介護保険利用料にオーバー分が発生!利用者が注意すべきこととは?

介護保険制度は要介護認定により一ヶ月あたりに利用出来る料金が決まっています。オーバー分は全額自己負担すなわち利用者の自己負担になってしまいます。高額な介護保険利用料の請求がなされるなど生活に支障が出るケースもあり、オーバー分の考え方は知っておくことが重要です。

介護保険利用料のオーバー分とその取り扱いで注意すべきこと

介護保険制度ではその利用者の要介護度に応じた単位数を設けています。 


その単位に10円など決められた単価を乗じた金額が、介護保険保険を適用できる上限額となります。 


本来は介護度に見合ったケアプランにもとづくサービスが提供されているため、オーバー分は発生しないのが当然なのです。 


しかし何らかの理由でオーバー分が出てしまった場合。 


そのときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。  

介護保険利用料の計算:単位数

介護保険制度での利用者の利用料限度額は、その条件や利用するサービスにより全国統一の単位数で表されます。


例外となるのは福祉用具貸与で、これは福祉用具の事業所が自ら決めることができます。 


単位数に原則として10円の単価を乗じて限度額の計算を行います。 


しかし地域別等級によりその単価は異なります。 


もっとも高い1級地である東京23区は、サービスにより1単価=11.4円で計算されます。 


通常は利用者の負担金額は1割または2割に抑えられていますが、オーバー分は全額を利用者が負担しなければなりません。

要介護度別の支給限度額

介護保険制度において、各要介護度における支給限度額はいくらなのでしょうか。 

利用可能な限度単位数は以下のようになります。 


  • 要支援1…5,003単位
  • 要支援2…10,473単位
  • 要介護1…16,692単位
  • 要介護2…19,616単位
  • 要介護3…26,931単位
  • 要介護4…30,806単位
  • 要介護5…36,065単位 


1単位=10円の地域であるならば、要介護1の方が使えるサービスの総額は166,920円ということになりますね。 


うち8割または9割が介護保険から支給されるわけです。 


つまり、要介護1の方が限度額いっぱいまでサービスを使った場合。


1割負担の場合なら16,692円 

2割負担の場合なら33,384円 


という自己負担額になります。  

オーバー分の介護保険利用者料金の負担は重くなる

オーバー分のサービス利用料は、その全額が事業者から利用者に請求されます。


このとき、その金額の高さにびっくりすることも少なくありません。


 1~2割の金額を見慣れた方にとって、10割料金のインパクトは相当なものです。 


くれぐれもオーバー分を発生させないように、利用者側でも認識をしっかりと持つことが大事なのです。 


もし要介護度が現状に合わないために限度額が足りないのなら、まずは要介護度の区分変更申請を行いましょう。 


その後に初めてサービスを調整するしか、保険適用のサービス量を増やす手段はありません。 


たとえどんなに高額でも、利用料のオーバー分は支払わなければなりません。 


介護保険利用料のオーバー分は、公的制度はではフォローされないのです。 



しかし民間介護保険なら、一時的にならそこをカバーすることも可能です。 


ほとんどの民間介護保険は、所定の介護度以上と認定されると「介護一時金」というまとまった額の給付金が支給されます。 


もちろんその用途は制限されませんので、介護度が見直されるまでのオーバー分の穴埋めとして活用することも可能です。  

介護保険利用額を管理するケアプランの存在

ケアプランとは、1ヶ月あたりの利用サービス計画書です。 

もちろん介護保険サービスの計画書ですから、最初からオーバー分ありきで作成することはほとんどありません。 


限られた単位数の中で、もっとも利用者に有益なサービスを組み合わせることが重要となります。 


とにかくたくさんデイサービスを使う必要があるならば、加算のほとんどないデイサービスを探して単位数を節約する。 


福祉用具も、安い事業所で安いものを借りる。 


オーバー分を発生させないために、自らが利用者の車いすを押して通院介助をする場合もあります。 


これらの涙ぐましい努力を誰がやっているのかというと…そう、ケアマネジャーです。

ケアプランの作成をするケアマネジャー

ケアマネジャーは、利用者からの聞き取りやサービス担当者会議での話し合いによってケアプランを作成します。 


おそらくオーバー分が最も発生しやすいタイミングは、介護度の見直し申請、つまり区分変更申請をした後でしょう。 


区分変更申請をした後、多くのケアマネジャーは介護度が上がることを見越して「暫定ケアプラン」をスタートさせます。 


そして結果として思ったほど介護度が上がらなかった場合には、当然10割負担分が発生してしまうのです。  

ケアマネジャーの対応力も重要

ケアマネジャーからは、事前に利用者とその家族に利用料の説明があるはずです。 


このとき、オーバー分の利用料についてもしっかりと説明がなされます。 


ケアマネジャーには、限度額を超える介護保険利用料金は自己負担となることについても包み隠さず伝える義務があります。 


しかしたとえオーバー分が発生する可能性があったとしても、その額は最小限に抑えるようにすることはケアマネジャーの大きな役目といえます。 


地域資源の活用・他制度との組み合わせなど、あらゆる工夫を講じる対応力がカギとなるでしょう。  

まとめ:介護保険のオーバー分とその取り扱いについて

公的介護保険制度では要介護度ごとに限度単位数が決められています。 


そこからのオーバー分は、利用者が全額負担しなければいけません。 


利用者側はそのことをしっかり認識しておく必要があります。 


自治体によっては、介護保険の限度単位外でのヘルパーやショートステイを提供する制度を設けていることもあります。 


ケアマネジャーはそれらを活用することはもちろん、10割負担分のリスクを利用者に納得のいくよう説明することにも尽力しなければなりません。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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