介護保険利用者が、最高のケアマネ(ケアマネージャー)を選ぶために

介護保険を使うにあたって、まず利用者はどんなケアマネ(ケアマネージャー)を選べば良いのでしょう。ケアマネ次第で介護保険利用者の生活は大きく変わります!ケアマネ(ケアマネージャー)の正しい選び方について、その具体的な業務内容から考察していきたいと思います。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

介護保険のケアマネ(ケアマネージャー)に関する全ての情報

ケアマネ(ケアマネージャー)は、「介護支援専門員」ともいいます。


ケアマネージャーは、介護保険サービスを使うには欠かせない「ケアマネジメント」を担う立場にあります。


まずはこのケアマネジメントと、それにまつわるケアマネージャーの具体的な業務についてご説明していきたいと思います。

介護保険制度におけるケアマネ(ケアマネージャー)の役割

では「ケアマネジメント」とは、どういうものなのでしょうか。 


具体的には以下のようなことを行います。


  • 介護に関する相談の受付
  • 本人や家族の状況や希望に沿った「ケアプラン」の作成
  • ケアプランに基づき、サービスを提供する事業所などとの連絡と調整 
  • 実施したサービスを評価し、必要に応じて見直す

ちなみにこのケアマネジメント、実は利用者本人や家族が行っても問題ありません。


しかし専門的な知識とかなりの手間が必要です。


そもそもケアマネジメントにかかる料金はすべて介護保険でまかわれるため、ケアマネジャーに依頼しても無料です。


よほどのこだわりがある人を除き、介護保険を利用している人のほとんどはケアマネジャーに依頼しています。 



ケアマネジメントのもっとも大変なところは、 


「本人や家族の希望をきちんと取り入れる」 


「実際に効果が上がるようなサービスを、ルールの中で提供する」 


この両方を実現しなければならないということです。


そこがケアマネジャーの悩みどころでもあり、やりがいでもあるのです。 

ケアマネ(ケアマネージャー)になれる人

ケアマネージャー(ケアマネ)になるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。

さらにその試験を受けるにあたっては、一定の受験資格が必要です。 

介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格

ケアマネ(ケアマネージャー)自体は国家資格ではありません。

しかし受験要件として、


  1. 特定の福祉施設・介護施設・障害者施設などでの相談業務に、通算して5年以上(かつ900日以上)従事している 
  2. 特定の国家資格にもとづく業務に、通算して5年(かつ900日)以上従事している

のどちらかを満たさなければなりません。 



条件2に該当する国家資格は


医師・歯科医師・薬剤師・助産師・看護師・准看護師・保健師・介護福祉士・社会福祉士・理学療法士・作業療法士


など、いずれも保健・医療・福祉に関する21資格です。



お医者さんがケアマネジャーの資格とってどうするの?


と思われるかもしれませんが、副業としてケアマネジャーをしている医師もいます。


自分の患者の意見書とケアプランを作成し、自分の病院のデイケアに通わせているような感じでしょうか。


すべてのサービスが一体化しますので、効率的ではありますね。



ちなみに上記の受験資格は平成30年度からのもの。


平成29年度までは上の条件に加えて、


  • 介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)の資格で5年間介護に従事 
  • 無資格で10年間介護に従事 

という条件でも受験できたのです。 


試験自体の合格率は1〜2割とけっこうな難関。 


そして合格後「介護支援専門員実務研修」という87時間もの研修を終え、ようやくケアマネジャーの実務につくことができるわけです。  

ケアマネ(ケアマネージャー)によって異なる得意分野

同じケアマネジャー資格保持者でも、そのルーツにより得意分野は異なります


たとえば前出の21種類の法定資格を持つケアマネジャーについて考えると、 


  • もともと看護師資格→医療関連
  • もともと理学療法士・作業療法士→リハビリ関連
  • もともと社会福祉士→福祉に関する相談全般 

など、介護保険以外の分野においてもプロフェッショナルであるといえるのです。



介護保険のケアマネ(ケアマネージャー)の仕事内容

介護保険のケアマネ(ケアマネージャー)は、具体的にどんな仕事内容なのでしょうか。


多岐にわたるそれらの業務にについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

要介護認定業務

介護保険サービスを使うには、要介護認定を受けなければなりません。


要介護認定は、その後の介護保険サービス全体に大きな影響を与えるとても重要なプロセスです。 


ケアマネ(ケアマネージャー)は利用者本人や家族の意思を聞いた上で、新規・更新・区分変更申請について適切な助言を行います。


また更新申請を忘れないよう注意することはもとより、必要に応じて申請代行も行います。


場合によっては認定調査に立ち会い、援護射撃もします。


またケアマネジャー自身が市区町村の委託を受け、認定調査員として出向くこともあります。 

ケアプランの作成や給付管理

給付管理の具体的な内容としては、 


・1ヶ月単位で介護保険サービスの利用予定(ケアプラン)を作成する


・サービス提供後に、実施した内容を確認する


・国民健康保険団体連合会に必要書類を送付し、請求する 


という流れになります。 


介護保険サービスの料金は、1割または2割の自己負担以外は給付されています。


給付管理とは、その給付金をもらうための大切な業務なのです。 

利用者とサービス事業者の間の調整役

たとえば、ヘルパーとデイを利用するというケアプランを立てたとします。


しかしそれを提供する事業所は山ほどあります。 


本人や家族が目的にぴったり合った事業所を探すことは難しいでしょう。


そんなとき、ケアマネ(ケアマネージャー)が事業所の情報を利用者に提供するのです。



また、利用者さんは事業所に要望やクレームを直接言にくいこともあります。


たとえ「ヘルパーさんの作る味噌汁の味が薄すぎる」というような些細なことであっても。 


そんなときはケアマネージャーが代わりに伝えたり、逆に事業所の考えを利用者に伝えて解決に導くのです。

ケアマネ(ケアマネージャー)の仕事は多岐にわたる

他にもケアマネジャーの仕事は、

・利用者宅への訪問


・市区町村への書類提出


・介護保険関連の研修会への参加


・新規利用者への対応


などがあり、息つくひまもなく1ヶ月が過ぎていきます。

介護保険のケアマネ(ケアマネージャー)選びのポイント

では自分に合ったケアマネ(ケアマネージャー)とは、どんな人のか?

