育休の延長手続き・延長申請はいつまで?申請期限と必要書類を解説

子供が生まれたら取得できる育休は、必要書類をそろえて延長手続きをすればさらに延長することができます。育休の延長手続き・延長申請は1歳6か月と2歳の2回あります。育休の延長手続きは基本的に会社は拒否することはできません。今回は、育休の延長手続きの方法と申請期限を解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

目次を使って気になるところから読みましょう!

育休の延長手続きはいつまで?延長手続きの方法と必要書類を解説

様々な理由で「育休を延長したい」と思っている人はいるでしょう。


しかし、「いつまで育休を延長できるのか」「育休手当は出るのか」など、気になることがある人も多いはずです。しかし、延長はいつまでに手続きをすれば良いかわからないですよね。


育休の期間は、原則として産休が終了した翌日から子供が1歳になる前日までとなります。もし、子供が保育園に入れなかった場合や、子供の養育を行っている配偶者が心身の病気怪我などで養育ができなくなった場合は期間を延長できます。


育休は1歳6ヶ月まで延長ができ、最大2歳まで延長することが可能です。


1歳6ヶ月までの延長したいという場合は、育休開始予定日(1歳の誕生日)の2週間前までの申請が必要です。2歳までの延長を希望する方は、1歳6ヶ月になる次の日の2週間前までに申請しなければなりません。


そこで、この記事では「育休の延長手続きはいつまでにすればよいか」について、

  • 育休の期間はいつからいつまでなのか
  • 延長手続きは1歳6ヶ月と2歳の2回必要
  • 育休の延長手続きをするために必要な条件
  • 延長手続きに必要な書類は準備しておく
  • 育休の延長手続きをする上でおさえておきたい注意点

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、育休の延長手続きが必要となったときに役立つかと思います。


ぜひ最後までご覧ください。


育休の期間はいつからいつまで?

育休の期間は、産休終了日の次の日から1歳の誕生日の前の日までです。産休は、出産予定日の6週間前から出産の翌日から8週間のことです。


つまり、育休は出産して8週間後から子供が1歳になる約10ヶ月間まで取ることができるのです。1歳未満の子供を養育する男女が対象ですので、女性だけではなく男性も対象です。


女性の育休期間の平均として10ヶ月〜12ヶ月がほとんどで、男性は5日未満が多くなっています。正社員ではなく、パートやアルバイト、契約社員、派遣などで働く人が育休を取得する場合は、

  • 同一事業主に1年以上雇用されている
  • 子供の1歳6ヶ月の誕生日以降も雇用が見込まれる

以上の条件を満たしている必要があります。


また、

  • 雇用期間が1年未満
  • 1年以内に雇用関係が終了する
  • 週の所定労働日数が2日以下

上記に当てはまる場合は育休の対象外になる場合があるので注意しましょう。

育休の延長手続き・延長申請は1歳6か月と2歳の2回ある

さて、ここまで育休の期間はいつからいつまでなのかについて説明してきました。では、基本となる育休期間以上に延長することは可能なのか、気になるという方は多いのではないでしょうか。


育休は、条件に当てはまっていれば最長2歳まで延長することができます。しかし、延長の手続きは1歳6ヶ月2歳の2回必要です。


次に、

  • 1歳6ヶ月まで延長する場合の手続き
  • 2歳まで延長する場合の手続き
  • 延長手続き期限を過ぎると取得できなくなる

以上について解説します。


延長を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

育休の延長手続き期限:1歳6か月までの場合

育休を1歳6ヶ月までの延長を希望する方は、1歳の誕生日の2週間前までに延長手続きをする必要があります。雇用主である会社に申請の申し出をしましょう。


子供が1歳を迎える時点で、保育園に預けられず待機児童になると、1歳6ヶ月まで育休を延長することができます。


育休の延長手続き期限:2歳までの場合

育休を2歳まで延長したいという方は、1歳6ヶ月になる日の2週間前までに延長の手続きをすしなければなりません。1歳6ヶ月の時点で、保育園に入れない場合や養育が困難な場合は、育休を2歳まで延長できます。


