介護保険の住宅改修費償還払いをする際に注意すべき点を説明します

介護保険の住宅改修の償還払いの制度の利用について申請から住宅改修完了後の償還払いまで注意すべき点を項目ごとにまとめています。大切なのは介護保険の制度に通じたケアマネージャーや建築業者にしっかりと事前に相談して行うことです。

介護保険の住宅改修償還払いとは

皆さんのご家族やご親族に介護保険でのサービスを受けている方はおられるでしょうか?


ご高齢になられた方がけがや病気で入院されたとします。

入院する前まではとてもしっかり歩いていたのに退院した途端、家の玄関のあがりかまちが上がれなくなったりお風呂の浴槽のふちが越えられず入浴できなくなったりしてしまいます。


お元気な時には全く問題のなかった日常が、病気やけがをきっかけに不自由なものになってしまう。そんな困難な状況をサポートするのが介護保険です。 


介護保険のサービスにはデイサービスや訪問介護など様々なサービスがありますが、その中に住宅改修があります。

住宅改修とは文字通り今住んでいる住居を改修するサービスです。


住宅改修償還払いというのは一旦住宅の改修にかかったお金を全額工事を施工した業者さんに払い、後日介護保険で給付が承認された分のお金を返してもらう制度です。






介護保険の住宅改修では事前に市区町村に申請を出し償還払いをする

介護保険で住宅改修を行う場合、住宅改修をされる対象の方は事前に市区町村の介護保険の窓口(おもに介護保険課と呼ばれている場合が多いです)に指定の書類を申請し、住宅改修着工前に許可を得る必要があります。

多くの自治体の場合申請時に改修代金の見積りを提示しますから、この時点であとからいくら償還払いされるのかの確認ができます。


介護保険でのサービスのほとんどは実際にかかった代金の1割が自己負担となります。


ただ一部のサービスによっては申請の金額に上限が設けられています。住宅改修の場合介護保険で申請できる上限は20万円です。この場合の還付代金は9割の18万円になります。つまり償還払いしてもらえるお金は18万円までということになります。

介護保険の住宅改修償還払いの流れ

それでは実際に介護保険での住宅改修償還払いの流れを順を追ってみていきましょう。

要介護認定を受ける

まずは実際に住宅改修を行った後に利用される方が事前に要介護認定を受けていなければなりません。

要介護認定は要支援1~2要介護1~5まで7段階に分かれます。


実際の認定は市区町村への申請が必要になりますが、多くの場合ケアマネージャーが申請のほとんどを行ってくれます。


ケアマネージャーは自動的に決まるのではなく利用される方もしくは家族の方や代理の方が探して、選んでいただく必要があります。


要介護認定を申請してすぐに決定は出ません。市区町村にもよりますがだいたい申請してから約1か月ほどかかることも多いようです。


要介護認定中に住宅改修を着工することも市町村によっては出来る場合もありますがもし仮に要介護認定がおりず、「自立」と判断されてしまった場合は償還払いを受けることはできません。

ケアマネージャーに相談する

介護保険での住宅改修を行う場合にかかわらず介護保険のサービス全般においてケアマネージャーの関与は必須です。

通常ケアマネージャーは利用される方のお身体の具合を考慮して工事内容を検討したり、工事業者と行政との調整などさまざまな場面での関わってくださいます。

主に住宅改修でケアマネージャーに相談すべき部分は

  • 手すりの位置や高さ等のアドバイス
  • お風呂や玄関の段差の解消にかかわるアドバイス
  • 場合によっては理学療法士などの専門職の助言を依頼
  • 介護保険での住宅改修に精通した業者の選定
以上のことなどを相談されると良いでしょう。

また介護保険で適用される住宅改修の工事内容はかなり限定されています。適用外の改修を行ってしまうとあとで償還払いを受けることができない場合があるのでケアマネージャーとよく相談しましょう。

