派遣社員でも再就職手当はもらえる?必要な条件や手続きについて解説

派遣社員でも支給条件を満たせば再就職手当がもらえます。再就職手当の支給条件は、雇用保険に加入していること、手続き後7日以降に就職していることを含め、全部で8つあります。再就職手当には再就職日の翌日から1ヶ月以内という申請期限があるため、早めの申請しましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

目次を使って気になるところから読みましょう!

再就職手当は派遣社員や契約社員でももらえるのか

退職後、転職活動をして再就職先が決まると再就職手当がもらえますが、失業中の臨時収入として嬉しい存在ですよね。


この再就職手当、正社員しかもらえないのではと思っていませんか?


実は、支給要件を満たせば、正社員だけでなく、派遣社員や契約社員、さらにパート・アルバイトでももらえるのです。


この記事では、

  • 再就職手当をもらえる人(働き方)
  • 再就職手当の支給条件8つを解説
  • 再就職手当がもらえないパターン
  • 再就職手当の支給手続きの流れ
  • 再就職手当の申請期限
  • 再就職手当と就業手当の違い

について、解説していきます。


この記事を読んでいただければ、再就職手当の支給条件が分かり、それらを満たすためにはどんな点に注意すればいいかポイントが掴めると思います。


また、再就職手当の申請手続きの方法や手順についても詳しく説明していきます。


ぜひ、最後までご覧ください。


再就職手当とは

再就職手当とは、雇用保険の失業手当を受給する資格を持つ人が、早期に再就職が決まった場合、受け取れる一時金です。


退職して失業手当を受給する場合、せっかくだからと満額でもらおうとして、失業期間が長引いてしまうケースがあります。このような失業期間の長期化を防ぎ、早期に安定した職に就いてもらうことを目的として設けられた制度であり、「祝い金」「就業促進手当」という意味合いも含まれています。


失業中は収入がなく、懐が寂しくなりますが、早期に再就職できた場合は再就職手当という名の臨時収入をもらえるので、転職活動のモチベーションも上がるのではないでしょうか。


なお、再就職手当をもらうためには、8つの支給条件を全て満たしている必要があります。以降の章で詳しく説明していきます。

再就職手当は支給条件を満たせば派遣社員でももらえる

再就職手当の支給条件は8つあり、全てを満たせば、正社員だけでなく、派遣社員・契約社員、さらにパート・アルバイトでももらえます。


8つの支給条件を簡単に列挙すると、以下の様になります。

  1. 手続き後7日以降に就職している
  2. 失業手当の支給日が3分の1以上残っている
  3. 就職先が前と同じ会社・グループ会社・取引先ではない
  4. ハローワークか認可された職業紹介事業者を利用して就職している
  5. 確実に1年以上働くことが見込める
  6. 雇用保険に加入している
  7. 過去3年の間に再就職手当をもらっていない
  8. 離職票提出前に決まった就職ではない

以降の章で、それぞれの条件について詳しく説明していきます。

再就職手当の支給条件①手続き後7日以降に就職している

支給条件の1つ目は、「失業保険受給の手続き後、7日間の待期期間を満了後に就職または自営業を開始したこと」です。


失業保険受給の手続きは、現住居を管轄するハローワークで行われます。


必要書類(雇用保険被保険者離職票・マイナンバー・本人確認書類等)を用意して、早めにハローワークへ行き、以下の手続きを行いましょう。

  • 求職の申込み
  • 必要書類の提出
  • 雇用保険説明会の日時が案内される

上記の手続き後、7日間の待期期間は仕事をしない期間と定められているため、この期間中に就職したり、自営業を開始しないようにしましょう。

再就職手当の支給条件②失業手当の支給日が3分の1以上残っている

支給条件の2つ目は、「失業手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている」ことです。


所定給付日数とは失業手当がもらえる上限日数のことで、離職理由、離職日の年齢、被保険者期間等により、以下の様に幅があります。

  • 一般離職者(自己都合退職・契約期間満了退職等):90~150日
  • 倒産・解雇等による離職者:90~330日

具体的に、支給残日数を計算してみましょう。


例:所定給付日数が120日の人が、手続き後56日目に就職した場合、

120日-(就職日前日55日-待期7日)=72日

支給残日数は72日となり、要件である「所定給付日数の3分の1以上(40日以上)残っている」を満たすことになります。支給残日数は1日でも不足していたら、支給対象から外れてしまうため、就職日には注意してください。

