訪問?通い?施設?・・・どれにする?介護保険のリハビリ選び

訪問リハビリ・通所リハビリなど、介護保険でリハビリを受けることのできるサービスはいくつもあるけど、どれを選んだらいいの?それぞれのサービス内容や特長、介護保険と医療保険の違いなど、介護保険を利用したリハビリについて解説します。

介護保険を利用したリハビリに関する全知識

病気やケガ、老化により心身機能が低下してしまったとき、その機能を維持回復させるのがリハビリテーションです。自分らしく住み慣れた地域で生活してゆくためにもリハビリは大切なポイントです。

介護保険や医療保険を利用すると、費用負担を抑えながらリハビリをうけることができます。

ここからは介護保険を利用したリハビリについて、リハビリを受ける方法や、どのようなリハビリを受けることができるか、見てゆきます。

介護保険を利用してリハビリを受ける方法

介護保険を利用してリハビリを受けるには、まず介護保険の介護(要支援)認定を受ける必要があります。介護保険サービスを受けるにはまず介護認定を受け、介護度と期間が決まります。

介護認定がでたら、次は利用するサービスを決めます。


どれが最適なリハビリであるかはケアマネージャーや地域包括支援センターと相談しながら決めます。


介護保険を利用してリハビリを受ける場所は、自宅(訪問)、施設(通い・入所)に分かれます。


自宅(訪問)で受ける場合、訪問リハビリと訪問看護によるリハビリがあります。施設で受ける場合、通いであれば、通所リハビリ(デイケア)と通所介護(デイサービス)、入所であれば、介護老人施設があります。



介護保険の要支援認定を受ける

介護保険では、要介護(支援)認定を申請して保険者(市町村)から、介護(支援)が必要であると認定を受けることから始まります。

要介護認定で要支援1・2となった人は、地域包括支援センターと相談して、要支援のプラン作成を依頼します。そのプランの中にリハビリが組み込まれればリハビリを受けることができます。


デイサービスでの機能訓練は平成17年から市町村ごとに介護保険から地域支援事業に移行になりました。


予防通所リハビリ(デイケア)に関しては主治医が必要と認めた場合には、病院等に通って受けることができます。また予防訪問リハビリでは、理学療法士などが自宅に訪問し、リハビリを受けることができます。また予防訪問看護でリハビリを受けることもできます。


これらは主治医が、どのようなリハビリが必要かを認めて指示を出すかによって異なります。地域包括支援センターや主治医とよく相談をしてみましょう。

介護保険の要介護認定を受ける

要介護1~5に認定された場合は、ケアマネジャーと契約し、介護保険のプランを作成して、その中にリハビリが組み込まれた場合に介護保険でリハビリを受けるようになります。

介護が必要になった理由(脳疾患や骨折など)と、現在の状態、リハビリを行うことで何を改善してゆくのかによって、選択するサービスは異なります。通常、施設以外は介護度1~5でリハビリのサービスに違いはありません。

介護保険を利用して一定期間施設に入所してリハビリを受ける方法

介護保険を利用して一定期間施設に入所してリハビリを受ける方法に、介護老人保健施設(いわゆる老健)があります。これは介護保険が適用される施設の一種です。

ここでは理学療法士、医師、看護師や栄養士などがチームでリハビリを行い、在宅に戻るために必要な日常生活動作などの訓練を行います。

介護保険を利用して自宅でリハビリを受ける方法

介護保険を利用して自宅でリハビリを受ける方法は、2つあります。

1つは訪問リハビリテーションで、もう1つは訪問看護によるリハビリテーションです。どちらも1単位が20分となり、1回に2単位(40分)や3単位(60分)等、健康状態や介護保険の限度額との関係で全体のプランの中にリハビリを位置づけます。

訪問リハビリステーションを利用する

訪問リハビリステーションからの訪問リハビリは、ケアプランに基づき、通院が困難な利用者に対して、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問して、心身機能の維持回復のためにリハビリを行うものです。

歩けない人のリハビリは、寝たきりを防ぐためにまず離床を促します。さらに寝返り、起き上がり、座位、立ち上がり、立位、歩行が可能になるように、関節可動域訓練、筋力増強訓練、移乗動作訓練、日常生活動作訓練などを、車椅子のための自宅の環境整備とともに行います。

訪問看護によるリハビリテーションを利用する

訪問看護では、看護師が利用者の健康状態や心身の機能を定期的にチェックし、医師の指示に基づいて訪問看護ステーションに所属している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が利用者の自宅を訪問して、訪問看護の一環として、リハビリを提供します。