住宅改修が必要な理由書の作成

介護保険の住宅改修では工事内容の決定後「住宅改修が必要な理由書」の作成が必要です。(以下 理由書)

理由書の作成はどなたでもできるわけではありません。ケアマネージャーや福祉住環境コーディネーターなどの資格を持った方でないとつくることができません。

建築業者の決定

通常の家の改修と違い、不自由な身体に合わせた工事です。

建築業者を選ぶことは今後にとっても非常に重要です。

建築業者は下記を基準に選ぶと良いでしょう。

  • 身体に合わせた手すりや段差の高さを選定できるか
  • 利用者の疾病や身体の状況を把握できているか
  • 介護保険での住宅改修にくわしいか
  • 事前に図面等で詳しく工事内容を説明してくれているか
  • 提示された見積もりの内訳はわかりやすいか
くれぐれも金額だけで決めてはいけません。

また償還払いの仕組みを理解しているかも大切です。業者さんによっては工事見積にない改修を追加で行ってしまい償還払いができなくなってしまったケースもあります。


申請書の提出

市区町村へ申請する書類は通常下記が必要です。

  • 介護保険住宅改修申請書
  • 住宅改修の見積書
  • 住宅改修の図面
  • 改修場所の写真(日付入り)
  • 住宅改修が必要な理由書
  • 償還払い用口座記入用紙(申請書に記載する場合もある)
  • 印鑑
市区町村によって他の資料をもとめられる場合もあります。

上記書類をそろえて介護保険課へ提出します。


市区町村の審査

提出された書類をもとに市区町村の介護保険課で審査があります。

この場合の日数は市区町村によってかなりばらつきがあり当日窓口で許可がでる市区町村もあれば1か月ほど待たされる市区町村もあります。

住宅改修の実施

許可がおりてから住宅改修の実施(工事着工)を行います。

改修工事は図面や見積もりの通りに行う必要があります。勝手に内容を変更したり追加したりすると介護保険での償還払いが受けられなくなる場合があるので注意が必要です。

工事完了

工事完了後、申請された見積りと図面通りできているかを確認します。

基本的に工事完了後の写真(日付入り)をとらなくてはいけません。多くの場合は建築業者が写真を撮ってくれるはずです。

工事代金の支払い

問題なく工事が終了した後に工事代金を建築業者へ支払います。

必ず領収書をうけとってください。工事完了後償還払いの申請に必要です。

区への住宅改修費の支給申請手続き

工事完了後の区への住宅改修費の申請には通常下記が必要です。

  • 住宅改修完了届(市区町村指定の用紙がある場合)
  • 工事完了後写真(日付入り)
  • 領収書(明細書)
  • 返金先口座番号(完了届に記入する場合が多い)
  • 印鑑

住宅改修費の支給

工事完了後の申請を行ったあとに市区町村にて審査が行われます。

審査終了後に住宅改修費として申請した内容の9割が償還払いされます。(最大18万円)

多くの場合は完了届もしくは申請書に記載した口座へ振り込まれます。

償還払い以外の支払い方法

以上が償還払いの説明です。

介護保険での住宅改修の場合償還払い以外の工事代金の支払方法に「受領委任払い」という制度もあります。

受領委任払い

「受領委任払い」とは工事に実際にかかった金額のうち介護保険で認められた工事金額の1割のみ支払えばいいという大変ありがたい制度です。

ただし、すべての市区町村にあるわけではなく一部の市区町村で運用されています。また、償還払いでの申請に比べて許可が遅くなる場合もあります。


とはいえ、利用者の負担を減らすことのできる制度ですから利用できる自治体の場合は申請方法などを確認するとよいでしょう。


まとめ

以上が介護保険で住宅改修償還払いの説明です。

いろいろと制約の多い制度ですので介護保険に通じたケアマネージャーもしくは建築業者さんとしっかりと打ち合わせを行い申請していくことが大切ですね。

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