年金を払いたくない!払わない方法ってある?払わないとどうなるの?

年金は将来的に破綻するかもしれないから、できれば払いたくないと考えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、年金を払いたくない方にむけて実際に払わずに済む方法があるのかを解説すると共に、払いたくても払えない場合の対処方法や、払わずに滞納を続けた場合についても説明します。

年金を払いたくない!払わない方法はある?払わないとどうなる?

2019年度(令和元年度)の国民年金保険料は月額16,410円ですが、なかなか高い金額ですよね。


払いたくないと思う人も多いのではないでしょうか。


保険料の支払いは国民の義務のため、払わずに済む「普通の方法」はありませんが、海外移住や免除・猶予制度等の活用で、払わない方法も存在するのです。


この記事では、

  • 年金の納付の必要性
  • 年金を払わないことで起こる危険性やデメリット
  • 年金をどうしても払いたくないときの方法
  • 年金を払いたくても払えないときに利用できる制度
について、解説していきます。

この記事を読んでいただければ、国民年金保険料を払いたくない場合の合法的な対処方法が分かると思います。

また、保険料を払いたくないとからと言って未納滞納していると、最終的にどのような結末になるのかも説明していきます。

年金を払わないとどうなるのかについては、別の記事でより詳しくまとめていますので、そちらを参考にしてみてくださいするとより理解が深まると思います。

ぜひ、最後までご覧ください。


年金を払いたくない!年金を払う必要性とは

年金を払いたくない人が増えています。


サラリーマンなどは給料から引かれている場合がほとんどですね。


一方、自営業やフリーランスにとっては、毎月の負担が大きい、将来受け取る額よりも納付額の方が多くなるかもしれないので、損するのではないか、という人が多いようです。


しかし、年金の納付は国民の義務であり、老後の生活を支える大切な制度でもあります。


人生100年時代」といわれていますが、寿命がのび、引退してからの生活が長くなるのが予想されているため、少しでも受け取れる年金額を増やせるように対応していかなくてはいけません。