再就職手当の支給条件③就職先が前と同じ会社・グループ会社・取引先

支給条件の3つ目は、「就職先が前職と同じ会社・関連会社(グループ会社・取引先)ではない」ことです。

退職後、同じ会社に再入社したり、資本・資金・人事・取引面で密接な関わりがある関連会社(グループ会社・取引先)に再就職する場合、再就職手当はもらえません。

その理由は、本人と会社側が結託し、意図的に退職と再就職をすることで不正に再就職手当を受け取ることが可能になるからです。不正受給防止のため、支給申請手続きの際、再就職先は資本関係の有無等について証明をする必要があります。  

たとえ、本人に不正受給の意図がなかったとしても、偶然、前職と同じ関連会社に再就職した場合はもらえなくなります。転職活動の際は、応募する会社の資本・系列等をチェックすると良いでしょう。

特に、大きなグループ会社を退職した人は、気づかぬまま同じ系列会社に再就職することもあるかもしれないので、気を付けてください。

再就職手当の支給条件④ハローワークか認可業者を利用して就職している

支給条件の4つ目は、「自己都合退職で3ヶ月の給付制限がある場合、最初の1ヶ月間はハローワークもしくは認可された職業紹介事業者の紹介で就職している」ことです。


自己都合退職をした人は、失業手当をもらうまでに、7日間の待期期間+3ヶ月の給付制限が設けられています。そして、待期期間後1ヶ月間の転職活動は、ハローワークもしくは認可された職業紹介事業者の紹介による就職でなければなりません。


職業紹介事業者とは、いわゆる「人材紹介会社」「転職エージェント」のことであり、就職・転職を希望する人たちと企業との仲介・紹介を行なう事業者を指します。


大手の職業紹介事業者では、以下の様な会社が挙げられます。

  • リクルートエージェント
  • マイナビエージェント
  • dodaエージェントサービス

同じリクルートでも、リクナビNEXTは転職・求人情報サイトであり、仲介・紹介サービスは行っていないため、直接応募して就職が決まった場合、再就職手当はもらえません。

再就職手当の支給条件⑤確実に1年以上働くことが見込める

支給条件の5つ目は、「確実に1年以上働くことが見込める」ことです。


正規雇用(正社員)では、雇用期間に定めがないので、この条件を満たせます。一方、非正規雇用(契約社員・派遣社員・パート・アルバイト)は、1年・6ヶ月・3ヶ月更新等の雇用契約になるので、事情は異なってきます。


結論から言うと、雇用契約を更新して1年以上の勤務が見込める場合は、条件を満たせるので、非正規雇用でももらえる可能性があります。


直接雇用(契約社員・パート・アルバイト)と派遣に分けて、条件を満たせる/満たせないの例を見てみましょう。


条件を満たせる条件を満たせず
直接雇用6ヶ月契約を
2回以上更新する
1年限定契約で
雇用の延長がない
派遣派遣契約終了後、
紹介予定派遣で正社員になる
3ヶ月更新せずに
1年未満に退職予定

1年以上勤務する見込み判断は、直接雇用は勤務先で、派遣は派遣元で行われます。判断された場合、再就職手当の申請書に「見込みあり」と記入してもらえます。

再就職手当の支給条件⑥雇用保険に加入している

支給条件の6つ目は、「雇用保険に加入している(被保険者である)」ことです。


雇用保険制度は労働者が失業した場合、失業手当を給付して生活および雇用の安定を図り、再就職の援助を行うことを目的としています。


原則として、労働者を一人でも雇っている事業主は労働者を雇用保険へ加入させなければなりません。雇用保険に加入できるのは正規雇用(正社員)だけでなく、非正規雇用(契約社員・派遣社員・パート・アルバイト)でも条件を満たせば加入できます。