1歳6ヶ月までの延長をしたことで安心してしまい、2歳までの延長を忘れてしまうことがあります。ですので、2歳まで延長したいと考えている人は申請を忘れずに行いましょう。


期限までに延長の申請をすれば、希望通り育休を延長できます。ただし、期限までに申請ができないと雇用主の方で育休の延長開始日が指定される場合があるので注意しましょう。

参考:育休の延長手続きをすると育休手当も延長してもらえる

育休を延長する場合、育児休業給付金(育休手当)も延長してもらうことができます。

育休手当は、育休を開始してから6ヶ月は休業前の賃金の67%、それ以降は50%雇用保険から支払われる制度です。


育休手当も育休と同じように、2歳まで延長する場合は1歳になる時と1歳6ヶ月になる時の2回申請する必要があります。


育休手当の手続きは、一般的には必要書類を会社に提出して、会社がハローワークに申請するという流れになりますが、自分で手続きをしなければならない場合はハローワークに直接出向いて申請することになります。


育休の延長後もスムーズに育休手当を受け取れるように、申請方法と必要書類、申請の時期などを事前に会社に確認しておきましょう。

育休の延長手続き・延長申請をするために必要な条件

さて、ここまで延長手続きは1歳6か月と2歳の2回必要であることについて説明してきました。育休の延長手続きをするためには、条件を満たしている必要があります。


延長するための条件とは、子供を養育している夫婦のどちらかが、子供が1歳になる誕生日の前日に育休を取得していることです。そして、子供を保育園に預けることができなかったり、子供を養育している人が心身の病気や怪我などで子供を育てるのが難しくなったりした場合に、延長をすることができます。


次に、

  • 育休は条件を満たせば最長2年間まで延長手続きができる
  • 「パパ・ママ育休プラス制度」を利用する
  • 公務員は最長3年以内まで延長手続きができる
  • 会社の都合で育休延長を断ることは違法なのか

以上のことについて説明します。


一つずつ確認していきましょう。

育休は条件を満たせば最長2年間まで延長手続きができる

条件を満たすことで育休は、最長で2年間の育休を取ることができるのです。以前までは、育休は最長でも1年6ヶ月までしか取ることができず、子育てが大変な方もたくさんいました。


2017年3月に育児・介護休業法改正が行われたことで、1年6ヶ月以降も育休を取得したい場合は2歳まで延長が可能になりました。


総務省のサイトに具体例が記載されているので、ぜひご覧ください。

「パパ・ママ育休プラス制度」を利用する

パパ・ママ育休プラスという制度は、育休を一年間から2ヶ月延長して子供が1歳2ヶ月になるまで育休を取得できます。この制度は、父親が育休を取得しやすいようにすることを目的として、2010年から始まった制度です。


夫婦同時に育休を取ることも、どちらかの育休が終わるタイミングで交代で育休を取ることもできる大変魅力的な制度です。


パパ・ママ育休プラス制度を利用するには、いくつかの条件を満たすがあります。

  • 両親のどちらも育休を取得すること
  • 1歳になる前に配偶者が育休を取得していること
  • 子供の1歳の誕生日よりも父親の育休開始予定日が前であること
  • 父親の育休開始予定日が母親の育休初日より後になっていること
以上の条件を満たしている場合に、パパ・ママ育休プラス制度を利用できます。父親の育休開始日が1歳の誕生日を1日でも過ぎることがあれば、この制度は使ことができないので、注意が必要です。

一方で、パパ・ママ育休プラス制度が適用されない場合もあります。
  • 入社して1年未満である労働者
  • 育休の申し出の日から1年以内に雇用期間が終了する労働者
上記に当てはまる場合は、パパ・ママ育休プラス制度の適用外となってしまうので注意しましょう。

公務員は最長3年以内まで延長手続きができる

公務員の育児休暇は、産休終了の翌日から子供が3歳になる誕生日まで取得が可能です。民間企業の場合は、子供が1歳になるまでと決められています。


しかし、公務員の場合は3歳の誕生日までとされているので2年間多く取得できるのです。逆に期間を短くしたい場合は、具体的な規定はありません。


そのため、人事担当者と復帰する時期について相談して決めることになります。公務員の育休延長は、原則として1回認められています。女性も男性も、最長で3年まで育休を取得できるので、会社員よりも長く育休を取ることができるので良いですね。

育休の延長手続き・延長申請は会社は拒否できる?

