更新日:2020/06/24
育休中に扶養に入るのは可能?扶養控除・扶養手当の手続き方法を解説
共働きであっても育休中は扶養に入ることができます。育休中は無給である場合も多いですが、扶養控除や扶養手当を受けることにより負担を軽くでき、更に扶養控除はさかのぼって請求することもできます。この記事では育休中の扶養への入り方・手続き方法等を解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 育休中扶養に入ることはできる?デメリットはある?
- 育休中は扶養に入ることができる!デメリット無し!
- 出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付金は年収に含まれない
- 育休中の扶養控除には配偶者控除・配偶者特別控除の2種類がある
- 社会保険・保険証の扶養に関しては対象外なので注意!
- 育休中の子どもの扶養はどうしたらいい?
- 育休中のいつから扶養に入る?扶養の入り方・手続き方法を解説
- 年末調整の際に扶養控除申告書と配偶者控除等申告書に記入
- 確定申告の際にさかのぼって請求することも可能
- 育休中は扶養控除の他に扶養手当が受けられる場合もある
- 扶養手当を受ける条件
- 【公務員の場合】扶養手当を受ける際に注意したいポイント
- 育休中は扶養に入ることが可能!手続きを踏んで控除を受けよう
目次
育休中扶養に入ることはできる?デメリットはある?
育休は産休の後、子どもが1歳になるまで取得することができます。
子どもを育てながらの生活は楽しいものですが、収入が減ってしまい経済的な不安もあるのではないでしょうか?
実はさまざまな制度を利用すれば経済的な負担を軽減することができます。
そこで、ここでは
- 育休中に扶養に入ることのメリット
- 扶養への入り方・手続きの仕方
- 育休中、子どもの扶養はどうしたら良いか
- 扶養手当を受け取れるのか
など、育休中の扶養に関して気になることを詳しく解説します。
さまざまな制度がありますが、手続きをしなければ使えません。この記事を読んでいただければ利用できる制度について知ることができ、手続きの仕方が分かるようになります。ぜひ、最後までご覧ください。
育休中は扶養に入ることができる!デメリット無し!
共働きの夫婦の場合、妻も夫と同じように働いているため扶養に入ることに縁が無いと思っている人はいませんか?
実は育休中には夫の扶養に入ることができます。
もちろんいくつか条件はありますが、仕事を辞めなくても育休中で収入がなければ夫の扶養に入り税金面での優遇を受けることができます。
そこで、ここでは
- 年収に含まれない手当
- 扶養控除の種類
- 社会保険上の扶養は対象外
- 子どもの扶養はどうなるのか
など、育休中の扶養について知っておきたいポイントを詳しく解説します。
扶養に入ることで夫が税金の還付を受けることができる上に、デメリットはありません。子どもの将来のためにも少しでも経済的な負担を減らしましょう。
出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付金は年収に含まれない
育児休暇中にはさまざまな手当てをもらうことができます主なものは
- 出産手当金
- 出産育児一時金
- 育児休業給付金
などですね。
1年間の収入が201万6千円以上(給与収入のみの場合)あると扶養に入ることができませんが、上記の手当て類は収入に含まれるのでしょうか?
実は出産手当金などの手当ては収入に含まれません。
年の途中まで働いていてお給料をもらっていたとしても、上記の手当てを含めずに収入が約201万円以内であれば、夫の扶養に入り控除を受けることができます。
ただし、夫の年間合計所得が1000万円を超える場合は妻の年収にかかわらず配偶者控除の対象外になりますので注意しましょう。
育休中の扶養控除には配偶者控除・配偶者特別控除の2種類がある
育児休暇中は仕事ができないので家計も苦しくなりますよね?しかし、そんな時に助けてくれる制度があるので安心してください。
ここでは育休中に扶養に入ることで受けられる控除を2つ紹介します。令和2年から法律が変わります。少し金額が変わりますので気を付けましょう。
配偶者控除
妻の1年間の合計の所得が48万円(令和元年以前は48万円)以下のケースで対象になります。(お給料のみのケースでは103万円以下。)
控除金額
夫の合計所得金額 | 控除額 |
---|---|
900万円以下 | 38万円 |
900万円より多く950万円以下 | 26万円 |
950万円より多く1,000万円以下 | 13万円 |
配偶者特別控除
1年間の合計の所得が48万円より多く123万円以内(令和元年以前は38万円より多く133万円以内)の場合対象になります。(お給料のみのケースでは103万円より多く約201万円以内)
控除される金額は38万円から1万円で夫や妻の所得が増えると少なくなります。詳細は国税局のHPをご確認ください。
社会保険・保険証の扶養に関しては対象外なので注意!
ここまで育休中に税金上の扶養に入ることができ、配偶者控除や配偶者特別控除を受けることができる事について解説してきました。
それでは社会保険も夫の扶養に入れるのでしょうか?