雇用保険への加入条件は以下の2点で、両方を満たす必要があります。

  1. 1週間のうち20時間以上働いている
  2. 勤務開始から31日以上働く見込みがある

例えば、週5日勤務の場合、1日4時間以上働く必要があり、かつ1ヶ月以上の継続した雇用契約があれば、雇用保険へ加入できます。なお、残業時間や突発的な休日出勤は労働時間に含まれず、契約上定められた就業時間のみ対象となります。


契約社員や派遣社員は条件を満たしやすく、雇用保険に加入できる可能性が高いでしょう。


一方、数日間だけの単発バイトや短時間労働のパートは、条件を満たせず、雇用保険へ加入できず、再就職手当ももらえません。

再就職手当の支給条件⑦過去3年の間に再就職手当をもらっていない

支給条件の7つ目は、「過去3年の間に再就職手当や常用就職支度手当(※)をもらっていない」ことです(※高年齢や障害のある人が安定した職業に就いた時に貰えるお金)。


この条件は、短期間に退職と再就職を繰り返して、何度も再就職手当をもらおうとする企てを防止するために設けられています。


再就職手当等をもらった後、3年の間は再就職手当をもらえないので、申請しないようにしましょう。ただし、1年働いて退職した場合の失業手当はもらえます。


この違いは、再就職手当は祝い金の意味があるのに対し、失業手当は生活の安定や再就職への援助を目的としているからです。

再就職手当の支給条件⑧離職票提出前に決まった就職ではない

支給条件の8つ目は、「離職票提出前に決まった就職ではない」ことです。


失業手当の受給資格決定日は、ハローワークに離職票を提出した日であり、これをもって失業している状態になります。


したがって、離職票の提出日より前に再就職先が決まっていた場合、条件を満たせず、再就職手当はもらえません。在職中に転職活動を始め、退職前に内定を得られた場合も勿論もらえません。


転職活動を早めに開始したい人は、退職後すぐに離職票を提出することがポイントになります。


なお、離職票提出後の待期期間(7日間)中に内定を得た場合、再就職手当をもらえますが、この期間に働き始めてしまうと、もらえなくなるので注意してください。


内定を得て少しでも早く働きたいのであれば、再就職先に相談して勤務開始を待期期間後にしてもらうのが良いでしょう。

注意:再就職手当の支給決定前のハローワークによる在籍確認

再就職が決まり、ハローワークへ再就職手当の支給申請書を提出すると、再就職先への在籍確認が行われます。


在籍確認できると支給決定になりますが、確認できないと不支給決定になります。不支給となるケースとしては、在籍確認前の退職、内定の辞退・取り消し等が考えられます。


支給が決定されるのは、申請書を提出してから約1ヶ月後です。再就職先をすぐに辞めたくなったとしても、1ヶ月程度は我慢して再就職手当をもらってから辞めるのが良いでしょう。


一方、支給が決定したものの、すぐに退職した場合はどうなるのでしょうか。


この場合、再就職手当の返還は求められませんが、次の就職先が3年以内に決まった際、再就職手当はもらえません。理由は支給条件⑦「過去3年の間に再就職手当をもらっていない」を満たせないためです。


また、次の就職をするまでに失業手当をもらう場合は、失業手当から再就職手当の金額が差し引かれます。再就職手当は祝い金なので、生活の安定を目的とした失業手当からは除外されるという意味合いです。

注意:「職業紹介事業者」とは

支給条件④で職業紹介事業者について説明しましたが、より詳しく見ていきましょう。


職業紹介事業者とは、求職者と企業を仲介・紹介する事業者であり、「人材紹介会社」「転職エージェント」とも呼ばれます。


一般的に、企業として人材紹介を行うには、厚生労働大臣の許可・届出が必要であり、許可・届出番号を取得することになります。職業紹介事業者が許可・届出をしているかは、公式HPや厚生労働省職業安定局「人材サービス総合サイト」にて確認できます。


社名をあまり聞いたことのない業者を利用する際は、許可・届出番号があるか事前に確認した方が良いでしょう。


また、求職者が転職・求人情報サイトを利用して、自ら応募する場合は仲介・紹介には該当しないため、そのサイトを運営する会社は許可・届出がない可能性が高いです。あくまでも、仲介・紹介をしているかがポイントになることに留意してください。

