更新日:2017/11/20
生活保護受給者の介護保険料と介護給付費の負担割合について
生活保護受給者の介護保険の利用については、保険料や介護サービス費の負担割合はほとんどありません。生活保護受給者の介護保険の利用は負担割合がないため、過剰にサービス利用の要望がありますが、ケースワーカーやケアマネージャーなどの点検により適正な利用に努めています
目次を使って気になるところから読みましょう!
生活保護受給者の介護保険料の金額と負担割合について
生活保護受給者の介護保険料については、一定の年金受給額があったとしても、第1段階に設定されます。
生活保護受給者の介護保険料の負担割合については、その受給者の年金受給額又はその他の収入額により異なります。
ただ、全体としていずれかの扶助費が支給されています。介護保険料を支払う資力は確保されています。
介護保険料の金額について
生活保護受給者の介護保険料については、保険料の最も低い第1段階に設定されます。第1段階の保険料には減免制度もありますが、生活保護受給者には適用されません。
徴収方法については、通常のものと同様に、年金額によって特別徴収と普通徴収の2通りの方法で保険料の徴収が行われます。
介護保険料の負担割合について
介護保険料の負担割合については、年金受給額によって生活扶助費として支給される方は負担なしとなります。
一方で、生活扶助費を支給しなくても年金で支払える方は自己負担になります。
生活扶助費として支給される方については、本人同意を前提としますが、普通徴収の場合は生活保護費から直接介護保険に支払い、滞納がないように努めています。
一方で、生活扶助費対象外の方は、ご自身で支払います。
生活保護受給者の介護保険サービス費用にかかる負担割合について
生活保護受給者の介護保険サービス費用にかかる負担割合は1割です。
サービス費の支給は市町村が行いますので、ケアプランを作成する事業所は事前に市町村に対してサービス内容の確認の連絡を行います。
市町村から承諾を受けたうえで、サービスを受ける流れとなります。市町村からの承諾の際、介護居宅支援事業所に介護券等の書類が送付されます。
介護保険のサービス利用について
介護保険のサービス利用については、生活保護のケースワーカーとケアマネージャーと生活保護受給者が協議して、サービス内容を確定します。
介護サービスの過剰な供給があれば、市町村は支給制限をすることになりますが、介護保険については、介護度に応じたサービス支給制限がありますし、日常生活の中でサービスを支給制限すべきものも少なく市町村が制限をかける事例はほとんどありません。
介護保険のサービス利用についての負担割合
介護保険のサービス利用を行えば、費用負担が生じます。生活保護受給者の場合は負担割合は1割となります。
この1割の負担割合は生活保護の介護扶助費として市町村が支払うことになります。そのため、介護サービスを受ける際は市町村の承諾が必要になります。費用負担を市町村が行うため、高額介護サービス費も市町村と精算することになります。
生活保護受給者の介護保険の住宅改修や福祉用具の利用と負担割合について
生活保護受給者の介護保険の住宅改修や福祉用具の利用の際は、生活保護受給者は必ず生活保護のケースワーカーに相談することとなります。
ケースワーカーが点検することにより住宅改修や福祉用具を販売する事業者の意向が抑えられ、無駄な費用捻出は抑えられることになります。また、住宅改修や福祉用具の利用決定により負担割合分については、市町村が支払うこととなります。
住宅改修や福祉用具の利用決定について
住宅改修や福祉用具の利用決定の際は、生活保護のケースワーカーが自宅に訪問し、生活状況の聞き取りを行ったうえで必要性の有無を判断します。
当然現在の必要性の有無を検討しますが、身体状況が今後悪化することも踏まえて、利用枠を効率的に使用できているかという視点でも必ず点検します。
住宅改修や福祉用具利用にかかる負担割合
住宅改修や福祉用具についても、1割の負担割合については市町村が支払います。生活保護受給者は負担割合の支出をする必要がありません。
そうなると問題は、住宅改修工事や福祉用具の販売をしたい事業者と無料でサービスを受けたい生活保護受給者は過剰に申請を望みます。生活保護のケースワーカーが歯止めをかけて、将来への備えも計画を企てる立場になります。
生活保護受給者の介護保険制度の負担について
ほとんどの生活保護受給者は、実質的に介護保険の保険料や介護サービス費用の負担割合分の負担を行いません。費用負担がなければ、負担をする被保険者と比べてサービス利用に抵抗感がありませんし使える分だけ使う意識になってしまいます。
こういったことがないように、生活保護のケースワーカーやケアマネージャーなどが適正なサービス利用を提供していくように整理をする役割が求められます。
利用負担感からみた利用状況
サービス内容としては、ケアマネージャーが計画を企てて、サービスを受給する介護サービス費と比べて、住宅改修や福祉用具は過剰に利用希望の申し出があるものといえます。
生活保護のケースワーカーは高齢者に限らず多様な世代を相手に対応しているため、歯止めをかけきれないケースもあります。負担割合がなく利用負担感を感じないことへの歯止めはケアマネージャーがかけているのが実情です。
一般の被保険者との公平感
生活保護受給者と一般の被保険者との公平感の課題は、介護保険に限らずあります。医療費についても負担なく医療扶助が支給されますので、負担割合はありません。そのため、診療を過剰に行っているケースもあります。
介護保険については、負担割合がないといえども、利用枠が介護度によって制限されるため、ケアマネージャーの存在とともに歯止めをかける制度となっています。この点は医療分野と異なる点です。
まとめ
これらのように、生活保護受給者の多くが、介護保険料と介護サービスの負担割合がなく活用しています。ケースワーカーやケアマネージャーの歯止めがなければ、過剰にサービス利用を行う形になってしまいます。
今後、利用負担感を感じる制度設計を検討することも一つの方法といえます。負担割合がないことにより、生活保護を受給している方が有利だと感じない努力を関係者や制度設計により検討していく必要があります。