介護保険サービスを利用した際の利用料はいくらかかるのか?

介護が必要となり、公的な介護保険サービスを利用する場合、自己負担する利用料はいくらになるのか。また、介護保険サービスにはどのようなサービスがあり、私たちはひと月にどれくらいサービスを受けることができるのかをその利用料とともに解説していきます!

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

介護保険のサービス利用料に関する情報まとめ

まず、介護保険サービス利用するには介護が必要であるという認定を受けなければなりません。
市区町村へ申請し、介護認定を受けることで介護サービスを受けられるようになります。
介護認定を受けると、要支援1~2または要介護1~5のうち、該当する区分に応じて介護保険給付額や使える介護サービスが決まります。
その後介護保険サービスを利用した場合、介護保険の支給限度額以内であれば、利用者のサービス利用料は自己負担分の1割(または2割)となります。

介護保険のサービス利用料の利用者負担は1割または2割

介護保険サービスを利用した場合、利用者が支払うサービス費用はそのうちの1割または2割を自己負担することになっています。

2割負担の対象となるのは、単身世帯の場合前年の合計給与金額が160万円以上で、年金のみの収入の場合は280万円以上であると2割負担となります。2人以上の世帯の場合は、前年の世帯収入が346万円以上であると2割負担となります。
このように、サービス利用料の自己負担割合は年間収入によって分けられています。

介護保険サービスにはさまざまなサービスがあり、いくつか挙げてみます
  1. ホームヘルパーなどの訪問介護
  2. デイサービスなどの通所系サービス
  3. 看護師が訪問し看護ケアを提供する訪問介護
  4. ベッドや車いすをレンタルすることができる福祉用具貸与
  5. 住み慣れた地域で暮らしていけるようにサポートする地域密着型サービス
要支援・要介護認定を受けた方は上記のような介護保険サービスを受けることができます。
ただし、介護保険サービスは要支援・要介護度別に利用できるサービスとそのサービス量(利用限度)が決められています。
これは介護保険による給付額がそれぞれの介護度で決められており、その給付限度額内でサービスを利用すれば、自己負担1割(または2割)で済むのです。
しかしこの給付限度額を超えて介護保険サービスを利用した場合には、超過した分は全額自己負担となります。

要支援1〜要介護5の方のそれぞれの支給限度額と自己負担分

介護度によって介護保険からの支給額と、介護サービスの利用料の自己負担分も異なってきます。
居宅サービスにおける支給限度額と、自己負担分を表で確認してみましょう。

支給限度額自己負担分(1割)自己負担分(2割)
要支援150,030円5,003円10,006円
要支援2104,730円10,473円20,946円
要介護1166,920円16,692円33,384円
要介護2196,160円19,616円39,232円
要介護3269,310円26,931円53,862円
要介護4308,060円30,806円61,612円
要介護5360,650円36,065円72,130円

介護サービス利用料金はサービスごとに単位数が決められており、1単位を10円で計算します。この単位は全国一律となっています。

しかし、地域によって物価や人件費が異なることから、日本全域が1~6級地とその他の地域に分けられており、地域区分別にそれぞれ地域加算といういものが0%~20%の範囲で単位に加算されます。

介護保険サービス利用者の費用負担

介護保険サービスを利用した場合、利用者が支払う費用はその1割(または2割)となるので、例えばひと月のサービス費用が5万円であったとしたら、利用者が支払う利用料は5,000円(2割負担だと1万円)ということになりますね。

しかし、このサービス利用料とは別に、通所介護施設では食費やその他の必要な生活費、入所介護施設でも食費や住居費、生活費などが別に必要となります。

居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額

居宅サービスの利用限度を超えた場合には、超過した分は保険給付されません。

そのため、通常は介護支援専門がケアプランを作成する際に、この支給限度額分を超えないように配慮して提供サービスを検討します。


施設サービスの1ヶ月あたりの利用限度額

施設サービスを利用する場合、施設サービスの利用料のうち自己負担分1割(または2割)の他に食費や生活費などが必要になります。

では、施設サービス利用料の目安(1日あたり)を表にして見ていきましょう。  

要介護度介護老人福祉施設
(多床室)
介護老人保健施設
(多床室)
介護療養型医療施設
(多床室)
要介護15,617円7,887円6,870円
要介護26,305円8,380円7,979円
要介護37,004円9,006円10,372円
要介護47,692円9,530円11,389円
要介護58,359円10,074円12,303円
利用料の自己負担は上記の費用のうち1割(または2割)となります。

