介護保険で訪問介護を利用すると、掃除の援助を受けることができる

介護保険サービスの一つに訪問介護があります。訪問介護では、サービスのなかに掃除という項目があります。まずは、訪問介護とはどういうものなのかを見ていきましょう。介護保険を申請しており、掃除の援助を受けたい場合には、ケアマネジャーに相談をすると良いです。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

介護保険のサービスの中に部屋の掃除をしてくれるというものがある

介護保険のサービスの1つとして、掃除という項目があります。 


高齢者にとって掃除をするということは、すごく大変なことなのです。  


独居高齢者の場合、掃除を頼める家族が身近にいないことも多く、掃除を介護保険のサービスを利用して対応している人も少なくありません。


また、家族と同居している場合でも、介護疲れも重なり、掃除に時間を割けないという方も多く、掃除のサービスの需要は高いのです。


介護が必要なご家族が住んでいる実家の片付けなどに大助かり

現代では、友働き夫婦も増えていることから、介護をしながら共働きをしている夫婦が増加しています。

介護が必要な高齢者がデイサービスへ通所している時間に、仕事に出ている介護者の方も多くいます。


仕事と介護を両立している場合は、この掃除サービスがとても助かるのです。


介護保険のサービスは介護を要する高齢者自身の生活を援助する目的ではありますが、間接的に介護者家族の生活に対して助けともなる場合もあります

介護保険で訪問介護を利用すれば、掃除だけでなく様々な支援が受けられます

介護保険サービスの一つとして、訪問介護を利用することができます。

この訪問介護を利用すると、掃除だけでなく生活に関わる様々な支援が受けることができます


では、介護保険サービスの訪問介護とはどういうサービスなのか、どのような利用者が対象となるのか、主なサービス内容と自己負担額等について詳しく見ていきましょう。

訪問介護(ホームヘルパー)とは

訪問介護とは、介護保険の居宅サービスの一つです。

介護福祉士またはホームヘルパーの資格を取得している専門職の方が自宅に訪問し、日常生活の様々な支援を行います


介護福祉士やホームヘルパーは、介護方法の知識を学んでいる専門職です。


介護保険の居宅サービスであるため、サービスを提供する場所は利用者のご自宅と定められています。

訪問介護の対象者

訪問介護によるサービスを受けるためには、「介護保険を申請し在宅で生活をしている」という条件に該当していなければなりません。


また、介護保険を申請していても、訪問介護を利用しなくとも日常生活に支障がない場合には、利用することができません。


介護保険サービスの利用を希望する場合は、担当の地域包括支援センター職員またはケアマネジャーに相談をしましょう。


要支援・要介護では、サービスの受けられる内容が異なりますので注意しましょう。

訪問介護で受けられるサービス内容

訪問介護で受けられるサービスには、「身体介助」「生活援助」の2つがあります。

身体介助では、その利用者の状況に応じて入浴介助・清拭、トイレ介助・オムツ交換等の身体に直接支援をする内容となっています。


また生活援助では、身体に直接支援をしない買い物や調理、掃除といった支援を行います。


要支援では「生活援助」のみのサービスとなります。


要介護では「身体介助」と「生活援助」のサービスを受けることができます。


なぜ要支援では身体介助サービスを受けることができないのかというと、要支援は「今後要介護になる可能性があるが、現在は日常生活を送ることが可能」という状態であるためです。


 そのため、要介護となり、日常生活に支援が必要と認められなければ、「身体介助」サービスを利用することができないのです。


また、該当するサービスを全て受けることができるというわけでもないため、注意しましょう。


利用者にとって「身体介助」「生活援助」のどの内容を支援することが、在宅生活を継続するために必要かというポイントでサービス内容が決まります。


実際には、ケアマネジャーと利用者、その家族とよく話し合い、最終的にサービス内容が決定されます。

訪問介護を依頼する上での自己負担額

訪問介護は介護保険のサービスであるため、自己負担額は原則1割負担となります。

ただし、一定所得以上の利用者の場合に限り、自己負担額は2割負担となります。


個々に負担額が異なりますので、介護保険証に記載されている自己負担額を確認しましょう。


また、介護保険サービスの利用額は、介護度によって異なります。

それと合わせて注意しなければならないことは、介護度によって1ヶ月に利用できる上限額があるということです。


利用料金はその市町村・事業所で若干異なる場合があるため、あくまで目安として理解してください。


では、詳しく見ていきましょう。

介護保険の要支援1・2を受けている人の場合

1ヶ月に利用できる上限額は、要支援1では50,030円、要支援2では104,730円と定められています。


自己負担額が1割の利用者が上限額までサービスを利用した場合、1ヶ月の自己負担額は要支援1では5,003円、要支援2では10,473円となります。


上限額以上にサービスを受けたい場合は、全額負担であればサービスを受けることができます。


要支援であり自己負担額1割の利用者が訪問介利用する場合、週1回の利用では1,168円、週2回の利用では2,335円となります。


介護保険の要介護1~5を受けている人の場合

1ヶ月に利用できる上限額としては、要介護1では166,920円、要介護2では196,160円、要介護3では269,310円、要介護4では308,060円、要介護5では360,650円です。


自己負担額が1割の利用者が上限額までサービスを利用した場合、1ヶ月の自己負担額は要介護1では16,692円、要介護2では19,616円、要介護3では26,931円、要介護4では30,806円、要介護5では36,065円となります。


要介護1~5の利用者が訪問介護を利用する場合、身体介助と生活援助で料金形態が変わります。

身体介助の場合(自己負担額1割)

  • 20分未満:165円/回
  • 20~30分未満:245円/回
  • 30~60分未満:388円/回 
  • 60~90分未満:564円/回 
  • 90分以上(以降30分経過ごと):80円/回が加算される

生活援助の場合(自己負担額1割)

  • 20~45分未満:183円 
  • 45分以上:225円

訪問介護では、できる掃除とできない掃除がある点に注意

訪問介護の目的は、利用者の在宅生活を維持するための援助を行うということです。

そのため、掃除でもその視点から見て必要だと検討された掃除内容以外は行えません。


サービスを利用する前に、「サービス担当者会議」というものをケアマネージャーが開催します。


サービス担当者会議には、本人・ご家族の他に利用者に関わる専門職が参加をします。


そこで利用者に必要だと思われる掃除内容を話し合います。


その内容をケアマネージャーが「ケアプラン」に反映させます。


原則として、ケアプランに記載された掃除の内容までのみのサービスを訪問介護として行っていきます。


また、訪問介護は自宅内での生活をサポートする目的と介護保険で定められているため、屋外の掃除は原則行えません。

まとめ

介護保険の居宅サービスである訪問介護は、介護保険を申請している高齢者であれば利用することができます。

訪問介護は、利用者の在宅生活を維持するための援助を行うことを目的としています。

ご自宅に介護福祉士またはホームヘルパーが訪問し、様々なサポートをします。


訪問介護で受けられるサービスには、「身体介助」と「生活援助」の2つがありますが、要支援の場合には生活援助のみの支援となります。


生活援助の中の掃除では、利用者が行うことが困難な内容の掃除を行ってくれますが、屋外の掃除については原則行うことができません。

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