介護保険を利用して通いでリハビリを受ける方法

介護保険を利用し、通いでリハビリを受ける方法は2つあります。

1つは通所介護(デイサービス)で、もう1つは通所リハビリ(デイケア)です。

通所介護を利用する

通所介護は、利用者が老人デイサービスや特別養護老人ホームなどに通って、機能訓練をはじめ、食事や入浴などの介護サービスを受けるものです。

デイサービスにより、機能訓練の位置づけはさまざます。最近では機能訓練に特化し、理学療法士やトレーナーを多数配置し、マシンを多数そろえたデイサービスなどもあります。

通所リハビリを利用する

通所リハビリは、介護老人保険施設、病院、診療所に通所してきた利用者に対し、理学療法や作業療法などからなるリハビリを提供するサービスです。理学療法士の人数やリハビリ機器、個別訓練や集団訓練など、事業所により特徴があります。

通所リハビリを受ける必要性は医師が判断し、指示を出します。医師の指示に基づきケアマネジャーがどこの施設で何時間、どんなリハビリを受けるかケアプランを作成します。

介護保険を使ったリハビリの基礎知識

介護保険を使ったリハビリについて、主な用語の解説や基礎的な知識について説明します。他の介護サービスに共通なものもありますが、すでにご存知の方も見直してみてください。

介護報酬とは、介護施設や介護事業者が介護サービスを提供した報酬として、国から支払われるお金のことをいいます。


介護報酬の計算は「サービス1回につき〇円」というように定められているわけではなく、「単位」というものを元にして計算します。


介護報酬は地域によって異なる物価や人件費の調整のため、1級地から7給地までの地域区分があり、「1単位あたり○○.〇〇円」というように「単位数単価」が定められています。

介護保険を使ったリハビリを理解するための加算、減算、単位とは

介護報酬については、サービスによって異なりますが、大きく「基本部分」と「加算・減算」に分けられます。

「基本部分」は、時間や介護度によって変わる部分です。

例えば

「通所リハビリ」で「通常規模型リハビリテーション費」は

所要時間1時間以上2時間未満の場合

(一)要介護1329単位
(二)要介護2358単位
(三)要介護3388単位
(四)要介護4417単位
(五)要介護5448単位

「加算・減算」はサービス内容や利用者の状態等により基本部分に加算・減算されるものです。

  • リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ) 230単位/月
  • リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)(イ)1020単位/月
  • リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)(ロ)700単位/月
  • 重度療養管理加算 100単位/日
  • 事業所と同一建物に居住する者 ▲94単位/日

要支援・要介護度別に支給限度基準額が定められており、ケアマネジャーは、他のサービスと合わせ、限度額を踏まえながらケアプランを作成します。


また訪問リハビリ・訪問看護のリハビリについては、1回あたりの指導を20分以上とし、1単位と数えます。1週に6回(6単位)を限度としています。

リハビリテーション実施計画書とは

介護保険でリハビリを利用する場合、その事業所では医師や理学療法士等の指導のもとでリハビリテーション実施計画書を作成します。

内容は、現在の健康状態や日常動作の状況、本人の希望やリハビリの目標等について記入してあるもので、その内容を家族に説明し同意を得て、リハビリが始まります。

訪問介護を利用できる回数には制限がない

要支援・要介護度別に支給限度額が定められており、ケアマネージャーは、サービスを組み合わせ、限度額を踏まえながらケアプランを作成します。

訪問介護については利用回数に制限はありませんが、リハビリの場合は、その効果などから、実施回数に制限がありますのでご注意ください。

  • 訪問リハビリ 1週に6単位(20分×6)を限度
  • 訪問看護からのリハビリ 1週に6単位を限度

医療保険のリハビリと介護保険のリハビリの違い

リハビリは医療の側面から①急性期リハ②回復期リハ③維持期リハに分けられます。このうち①と②は医療保険の対象で③は介護保険の対象です。

ただし③でも医療保険のリハビリが適応になる場合があります。


40歳以下の方は、介護保険料を納めていないので、介護保険の対象にはなりません。


また以下の厚生労働省が定める「特定疾患」に当てはまる方は医療保険を利用して、訪問看護ステーションからに限り、リハビリを受けることが可能です。


(「末期の悪性腫瘍」「多発性硬化症」「重症筋無力症」「スモン」「筋萎縮性側索硬化症」「脊髄小脳変性症」「ハンチントン病」「進行性筋ジストロフィー症」「パーキンソン病関連疾患」「多系統萎縮症」「プリオン病」「亜急性硬化性全脳炎」「ライソゾーム病」「副腎白質ジストロフィー」「脊髄性筋萎縮症」「球脊髄性筋萎縮症」「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」「頸椎損傷」「人工呼吸器を使用している状態及び急性増悪期の場合」)

まとめ

介護保険のリハビリについてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。病気やケガが治っても、元どおりの生活に戻るためには、リハビリにより心身機能の維持回復を行わなければなりません。

介護保険を利用したリハビリについて、各サービスの特長をよく理解し、事業所選びに活かしてください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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