年金定期便はいつ届くの?年金定期便が届かない理由と対処法を解説

年金定期便は厚生年金保険および国民年金の加入者に送られ、誕生月の2カ月前に作成されて誕生月に届きます。住所変更により登録されている氏名や住所が異なっているまたは、1997年1月から加入していないことにより年金定期便が届かない場合は、窓口へ問い合わせをしましょう。

年金定期便はいつ届く?届かない理由と届かない場合の対処法

皆さんは年金定期便についてご存じでしょうか。


年金定期便とは、毎年1回ハガキや封書で送られてくる「年金をどれだけかけているか」を知るためのお知らせであり、自分の年金が着実に間違いなく積みあがっているか確認する手段でもあります。


しかし、この年金定期便は年1回ということもあり、きちんと届いているのかもあまり分からないという人も多いのではないでしょうか。


そこでこの記事では「年金定期便が届くタイミングと届かない理由」について 


  • 年金定期便の概要
  • 年金定期便が届かない理由
  • 年金定期便が届かない場合の対処法


以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、年金定期便が届かないと不安担っている方にとって役立つかと思いますので、是非最後までご覧ください。

年金定期便とは

「年金定期便」とは 日本年金機構が、分かりにくい年金について深く理解してもらおうという意図で、国民年金、厚生年金等を支払ってきた加入記録の確認と、将来受け取れるであろう年金の見込額をお知らせしてくれる内容のお手紙の事です。


年金定期便を見ることで、毎月支払っている年金保険料が、将来どのくらいの金額で返ってくるのか分かると安心ですよね。年金は老後の大事な収入源。しっかりと把握しておきたいものです。


 「定期便」という名前の通り、年に1回、誕生月に送られてきます。また、節目の年(35歳、45歳、59歳)には更に詳しい内容の定期便が送られてきます。

50歳未満と50歳以上の人では年金定期便で確認出来る内容が異なっていますので、後ほど説明します。

年金定期便は誕生月の2カ月前に作成されて誕生月に届く

年金定期便は誕生月の2か月前に作成され、誕生月に届くようになっています。


確かに年金定期便は毎年届いていたと思うけれど、実際、いつ届いていたのか分からなかったという人も多いのではないでしょうか?

 

しかし、「毎年誕生月」に届くと覚えていれば、もし年金定期便が届かなかった時に気づく事が出来るでしょう。 


年金定期便が届かない事で、住所変更などを失念した事に気づくきっかけにもなりますので、
年金定期便は「誕生月」に届くという事を覚えておいておいてくださいね。

参考:年金定期便の受け取り年齢による違い

さて、年金定期便で確認出来る事についてですが、毎年届くものと、特別のときに届くものの2つがあります。

詳しく一覧表を作成しましたのでご覧ください。 


<毎年届くもの>


情報の内容
 50歳未満の人 年金情報(1年間分)
50歳以上の人年金情報(1年間分)
より詳しい年金見込額を知る事ができる。

※「ハガキ」でお知らせがあります。


<特別のときに届くもの>


情報の内容
35歳・45歳の人今までの年金情報のお知らせあり(全期間分)
59歳の人より詳しい見込額のお知らせあり(全期間分)

※「封書」でお知らせがあります。


50歳になると、年金を受け取る年齢が近づいてきますね。そうすると、具体的な詳しい情報を知りたくなります。


そこで、50歳をひとつの節目の年齢ととらえて、50歳以上になると見込額を詳細に教えてくれるようになります。

また、35歳・45歳・59歳の特別な年齢のときには、今までの年金情報を何と全期間分、お知らせしてくれますので、今まで掛けてきた年金保険料の行方を確かめることが出来ます。

年金定期便が届かない理由

毎年必ず送付されてくる年金定期便が届かないという場合があります。


年金定期便が届かない理由として考えられるのが以下の3点です。


  • 登録されて氏名や住所が異なっている場合
  • 1997年1月から加入していない場合(基礎年金番号がない)
  • 引っ越していなくても異なる住所が登録されてしまっている場合

