更新日:2020/02/13
子供の扶養控除は何歳から受けられる?子供が扶養控除から外れる条件も紹介
扶養控除は利用することで税金を減らし、年末調整の還付金を増やすこともできます。家庭を持っている場合は積極的に利用したい制度ですが、子供については何歳から利用できるかご存知でしょうか?この記事では、子供が扶養控除の対象になる期間や、子供が扶養から外れる条件などを解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
子供の扶養控除について解説
- 何歳から何歳までが対象になる?
- 扶養控除対象外になる条件は?
子供は何歳から扶養控除の対象になるの?
扶養控除とは、自分以外の配偶者や子供など生計を共にしている方がいる場合に認められる控除の一つです。一定金額の所得控除が受けられ、所得税などが少し安くなります。
(参考:国税庁)
簡単に解説すると、自分以外に養っている人がいる場合はその分だけ所得税や住民税が減るという仕組みです。
配偶者や子供がいる家庭にとってとても嬉しい制度ですよね。しかし、子供の扶養控除を受けるためには、年齢制限が設けられています。
一体何歳からが対象となるのでしょうか。ここでは、何歳から扶養控除の対象になるのかなどの情報を詳しく解説します。
16歳以上の子供が扶養控除の対象
扶養控除の対象年齢は、その年の12月31日までに16歳以上になっていることが条件です。16歳未満の子供は、扶養控除はありません。
扶養控除には配偶者も入ることが出来るのですが、配偶者の場合は給与所得103万円を超えても支障がないように配偶者特別控除に切り替わるようになりました。
このおかげでパートなどの給与支払いで、150万円まで働くことが可能となります。
扶養控除の対象年齢の上限は、74歳となっています。75歳になると後期高齢者となり、後期高齢者医療制度に移行します。
保険料は別で支払う必要が出て切るため、結果的に扶養対象からは外れてしまうでしょう。ただし、税制上であれば75歳であっても条件に合えば48万円から58万円の控除が受けられます。
16歳未満の子供は住民税に関係する
現在、16歳未満の子供を扶養控除の対象にすることはできません。しかし、16歳未満の子供の数によっては住民税が非課税になる限度額が増える可能性があります。
基本的には、
35万円×(控除対象配偶者+扶養人数)+32万円
この計算式から住民税の所得割非課税額が計算できます。例を挙げて解説します。例えば、子供二人3歳児と2歳児がいて、控除対象配偶者がいるご家庭の場合はどうなるのでしょうか。
計算式に当てはめると、35万円×(配偶者1人+子供2人)+32万円=137万円になりました。住民税の所得割非課税額が137万円になることがわかります。
このように子供の数に応じて、住民税が非課税になる限度額が増えていくということを覚えておきましょう。
19歳以上23歳未満の子供は「特定扶養家族」になる
16歳以上であれば扶養控除が受けられると解説しましたが、子供が16歳から18歳までの間は一般扶養控除と言って、所得税38万円、住民税33万円の控除が受けられます。
そして、子供の年齢が19歳以上23歳未満の場合は、特定扶養家族という名前に変わります。一般扶養控除とは違い、所得税63万円、住民税45万円の控除が受けられます。
ちょうど19歳といえば大学生くらいになりますが、子供が学生であっても学生でなくても受けることのできる控除です。
参考:年少扶養親族に対する扶養控除は廃止された
以前までは子供の年齢に関係なく、扶養控除の対象となっていました。
しかし、「児童手当」などの支援制度が充実してきたことから、15歳未満の年少扶養親族への扶養控除は平成23年より廃止されました。
(参考:財務省)
子育て支援がより本格化してきたことにより、扶養控除の廃止が決められたのでしょう。ただし、先ほども解説してきましたがあくまで所得税に関するものとなっています。
15歳未満であっても住民税については控除が受けられるという点を注意しておきましょう。
注意:年末調整で16歳未満の子供が4人以上いる場合の書き方
年末調整で16歳未満の子供が4人以上いる場合、どのように記載すればいいのでしょうか。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を見ると、16歳未満の扶養家族を記入する欄は3行程度しかありません。
4人以上子供がいる場合の対処法としては主に3つあります。
- もう一枚用紙をもらう
- 別紙に記載する