注意:「関連会社」の範囲

支給条件③で「就職先が前職と同じ会社・関連会社(グループ会社・取引先)ではない」ことについて説明しました。

ここで注意が必要なのは、派遣社員として働くケースです。派遣社員は、派遣元派遣先いずれも同じ会社および関連会社でないことが要件になります。

前職と再就職の派遣元・派遣先の関係性は以下の様になります。

OKな例NGな例
前職の派遣元テンプスタッフスタッフサービス
再就職の派遣元スタッフサービススタッフサービス
前職の派遣先A社B社 
再就職の派遣先Y社
(テンプスタッフからの
派遣社員は1割程度)
Z社
(スタッフサービスからの
派遣社員は3割程度)
上記の通り、派遣元は前職と再就職で違う会社でなければなりません。また、再就職の派遣先の会社については、従業員のうち、おおむね3割程度の派遣社員を前職の派遣元から受け入れていた場合は、関連事業主として認められてしまいます。

前職も再就職も派遣社員として働く場合は、事前に派遣元に確認しておくのが良いでしょう。

派遣社員は再就職手当は早く仕事を決めるほど給付率が高くなる


再就職手当は再就職をするスピードによって給付率に違いがあります。給付率は支給額を決定する際に用いられる数値です。


この支給率は、再就職が早く決まった場合高くなり、遅いと少し低くなる仕組みになっています。


再就職のスピードのよっての違いは以下のようになっています。

  • 支給日数が2/3以上残っている:基本手当×支給残日数の70%
  • 支給日数が1/3以上残っている:基本手当×支給残日数の60%

以上のように、給付率に10%もの違いがあるのです。


このように早いと給付率が高くなり、支給額が多くなるため、失業手当として全額貰うことを考えず、早めに安定した職業につくことを優先しましょう。

派遣社員が再就職手当をもらうのに必要な手続き

再就職先が決まり、再就職手当の支給条件を満たしていることを確認できたら、申請手続きを行いましょう。


再就職手当の申請は、以下の手順で進めていきます。

  1. 再就職先が決まったことをハローワークへ報告
  2. 採用証明書を提出
  3. 再就職手当支給申請書を提出
  4. 支給決定通知書が届くのを待つ

以降の章で、それぞれについて詳しく説明していきます。


また、必要書類の書き方や提出時に持参するべき持ち物、目安となるスケジュール、申請期限についても触れていくので、ぜひチェックしてください。

再就職手当をもらうための手順①再就職先が決まったことを報告

再就職が決まったら、再就職日の前日にハローワークへ報告に行きます。再就職日が週明けの場合は金曜日に行きましょう。


再就職日の前日に行く理由は、最後の失業認定を受けて、失業手当の支給残日数を確定させるためです。支給残日数の対象となるのは再就職日の前日までです。これにより、再就職手当の支給条件を満たしているかが分かり、満たしている場合は、もらえる金額も分かります。


ハローワークへの報告では、以下の持ち物を用意します。

  1. 失業認定申告書
  2. 採用証明書(間に合えば)
  3. 雇用保険受給資格者証
  4. 印鑑

1の失業認定申告書には再就職先が決まった場合に記入する欄があります。転職活動の方法、就職日、就職先の情報等を記入しておきましょう。書き方が分からない場合は窓口で教えてもらえます。


2の採用証明書については次の章で説明します。  


上記の書類を窓口に提出する時に、再就職手当と就業促進定着手当の申請についての説明があります。

再就職手当をもらうための手順②採用証明書を提出

採用証明書は失業手当の手続きの際に受け取る「受給資格者のしおり」の中に入っています。紛失した場合は、ハローワークの窓口で再度もらうか、ハローワークのHPからダウンロードできます。


採用証明書には、本人および再就職先が記入する欄があるので、再就職先に記入を依頼しましょう。


本人が記入する欄は「支給番号」のみです。雇用保険受給資格者証に記載されている支給番号を記入します。


再就職先が記入する欄は、以下の通りです。

  1. 本人の情報(氏名・生年月日・住所・電話)
  2. 雇入年月日
  3. 従業員数
  4. 職種
  5. 雇入年月日前の貴社における就労の有無
  6. 採用経路
  7. 雇用形態
  8. 雇用期間の定めの有無
  9. 再就職先の情報(事業所名称・住所・電話等)