もし、現在届いて来ないという方はこれから詳しく紹介していきますので、確認しておくことをおすすめします。

登録されている氏名や住所が異なっている場合

年金定期便が届かない理由として、引っ越しや結婚などによる変更が届けられていない可能性が考えられます。


年金定期便は登録されている住所に、登録されている氏名宛に届きます。住所が変更されている場合は、住所変更の届け出をする必要があります。なお、住所変更の届け出は国民年金、厚生年金保険、会社員や公務員の被扶養配偶者のそれぞれ対応窓口が違いますので注意してください。


【年金種別と対応窓口】

年金種別対応窓口
国民年金市・区役所または町村役場の年金担当窓口
厚生年金保険お勤めの会社 など
会社員や公務員の被扶養配偶者配偶者のお勤めの会社 など


なお、マイナンバーと基礎年金番号が紐付いている方は、原則届け出は不要です。


もし自分の誕生月に年金定期便が届かない場合、住所が変更されていない可能性を考えてみて下さい。


住所変更をした場合の年金定期便の手続きに関しては別の記事で詳しくまとめていますので、そちらをご覧ください。

1997年1月から加入していない場合(基礎年金番号がない)

年金定期便が届かない理由として、1997年1月(平成9年1月)以降に年金制度に加入していないため、基礎年金番号が割り振られていない可能性が考えられます。


基礎年金番号が割り振られていない場合、年金定期便が届かないので、お近くの年金事務所に問い合わせしてみて下さい。その際にオレンジ色、青色以外の年金手帳を持っている場合は、併せて年金事務所に申し出して下さい。

注意:引っ越していなくても異なる住所が登録されている可能性がある

引っ越しをした経験がなくても登録住所の不一致は発生することがあり、年金定期便が届かない場合があります。


理由は様々考えられますが、最も高い可能性として挙げられるのが

  • 会社における申請ミス
  • 役場での処理ミス
  • 年金事務所の手続きミス

以上の3つです。


対策としては、「引っ越しも結婚もしていないから大丈夫」と決めつけるのではなく、年金定期便が誕生月に届かない場合は届かない場合は必ず窓口に確認するようにすることが大切です。


年金定期便は自分の年金がどの程度積まれているのかを確認する大切な物です。年金をきちんと納付しているのに全く年金が増えていないということがないように、きちんと毎年確認するようにしましょう。


気が付かないうちに年金の納付が漏れていたということも考えられます。自分の年金を守るのは自分だけです。

年金定期便が届かない場合はすぐ問い合わせを!問い合わせ先とは

年金定期便が届かない場合は、年金記録が正常に行われていない可能性があることも考慮し、まずは窓口に問い合わせてみて下さい。


年金定期便は誕生月に送付されますので、自分の誕生月から1か月以上経っても送られてこない場合は正常に手続きがされていない可能性が高いです。


なお、引っ越しなどによる住所変更が反映されていなかった場合については、手続きに引っ越し前の正確な住所が必要となるため、現住所の免許証や住民票など住所が正確にわかる書類をあらかじめ用意しておく必要がある点に注意してください。

国民年金に加入している場合(第1号被保険者)

個人事業主や厚生年金保険未加入など国民年金に加入している方(第1号被保険者)は、年金定期便が届かない場合お近くの市町村役場の年金担当窓口に申出て下さい。


住所変更の手続きが未済の場合などは手続きが必要ですので、住所の分かる書類を用意しておくようにしましょう。なお、電話での住所変更は出来ませんので直接窓口に訪問する必要があります。

厚生年金(共済年金)に加入している場合(第2号被保険者)