ここでは、年金を支払う必要性と未納率の問題について解説します。


公的年金の保険料は支払い義務がある

日本における公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2種類です。


日本国内に住んでいる人で、20歳以上60歳未満の人には、国民年金を支払う義務が課せられています。


20歳になれば、およそ20週間ほどで国民年金機構から通知書が届きますが、加入や猶予制度の案内が同封されているので、手続きを行います。


また、別途「年金手帳」も届くため、大切に保管しなくてはいけません。


厚生年金は、主に企業や役所などに勤めている人が加入するもので、国民年金とあわせて加入することになります。


自営業者などには厚生年金の加入義務がなく、国民年金のみの加入になるため、将来受け取る年金額が、会社員と比較すると少ないです。


そのため、「付加年金」や「国民年金基金」という制度があります。


付加年金は、毎月400円追加して国民年金を支払うと、老齢年金でもらえる金額がアップする制度です。たとえば、30年支払うと、


400円×360か月(30年)=144,000円


になりますが、老齢年に1年間で、


200×360か月(30年)=72,000円


が追加されます。つまり、2年間で元が取れる仕組みです。


国民年金基金は、国民年金に追加して年金を受け取れる公的年金制度です。


掛け捨てにならず、税制優遇もあり、掛け金のタイプも自由に選べるので、厚生年金のない人でも、2段階で年金を受け取れるようになります。

参考:国民年金の未納率は30%と高い

一方で、国民年金の未納率30%と高めです。


会社員や公務員などは給料から自動的に引かれるので、納付率はほぼ100%ですが、自営業やフリーランス、学生などの未納がこの数字に表れています。


以前は、未納率が20%を切ることもありましたが、非正規雇用の増加などで上昇しました。


未納率が40%を超えたこともありますが、納付の呼びかけの強化や、強制徴収などもあり、現在は30%ほどです。


20歳~60歳まで、40年間全額免除になると、受け取れる年金は半分です。


以前、老後資金が2000万円不足する、というのが問題になりましたが、年金が半額しか受け取れないと、確実に老後資金は不足することになるでしょう。


年金の納付は国民の義務です。


払いたくないときでも、未納や滞納を続けて、将来の生活が不安になることを考えれば、しっかり納付すべきでしょう。

年金を払わないとどうなる?国民年金保険料滞納が続く危険性とは


年金を払わないと、もらえる年金が減ってしまうことを知っている人は多いですね。ただ、未納・滞納によって、それ以外にもさまざまな危険が存在します。


しかし、その危険性を知らない人も多いのではないでしょうか。


実は、資産を差し押さえられたり、もらえるはずの年金が受け取れなかったり、滞納金が発生したりと、予想もしていなかった事態になることがあります。


次は、国民年金の保険料の滞納によって起こる危険性やデメリットについて解説します。

国民年金保険料の滞納が続くと資産が差し押さえられる

国民年金の保険料の未納・滞納が続くと、資産を差し押さえられます


差し押さえの流れは後述しますが、厚生労働省と国民年金機構が取り締まりを強化しているため、以下のような人は、差し押さえの対象となります。

  • 滞納期間が7か月以上ある
  • 不動産や自動車などの資産を持っている
  • 口座に資金がある
  • 所得が多い

また、実際に差し押さえられるのは口座が多いです。


特に、口座からお金の引き出そうとして、「引き出せません。窓口に相談してください」というアナウンスがあって、口座凍結されたことが発覚するケースが見られます。


これも、特に事前の予告がなく、いきなり口座凍結となります。

国民年金保険料の滞納による差し押さえ以外の危険性

国民年金保険料を未納・滞納すると、最終的には資産が差し押さえられますが、それ以外にも以下のようなデメリットが発生します。

①老齢基礎年金を受給できない

老齢基礎年金の受給資格期間は10年以上であり、65歳から支給されます。

納付期間が短いと将来の年金額が減額されたり、受給資格期間に満たない場合は年金自体をもらえない事態になってしまいます。

②障害基礎年金を受給できない

国民年金の加入期間に病気やケガで障害状態になった場合、障害基礎年金の支給対象となりますが、一定の保険料納付要件を満たせないと受給できません。

③遺族基礎年金を受給できない

国民年金加入者が死亡した場合、遺族基礎年金の支給対象となりますが、一定の保険料納付要件を満たせないと、遺族は受給できません。

④延滞金が発生する

督促状の指定期日までに支払わないと、年14.6%延滞金が発生する上に、延滞分の一括支払いが要求されます。

参考:国民年金保険料の未納が2年を超えると滞納になる

国民年金保険料の未納と滞納の違いを理解していない人は多いのではないでしょうか。

国民年金保険料の納付期間は、納期限から2年間と定められています。

この2年間に保険料を納めないでいる状態を「未納」と言います。

未納期間には、保険料の納付を求める催促通知が文書で送られてきて、未納分があることと納付期日が伝えられます。

未納の状態が2年を超えると、納付期限を過ぎても保険料を納めないでいる「滞納」になります。

未納は催促対象であるのに対して、滞納は滞納処分(資産差し押さえ)の対象となり、状況が悪化したことを示します。

再度催促通知が送られてきて、催促の文言が未納から滞納に変わったら、資産差し押さえのペナルティが課されたと認識しましょう。

国民年金保険料を払いたくない・払わない場合の差し押さえの流れ

国民年金の保険料を払いたくないといっても、未納や滞納を続けていると、国民年金機構から通達が来ます


その通達にも段階があり、早いうちに対策を取れば大丈夫ですが、放っておくと、最終的には資産の差し押さえにまでなってしまうことをご存じですか。


