損でしかない?社会保険に加入するメリットとデメリットについて解説

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パートやアルバイトでも、一定の条件を満たした場合には社会保険への加入義務が発生します。一般的に加入は損とされていますが、果たして社会保険への加入にはメリットがないのでしょうか?この記事では、社会保険に加入するメリットとデメリットについて、詳しく解説します。

社会保険の加入メリットとデメリットを紹介


人生100年時代といわれるように平均寿命が延び、家族共働きで老後の準備をする家庭が多くなってきました。一方で、結婚や出産を機に仕事を辞められた方の大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

子育てなどで働ける時間に制約がある場合気になるのが、「社会保険に入るべきか?」ですよね。

入らないほうが良いという方も中にはいます。しかし、人それぞれの状況によって一概には言い切れず、ご家庭の状況に合わせた方法を検討する必要があります。

最近では社会保険への加入も電子申請で簡略化されているので、会社側も加入手続きを渋らなくなっているようです。また、社会保険に二重加入しなければならない状況も起こりえます

この記事では、主にパート・アルバイト・フリーターの方達が社会保険に加入するメリットとデメリットについてお伝えします。

ぜひ、最後まで読んでください。

社会保険とはなにか

社会保険とは健康保険(医療保険)、年金保険介護保険雇用保険労災保険の総称ですが、社会に出て働く場合には主に健康保険と年金保険の二つを指すことが多いです。


健康保険

病気や怪我などの治療費の負担や各種給付金を給付する制度です。主に病院での3割負担が有名ですが、年齢などにより1割の負担で済む場合もあります。


その他にも1ヶ月の負担上限もあり、加入者が安心して治療を受けれる様々な制度が設けられています。退職時には、任意継続メリットもあります。


年金保険

生命保険会社で加入する個人年金保険と区別するために、公的年金とも呼ばれています。老後の生活保障が主な目的になり、原則65歳からお金を受け取ることができ、老後の保障以外にも病気や怪我などで働けなくなったときにも支払われます。最近は加入の届出も電子申請できるようになっています。

パートやアルバイトが社会保険に加入するメリット

パートやアルバイトで働き始めるときに、働き方によっては社会保険への加入が義務になってしまいます。その為、社会保険への加入はデメリットばかり強調されることがあります。

しかし、社会保険への加入はメリットも多く存在します。例えば、お子さんが大きくなったので老後資金の確保のために働く場合は社会保険に加入しておくと、給与を貯金に回した分と年金の増額で2重のメリットがあります

短期的な視点だけではなく、将来的な家計へのメリットとデメリットを比べることが働く上で重要になります。

メリット①:将来もらえる年金の額が増える

社会保険に加入するメリットとして、勤め先で年金保険に入ると毎月の給与から社会保険料を差引かれますが、年金額が積み増しされて老後に受取る年金が未加入時より多く支給されることが挙げられます。


年金保険の支給額は定額支払いの老齢基礎年金と、支払った保険料に応じて支給される老齢厚生年金の合計になります。毎月の年金保険料を支払うことで老齢厚生年金が増えていきます。


例えば、老後の資産形成のためにパートや派遣で働くような場合は社会保険への加入を前提にすると年金も増えるのでお得になります。特に支払う保険料は給与により変わりますが、支払うべき保険料を勤め先と折半して収めるので自己負担は少なくて済みます


人生100年時代といわれる中で、最も気になる点が老後資金なのではないでしょうか。少しづつでも納めておくと将来大きな差になりますね。

メリット②:年収の上限を気にする必要がない

社会保険に加入するメリットの2つ目は年収の上限を気にする必要がないということです。


社会保険への加入を回避したい場合には1週間で働く時間や給与の額に気をつけなければなりません。社会保険は加入の条件が決まっており、条件を満たした場合は強制加入になります。


いくつか条件はあり厚生労働省のHPで確認できますが、主な条件は年間の収入や勤務時間です。社会保険には加入したくないということであれば、加入条件を満たさないように注意をしてください。


反対に、最初から社会保険に加入するつもりの場合は年収上限を気にする必要がないので目一杯働くことができます。ご家庭の事情もあるかと思いますが、夫婦共働きをできるのであれば家庭の所得も老後の年金額も増えるのでメリットは大きいです。

メリット③:失業手当金や出産育児一時金などが受け取れる


老後の年金ばかりに目が行きがちな社会保険ですが、日々の暮らしの中で支給されるものもかなりの種類があります。


たとえば、会社を辞めた場合には失業手当金を支給されます。また、失業期間中に教育訓練を受けることもでき、場合によっては再就職手当金も受取ることができこともメリットの一つです。


出産で会社を休んだ場合には出産手当金が支給され、子供が生まれたときには出産育児一時金が出ます。海外で治療を受けたときには支払った医療費の一部が払い戻される海外療養費制度、働けなくなったときの疾病手当金もあります。


支給には加入期間の条件もあります。詳細は厚生労働省のそれぞれのQ&Aをご確認ください。


注意:働く場所によっては加入できないことも

社会保険はどこで働いても年収条件などを満たせば加入できるわけではありません。雇い主が個人の場合は、事業の種類や従業員数によって加入できないケースもあります。


法人の場合は従業員が要件を満たせば加入が可能ですが、個人事業主の場合は任意適用事業所と呼ばれ従業員の半分以上の同意を得ることで加入の申請ができます。


事業所ごとの判別になりますが、従業員数が5人未満の場合は任意適用事業所になります。また5人以上でも、事業の種類が農業、牧畜業、水産養殖業、漁業、サービス業、法務、宗教の場合は任意適用事業所になります。


