介護保険料は全国一律ではなく地域差が非常に大きくなっています

40歳以上が支払う介護保険料は全国一律ではありません。市町村ごとで異なるため介護認定者が少なく利用者が少なければ介護保険料は安価になりやすいものです。全国一律ではないことから安価な地域に移り住むことで、負担を抑えられる場合もあります。

公的介護保険制度における介護保険料の負担と全国一律での設定

公的介護保険制度の運用では、税金投入が半分であり残りを利用者の利用料及び介護保険料収入から賄っています。


このとき、制度自体は全国一律ですが、保険料に関しては各地で色々な設定がなされている状況です。安価なところと高額なところの差は非常に大きくなっているため、地域差が激しくなっています。

介護保険料が全国一律ではない理由

介護保険制度は、地方自治体の取り組みによっては利用者が少なかったりあるいは施設を抑制していたりする場合があります。そのため、地域における状況が異なることから介護保険料を全国一律で統一して運用を行うと不公平感が強く出てしまいます。


努力をして自立あるいは要支援程度に収まる人が多い地域の反感が出やすいことがある他に、そのような地域を見習って介護保険の利用を少しでも減らせるように努力を促すわけです。

介護保険料が高額な地域の特徴

介護保険料はその地域で利用する人が多ければ多いほど、高額になっていきます。税金投入も同様です。したがって、介護保険で高額になりやすい施設整備を進めすぎると、その地域では介護保険料が高くなってしまいます。


施設よりも在宅へ在宅介護よりも介護予防へとシフト出来れば、その分介護保険料を安価に出来るということです。全国一律での費用設定をしたくない国の思惑も見え隠れします。



公的介護保険料の設定と全国一律でのサービス提供の問題

公的介護保険制度では、全国一律でのサービス提供を行ってきました。介護予防サービスでも同様です。


しかしながら、制度がこのままでは財政的に保たないという判断から、市町村ごとで運用を出来る部分として介護予防を切り離しつつあります。市町村ごとで独自運用を行うとなると、介護保険料を同じ額による全国一律で徴収するのも無理という話です。

市町村の取り組みと住民の意識の問題

施設が多い地域では、その分だけ入居がし易くなります。そのためその地域に移り住んで特別養護老人ホームなどへの入居を行っていきます。


施設が多ければその分だけ介護保険料も嵩んでいきますので、高額になりがちです。その結果、全国一律でのサービスではあるものの介護保険料が高額に跳ね上がってしまう地域が出て来たという経緯になりました。

市町村による介護保険料抑制への動き

介護保険料が高額になってくるとそれを嫌がって近隣の地域に移り住んでしまう人が出ます。そのため、市町村にあっても介護保険料を抑制していくことは喫緊の課題です。


無論、住民がいなくなれば市税収入が少なくなります。そのことも影響していますが、全国一律でのサービス提供なので、介護保険制度サービスの取りやめは難しく、施設整備をなるべく遅らせたりあるいは許可を出さない方向へと舵を切っている状況にあります。

介護保険サービスは全国一律で決められていて介護保険料は利用者次第

介護保険サービスそのものは全国一律で決められていて、介護報酬も同様に定められています。利用者が多くなればその分だけ介護保険料や税金投入も高額にならざるを得ません。


利用者を少なくすることで介護保険料を抑制したい市町村では、市町村で出来ることはなるべく市町村で対応をする方向に変わってきています。こうすることで介護保険外サービスの利用につながり、結果として介護保険料を抑制出来るわけです。

公的介護保険制度以外のサービス

かつては訪問介護における生活援助で対応出来ていた部分をボランティアでの対応を促したりあるいはそのサービスの紹介を行うことで、介護保険料を抑制するといった独自の動きもあります。


全国一律で決められている制度をすぐに利用するのではなく、地域で出来ることは地域で対応をしていくことで、全国一律のサービスからの脱却を図り、その結果として介護保険料を安くしようという動きの一つです。

介護保険料を抑えるための様々な動き

訪問介護だけではなく、地域によっては通所介護サービスに変わる独自のものを導入するところもあります。元気な高齢者が地域を見守り、お互いがお互いを支え合っていくことと、ふれあう中でみんなが寄り合う場を設けていくことによる通所介護サービスの利用を減らす取り組みです。


ボランティアでの対応や町内会などでの取り組みもなされています。介護保険サービスの利用を少しでも遅らせようという動きの一つです。

全国一律でのサービス提供の限界

介護保険制度は制度発足当初から全国一律でのサービス提供を行ってきました。ところが地域差が生まれ施設整備なども地域差がより大きくなるなど、地域の実情から離れた実態に変わってきました。


したがって、地域で出来ることは地域で行うように変えることで、介護保険料を抑えたいという動きに結びついています。なお、地域独自のサービスは各地域ごとで知恵を出し合って対応をしているため、その差が激しくなってもいます。

地域独自サービスの充実で全国一律から脱却

介護保険制度は介護保険料や税金で賄われていますが、地域が独自に行う場合にはこの全国一律で対応をする必要はありません。


地域で出来ることは地域ですることで、少しでも健康な高齢者を増やしていくことが目標です。さらには介護保険料の増額を少しでも減らしていくことに繋げていくことになります。

地域での取り組みを加速させること

地域によって取り組みに大きな差がある介護予防などは、その結果として介護保険料の設定に大きな差が出てきます。したがって、地域での取り組みを加速させることで少しでも介護保険料を抑えていくことが必要な時代になりました。


施設から在宅へ、介護から予防へさらには自立した生活へと行政の視点は変わりつつあります。全国一律のサービスから地域独自の施策を後押ししていく流れも出来てきました。

まとめ

介護保険料はそのサービスが全国一律であるため、制度発足当初はほぼ同じでしたが、その後介護を必要としない人が多い地域と施設が多く施設サービスを多く利用する地域とで、介護保険料の差も大きくなってしまっています。


介護保険料の負担が多い地域からは別のより安い地域へと住民が移る原因になり得ます。したがって、地域で介護が必要にならないようにしていくための取り組みが、より求められる時代になりました。

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