ここでは、年金を払いたくない・払わなかった場合の差し押さえの流れについて解説します。


通達内容や段階を把握して、いきなり給料や不動産、自動車などの資産が差し押さえられないようにしましょう。

国民年金保険料の特別催告状が届く

国民年金を未納・滞納していると、国民年金機構から「特別催告状」という封筒が複数回送られてきます。

封筒の色は以下の3種類があり、信号のように危険度を示しています。
  1. 青色:セーフ
  2. 黄色:注意
  3. 赤色(ピンク):危険

1.青色封筒

最初に送付されるのは青色封筒で、保険料の支払いを忘れている人に届くケースもあります。

この段階で保険料を納付すれば、問題ありません。

2.黄色封筒

青色封筒が届いても、支払いをせず、免除・納付猶予・学生納付特例等の申請もしない状態でいると、次は黄色封筒が送付されます。

書面は青色のものと同じですが、状況が悪化したことを示すので注意が必要です。

人によっては黄色封筒が省略されて、赤色(ピンク)封筒が届く場合もあります。

3.赤色(ピンク)封筒

黄色封筒(または青色封筒)を無視していると、最終的に赤色(ピンク)封筒が送付されます。

書面では期限までに未納分を一括で支払うことや支払いができない場合は資産差押えに入ることが記載されています。

赤色(ピンク)封筒を無視していると、最終勧告状(「国民年金未納保険料納付勧奨通知書」)が送付され、資産差し押さえの一歩手前へと状況が悪化します。

国民年金保険料の滞納により最終催告状が届く

最終催告状(「国民年金未納保険料納付勧奨通知書」)を無視して、指定期限までに保険料を支払わないでいると、「督促状」が送付されます。

督促状では滞納者および連帯納付義務者(滞納者の世帯主・配偶者等)の資産調査が始まり、資産差し押さえの準備に入ることが記載されています。

資産調査では給与・金融資産・有価証券・不動産・車など換金可能な資産は全て対象となります。

また、滞納保険料には延滞金が課せられ、延滞分を一括で支払うことが求められます。

督促状を無視していると、「差押予告通知書」が送付され、予告なく資産差し押さえが実施されます。

具体的には、給与が振り込まれない、不動産が使用できない等の事態が自分だけでなく、家族の身にも突然降りかかってしまいます。

お金はあるが年金を払いたくない場合に取るべき方法

日本国内に居住している人は、20歳になると国民年金に強制加入することになり、国民年金保険料の支払い義務が発生します。

一方、高校・大学等を卒業して企業に就職すると、厚生年金に強制加入することになり、給与からの天引きにより国民年金と厚生年金の2つ分の保険料を納める形となります。

まだ就職していない若者やフリーランス、厚生年金に加入していないパート・アルバイトの人などは、保険料を払いたくないと考えるかもしれませんが、払わずに済む「普通の方法」はありません。

しかし、世帯所得が少ない場合や海外移住または海外派遣される場合は支払わなくて済むケースがあります。

ここでは、お金はあるけど保険料を払いたくない場合に取るべき方法として、以下の内容について説明していきます。
  • 世帯の所得を少なくする
  • 海外に移住する
  • 会社員や公務員が海外派遣される

年金を払わない方法①世帯の所得をなくす

お金がないわけではなく、保険料を払うことが可能ではあるものの、できれば払いたくないという人は、世帯の所得を少なくして、保険料免除制度・納付猶予制度を利用できる可能性があります。

これらの制度の申請には所得制限があり、所得基準の計算では収入ではなく所得が用いられる点に注意しましょう。

収入と所得の違いは以下のようになります。
  • 収入:サラリーマンの給与やパート・アルバイトの給与、自営業の売上金等
  • 所得:収入から必要経費(給与所得控除・仕入代金等)を引いた額
保険料免除制度・納付猶予制度の承認基準は以下の通りです。
  • 保険料免除制度:本人・世帯主・配偶者の所得が一定額以下
  • 納付猶予制度:20歳から49歳で、本人・配偶者の所得が一定額以下

年金を払わない方法②日本に住まずに海外に移住する

日本国籍の人が留学や早期リタイヤ等で海外に移住すると、国民年金への強制加入はなくなり、保険料の支払い義務もなくなります。


海外に移住する期間は「合算対象期間」として、将来の年金を受給するのに必要な受給資格期間に算入されますが、保険料の支払いをしていないので、海外移住期間の年金額は0円となります。


将来の年金額の減額を避けたいのであれば、国民年金へ任意加入して保険料の支払いを継続する必要があります。


任意加入して保険料を支払うことで、海外移住期間に死亡した際に遺族が遺族基礎年金を受給できたり、病気やケガで障害状態になった際に障害基礎年金を受給できる要件も満たしやすくなります。

年金を払わない方法③会社員や公務員は支払う必要がある

会社員や公務員が海外派遣される時、日本の社会保障制度に継続加入する場合と派遣先の国の社会保障制度に加入する場合があります。


しかし、外国の社会保障制度に加入している時に、日本の保険料と二重で支払ったり、派遣先の国で支払った保険料が年金加入期間に通算されない等の手違いが発生するケースがあります。


これらの防止策として、日本と各国は「社会保障協定」を締結しています。


2019年(令和元年)10月1日時点で、日本は23か国と社会保障協定を締結しており、うち20か国は発効済です。

発効済の国
アメリカ・イギリス・ドイツ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア
・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・ハンガリー
・スロバキア・ルクセンブルク・インド・フィリピン・韓国・中国
未発効の国イタリア・フィンランド・スウェーデン