- 最後の行を分割して無理矢理書く
子供が扶養控除から外れてしまう条件
子供を扶養にしていたけれど、気付かないうちに条件から外れてしまうということもあるでしょう。子供が扶養控除から外れてしまう条件を知っておくと、避けられる事態ですね。
では、子供が扶養控除から外れてしまう条件とはどんなものがあるのでしょうか。詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。
子供のアルバイト収入が103万円を超える場合
以前まで主婦の間では、「103万円の壁」といわれるものがありました。働けば夫の扶養から外れてしまい、所得税が増えてしまうためできるだけ働きすぎないよう調節していたことでしょう。
実は子供のアルバイトでも同じことが言えます。子供を扶養控除にするための条件には、「年間の合計所得金額が38万円以下であること (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)」というものがあります。
つまり、アルバイトを一生懸命頑張って給与収入が103万円を超えてしまうと扶養から外れてしまうのです。親が子供のアルバイトでの収入を知らなかった場合、年末調整後に外れていると知ることもあるようです。
その場合は修正申告後、追加の税金を支払う必要があります。さらに子供は働いた分、税金を納めなくてはいけない立場になることを理解しておきましょう。
勤労学生控除という、学生が生活費を稼ぐためのアルバイトに対して税金を少し安くする控除もあります。この控除を利用する場合は更生の請求が必要です。
子供が別居する場合
子供が別居することになった場合、扶養控除から外れるのでしょうか。基本的に、生計が親と別々になった場合は扶養控除から外れます。
条件の一つに、「生計を共にしていること」というものがあるからです。子供がアルバイトなどを行い、親が援助していない場合などが当てはまります。
もちろん、子供が別居する場合でも扶養控除として認められる場合もあります。それは、別居していたとしても生計が一緒であれば問題ありません。
つまり生活費や医療費などの支援を親が行っている場合などに当てはまります。必ずしも別居すれば扶養控除から外れてしまうといったことはないでしょう。
参考:配偶者が扶養から外れるのは150万円を超えた場合
ここでは配偶者がウケられる配偶者控除、配偶者特別控除について解説します。この制度は、平成30年度の税制改正で変更されました。
これまでは配偶者が103万円を超えてしまった場合、扶養から外れていました。しかし現在は、103万円を超えると配偶者特別控除となり、150万円までなら働いても扶養から外れません。
逆に言えば150万円以上働けないということですが、103万円より47万円上限が増えたことでより働きやすくなったのではないでしょうか。
この配偶者控除や配偶者特別控除は、扶養控除とは違う制度なので一緒にならないように注意しておきましょう。
注意:母子家庭は子供のアルバイト収入に注意
母子家庭の場合、扶養控除があるだけでなく寡婦控除が受けられます。母子家庭の場合、少しでも母親に楽をさせたいという思いから、アルバイトを始める子供も少なくありません。
しかし、子供のアルバイトの年収が103万円を超えてしまうと扶養控除だけでなく寡婦控除まで受けられなくなるのです。
寡婦控除とは、夫や妻と離婚もしくは死別した際に扶養家族がおり、さらに年収500万円以下であれば受けられる控除のことです。主に所得税や住民税を軽減するために作られたものとなります。
子供のアルバイト収入が1年で103万円以上になった場合、この控除が受けられなくなり、親の税金が高くなってしまうでしょう。
また、130万円を超えると当然扶養控除や寡婦控除が利用できなくなるだけでなく、子供は自分で税金を支払い、さらに保険料も支払うことになります。
子供のアルバイトは、収入額が増えれば家計への影響が大きくなるので注意しておきましょう。
子供の扶養控除についてのまとめ
今回は、子供の扶養控除についての年齢や扶養控除が受けられなくなる条件などについて解説してきましたがいかがだったでしょうか?
この記事のポイントは、
- 子供の扶養控除が受けられるのは16歳以上の子供だけ
- 15歳未満の子供については、住民税が非課税になる限度額が増える
- 19歳以上23歳未満の特定扶養家族になれば、所得税と住民税の控除額が上がる
- 子供のアルバイトは103万円以上収入が発生すると扶養控除から外れる
- 子供と別居した場合、生計が一緒でなければ扶養控除から外れる