当てはまる場合は、金融商品に類似したものとして税金が課せられます。この項目では

  • 金融類似商品とされる場合
  • 金融類似商品としてみなされた場合
の2項目について説明していきます。

金融類似商品に関する知識を持っておかなければ多くの税金が課される場合がありますので頭に入れておいた方が良いでしょう。

個人年金保険が金融類似商品とされる場合とは?

個人年金保険が金融類似商品とみなされる恐れがあるのは、一時払い」で「確定年金」で受け取るタイプの契約が

  • 保険期間が5年以内
  • 保険期間等が5年を超えるもので初日から5年以内に解約

の場合です。


ちなみに一時払いを詳しく説明すると

  • 契約日から1年以内に保険料総額の50%以上を払い込む方法
  • 契約日から2年以内に保険料総額の75%以上を払い込む方法

が該当します。


逆に言えば、これらに当てはまらなければ金融類似商品とはみなされません。


保険料が月払いや年払いである場合や、一時払いであっても終身年金である場合は該当しません

金融類似商品とみなされた場合は源泉分離課税

金融類似商品として取り扱われた場合、税金は利子所得同様に20%となります(内訳は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税を含める場合にはと20.315%)。


保険会社から受け取る前に源泉分離課税で徴収されます。


銀行などに預けていた預貯金の利子が既に税金を差し引かれているのと同じです。 


仮に300万円支払保険料に対し350万円の解約返戻金を受け取りがあった場合通常の一時所得では控除があるため税金がかかりません。


しかし分離課税は50万円×20.315%=101,575円となるためかなり大きな差がでてくることがわかります。


個人年金保険の場合は短期間で解約をすると元本を下回る可能性が高いのでそれほど関連性はありませんが、一時払い養老保険5年型などはこのケースに該当する可能性があります。


知識として覚えておくと良いでしょう。

個人年金保険解約時の税金に関するまとめ

個人年金保険の解約時の税金を中心に解説してきましたがいかがでしたでしょうか。


解約時には受取人によって「所得税」「贈与税」のどちらかがかされ、金融類似商品に該当すると「分離課税」として納税しなければなりません。


かかる税金によって納税額等も異なるため契約時にはどのような扱いになるのかしっかり確認しましょう。


もし税金で分からない点や悩んでいる点があればプロに相談することをおすすめします。


マネーキャリアをはじめとする保険相談窓口に問い合わせることで、プロが不安を解決してくれますよ


ほけんROOMでは、保険に関する記事が数多くありますので興味のある方は合わせてご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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