また、上記の利用料の目安はある自治体の目安であり、施設の形態や職員数によって利用料金は異なりますので、正確な金額は利用する施設へ確認しましょう。

高額療養費制度による利用限度額

病気などで長期入院した場合、医療費の自己負担額が高額となり、低所得の世帯には経済的にかなりの負担となります。

そのため、この経済的負担を軽減するために、自己負担限度額である一定の金額を超えた部分が払い戻される高額療養費制度というものがあります。ただし、保険適用外の医療費や入院中の食費、生活費は高額療養費制度の対象となりません。


今回、この高額療養費制度の見直しがされ、70歳以上の方の上限額が2段階に分けて変わることになりました。ぜひ確認してみてください。


平成29年8月からの変更後の上限額です。

適用区分外来(個人ごと)ひと月の上限額(世帯)
現役並み
年収370万円以上
57,600円80,100円+(医療費-267,000)×1%
【多数回44,400円】
一般
年収156万~370万未満
14,000円
(年間上限
144,000円)
57,600円
【多数回44,400円】
低所得
住民税非課税世帯
8,000円24,600円
低所得
住民税非課税世帯
年金収入80万以下
8,000円15,000円

また、平成30年8月からの上限額の変更は以下となります。

適用区分外来(個人ごと)ひと月の上限額(世帯)
現役並み
年収1160万円以上
252,600円+(医療費-842,000)×1%
【多数回140,100円】
左に同じ
現役並み
年収770万~
1160万未満
167,400円+(医療費-558,000)×1% 
【多数回93,000円】
左に同じ
現役並み
年収370万~
770万未満
80,100円+(医療費-267,000)×1%
【多数回93,000円】
左に同じ
一般
年収156万~
370万未満
18,000円
(年間上限144,000円)
57,600円
【多数回44,400円】
低所得
住民税非課税世帯
8,000円24,600円
低所得
住民税非課税世帯
年金収入80万以下
8,000円15,000円

多数回とは、過去12カ月以内に3回以上上限額に達した場合に、4回目以降は「多数回」に該当となり、上限額が下がります。

高額療養費の上限額で、自分がどの区分に該当するのか、また変更後の金額も確認しておきましょう。

介護保険サービスの利用料軽減や介護保険料の減免・減額とは

要介護認定を受けて介護保険サービスを利用している方は、サービス費とは別に食費や生活費、居住費などが必要となります。
サービス費は自己負担1割(または2割)の負担となりますが、意外と他の必要な費用が高額となり、負担が大きくなる場合があります。
そのため、所得に応じて利用者の負担を軽減する減免・減額の制度があります。


生計が困難な方に対する利用料金の軽減の対象者となる人

低所得者や生活保護受給者の利用料金を市などが一部軽減させます。
その対象者となるのは次の条件をすべて満たす方です。
  • 世帯全員が市民税非課税の方
  • 世帯の年間収入が、1人世帯の場合150万円以で世帯員が1人増すごとに50万円が加算されます。
  • 世帯の預貯金等が1人世帯の場合350万円以下で世帯員が1人増すごとに100万円が加算されます。
  • 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がない
  • 生活費等の負担能力がある親族等に扶養されていない
  • 介護保険料の滞納がない

以上すべての条件を満たしていれば、介護保険サービスの利用料の一部が軽減されます。

介護保険料の減免・減額の対象となるサービス

それでは、この利用料の減免・減額対象となるサービスはどのようなものがあるか見ていきましょう。

  • 訪問介護(夜間対応型を含む。ただし、障害者に対する訪問介護の軽減を受けている方は対象外です。)
  • 訪問看護
  • 通所介護
  • 通所リハビリ
  • 訪問入浴介護
  • 訪問リハビリ
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護               (以上のサービスは予防も含みます。)
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 介護福祉施設サービス

たくさんのサービスが対象となっていますが、『軽減事業の実施』を申し出ている事業者によるサービスのみ対象となりますので注意が必要です。


介護保険料の減免・減額の対象となる費用

次に、減免・減額となる費用の解説をしていきます。

対象となる費用は、利用者負担額(サービス利用料のうち1割か2割)と食費、居住費、宿泊費です。
そのうち軽減割合は25%、老齢福祉年金受給者は50%となります。

その他の介護保険サービスの減免・減額方法

1か月の介護サービス自己負担分が所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、その超過した分の支給が受けられる高額介護サービス費の支給や、医療保険と介護保険の両方に自己負担限度額がある世帯を対象とし、医療と介護の自己負担額の合計が年間に定められた上限額を超える場合にはその超過分が支給される高額医療・高額介護合算制度というものがあります。