また、一時派遣(5年以内の派遣)と長期派遣(5年超の派遣)では、以下の様な加入方法になります。


発効済の国
未発効の国
一時派遣
(5年以内)
日本の社会保障制度に継続加入派遣される国の社会保障制度に加入するが、日本企業との雇用関係が継続している場合、日本の社会保障制度にも継続加入
長期派遣
(5年超)
派遣される国の社会保障制度のみに加入するが、国により一時派遣の延長が認められることがある同上

お金がなくて年金を払いたくない場合に取るべき方法


経済的に余裕がなくて保険料を払いたくない場合は、保険料の支払いが免除または猶予される以下の制度を利用できる可能性があります。

  • 保険料免除制度
  • 納付猶予制度
  • 学生納付特例制度

参考:国民年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度


また、経済的に余裕ができてから保険料を支払う追納後納という方法もあります。


追納と後納の違いは、以下の通りです。

  • 追納:免除・猶予制度・学生納付特例を利用した場合、10年以内に後払いできる
  • 後納:上記の制度を利用しない場合、2年以内に後払いできる

以降の章でそれぞれの制度について、詳しく説明していきます。

年金を払わない方法①保険料免除制度を利用する

保険料免除制度は収入が少なく、保険料の支払いが難しい場合、申請して承認を受けると支払いが免除される制度です。


申請では本人・世帯主・配偶者の所得審査があり、それぞれの所得が一定額以下であることが要件となります。


免除制度を利用するメリットを見ていきましょう。


①年金の受給資格期間への算入

免除された期間は老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金の受給資格期間へ算入され、受給要件を満たしやすくなります。


②10年以内の追納(後払い)が可能

免除期間分は10年以内の追納ができ、将来の年金額を増やせますが、3年目以降の追納では一定の加算額がかかるため、早めの追納がおすすめです。


③年金額への反映がある

免除された期間は免除額に応じて年金額が減額され、満額の1/2以上が支給されます。


これは納付猶予制度と学生納付特例制度にはないので、メリットと言えます。


免除額ごとの所得基準および所得基準の目安は以下のようになります。

免除額
本人・世帯主・配偶者の所得基準
所得基準の目安
①単身②夫婦③夫婦+子2人
全額(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
①57万円②92万円
③162万円
3/478万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等①93万円②142万円
③230万円
半額118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等①141万円②195万円
③282万円
1/4158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等①189万円②247万円
③335万円

免除制度の所得基準はやや厳しく、一般の独身正社員やサラリーマン家庭では所得基準を超えるのが難しいかもしれませんが、早期退職した人や自営業の人などは対象となる可能性があるかもしれません。

年金を払わない方法②納付猶予制度を利用する

納付猶予制度は収入が少ない20歳~49歳の人で、保険料の支払いが難しい場合、申請して承認を受けると支払いが猶予される制度です。  


申請では本人・配偶者の所得審査(1~6月申請では前々年所得、7~12月申請では前年所得)があり、それぞれの所得が一定額以下であることが要件となります。


免除制度と異なるのは以下の2点です。

  • 20歳~49歳という年齢制限がある
  • 所得審査で世帯主の所得が算入されない

猶予制度のメリットは免除制度と以下の点が同様です。

  1. 年金の受給資格期間への算入
  2. 10年以内の追納(後払い)が可能
しかし、猶予制度には年金額への反映がなく、猶予期間の年金額は0円となるため、積極的に追納して将来の年金額を増やすのが良いでしょう。

猶予制度の所得基準および所得基準の目安は以下のようになります。
本人・配偶者の所得基準所得基準の目安
①単身②夫婦③夫婦+子2人
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
①57万円②92万円③162万円
猶予制度の所得審査は本人と配偶者のみで、世帯主は算入されないため、免除制度よりも要件は緩くなっています。

