介護保険の負担割合は、世帯年収によってどのように変わるのか?

介護保険制度におけるご利用者の負担割合は、介護保険サービスを継続していく上では重要な要素になります。負担割合に関する条件は、単身世帯と複数世帯によっても異なります。実際に負担割合の違いはどのような条件で決まるのでしょうか?ご紹介していきます。

目次を使って気になるところから読みましょう!

介護保険の負担割合は世帯によって変わる

介護保険の負担割合は世帯収入によって変わるようになりました。

介護保険制度が始まった頃は、利用者の負担割合は一律1割負担でした。


しかし、制度開始後15年以上が経過し、介護保険で利用できるサービス種類やサービス事業者が増えてきたことと、高齢化率が伸びてきたことにより、介護保険制度を破たんさせないように、厚生労働省は介護保険法の改正と併せて財源圧縮を図るようになりました。



介護保険制度を守り続けるために財源の圧縮を図るとともに、一定の収入がある世帯からは利用者の負担割合を高くして、公平性を図ること、財力のある世帯の負担割合を高くして介護保険制度に貢献してもらうという動きが、この数年の間に、厚生労働省を中心に議論されてきました。

2015年までは全ての人の自己負担割合は1割だった

介護保険の負担割合は、介護保険制度が開始された2000年から2015年までの15年間は、世帯収入に関係なく、全ての人が自己負担割合は1割負担でした。

しかし、2015年の介護保険法の改正にともない、世帯収入の多い人の自己負担割合が2割負担となりました。


実施は2015年8月からとなっており、負担割合は1年ごとに見直しされる予定となっています。


したがって、今年の負担割合が2割であっても、世帯収入によっては翌年の負担割合が1割になる可能性も残されてはいます。



介護保険の負担割合は、負担割合証と呼ばれている、保険証に似たようなものがご本人宛てに送付されてきます。

そこに適用期間と割合が1割負担なのか2割負担なのかが記載されています。



現在の介護保険の自己負担割合

現在の介護保険の自己負担割合は、上述のとおり1割負担の人と、2割負担の人がいます。

1割負担の人においては厳密に言いますと、生活保護受給をされている人は負担割合1割分も公的給付で対応してもらえるため、実質ご本人の負担が無かったり、世帯収入が少ない人については利用する介護保険サービスによっては食費や居住費が安くなる(限度額を設けられる)制度もあるので、自己負担割合が1割の人の中にも、実際の負担の差が生じているのが、現在の介護保険の自己負担割合の実情です。


単身世帯で2割負担になる条件

介護保険の自己負担割合は世帯収入によって決まるとご説明してきました。

この世帯という考え方には、ご本人単身世帯であったり、夫婦世帯であったり、その他の家族含めた複数の家族世帯というような世帯構成の考え方があります。

世帯構成によっても介護保険の自己負担割合が1割になるのか2割になるのかに違いが生じてきます。


単身世帯で2割になる条件は、ご本人様の年金収入が単身で280万円以上の場合です。

もしくはご本人様が給与所得年間160万円+その他の収入の合計が280万円以上の場合です。


介護保険サービスを利用している人が、給与で収入を得るというのは現実的には考えにくいので、覚え方としては「単身世帯の場合は年間収入が280万円以上」と認識しておくとよいでしょう。


夫婦世帯で2割負担になる条件

介護保険の自己負担割合が、夫婦世帯で2割負担になる条件は、年間の世帯収入が346万円を超える場合です。

上記では単身世帯で自己負担割合が2割負担になる条件を「年間収入が280万円以上」とご説明しました。

確かに単身世帯では280万円以上が介護保険自己負担割合2割となりますが、夫婦世帯の場合は346万円以上となりますので、例えば夫婦世帯の夫の年金が年間280万円+妻の年金が年間0円だった場合は「280万円+0円=280万円」が夫婦世帯の年間収入となり、夫婦世帯の2割負担の条件である346万円を下回るため、自己負担割合は夫も妻も1割負担となります。

1割負担になる条件

介護保険の自己負担割合が1割負担になる条件は、上段でご紹介した条件に外れる場合となります。

確実に1割負担になる条件は、ご本人の年間収入が160万円未満の場合です。

これは、他にいかなる条件がつこうとも、介護保険の負担割合が1割負担になる確定条件です。


なお、生活保護受給をされている方についても上述で触れましたが、介護保険上の負担割合は1割負担となりますが、その1割負担が公的給付で対応してもらえるため、ご本人の負担は実質無しとなります。

2018年からは介護保険の自己負担割合が3割負担になる可能性がある

介護保険サービスを受ける側の間で、今、心配されているのが「2018年から、一部の人は自己負担割合が3割負担になる可能性がある」という点です。

しかし、全世帯、全員の人が対象ではなく、3割負担になるのは介護保険サービス利用者の約3%(全国で12万人程度)と予測されています。


この「介護保険の自己負担割合を一部の人に3割負担とする」内容は、現段階では見通しの段階であり、確実に実行されるかは未定ですが、2017年5月の参議院本会議では可決されています。

3割負担になる人の条件

確実に実行されるかは現段階では未定ですが、介護保険自己負担割合が3割になる人(世帯)の条件は、単身世帯で年間収入346万円以上と言われています。

介護保険業界では「現役世代並みの収入を得ている人」というような言い方をしています。

年間収入が346万円以上の介護保険サービス利用者は今後の動向に注意してください。


しかし、それ以外に付加される3割負担の条件は現段階では明らかになっておらず、介護保険法という法律に明記されているわけではありません。


厚生労働省は「省令で定める」というようなことも言っておりますが、現時点では定かでないということをお伝えさせていただきます。


まとめ

介護保険の負担割合は、世帯収入によってどのように変わるのか、その条件等についてご紹介してきました。

現行では介護保険負担割合が1割の人と2割の人がいますが、2018年の介護保険法の改正の内容によっては今後3割負担の人及び対象世帯が発生する可能性があります。


一方で、介護保険の負担割合は毎年送付されてくる負担割合証によって定められますので、年間収入に増減がある人(世帯)によっては負担割合が毎年変わる可能性があります。



負担割合が現在2割の人や今後の介護保険法の改正によって3割負担になった人で、疑問がある人(世帯)は、お住まいの市区町村の介護保険課などに問い合わせていただくことをおすすめします。





この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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