公務員や会社員など厚生年金保険(共済年金)に加入している方(第2号被保険者)は、年金定期便が届かない場合、それぞれ連絡窓口が違いますので注意してください。


【雇用形態と対応窓口】

雇用形態対応窓口
会社員お勤め先の担当部署
私学共済お勤め先の学校
国家公務員共済連合会
地方公務員共済連合会
お勤め先の共済組合


お住まいの市町村役場では年金定期便不着の手続きは出来ませんので注意が必要です。

厚生年金加入者に扶養されている場合(第3号被保険者)

配偶者が厚生年金保険加入者で、その扶養で年金に加入している場合(第3号被保険者)は、年金定期便が届かない場合、配偶者の勤務先で手続きをしてもらうようにしましょう。


一般的に結婚して扶養に入る場合、配偶者とまとめて手続きを行うので、配偶者には毎年来ているが自分には届かないという場合は手続きが上手くいっていない可能性が高いため、早めに確認をすることをおすすめします。

参考:ねんきんネットを使えばねんきん定期便の送付をやめることが可能

ねんきんネットに登録すればいつでもネットでデータの閲覧ができるようになり、年金定期便の送付をやめることが可能です。毎年1回の年金定期便ではなくて、自分の好きな時に確認したいという方におすすめの方法です。またねんきん定期便ですと、保管しないといけないですが、そういった手間も省かれます。


なお、ねんきんネットの登録の際には基礎年金番号が必要である点と、住所などのデータに食い違いがある状態では登録できない点に注意してください。もし住所データに食い違いがある場合は、上記で説明した対応窓口に訪問して下さい。

年金の仕組み


ここで、年金についての仕組みを説明します。 

年金は3階建てになっています。

  • 1階「国民年金」 
  • 2階「厚生年金」 
  • 3階「私的年金」  

しくみ該当者
国民年金「強制加入」である。
 日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人
全てが加入する義務あり。
●第1号被保険者
自営業者
フリーランス
学生
無職など
●第2号被保険者
厚生年金加入者
●第3号被保険者
第2号被保険者に扶養されている
 配偶者
厚生年金公務員、民間の企業で行われている。
厚生年金加入者は、国民年金第2号被保険者にも
自動的になっている。
給料から自動的に引かれる。
公務員、民間企業の会社員
私的年金「任意加入」である。
個人や企業が保障の上乗せで加入。
個人や企業

年金制度は「国民年金」がベースとなっていますので、国民年金は「基礎年金」も言われています。

職業によって、第1号、第2号、第3号被保険者と分かれています。


「厚生年金」該当者は国民年金と厚生年金の2階建ての年金のしくみになっています。


「私的年金」には個人と企業の加入方法がありますが、次のようなものがあります。

個人加入・・・「個人型確定拠出年金(iDeCo)」「国民年金基金」

企業加入・・・「企業型確定拠出年金」「厚生年金基金」「確定給付企業年金」


また、公的年金の受取り方法は次の3つがありますので参考までに覚えておきましょう。

内容
老齢給付年金定期便で示されている
一般的な年金
 「老齢基礎年金」「老齢厚生年金」
障害給付 病気やケガで障害者になった場合
支給される年金(一定条件あり)
「障害基礎年金」「障害厚生年金」
遺族給付被保険者が死亡した場合
遺族の生活保障として支給
「遺族基礎年金」「「遺族厚生年金」 

まとめ:年金定期便が届かない場合は窓口に問い合わせをしよう

「年金定期便が届くタイミングと届かない理由」について解説しました


今回のポイントは


  • 年金定期便は誕生月に届く
  • 年金定期便の手続きは第1号被保険者~第3号被保険者それぞれで対応窓口が違う
  • いつでも年金データが確認できるねんきんネットの登録で年金定期便を止めることが出来る

年金定期便は、自分の年金がどれだけあるか確かめる重要なお知らせです。届かなくても問題ないと思わず、自分の誕生月に年金定期便が届かない場合はきちんと対応しておく必要があります。

年金定期便を毎年確認するのは面倒くさいという方はねんきんネットに登録しておくのがおすすめです。手続きも簡単に済ませられます。

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