介護保険を活用して住宅改修を考える~追加された給付種目~

介護保険では住みやすい環境を整えるため、住宅改修・福祉用具レンタルのサービスがあります。介護の必要性を検討し、対象種目も追加されてきました。新しく追加された住宅改修・福祉用具レンタルについて確認し、介護保険を上手に利用していきましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

介護保険の住宅改修に6種目が追加された

年を重ねるとともにできていたことができなくなる。使えていたものが使えなくなる。

当たり前のことですが、自宅で生活するために暮らしやすい環境を整えることが必要になってきます。


介護保険は平成12年4月から始まった社会保険制度です。

介護が必要になったときのサービスの1つとして住宅改修・福祉用具レンタルがあります。

3年に1度その時代に合わせて見直されてきました。


平成24年4月からは、住宅改修・福祉用具レンタルに計6種目が追加されました。

今まで認められていたサービスのほか、住宅改修の考え方、新たに加わった6種目について

詳しく見ていきましょう。



介護保険の住宅改修とは

介護保険では、要支援や要介護が必要になったとき、住宅の不都合な部分を改修したり、福祉用具のレンタルで補い、利用者が生活しやすく、また介護者が介護しやすい住環境を整えることを目的としています。


住宅改修は、介護保険の居宅サービスに分類されます。

そのため、要支援や要介護の認定を受けている方であっても介護保険の施設サービスを

利用している方は利用できません。


 介護保険の中で利用できる住宅改修

  1. 手すりの取付け
  2. 床の段差の解消
  3. 床または通路面の材料の変更
  4. 扉の取替え
  5. 便器の取替え
  6. 1~5までの工事を行う上で必要になる工事

 

 介護保険で支給されるお金

介護保険の認定を受けている方であれば、20万円まで支給の対象になります。

20万円のうち、自己負担は個人の負担割合によって異なりますがⅠ割または2割です。

1回の住宅改修で限度額20万円を利用することができます。

また限度額が残っていれば住宅改修が必要になったときに追加で利用することもできます。

 

 ~例1 玄関やお風呂に手すりをつけた場合~

  合計で8万円の費用がかかったとします。

 ●個人の負担は1割の方であれば8千円

        2割の方であれば1万6千円 の負担で済みます。

 ●限度額20万円を考えると

      20万円-8万円=12万円

  ※次に住宅改修が必要となった場合、12万円を利用することができます。


 ~例2 和式便器から洋式便器へ変更した場合~

  合計で30万円の費用がかかったとします。

  限度額は20万円のため、20万円は介護保険が利用することができますが

  限度額を超えた金額、今回の工事においては10万円は最初から実費負担となります。

 ●個人の負担は1割の方であれば2万円+実費分10万円=12万円

        2割の方であれば4万円+実費分10万円=14万円  の負担となります。

 ●最初から限度額を超えた場合は、限度額分のみ介護保険の対象となり、超えた部分は

  実費扱いになります。

  ※次に住宅改修が必要となった場合、限度額が残っていないため利用できません。

   (例外の対象となる場合は再度20万円まで利用可能です。)


原則は一生に1回、1人につき20万円が支給限度額となります。

例外として、下記の場合は再度支給の対象になります。

①要支援・要介護認定区分が3段階以上あがったとき

②転居した場合 


その他住宅改修の費用に関しては、介護保険制度以外でも市区町村独自の助成制度を

設けている場合があります。お住まいの市区町村窓口で問い合わせてみて下さい。


介護保険の福祉用具レンタルとして追加された3種目

  1. 「介助用ベルト」を「特殊寝台付属品」の対象種目に追加
  2. 「特殊尿器」を対象種目に追加
  3. 「便座の底上げ部材」を特定福祉用具販売の「腰掛け便座」の対象種目に追加

介助用ベルト

平成21年の介護保険改正の際、入浴用介助ベルトが入浴用補助用具として販売対象になりましたが入浴以外で使用するものについて対象にはなっていませんでした。

今回の改正によりベッドで移乗に用いる用具として特殊寝台付属品と位置付けられました。

入浴用の介助ベルトに関しては引き続き、他の人が使用したものを再利用することに心理的な抵抗感がともなうものと考えられ、販売種目となっており、変更はありません。

特殊尿器

特殊尿器とは、センサーで尿を検知し、真空方式で尿を吸引するものです。

今回の改正により、自動排泄処理装置の本体のみが福祉用具レンタルとして対象種目に追加されました。

特殊尿器に使用するバケツや排泄物が通るホース部分など衛生上他の人と共有することが馴染まないものとして引き続き購入対象です。

また尿取りパットや紙オムツなど消耗品も従来通り介護保険の対象とはなりません。

腰掛け便座の底上げ部材

古い住宅ではトイレが和式便器のところも少なくありません。そのため、和式便器の上に置いて洋式便器のように腰掛け式に交換する製品について、腰掛け式に交換する場合の高さ調整するものも含めて特定福祉用具販売の腰掛け便座が対象種目に追加されました。

今回は和式便器をそのまま利用して腰掛け式便器に交換することが新たに追加になりました。

従来通り和式便器から洋式便器等への便器の取替えは住宅改修として販売品目となっています。

介護保険の住宅改修の対象として追加された3種目

  1. 従来の段差の解消に加えて「通路等の傾斜の解消」が対象種目に追加
  2. 「扉の撤去」のみの場合も「扉の取替え」の対象種目に追加
  3. 「段差の解消」に付帯して必要となる工事について、「転落防止柵の設置」を対象種目に追加

通路等の傾斜の解消

傾斜のため車イス走行が困難な場合にその傾斜を解消する工事が段差の解消の対象種目に追加されました。

扉の撤去

従来は扉の撤去の際、引き戸などへの新たな扉に取替えがないと給付の対象にならなかったが今回の改正で扉の撤去のみも扉の取替えとして対象種目に追加されました。

転落防止用柵の設置

スロープの設置に伴う転落や脱輪防止の目的とする柵の設置が住宅改修に付帯して必要となる段差の解消の工事として対象種目に追加されました。

まとめ

介護保険では、平成27年4月より新たに下記の3種目が追加されています。

  ①介助用電動車イスを福祉用具レンタルの対象へ 

  ②腰掛け便座について水洗ポータブルトイレを福祉用具購入の対象へ 

  ③便器の位置・向きの変更を住宅改修の対象へ 

また追加が考えられているものが、住宅改修6件、福祉用具レンタル10件あります。

その中には介護ロボットについても話し合われています。


住み慣れた地域で生活を続けていけるように住宅改修・福祉用具レンタルについて制度は進化

しています。介護保険を利用して介護する側も介護される側も安全な暮らしについて考えていきたいものです。



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