会社の都合で育休の延長手続きを拒否することは違法です。


しかし、育休を申請はしたが必要な書類が揃っていないなど、申請した方に問題があった場合は6ヶ月の延長申請が却下されることがあるのです。


育休の延長申請をしたけれど、入園できなかった証明の不承諾通知書がなかった場合は、延長を却下しても会社側が違法にはならないのです。もしも、会社に育休の延長を申し出たけれど却下されたり、不満があったりする場合には労働局雇用環境・均等部に相談すると良いでしょう。

育休の延長手続き・延長申請をする際の方法と必要書類

さて、ここまで育休の延長手続きをするために必要な条件について説明してきました。育休を延長したい場合は、自動的に延長されるわけではないので事前に会社へ申し出て必要書類を揃えておく必要があります。


延長手続きには期限があり、期限を過ぎてしまうと延長できないことがあるので注意が必要です。


次に、

  • 育休延長手続きの必要書類
  • 認可保育園から不承諾通知をもらう時期には注意が必要

以上のことについて説明します。


一つずつ確認していきましょう。

育休延長手続き・延長申請の必要書類

会社に育休の延長の申し出をする場合は、必要な書類を揃えて提出する必要があります。

  • 育児休業申出書
  • 保育園の入園不承諾通知書
  • または延長自由に該当することを確認できる書類
心身の病気や怪我などが理由で育休の延長をする場合は診断書が必要となる場合があります。また、養育する予定の人がいなくなってしまった場合は、母子手帳のコピーと、世帯全員の記載のある住民票が必要となります。

そのため、早めに会社に相談するのがおすすめです。

参考:認可保育園から不承諾通知をもらう時期

1歳6ヶ月までの延長の場合は1歳になる前日までの不承諾通知、2歳までの延長の場合は1歳6ヶ月になる前日までの不承諾通知が必要です。


また、2月3月は入園募集自体していない認可保育園が多く、

  • 子供の誕生日が1日
  • 2~4月生まれ
  • 8~10月生まれ

の場合は特に注意が必要です。


ここで、誕生日ごとの一般的な申請時期を表にしましたので、参考にしてみてください。


詳しい申込期限や結果通知については自治体によって異なりますので、保育園管轄の自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

1歳6ヶ月まで延長する場合

誕生日必要な不承諾通知の入園月申請の時期
4/2~5/14月10月~12月上旬
5/2~6/1
5月4月上旬まで
6/2~7/16月5月上旬まで
7/2~8/17月6月上旬まで
8/2~9/18月7月上旬まで
9/2~10/19月8月上旬まで
10/2~11/110月9月上旬まで
11/2~12/111月10月上旬まで
12/2~1/112月11月上旬まで
1/2~2/11月12月上旬まで
2/2~3/11月12月上旬まで
3/2~4/11月12月上旬まで

2歳まで延長する場合

誕生日必要な不承諾通知の入園月申請の時期
4/2~5/110月9月上旬まで
5/2~6/111月10月上旬まで
6/2~7/112月11月上旬まで
7/2~8/11月12月上旬まで
8/2~9/11月12月上旬まで
9/2~10/11月12月上旬まで
10/2~11/14月10~12月上旬
11/2~12/15月4月上旬まで
12/2~1/16月5月上旬まで
1/2~2/17月6月上旬まで
2/2~3/18月7月上旬まで
3/2~4/19月8月上旬まで

補足:育休延長手続きのためにわざと保育園に申し込む人がいる

保育園になかなか入れず困っている親がいる一方で、内定を辞退したり、複数の園に申し込めるのにわざと一番人気の保育園だけ申し込むといった人も増えています。

こういった人は、育休を延長したいがための「落選狙い」と悪くとらえられがちです。


しかし実際は、「子どもの生まれ月によっては、1歳ちょうどで希望の園に入るのが難しい」「家事育児をほとんどワンオペでしていて、今は仕事まで抱えるのはどうしても無理」といった声も多いのです。


そもそも、育休を延長するのに保育園に落選したという条件は必要なのでしょうか?


