介護保険の住宅改修の回数を気にせず、住み慣れた環境をより豊かに

住宅改修には介護保険が適応されます。介護保険の住宅改修とは、その人に合った改修工事が複数回必要となってくる可能性があるために、回数の制限はありません。回数の制限はありませんが、上限金額には注意することで、今よりももっと充実した生活を送ることが可能になります。

介護保険の住宅改修の回数に制限はあるのか

初めて介護保険の住宅改修を受ける方が一番心配されることは、「介護保険の改修には回数の制限があるのではないか」と言うことです。

率直に言いますと、介護保険に関する改修の回数には制限はありません。

回数に制限を設けてしまうと、その人が今まで通りの生活を継続する上で不利益が生まれてしまうからです。

回数に決まりがないことを上手く活用する事で、今まで以上に快適で合理的な生活を送ることができます。

住宅改修に回数制限はない

どうして介護保険の住宅改修には回数の制限がないかと言いますと、介護保険制度の基本理念に基づいています。
  1. 自己決定の尊重
  2. 生活の継続
  3. 自立支援
上記の3つです。

その人がその人らしく、残存機能を活かしながら今までと変わらない生活を送る。その為には、その人の障害や介護度に合わせた住宅改修が必要となってきます。もし改修できる回数に制限があるとしたら、その人が必要とする範囲が絞られてしまい、満足に生活を送ることが出来なくなってしまうからです。

自立支援を促し、生活を継続する為には、その人の状況に合わせた複数回の住宅改修が必要となる理由から、回数には制限を設けないことになっています。

介護保険の住宅改修に回数制限はないが、上限がある

上記でも上げたように、住宅改修には回数制限はありません。しかし、回数の制限が無いからといって陥りやすいのが、上限設定です。

介護保険の住宅改修は8~9割が保障されます。しかしこの保障は国の財源から賄われています。この財源が底をつかないよう、上限が設定されているのです。

上限を設定する理由は、国民全員の最低限の生活を平等に保障するためです。

回数があるからと様々な改修を計画しても、上限を上回ってしまえば、自己負担となってしまいます。

介護保険の住宅改修の上限は20万円である

介護保険を利用した住宅改修には上限20万円という枠が存在します。

20万円では住宅内を全て改修することは、ほぼ不可能です。その人の機能や介護度に応じて、本当に必要な改修のみを行う必要があります。


全てを使いやすく何不自由なく自宅を改修することは、自立支援の妨げにもなり、介護保険制度の基本理念に反するためです。

重複してしまいますが、財源を守り国民全てに平等の生活を保障する義務が国にはあるため、20万円という枠が設けられました。

介護保険の上限をリセットして住宅改修の回数を増やす事ができる

介護保険の住宅改修には、上限の20万円の範囲内であれば回数に制限なく何度でも改修を受けることはできますが、何年経とうがこの上限はリセットされることはありません。


けれども、年月が経つにつれ必要に応じて改修の回数も増え、いつしか上限の20万円を超えてしまう日がやって来ます。

その介護保険の住宅改修の上限をリセットする事で、回数を増やすことが出来る条件をご存知でしょうか。

上限がリセットされる条件

  • 現在の地域から他の地域へ引っ越す(住宅改修が認定されるのは、介護保険証に記載されている住所の住宅のみ)
  • 介護度が要介護3以上に変更される(要介護3、4、5からの変更は対象外)
上記条件に一つでも当てはまると、住宅改修の上限がリセットされます。

まず住宅改修をするためには、介護保険証に記載がある住所の住宅のみとなります。その為、介護保険証の住所の変更手続きも必須となります。

また、介護認定が改修した当時よりも3段階以上上がることが条件になりますので、最初の改修を受けた際に要介護3、4、5だった方は利用できないことになります。要支援1、2の方は同じ段階で考えられているので、申請時には注意が必要です。


リセットされれば20万円の範囲で何回でも住宅改修できる

この条件をクリアし住宅改修の上限がリセットされれば、再度20万円の範囲内であれば何度でも改修を受けることができます。

しかし、転居すると言うことは、住み慣れた土地を離れると言うことになります。また、介護度が上がると言うことは以前よりももっと介護が必要になると言うことです。


上記の条件を希望される方の理由は色々かとは思いますが、本当に必要な改修のみを行い、住み慣れた環境で暮らしていくことに意味があるのではないでしょうか。

まとめ

介護保険の住宅改修の適応には、現状に応じた改修工事が必要となります。

しかし、上限枠一杯を利用するのではなく、先々で再び改修が必要になったときの事を考え、ある程度余裕を残しておくことが大切です。

将来、必ずしも介護認定が上がることや引っ越すことは分からないものです。


住宅改修の限られた上限を無駄遣いすることなく、必要な改修によって得た住環境で、住み慣れた土地で暮らし続けることは、自分の人生をもっと豊かにしてくれること間違いありません。介護保険は様々な仕組みや細かいルールでできています。しっかりと介護保険を理解することで、適応できるサービスをを効率良く使いましょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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