選ぶときに、特に注目したいポイントについてお伝えします。

経歴や資格からケアマネ(ケアマネージャー)の得意分野を知る

前出のように、ケアマネには経歴や資格からそれぞれ得意分野があります。 


医療処置が多く必要な方は看護師ケアマネ


リハビリをがんばりたい方は理学療法士ケアマネ


を選択するなど、自分に必要なサービスについて強いケアマネを選ぶことは重要です。 


知識が深いことのみならず、関連事業所に顔がきくのも大きな利点です。



ただ、この「顔がきく」というのと、自分の関係者に利益をもたらそうとする「ひも付きケアマネ」の境界線は曖昧なところがあるのも事実です。 

利用者と事業者のパイプ役として中立性を保てる人か判断する

ケアマネ(ケアマネージャー)が所属する「居宅介護支援事業所」には、老人ホームやデイサービスなど同じ母体の別サービスが併設されていることが大半です。


自分の会社の業績アップのために、むりやりケアプランに自社のサービスを組み込むケアマネも多くいます。


さきほど出てきた「ひも付きケアマネ」ですね。


しかしそんなとき、あくまで中立的な立場で提案をしてくれるケアマネは信頼できると思っていいでしょう。 


本当にこの人のためになるサービスを提供したい。


その視点がブレないケアマネこそ、その名に恥じない「ケアマネージャー」なのです。

ヒアリング能力とアイデア力を見る

当然のことですが、 
  • 利用者や家族の話を聞かない
  • 一方的なケアプランを押し付けてくる

こんなケアマネは論外です。


また介護保険サービスの知識が豊富なだけでは、ケアマネジャーとしては未熟です。


介護とは、利用者にとっては生活そのもの。


教科書通りの対応にとらわれない、柔軟なアイデアを持つケアマネは貴重です。



こんなケースがありました。



Aさん(82歳・要介護1)は、歩行不安定で認知機能も低下しています。


こっそり奥さんの財布から金を抜き、パチンコに使ってしまいます。


奥さんと娘さんが責めても、怒鳴って暴力を振るう始末。 


毎日世話をする奥さんは疲れきっていました。 


そこでケアマネジャーが勧めたのは、なんと「カジノ型デイサービス」。


デイサービスを嫌がっていたAさんも、パチンコがあるならと了承しました。 


「ギャンブル依存症がひどくなるんじゃないの?」


と娘さんは納得いかないようでしたが、 


「とにかく安心して預けるところがあるのなら…」


という奥さんの一言で利用が決まりした。 



その後数ヶ月間で、Aさんに劇的な変化が現れました。 


表情は明るくなり、いつも穏やか。 


奥さんに思いやりの言葉をかけるまでになったのです。 


友人もできて、デイサービスに行く日を心待ちにしています。 


昔の父に戻ったようだと娘さんも大喜びです。 



ケアマネジャーは、本人と家族からの聞き取りから気付いていたのです。


Aさんは認知機能が低下してから家族に責められてばかり。 


逃避の手段としてパチンコに熱中し、また叱られる悪循環。


認知機能低下のため、何が悪いのかも自覚できない。 


彼に必要なのは「周りに自分を受け入れてもらっている」という感覚だと。



自分のパチンコに興味を持って誉めてくれるスタッフと同世代の仲間に囲まれることで、Aさんの気持ちは満たされました。


そのことにより、Aさんは本来の穏やかな性格を取り戻すことができたのでしょう。


Aさんのケースは、たまたま上手くいっただけなのかもしれません。


すべての方に対して有効というわけではないでしょう。 


しかし利用者の根本的問題に注目した上でギャンブルを逆手にとるという豊かな発想は、ケアマネジャーとしてとても大事なものであると思います。

フットワークが軽いかどうか

突然の利用者の状態変化やさまざまなトラブルにすぐに対応してくれる。

そんなフットワークの軽いケアマネジャーが担当してくれていると安心です。 


「明らかに不健康そうなケアマネ」


「遠方のケアマネ」


は選ばない方が無難であるといえます。

ケアマネ(ケアマネージャー)の変更はいつでもできる

自分に合わないと思えば、ケアマネ(ケアマネージャー)の変更はいつでも可能です。


一度契約したらもう変えられないと思っている方もいますが、そんなことはありません。

ケアマネ(ケアマネージャー)の変更手続きの方法

変更には、3つの方法があります。
  • 地域包括支援センター・市区町村の介護保険窓口に相談する
  • 別の居宅介護支援事業所に相談する
  • 担当ケアマネが在籍する居宅介護支援事業所に伝える

特に現ケアマネが在籍する居宅介護支援事業所内での変更は、契約がそのままなので比較的スムーズに行えます。 


しかし別の居宅介護支援事業所にした場合でも、今までの情報はきちんと引き継がれますので安心してください。 

まとめ

ひとくちに介護保険ケアマネージャーといっても、その内容は玉石混交です。

ケアマネージャーの選択は、その後の利用者さんの人生を左右する重要なポイントです。


決して妥協せず、


「この人なら信頼できる!」


というケアマネージャーを見つけてくださいね。

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