免除制度の要件を満たせない場合、猶予制度の利用を検討するのが良いでしょう。

世帯主である親と同居している夫婦+子の家庭や親と同居するパート・アルバイト(厚生年金未加入)の人などは対象となる可能性があります。

なお、学生は猶予制度を利用できませんが、代わりに次の章で説明する「学生納付特例制度」が利用できます。

年金を払わない方法③学生納付特例制度を利用する

日本国内に住む全ての人は、20歳になると国民年金の被保険者になり、保険料の支払い義務が発生します。


しかし、主に20代前半の学生にとって保険料の支払いは負担が大きく、払いたくないと思う若者も多いと考えられます。


そこで、学生には「学生納付特例制度」が設けられており、申請して承認を受けると、在学中の保険料支払いの猶予が受けられます。


学生納付特例制度は納付猶予制度と同じ内容であり、以下のメリットがあります。

  • 年金の受給資格期間への算入
  • 10年以内に追納して年金額を増やせる

申請では学生本人の所得審査があり、以下の計算式の範囲内でなければなりません。

年度の所得基準=118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

家族の所得は算入されないので、多くの学生が利用可能となるでしょう。

年金を払わない方法④国民年金の保険料を後納する

国民年金保険料の納付が可能な期間は、納期限(納付対象月の翌月末)から2年間です。


この2年間に未納分を後払い(後納)すれば、年金受給資格期間の減少および年金額の減額を免れることができます。


しかし、2年間を過ぎると時効により納付ができなくなり、将来の年金額が減少したり、受給資格期間を満たせず年金自体をもらえないケースが発生する可能性もあります。


なお、過去に保険料の納付期間が5年延長される「5年後納制度」が期間限定で行われましたが、2018年(平成30年)9月末をもって終了しているので、間違えないように注意しましょう。

参考:国民年金は将来破綻する?

日本の国民年金制度は、現役世代の保険料納付で高齢者世代を支える「世代間扶養」を基本としています。

しかし、現在の日本では少子高齢化が急激に進んでいて、現役世代の保険料だけで年金給付を行うことは困難であり、税金(国庫負担)年金積立金の運用収益等も給付に充てられています。

年金積立金は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が管理・運用を行っています。

公的年金の財政検証では、年金積立金は100年かけて使っていく想定であり、将来の給付財源として安全かつ効率的な資産運用がされています。

GPIFの2001年度(平成13年度)以降の運用実績は、年度別に見ると損失を出している年度もありますが、累積収益額は2008年(平成20年)のリーマンショック以降は右肩上がりに推移していて、2019年度(令和元年度)第2四半期時点で67兆円8,835億円になっています。

また、運用状況は以下の通り、順調です。
  • 平均収益率:+3.02%(年率)
  • 累積収益額:+67.9兆円(累積)

したがって、国民年金の原資にはまだ余裕があり、年金制度が破綻する可能性は限りなく低いと考えられます。

「人生100年時代」と老齢年金

医療技術の進歩や生活環境の向上により、日本人の平均寿命は延び続けていて、100歳まで生きる「人生100年時代」が訪れようとしています。

2018年(平成30年)の厚生労働省「簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は以下のようになっています。
  • 男性:81.25歳
  • 女性:87.32歳
参考:厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況

今後、平均寿命は男女ともに延び続け、2060年には以下の平均寿命になると見込まれています。
  • 男性:84.19年
  • 女性:90.93年

長寿化に伴い、平均余命も伸びていて、2018年(平成30年)の65歳時の平均余命は以下のようになっています。
  • 男性:19.70年
  • 女性:24.50年
現在の老齢基礎年金は全期間(20歳~60歳までの40年間)保険料を納めた場合、65歳から満額の年金額(2019年度は780,100円)を受給できますが、今後も平均寿命が延び続けた場合、納付期間と受給開始年齢は相応に伸びる可能性があります。

しかし、老齢基礎年金を20~30年受給できることはおそらく今後も変わりなく、少なめに見積もって年金額60万円と考えても、30年間で合計1,800万円を受給できる計算になります。

まとめ:年金は将来のためにきちんと納付するのが得策


国民年金保険料を払いたくない場合に取るべき方法について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 年金の納付は国民の義務であり、老後資金を受け取るための大切な制度
  • 年金を払わないと、差し押さえになったり、障害年金・遺族年金なども受け取れない
  • 年金を払いたくないなら、所得をなくすか、海外移住する
  • 払いたくても払えないときは、免除制度・猶予制度を利用する

でした。


保険料を払いたくない場合は、保険料免除制度・納付猶予制度・学生納付特例制度を利用したり、海外移住や仕事による海外派遣等の合法的な方法を選びましょう。


払いたくないからと言って、未納滞納をしていると、最終的に資産が差し押さえられたり、将来年金がもらえないなどのデメリットが発生するので、注意してください。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたいマネーライフに関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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