運用開始!介護保険のマイナンバーに関する手続きはご存じですか?

平成28年からマイナンバーが運用開始されました。介護保険の手続きでもマイナンバーの記入が必要な手続きがあります。介護保険の場合、ケアマネや代理人が書類作成することも多いです。介護保険のマイナンバーの手続きをまとめましたのでご参考にしてください。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

介護保険のマイナンバーに関しての情報まとめ

平成28年1月からマイナンバー制度が始まっていますが、介護保険の手続きの中にもマイナンバー制度の運用が盛り込まれおり、各種申請や届け出を行うときに、被保険者のマイナンバーを書類に書き込まなければならないケースが増えます。

また行政機関によるマイナンバー情報の活用の取組が始まっております。


ここでは介護保険のマイナンバーに関する情報をまとめてみます。

介護保険のマイナンバーを利用するに必要な申請書・届出書

マイナンバーを利用する主な申請書・届出書類はどのような書類で、どのような手続きが必要なのでしょうか?

介護保険の場合、高齢の方が手続を行う場合や、要介護状態の方が手続しなければならないこともでてきます。本人が行う手続きや、代理人でも可能な手続き、またその方法について説明します。

介護保険の申請書・届出書に必要な手続き

介護保険の申請書・届出書にマイナンバーを利用する主な書類は以下の通りです。

  • 介護保険(要介護認定・要支援認定)申請書(新規・更新・変更・介護)
  • 居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書
  • 介護予防サービス計画作成依頼(変更)届出書
  • 介護保険被保険者証等再交付申請書
  • 介護保険住所地特例適用・変更・終了届
  • 介護保険高額介護(介護予防)サービス費支給申請書
  • 介護保険基準収入額適用申請書
  • 高額医療合算介護(介護予防)サービス費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書
  • 介護保険負担限度額認定申請書
  • 介護保険利用者負担額減額・免除等申請書兼介護保険特定負担限度額認定申請書(特別養護老人ホームの要介護旧措置入所に関する認定申請)

原則としてマイナンバーを記載していただくこととしていますが、各種申請書等にマイナンバーの記載がされていない場合でも受理されることがあります。


またなりすまし等の不正行為を防止するために、本人確認の実施が義務付けれられています。

そのため介護保険の手続きの際には、下記が必要になります。

  • 「手続きをする人(被保険者本人)のマイナンバーを確認できる書類(番号確認書類)」
  • 「マイナンバー所有者本人または代理人の身元を確認できる書類(身元確認書類)」
  • 「代理権の確認できる書類(戸籍謄本、委任状等)」*代理申請の場合

本人による手続きの方法

本人による手続きの場合は以下の書類を提示する必要があります。

被保険者本人のマイナンバー確認

マイナンバー(個人番号)カード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票の写し・住民票記載事項証明書等


被保険者本人の身元確認

1.1点で身元確認ができる書類

マイナンバー(個人番号)カード、運転免許証、パスポート、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書等


2.2点で身元確認ができる書類

介護保険被保険者証、健康保険被保険者証、後期高齢者医療被保険者証、介護保険負担割合証、年金手帳、介護保険負担限度額認定証等


2つを確認する必要があります。

代理人による手続きの方法

代理人による手続きの場合は以下の書類を提示する必要があります。

代理権の確認

法定代理人の場合には戸籍謄本等、任意代理人の場合は委任状

*上記が困難な場合は、被保険者本人の介護保険被保険者証、健康保険被保険者証


被保険者本人のマイナンバー確認

マイナンバー(個人番号)カード又はその写し、通知カード又はその写し、マイナンバーが記載された住民票の写し・住民票記載事項証明書又はその写し等


代理人の身元確認

1.1点で身元確認ができる書類

代理人のマイナンバー(個人番号)カード、運転免許証、介護支援専門員証等


2.2点で身元確認ができる書類

介護保険被保険者証、健康保険被保険者証、後期高齢者医療被保険者証、介護保険負担割合証、年金手帳、介護保険負担限度額認定証等


3つを確認する必要があります。

代理権のない使者による手続きの方法

本人の代わりに使者が申請を行ったに過ぎない場合は、マイナンバーが使者に見えないよう申請書を封筒などに入れて提出します。

申請書と下記書類の写しを同封して、手続き代行者に渡します。


被保険者本人のマイナンバー確認

マイナンバー(個人番号)カードの写し、通知カードの写し、マイナンバーが記載された住民票の写し、住民票記載事項証明書またはその写し等


申請者(本人または代理人)の身元確認

身元確認書類については、申請者によって異なります。


代理権の確認できる書類(戸籍謄本、委任状等)

*申請者が代理人の場合

ケアマネージャーによる代理手続きの方法

ケアマネジャーによる代理手続についてですが、各種申請書類へのマイナンバー記入は、原則被保険者本人となっていますが、本人による記入が困難な場合はケアマネジャー等が代筆しても差し支えありません。

また居宅介護支援事業所が代行申請を行うことは可能ですが、この場合代理人は代理権の範囲内(申請行為の授権のみ)で業務を行います。


委任の範囲を超えて、申請時に視認した利用者のマイナンバーを記録、コピーして保管するなどの行為がないよう十分に注意する必要があります。



マイナンバーの情報連携とそのための安全策とは

マイナンバーの情報連携とは、マイナンバー法に基づき、これまで行政の各種事務手続きで提出する必要があった書類を省略することができるよう、専用のネットワークシステムを用いて、異なる行政機関の間でマイナンバーから生成された符号を元に情報をやりとりすることです。個人情報は一元管理せず従来通り各行政機関で分散管理することで、芋づる式に情報が漏洩することを防止する等の安全策が講じられています。

2017年11月にマイナンバーの情報連携が実施された

2017年11月からマイナンバーの情報連携が実施されました。

本格運用開始時点において、情報連携可能な事務手続きは、地方公共団体での児童手当や介護保険、地方税の減免手続をはじめ、健康保険関係、ハローワーク関係、奨学金関係の各種手続きなどです。

マイナンバーの情報連携の概要

マイナンバーの情報連携では、実施により、国民の負担軽減を図っております。


社会保障給付等の申請では、国民・住民が行政手続きに必要な添付書類を行政機関の窓口に持参していましたが、この情報連携により申請を受けた行政機関等は、関係各機関に照会を行うことができ、申請者が窓口で提出する添付書類が省略・簡素化されます。


例えば介護保険料の軽減を受ける手続きについて、住民票関係情報をネットワークで共有することで、世帯全体の収入を審査するのに利用でき、所得証明書の提出が不要になります。

また世帯が同一であるかの審査に利用することができ、住民票の写しが不要になるなど手続きの簡素化が期待されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

介護保険におけるマイナンバーの取扱いについて見てまいりました。運用が始まって間もないこともあり、どんな手続きが必要なのか、またマイナンバーの記載がなくても手続きは受け付けられるなど、まだまだ手続が整備されているとは言い切れないというのが現状かと思われます。


ただ方向としては、特に給付や利用の厳正化・適正化が求められる介護保険の分野については利用の促進がさらに始まってくるのかもしれません。行政からの案内や、通知についてはよく確認して手続きを進める必要があります。


同時に重要な個人情報がさまざまな手続きで利用されることとなり、情報漏洩や第三者による不正利用等のリスクが高まってきます。便利さが増す一方では厳正な情報管理が求められることとなります。

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