上記以外に加入できないケースとして、

  1. 日々雇い入れる者
  2. 2ヶ月以内の期間雇用者
  3. 4ヶ月以内の季節的業務に雇用される者
  4. 6ヶ月以内の臨時的事業に雇用される者
  5. 所在地が一定しない事業に雇用される者
  6. 70歳以上のもの(厚生年金のみ)
  7. 短時間労働者(正規の従業員の75%未満)
などが挙げられます。

事業所が加入要件を満たさない場合は年収130万以上で個人が社会保険に加入する必要があります。その場合の社会保険料は会社と折半ではなく全額負担になるので注意しましょう。

パートやアルバイトが社会保険に加入するデメリット


106万の壁
130万の壁という言葉を聞いたことがありますか?


社会保険に加入すべきか、加入する場合のデメリットは何かという話のときによく耳にする言葉です。社会保険に加入して働く場合のデメリットは社会保険料の支払いが必要になることです。


106万の壁、130万の壁というのは社会保険に加入する基準となる収入額のことです


ここからは、実際に加入した場合のデメリットをご説明します。

デメリット①:給料の手取り額が減ってしまう

社会保険に加入すると病気や怪我の保障や老後の年金額が増加しますが、毎月の給与から社会保険料が差引かれるため手取りの額は少なくなるというデメリットがあります。


健康保険料は地域により多少の違いがありますが10%程度、厚生年金は18%程度の金額を会社側と折半して支払います。自己負担としては毎月の給与から14%程が合計で差引かれるのです。


毎月の給与を88,000円未満にして働いていていく場合は、会社側と話し合いシフトをコントロールが大事です。うっかり超えてしまうと普段より長く働いたのに手取りが少ないなんてことになりかねません。

デメリット②:ある程度の金額以上を稼がないと負担が増える

また、社会保険への加入は毎月の給与から社会保険料が差引かれるため、加入基準を少し超えた程度では未加入時より手取りの収入は少なくなってしまうこともデメリットの一つです。


106万の壁は一定規模以上の会社でパートやアルバイトをする場合の加入基準ですが、毎月9万の給与ですと年収108万です。


ここから健康保険と厚生年金の保険料を引くと年間の手取りは93万円程度になるので、社会保険に加入せずに毎月8万の給与を受け取ったほうが手取りが多いということになります。


もちろん、この場合も厚生年金の上乗せなどのメリットはありますが、手取りだけで考えるのであれば年収130万以上は欲しいところですね。

デメリット③:配偶者手当が受けられなくなる可能性がある

デメリットの3つ目として配偶者が会社にお勤めの場合に、福利厚生の1つとして「配偶者手当」「扶養手当」が設けられている場合が挙げられます。


あくまでも会社独自の制度で手当てとして支給されているもので、全ての会社が支給しているわけではありません。また、支給されている場合でも多くの会社が年収制限や扶養に入っていることを条件にしているケースが多いようです


働き始める前に、配偶者の会社の手当てを一度確認することも重要です。せっかく働き始めても手当のカットで家計の予定が崩れることもあるので注意が必要です。

注意:社会保険の加入条件に注意

パートやアルバイトで社会保険に加入したくないという場合は社会保険の加入条件を把握しておく必要があります。社会保険完備の会社で働く場合は、次に紹介する二つの条件のうち、どちらかを満たしてしまうを加入が義務になるので注意をしましょう。


勤務時間および日数が、正社員の4分の3以上

  • 1週間の所定労働時間および所定労働日数が、常時雇用者の4分の3以上であること

年収106万以上などの5つの条件を全て満たす

  • 勤務先の従業員数が501名以上
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月収が88,000円以上(年約106万以上)
  • 雇用期間が1年以上
  • 学生ではない
また、会社の規模が小さく社会保険が完備されていない場合でも、年収で130万を超えてしまうと自分で国民健康保険と国民年金に入らなければなりません。

社会保険の加入メリットとデメリットについてのまとめ

社会保険の加入メリットとでもりっとについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。


社会保険に加入するメリットは、

  • 将来もらえる年金の額が増える
  • 年収の上限を気にせず働ける
  • 失業手当や出産一時金などが受取れる
でした。反対にデメリットは
  • 給料の手取り額が減ってしまう
  • 給料の水準によっては負担が増える
  • 配偶者手当が受けられなくなる
です。

働き方が多様化する中で、社会保険に入らないのも選択肢の一つかもしれません。しかし、将来を見据えて人生設計を行う際に社会保険に加入するメリットもたくさんあります

例えば、老後のための資産形成や退職時には健康保険の任意継続メリットがあります。パートやアルバイトを掛け持ちする場合でも社会保険には二重加入することができ、年金が増額されます。


社会保険は普段は使わないものになるので無駄と感じることも多いと思います。しかし、何かあったときのための保険になります。明るい将来を見据えた働き方をしていただければと思います。


ほけんROOMでは、他にも保険やお金にまつわる記事を多数掲載しておりますのでぜひ読んでみてください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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