また、低所得の方のみではなく、他にもさまざまな方を対象とした介護保険サービスの減免・減額制度がありますのでいくつか挙げてみましょう。

  • 高齢夫婦世帯の食費・居住費の軽減・・・市民税課税者がいる高齢者夫婦世帯で、どちらか一方が介護保険施設に入所している場合、在宅で生活しているもう一方の配偶者の収入が一定額以下になる場合には、入所施設での食費と居住費が引き下げられます。
  • 障害者に対する軽減・・・障害者総合支援法によるホームヘルプサービスの利用に置いて境界層該当者として定率負担額が0円となっている方で、65歳到達前のおおむね1年間に障害者施策によってホームヘルプサービスを利用していた方で、65歳に到達したことにより介護保険の対象となった方、または特定疾病によって生じた身体上または精神上の障害が原因で要介護認定を受けている65歳未満の方のどちらかに該当する方は利用料負担額が全額免除されます。

利用料や住宅改修費等の貸付

介護が急に必要となった場合、その急な出費で生活が困窮する場合には、それに係る介護保険サービスの利用料等の貸し付けを行う制度もあります。
対象となるのは、介護サービスの利用に必要な費用を一時的に調達することが困難な方で、貸付内容は「高額介護サービス費等」「福祉用具購入費等」「住宅改修費」となります。
支給金額は年額10万円です。

家族介護慰労金の支給

介護保険の要介護4または5の要介護者を介護する家族の方で、要介護者が1年以上その認定を受け続けており、その期間中に介護保険制度で提供されるサービス(1週間程度のショートステイを除く)を利用していないなどの要件を満たしている方に年額10万円が支給されます。

これは自宅で介護を続ける家族にとって、とても嬉しい制度ですね。

対象となる方は、以下の要件をすべ満たしていないといけません。
  • 要介護者、介護者ともに1年以上同じ市内に居住(住所を有する)していること。
  • 介護者は、要介護者と同居もしくは同一敷地内、隣地に居住しており、現に要介護者の介護を行っていること。
  • 要介護者が要介護認定を受けて、1年以上要介護4または5であること。
  • 要介護者が要介護4または5に該当する期間に、介護保険サービスを1年以上利用していないこと。(ただし、1年間で7日間以内のショートステイの利用は問題ありません。また、医療機関に入院した場合には、その入院期間を除いて1年以上でなければなりません。)
  • 介護保険サービスを利用していない期間に、要介護者と介護者の世帯が市民税非課税であること。
慰労金の支給は、自宅で介護者が自ら介護しているということが重要なポイントとなります。そして介護者が複数いる場合でも、介護慰労金の申請ができるのは1人となりますので、介護者同士で話し合い代表者を決める必要があります。


被災におけ利用料の軽減および保険料の減免

自然災害の多い日本に住んでいると、台風や地震により被災する可能性は高いでしょう。
万が一、災害によって家屋が損壊したり、主な生計者が長期入院や死亡した場合には介護サービスの利用料の支払が困難になります。
その際には被災状況や収入内容により利用料の軽減などが行われます。
利用料や介護保険料を30~100%の割合で減額・減免されます。

低所得者に対する介護保険料の減額

介護保険料の所得段階が「第2段階」または「第3段階」の方のうち、以下の要件をすべて満たす方が低所得者に対する保険料の減額対象となります。
  1. 本人が属する世帯の前年の収入が1人世帯の場合150万円以下であること。(世帯員が1人増すごとに50万円を加えた額以下であること。また、収入とは非課税の遺族年金や障害年金、仕送りも含まれます。)
  2. 本人が属する世帯の預貯金の合計額が1人世帯の場合350万円以下であること。(世帯員が1人増すごとに100万円を加えた額以下であること。)
  3. 本人が属する全ての世帯員が本拠地となる住宅以外に不動産を所有していないこと。
  4. 市町村民課税者の控除対象配偶者及び扶養親族のいずれにもなっていないこと。
  5. 市町村民税課税者の医療保険の被扶養者になっていないこと。
以上の要件をすべて満たしている方は、保険料を「第1段階」まで減額されます。

まとめ

このように、介護保険サービスの支給限度額は要介護の段階によって決められており、利用できるサービスの種類や利用頻度も決まっています。
居宅介護サービスを利用する際には、この支給限度額が超えないように注意して、自分に必要な介護サービスが受けられるように担当の介護支援専門員に相談しましょう。

また、低所得の方の場合、保険料やサービス利用料の減額制度もありますので、一度市区町村へ確認してみることをおすすめします。

ランキング