介護保険の住宅改修を活用して、よりいっそうお風呂に入りやすく

介護保険制度上、お風呂における住宅改修を行う場合、利用者負担や利用上限額があります。これらを想定したうえで制度を活用することとなりますが、お風呂においては、住宅改修だけでなく、介護保険の福祉用具を活用すると、よりいっそうこれらの効力が増すこととなります。

介護保険でお風呂を住宅改修する場合の一部負担額や利用上限額について

介護認定を受けた方は、自宅のお風呂を利用する際、足を滑らせることや力を入れて扉を開けることに不安を感じる方が多いです。


 介護保険の住宅改修制度を活用して、お風呂の壁に手摺を設置したり、扉のノブをレバー式に変更したり、扉を折れ戸に変更したりすることができます。こういった工事については、一部負担額や利用上限額が定められています。

住宅改修工事の一部負担額について

住宅改修工事については、全額を介護保険が負担してくれるわけではありません。通常の介護サービスと同様に1割又は2割の自己負担が必要となります。


一定の場合を除いて、工事施工時に負担割合分だけを支払えば残額は住宅改修を取り扱う事業者が一時負担をしてくれるため、負担感なく制度を活用できます。

住宅改修工事の利用上限額について

住宅改修工事は、介護認定を受けて、一部負担額を支払えばいくらでも利用できるものではありません。改修工事費用20万円を上限として、活用いただくことができます。


 1割負担の方は18万円の保険給付、2割負担の方は16万円の保険給付を受けることができます。介護認定の変更や転居を理由として介護保険の制度上再度20万円の枠を付与される場合もあります。

お風呂の住宅改修後に介護保険の認定変更や転居した場合の再利用について

お風呂場における住宅改修工事をする際に、介護保険の住宅改修を利用したが、その後介護認定が重くなり従来の仕様では使用が難しいとき、転居のため工事をした資材を新居で使用できないときがあります。 


こういった場合を想定して、住宅改修費用の20万円の上限額を再度設けることができる制度があります。日常生活を支えるうえでは欠かせないものとして活用されています。

介護認定が重くなった場合の再利用

介護保険における介護認定が重くなった場合は住宅改修改修費用の上限を再度設けることができる場合があります。この制度を利用できる場合は限られており、具体的な基準としては、要介護度が3段階以上上がった場合に適用されます。


 例えば、住宅改修を利用した際は要介護度1だった方が直近の介護認定において要介護度4か5の認定を受けた場合です。こういった場合は自動的に上限額が20万円に戻ります。

転居により再度住宅改修が必要な場合

転居の場合も同様に、介護保険制度上、住宅改修費用の上限額が20万円に戻ります。この場合は、単に住んでいる実態が異なるだけでは上限額は戻りません。


住民票上の住所を異動することにより、介護保険において転居したことが認められますのでご注意ください。住民票を異動したあとは、再度業者と相談のうえで、新たな介護保険の改修工事が行えます。

介護保険によるお風呂の住宅改修を行う場合の事例について

介護保険でお風呂を住宅改修する事例は多数あります。高齢者にとってお風呂は滑りやすく危険です。


体を支えてくれるための手摺の設置や扉の開閉を楽にするためにドアノブの交換や扉の付け替えが必要になる事例が大変多いです。具体的な工事の事例についてご紹介させていただきます。

お風呂の手摺の設置について

お風呂の手摺の設置事例は大変多いです。よく設置される事例としては、お風呂の入口付近や出口付近、浴槽に入る際に手が届く位置の壁などが多いです。これらにすることは、段差のある場所を行き来する箇所に設置することです。


お風呂から隣の部屋に出る際の段差を跨いだり、浴槽に入る際に段差を跨いだりするような形です。こういった場合は下半身で踏ん張るため、床で足を滑らせる危険性が高く、手摺の補助が必要になります。

お風呂の扉の改修について

お風呂の扉の住宅改修も、介護保険制度を活用される事例が多いです。お風呂のドアノブを通常のものからレバー式に変更したり、開き戸を折れ戸に変更したりする工事事例が多いです。


 これは、介護認定が高くなり、手に力が入らないことが要因です。必要以上に力を入れると、足を滑らせて転倒する場合もあるので扉の改修も重要な役割を果たしています。

住宅改修とともに活用する介護保険メニュー

介護保険の制度において、お風呂の住宅改修工事はとても重要です。これと合わせて活用するとお風呂での転倒防止ができる用品があります。これらは単独でもその効用を発揮しますが、手摺や扉を活用することにより入浴生活の幅が広がります。


 それは、介護保険の福祉用具です。具体的には、転倒防止のためのすのこの使用や浴槽内や洗い場で活用できるシャワーベンチなどがその例です。

転倒防止のためのすのこの利用

転倒防止のためのすのこは、介護保険上の介護認定を受けた者にとって欠かせないものです。多くの事例では、座っている状態から立ち上がる際は、すのこと手摺を使います。


また、お風呂から出る際もすのこで足を滑らせなくしたうえで、扉の開閉を行います。これらの行動を介護保険の住宅改修や福祉用具を活用することで、出来る限りご自身で行動できることとなります。

浴槽を出入り時に使うシャワーベンチの利用

また、お風呂の浴槽内外で使用できるシャワーベンチも手摺とともに使うことで、浴槽から出入りする際にご自身の力で出入りできるように補助するものです。 


住宅改修工事で手摺を取り付ける際は、こういった福祉用具の貸与や購入をあらかじめ想定したうえで行うことができれば、より効率的な介護保険制度の活用が図れます。

まとめ

自宅でお風呂に入るために、介護保険のメニューにある住宅改修や福祉用具を活用して、少しでもご自身で入浴できる環境を整えてあげることが重要です。 


一方で、1割又は2割の費用負担をすれば、何でも購入できるわけではありません。住宅改修の上限額は20万円を上限と設定し、福祉用具の上限額は10万円です。そのため、限られた枠の中で効率的にメニューを選択し、ご自身で動ける幅を広げてあげることが重要です。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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