失敗しない介護保険の住宅改修~段差を解消して安全に移動しよう

介護保険の住宅改修を使ってお住いの住宅の段差解消を行うことが出来ます。転倒を引き起こしやすい家の中の敷居や庭の階段などの段差も住宅改修で段差解消が可能です。段差の解消はどんな工事でも可能ではありませんが介護保険を賢く利用して住みやすい生活を実現しましょう。

介護保険で住宅改修し段差を解消する

いままで何の問題もなく過ごせていた自宅の段差が急に越えることが出来なくなった、居室の敷居のちょっとの段差でつまずいてしまう。

このようなことはご高齢や、病気で体を悪くされた方に起こりやすいことです。

上記のような状況になられた場合、65歳以上になられた方や40歳以上で特定疾病で要介護状態と認められた方は介護保険で住宅改修が利用できます。

介護保険では住宅改修の制度を利用して室内外の段差を解消することが出来ます。

自宅の室内外の段差を解消することは転倒やつまずきのない安心した在宅生活を継続することにつながりますね。

この記事では介護保険で住宅改修の段差解消を利用する場合の内容についてまとめていますので参考にしてください。

介護保険で住宅改修が保障される

介護保険のサービスの中に住宅改修という制度があります。

住宅改修とは文字通り家の内外の改修つまり工事ということです。

身体状態によって要介護状態(または要支援状態)と認められた方は介護保険制度によって補助を受けながら住宅改修を行うことが保障されています。

介護保険によって住宅改修がどの程度保障されるのか

介護保険で保障されている住宅改修には下記の種類があります。
  • 手すりの取付
  • 段差の解消
  • 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
  • 引き戸等への扉の取り替え
  • 洋式便器等への便器の取り替え
  • そのほか前号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
以上に上げた住宅改修の工事については介護保険で保障されています。逆に言うと上記工事以外の住宅改修については介護保険の保障対象外ということです。

原則一度だけ20万の保障を受けられる

介護保険の住宅改修で保障されている金額の上限は20万円です。

原則として20万円の住宅改修は1度だけ使用することが可能です

ただし、一回に20万円を全額使用する必要はありません。

その都度市町村に申請しなければいけませんが必要に応じて住宅改修を追加していくことが可能です。

つまり総額が20万円であると覚えておいてください。

再度保障を利用する方法もある

介護保険の20万円の住宅改修を行ってしまったあとでも例外として再度保障を利用する方法もあります。その方法は下記です。
  • 介護保険上の住所を変更した場合
  • 要介護度区分が3段階以上変更になった場合
介護保険上の住所の変更とはつまり引っ越しを行った場合です。

この場合は今までたとえ住宅改修を利用されていても住む居宅が変更になりますから1から住環境を見直すことになるため利用が可能になります。


要介護度区分の3段階以上の変更は、身体状況の悪化により現在の住環境では今までの生活が継続できなくなったと認められる場合に利用が可能になります。

例えば、要介護度1のときに歩行の安全のために手すりの工事を行ったが病気で重度化したため、要介護4になり車いす移動のために段差の解消工事を行うことになったなどの場合があてはまります。

まれに、要介護5(ほぼ寝たきり)で段差の解消工事を行ったが、状態が改善して手すりが必要になったという場合もあてはまります。

介護保険で段差の解消をする

それでは介護保険で段差の解消をする場合の内容を確認していきましょう。

まず、注意点からですが利用される本人が住んでいる場所でなくてはいけません。工事する場所が介護保険上の住所と同じでなくては保障は受けることが出来ません。

介護保険上の住所は別だが実際は娘の家族と住んでいる場合などもあてはまりません。あくまでも介護保険上の住所であることが必要です。なお、賃貸住宅であっても介護保険上の住所であれば段差の解消等の住宅改修は可能です。

住宅改修の内容

それでは具体的な段差の解消の内容を見ていきましょう。

介護保険で行われる住宅改修の段差の解消工事は下記が多いです。

  • 玄関段差の解消(踏み台取付)
  • 廊下の敷居の撤去
  • 浴室の床のかさ上げ
  • 玄関アプローチの段差解消
  • 勾配がきつい場所へのスロープ設置や階段増設
  • 廊下や居室の床を段差の解消のためのかさ上げ

これ以外の工事も段差解消として行われてはいますが上記がほとんどを占めています。




有効性

段差を解消することで得られる有効性は第一に移動がスムーズになること。転倒のリスクが軽減されることがあげられます。

また車いすで移動しなければならない場合に行われるスロープ工事なども外出を容易にするために必要であり有効な工事です。

金額

介護保険の場合、住宅改修工事で実際にかかった費用の9割が補助されます。つまり、実質的な負担額は1割です。

例えば玄関の段差解消工事を行った場合の金額が10万円だとすると、9万円が介護保険から補助されます。この場合の自己負担額は1万円です。


また先ほども申し上げたように1回で対象となる工事分の補助額20万円を使い切ってしまう必要はありません。後から追加で工事を行った場合であっても総額で20万円を超えない限りは1割負担が適応されます。

全ての段差の解消が介護保険の住宅改修の対象になる訳ではない

こうしてみると非常にありがたい制度である介護保険ですが、すべての段差の解消工事が介護保険の対象になる訳ではありません

認められる段差解消には一定の制約があります。

それは一言でいうと工事を行っているかということです。

ベランダの段差を解消する

例えばベランダの段差を解消する工事を見ていきましょう。

ベランダの段差がかなりあり、足が不自由になり洗濯物などを干すことが出来なくなってしまった場合に行われる工事の一つに段差を解消するためにベランダの全面、または一部を底上げすることがあります。

こうした工事の場合床面をけずり、モルタル等で底上げをすれば介護保険の対象となります。

また、単に踏み台を設置するだけの工事でも取付に際して釘を一本でも打っていれば対象工事とみなされます。

浴室の段差を解消する

それでは対象とならない工事の場合はどのような内容でしょう。

例えば浴室の床の段差解消を目的とした工事の場合。

多く行われるのがすのこの設置です。ところが浴室へのすのこの設置は基本的に工事がともないません。作成されたすのこを置くだけになります。この場合は介護保険の住宅改修の工事の対象にはならず、福祉用具購入という制度の対象になります。

もちろん、すのこの設置ではなくタイルの床面を工事によって底上げするなどの段差解消工事であれば認められます。

上がり框(かまち)の段差を緩和する

玄関の上がり框(かまち)の段差の解消で多く行われているのが踏み台の設置です。この場合の注意点は工事を伴っているかという点です。

単に踏み台を置くだけでは介護保険の住宅改修工事として認められません。たとえ一本でもよいので取付に釘などを使って上がり框に固定する必要があります。

つまり段差の解消とはいえ簡単に外して持ち運びができるものは工事の対象とはならないので注意して下さい

まとめ

今回は介護保険で行う場合の失敗のない段差の解消工事についてまとめてみました。

段差解消工事は介護保険で行われる工事の中で手すり工事の次に多く行われる内容であり、比較的簡単にプランが立てられますが、制度の内容をよく理解しておかないと後から工事が対象とならず保障が受けられないといった事態になりかねません。

工事の内容と実際の制度をよく理解したうえで、本当に今必要であり効果的な工事は何かをよく相談して行ってください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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