再就職手当の支給条件では、5・6の欄が重要になります。また、派遣社員は8が重要になるので、間違いがないか確認しましょう。


なお、採用証明書はハローワーク以外で決まった再就職の場合のみ必要です。再就職先の記入には時間がかかる可能性もあるため、後日郵送でも問題ありません。

再就職手当をもらうための手順③再就職手当支給申請書を提出

ハローワークで必要書類を提出すると、再就職手当支給申請書をもらえます。申請書はハローワークのHPからダウンロードも可能です。


申請書は本人記入欄・再就職先記入欄(事業主の証明)に分かれているので、再就職先に記入を依頼します。


非正規雇用(契約社員・派遣社員・パート・アルバイト)の場合、「雇用期間」欄が重要になります。支給条件⑤「1年以上働くことが見込める」を満たしているか確認しましょう。


申請書の記入ができたら、以下の持ち物を持参の上、ハローワークに提出します。

  • 再就職手当支給申請書
  • 雇用保険受給資格者証
  • 印鑑

提出に行くのが難しい場合は、代理人(家族等)による提出や郵送でも受け付けてくれます。


申請書の提出または郵送をもって、申請手続きは完了です。申請には期限がありますが、後の章で詳しく説明していきます。

再就職手当をもらうための手順④支給決定通知書が送られるのを待つ

再就職手当の申請後、約1ヶ月後に支給・不支給の決定を知らせる通知書が送付されます。


送付される通知書は以下の通りです。

  • 支給決定:「就業促進手当支給決定通知書」
  • 不支給決定:「就業促進手当不支給決定通知書」

通知書は申請する人によって審査の個人差が発生するため、全ての人が約1ヶ月で届くというものではありません。最短で1ヶ月で届くという認識でしばらく待ってみましょう。


支給決定の場合、通知書とともに就業促進定着手当の申請書と説明書も同封されてきます。就業促進定着手当とは、再就職手当をもらった人のうち、再就職先で6ヶ月以上働いた場合、6ヶ月分の給与が前職より低ければ、プラスでもらえる給付金です。 


前職が正社員で、再就職先が派遣社員・アルバイト等で働く場合は、給与が減り、対象になるかもしれません。6ヶ月以降になりますが、忘れずに申請すると良いでしょう。

参考:派遣社員が再就職手当を申請する際の必要書類

再就職手当を申請する際に必要な書類は、

  • 再就職手当支給申請書
  • 出勤簿、タイムカード(タイムシート)などのコピー
  • 雇用保険受給資格証
  • 失業認定申告書

になります。申請は郵送でも行うことができ、郵送で行う場合はこれらの書類と返信用の封筒が必要になります。


忙しくてハローワークに足を運べない場合郵送での申請になりますが、記入ミスなどがあると修正をする必要が出てしまいます。この修正も期限内に行わないと受け取れない可能性もあるようなので、記入ミスが無いかしっかり確認し、余裕をもって申請するようにしましょう。

注意:派遣社員の再就職手当の申請期限は「原則」1ヶ月

再就職手当の申請には期限があり、原則として再就職日の翌日から1ヶ月以内と定められています。


例えば、9月15日から出勤する場合、9月16日から10月15日までが申請期限になります。


かつては申請期限を1日でも過ぎると、再就職手当をもらえませんでした。しかし、2015年(平成27年)4月から時効2年に設定され、再就職日の翌日から2年間は申請が可能になりました。


また、以前に再就職手当の申請を行ったものの、申請期限が過ぎたことでもらえなかった人も、2年の時効が完成する前であれば、再度申請できるようになりました。


再就職後、新しい仕事を覚えるのに精一杯で、うっかり再就職手当の申請を忘れてしまった人も多いかもしれません。2年の時効の完成前で支給要件を満たしている場合は、すぐにでも申請を行ってください。

派遣社員の再就職手当はいつ・いくらもらえる?

