要注意!介護保険の利用者負担と介護サービスの限度とは何か

介護保険サービスを受けるときになって実は支給限度額では足りない、あるいはサービス自体のことを知らなかったりすると大変です。特に利用者負担にも有効範囲があります。ここでは介護保険による利用者の負担がどのような仕組みかをお伝えします。

目次を使って気になるところから読みましょう!

介護保険サービスの利用者負担について

介護保険を使う方は何も高齢者だけではありません。若くして体に障害を抱えてしまった方にとって介護保険というのは経済的側面から大きなサポートが期待できます。

介護保険はその歴史の中で家族だけで介護を進めていくのではなく地域による支えあいが必要だということを重視しています。地域で支えあう、つまり自分ひとりあるいは家族だけで負担するのではなくあるシステムを皆で利用し、その利用者同士が互いに助け合う社会形成が必要であるということに重きを置いています


こうした介護保険サービスというものは利用者に一定の負担をかけながらも利用者全員に等しい負担分の価値のあるサービスを届けようと3年に1度の割合でその介護保険サービスそのものの見直しがなされています。

その結果として負担が増える利用者もいれば、逆に負担が軽減される利用者も出てきます。



介護保険サービスの利用者負担は1割または2割である

現行の介護保険制度では利用者負担は一割から2割の負担にとどめられています。実費そのものを負担するのでは介護保険の利用者はほとんどそのサービスを受けられなくなってしまいます。

そのため保険による一定のサポートを作ることで平等な医療の実現に向かうことができます。

また、介護保険の中には利用者負担の違い以外にもある程度の制限が設けられています。その制限内での介護保険サポートを受けるにとどまっていますので完全に無料で行えるものではありません。


なぜ制限をかけなければいけないのか、すでに体に十分な制限がかけられているものに対して不適当ではないかという考え方もできますが、幅広く介護保険を充実させ、この介護保険サービスを充実させていくためには一定の制限をかけるほかないのです。

利用者負担の1割と2割の違いは

まず、介護保険利用者に対してかけられている1割と2割の負担の違いは何なのでしょうか。この違いというのは平等性にかける行為かといわれるとそういうわけではありません。


この利用者負担2割というのは2015年8月に改訂された結果として表れたものです。この利用者負担が上がってしまった理由とその対象というのは何なのかについて見ていきましょう。

所得の違いで1割と2割で分かれている

この制度が実施する前に介護報酬が2.27%減額されました。その結果として利用料は減り利用上限額はそのままですのでより多くの介護保険サービスを受けることができるようになりました。

ただし、そのままでは介護保険を運営するための資金が溜まらず、今後のサービス提供が難しくなってしまいます。


その時に累進課税よろしく、所得に応じた利用者負担にすることで過度な利用料金負担を避けるということで2割負担も導入されることになりました。


現役時代の平均手取り年収が850~900万円程度、または40歳時点の年収が1000万円以上の場合は、所得上位20%の層に振り分けられることになり、このような方たちが2割負担対象の利用者としてカウントされることになります。

もっと簡単に言うと合計年間所得が160万円以上か年金所得だけで280万円以上ある方はこの対象となります

介護保険の在宅サービスの支給限度額

介護保険の在宅サービスというのは近年一般的な療養行為となりました。これは単純に在宅治療を好んでいる方が増えたというだけでなく、病院の在院日数の削減および入院数の減退が大きく関与しています。


結果として在宅サービスの利用者は増え、介護保険の価値も上がってきました。ただし、この介護保険の在宅サービスを受けるのにも一定の制限がかかってきます。

利用者は無制限にこのサービスを受けられるわけではなく限られた中でのサービス利用と地域住民同士の支えあいによって介護を行っていく必要があります。


今回は在宅サービスの支給限度額という面からどの程度の制限があるサービスなのかについて見ていきます。

要介護状態区分と1ヶ月の支給限度額

介護保険による在宅サービスは医療保険との併用ができないものとなっています。また、この介護保険では介護を必要としている度合いによって支給限度額が異なってきます

介護を必要とする度合いとしては要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5の7段階で構成されています。

この介護を必要とする度合いと支給限度額の関係は次のようになっています。


要介護状態区分一ケ月あたりの支給限度額
要支援15,003単位:月額5万0030円
要支援210,473単位:月額10万4730円
要介護116,692単位:月額16万6920円
要介護219,616単位:月額19万6160円
要介護326,931単位:月額26万9310円
要介護430,806単位:月額30万8060円
要介護536,065単位:月額36万0650円


そのため利用するサービスが月にどのくらいできるのかをよく考えておく必要があります。療養費に関しては1単位10円として管理されています。以上のように支給限度額はひと月ごとに決められており繰り越し計算はできないことになっています。

支給限度額とは別枠のサービス

この支給限度額とは関係のないサービスがあります。主に介護施設のサービスを利用した場合にかかる費用であり、居住費や滞在費、食費がここに含まれます

介護サービスの一環として施設を利用する分に関しては1割あるいは2割負担で支給限度額以内であれば問題ありません。


またこの別枠のサービスに関しても自己負担限度額というものが設けられており、その所得に応じて限度額や負担額が変わってきます。


利用者負担額が高額になった時は高額介護サービス費が支給される

介護保険の利用者でも使うサービスが高額になってしまい支給限度額では必要なサービスが十分に受けられない場合は超えた分を自己負担するのであればサービスを受けることができます。 


しかし、よほどサービスを受けなければならない方にとってはかなりの自己負担がかかってしまい年金だけあるいは保険金だけではどうしようもない場合があります。 


そんな方のために介護保険では支給限度額とは別枠で高額介護サービス費というものがあります。

高額介護サービス費とは

これは所得に応じた自己負担限度額を決めているもので超えた金額を後に返納する制度です。これは一度その費用を支払い後日市役所にその届けを出すことで返納手続きを取ることになります。


この返納制度は1ヵ月のサービス費用の利用者負担(同じ世帯に複数の利用者がいる場合は世帯合計額)が高額になり利用者負担上限額を超えた時に発生するものですので、まずは介護保険あるいは医療保険の支給額を超えなければ発生するものではありません。

高額介護サービス費の利用者負担限度額

高額介護サービス費の利用者負担額については次のように設定されています。前述したように個人の場合と世帯合計の場合がありますのでご注意ください。 

利用者負担段階区分利用者負担上限額
・現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方世帯4万4400円
・世帯のだれかが市町村民税を課税されている方世帯4万4400円
・世帯全員が市町村民税を課税されていない方世帯2万4600円
・前年の合計所得金額と公的年金収入額との世帯2万4600円
・合計が80万円以下の方等個人1万5000円
・生活保護を受給している方等個人1万5000円

判断が難しい区分がありますので詳しくは医療担当者にお問い合わせください。

まとめ

介護保険というのは残念ながらほとんどの方が利用者となります。その介護保険というのは負担や制度自体の欠陥を治すために3年ごとに見直しをしています。今回ご紹介した内容も3年後には全く使えない情報になるかもしれません。

とりあえずは次の2018年に行われる見直しについて目を光らせておくことが重要でしょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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