今、多くの自治体で「保育園に入れなかった証明がなくても、希望すれば育休を2年まで延長できるシステムに変えてはどうか」という意見が出ています。


しかし、厚生労働省の見解は「育休は原則として1年間であり、育休の延長はやむを得ない場合の例外措置」とのこと。


不承諾通知をもらうことを目的として保育園の申込をする現象は、今後も続いていきそうです。

育休の延長手続き・延長申請をする上でおさえておきたい注意点

さて、ここまで必要書類は早めに準備しておくことについて説明してきました。育休の延長手続きをする場合は、子供が早生まれの場合は保育園に入園できる年齢に達しない場合があり、不承諾通知書がもらえない可能性があるのです。


育休を延長する時は、育休手当社会保険料免除の手続きも必要となります。


次に、

  • 早生まれの場合は延長手続きに注意が必要
  • 育休を延長したら育休手当の延長手続きも別途必要
  • 育休の延長手続き時に社会保険料免除の手続きも再度必要

以上のことについて説明します。


一つずつ確認していきましょう。

早生まれの場合は延長手続き・延長申請は注意が必要

子供が早生まれの場合は、延長手続きをする際に注意が必要です。例えば、3月生まれの子供がいる人で、育休の延長を申請したい場合は3月の入園で保育所の申し込みをして、不承諾通知を受け取ることが必要です。


早生まれなので最初から1年以上の育休を取得すると申請をしていても、子供が1歳になるときには再び育休の延長を申請する必要があります。


人事の担当者によっては、事前に保育園の不承諾通知が必要となる時期などについて教えてくれるでしょう。


しかし、自分で意識しておかないと、育休の延長をしようと思っても書類を用意するのに期限が間に合わないということがあるかもしれません。

育休を延長したら育休手当の延長手続き・延長申請も別途必要

育休の延長手続きをしたら、同時に育休手当の延長手続きも行います。


育休手当の延長手続きに必要となる書類は、

  • 育児休業給付金支給申請書
  • 入園の申込書
  • 保育園の入園不承諾通知書
  • または延長自由に該当することを確認できる書類
  • 母子健康手帳
  • 住民票

です。


育休を延長する理由によっては、提出書類に違いがあります。そのため、事前に会社に確認すると良いでしょう。

育休の延長手続き時に社会保険料免除の手続きも再度必要

育休中は、社会保険料が免除になります。しかし、社会保険料を免除するには申請書を提出する必要があります。


育休の延長手続きをしたら自動的に社会保険料が免除になるわけではないので、忘れないようにしましょう。会社に申請書を提出して、事業主より年金事務所に提出します。被保険者と事業主側ともに社会保険料は免除になります


まとめ:育休の延長手続きは子供が1歳になる誕生日の前日まで

育休の延長手続きはいつまでにすればよいかについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 育休は子供が1歳になる誕生日の前日までの1年間
  • 1歳6ヶ月・2歳まで延長できる
  • 延長手続きをするために必要な条件がある
  • 期限が過ぎると延長できないのであらかじめ必要書類を用意する

です。


条件を満たしている人で、きちんと延長手続きをすれば最長で子供が2歳になるまで育休を延長できます。しかし、期限に間に合わないと育休を延長できなかったり、育休手当をもらえなかったりする場合もあります。


いざ子供が生まれると忙しくなってしまい、書類を準備する余裕がなくなるかもしれません。そのため、事前に計画を立てていつから動くかを決めておくことが大切です。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたいマネーライフに関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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