残念ながら税金上の扶養と社会保険上の扶養とは別の制度なので社会保険上の扶養に入ることはできません。
ただし、育休中でも勤務先の厚生年金や健康保険は継続されます。特別な手続きをしなくても健康保険証が使えなくなることはないので安心してくださいね。
育休中の子どもの扶養はどうしたらいい?
育休中のいつから扶養に入る?扶養の入り方・手続き方法を解説
育休中に税金上の扶養に入ることができる事を解説してきました。扶養に入ると節税効果があるのでぜひ扶養に入りたいですよね。ここでは扶養の入り方や手続き方法を解説します。
手続き方法は
- 年末調整
- 確定申告
の2つあります。
共働きをしている時にはなかった手続きなので、忘れずにするようにしましょう。
育休中は収入が少なくなり不安があるかもしれませんが、しっかり手続きをすれば税金の還付を受けることができますよ。
年末調整の際に扶養控除申告書と配偶者控除等申告書に記入
確定申告の際にさかのぼって請求することも可能
育児休暇中はバタバタと慌ただしく過ごしているため、うっかり年末調整で扶養に入るのを忘れてしまうこともありませんか?思ったよりも育休中の収入が少なかったことに後から気付くこともあるでしょう。
そんな時も安心してください。翌年の2月中旬~3月中旬に確定申告をすれば後からでも配偶者控除や配偶者特別控除の手続きをすることができます。
さらに確定申告もできなかった場合は育休から5年以内であればさかのぼって請求することも可能です。
- 確定申告をしていないケース:還付申告
- 確定申告をしているケース:更生の請求
どちらかの方法で納め過ぎた税金を還付してもらいましょう。
育休中は扶養控除の他に扶養手当が受けられる場合もある
育休中は収入がなくなるために扶養控除が受けられることを解説してきました。実は扶養控除以外にも扶養手当が受けられる場合もあります。
扶養手当とは国や地方自治体による社会保障制度ではなく、会社が家族を抱える社員をサポートするために支給する手当です。公務員にも扶養手当があります。
会社によって扶養手当の内容はさまざまなのでどのような内容なのか必ず会社に確認しましょう。
利用できる制度はできるだけ利用して賢いマネーライフを送ることも今後お金がかかる子育て世帯には大切なことです。
そこでここでは
- 扶養手当を受ける条件
- 公務員が扶養手当を受ける際のポイント
を詳しく紹介します。
扶養手当を受ける条件
夫の会社に扶養手当の制度がある場合育休中でも加入できることがあります。ただし、扶養手当の制度は全ての会社にあるわけではありません。制度があるかどうかをまず確認しましょう。
制度がある場合は条件をチェックします。条件としてよくある収入の条件が「扶養内ならOK」というものです。
扶養内には、
- 税法上の扶養:103万円以下
- 社会保険上の扶養:130万円以下
以上の2つの条件があるのでどちらが認定されるか確認しましょう。
条件を満たしていないと返金を求められることもあるので注意が必要です。
【公務員の場合】扶養手当を受ける際に注意したいポイント
公務員の場合は条件を満たせば扶養手当を受けることができます。収入の条件は130万円以内なので覚えておきましょう。
その他にもいくつかポイントがありますので詳しく紹介します。
- さかのぼって請求できない
- 産休中は受けられない
さかのぼって請求できない
扶養手当をもらうためには申請が必要ですが、申請が遅れた場合さかのぼって請求をすることができません。扶養手当をもらえるようになるタイミングに合わせて申請をしましょう。
公務員の妻の場合、子どもが1歳になるまでは育休手当金があるので、子どもが1歳の誕生日を迎えたタイミングで扶養に入ることが多いです。
産休中は受けられない
公務員は産休中でも給与が満額もらえるため、収入の上限を超えてしまい扶養手当を受けることはできません。
育休中は扶養に入ることが可能!手続きを踏んで控除を受けよう
ここまで育休中に扶養に入ることについて詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
この記事のポイントは
- 育休中は扶養に入ることができる
- 出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付金は年収に含まれない
- 配偶者控除または配偶者特別控除を受けることができる
- 社会保険の扶養は対象外
- 育休中の子どもの扶養を夫に移すことができる
- 扶養の手続きは年末調整か確定申告でする
- 会社によっては扶養手当を受け取ることもできる
でした。
育休中は収入が減ってしまう上にこれからかかる教育費を考えると不安になることもあるかもしれません。
しかし、さまざまな制度を利用することで税金が還付できたり扶養手当を受け取ったりすることができるのでぜひ活用しましょう。
ほけんROOMでは他にも子育て世帯が知っておきたいお金や保険に関する記事が多数掲載されています。ぜひ、ご覧ください。