再就職手当の申請から支給日までは1、2ヶ月程度かかります。

9月15日が再就職日と仮定して、支給日までの具体的なスケジュールをシミュレーションしてみましょう。
日付内容
9月15日
再就職日
再就職日の前日(9月14日)に
ハローワークへ報告に行く
10月10日
申請
原則、再就職日の翌日から1ヶ月以内
(10月15日)に再就職手当の申請をする
11月10日
通知書
申請後、約1ヶ月後に
支給決定通知書が届く
11月17日
支給日
通知書が届いた後、
約1週間程で口座振込みされる
ただし、ハローワークの混雑状況や再就職先の在籍確認等の個別の事情により、もっと時間がかかるケースもあります。

再就職手当の「給付率」とは

支給金が計算することができるのですが、そのときに重要なポイントとなるのが給付率です。


先述したように、再就職のスピードによって給付率に差があり、残っている支給日数が2/3以上あると給付率は70%に、1/3以上だと60%に設定されています。


この給付率を用いた計算式が以下のようになっています。

支給残日数×給付率(60%または70%)×基本手当日額

早く再就職することで給付率が高くなるため、多くの再就職手当が支給される仕組みとなっているのです。


基本手当日額には以下のように上限が設定されています。

年齢上限
59歳以下6,165円
60~64歳4,990円
この金額は毎年8月1日に更新され、ご紹介した金額は令和元年度の金額になります。

再就職手当と失業保険では再就職手当をもらう方が得

再就職手当をもらうよりも、ギリギリまで失業保険をもらった方がお得なのではと考える方もいると思います。


確かに働かなくてもお金がもらえるのならば、それを全額貰った後に働きだせばいいのではと思いますよね。


しかし、失業手当をもらうよりも、再就職手当をもらった方がお得なのです。早めに就職をすることで再就職手当が貰えますが、これに新しく就職した会社からの給料が上乗せされるため、手に入る金額は断然多くなります。


支給残日数が2/3以上残っている状態で65日あり、基本手当日額が5,000円だった場合、

  • 再就職手当:65日×70%×5,000円=227,500円
  • 失業手当:65日×5,000円=325,000円

となるため、確かに支給される金額は失業手当の方が多くなります。


しかし、月給20万円の会社に再就職をした場合、3か月分の給料である60万円が再就職手当に上乗せされ、合計金額は827,500円となります。このように、給料が上乗せされる分再就職手当をもらう方がお得、ということになるのです。

参考:再就職手当がダメなら就業手当の申請を検討しよう

再就職手当の支給要件を満たせず、もらえない場合は就業手当の申請を検討する手もあります。


再就職手当と就業手当の大きな違いは、雇用契約期間の長さです。

  • 再就職手当:1年以上の雇用契約
  • 就業手当:1年未満の雇用契約

半年・3ヶ月など期間限定の契約社員や派遣社員、数ヶ月の短期アルバイト等は再就職手当の代わりに就業手当をもらえる可能性があります。


ただし、就業手当の支給額は再就職手当に比べるとかなり低い上に、受け取ると支給残日数が減らされてしまうため、数週間のような短期労働では損になるケースもあります。


就業手当の申請については、働く期間と支給残日数の兼ね合いをみて、申請するかしないかを決めるのが良いでしょう。

まとめ:派遣社員でも再就職手当はもらえる!支給条件を確認しよう

再就職手当の支給条件や手続きについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。 



今回の記事のポイントは、

  • 再就職手当をもらうには支給条件8つを全て満たす必要がある
  • 支給条件を満たせば派遣社員・契約社員等でももらえる
  • 派遣社員は雇用期間に注意が必要
  • 申請期限は原則1ヶ月だが、2年の時効が設定されている
  • 再就職手当の申請から支給日までは1、2ヶ月程度かかる
  • 再就職手当の代わりに就業手当の申請も可能

でした。


再就職手当の支給条件は8つあり、全てを満たす必要があります。条件を満たせば、正社員だけでなく、派遣社員・契約社員・パート・アルバイト等の非正規雇用でももらえるので、早期に再就職先が決まったら、ぜひ申請してみましょう。


申請期限は原則として、再就職日の翌日から1ヶ月ですが、現在は2年の時効が設定されているので、利用しやすくなっています。申請から支給日までは1、2ケ月程度がかかると認識しておきましょう。


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