定期預金の解約や引き出しは本人以外でも可能?代理人の解約・引き出し方法を解説

定期預金の解約や引き出しは本人以外の誰か(代理人)でも可能なのでしょうか。定期預金の解約や引き出しは本人以外でも可能か、委任状など引き出しに必要なもの、認知症や死亡時の定期預金の解約や引き出しを解説します。ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行等の場合も解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

定期預金の解約や引き出しを本人以外の代理人がすることは可能?

内容をまとめると

定期預金の解約は本人以外の代理人でも可能

具体的には以下のような場合に可能 

・海外赴任をしており日本国内に居ない 

・病気やケガで入院している 

・平日忙しくて解約手続きをする時間がない(仕事など) 

しかし、その際に委任状が必要となる 

定期預金の代わりに節税をしつつ貯蓄を作ることができる積立投資という選択肢もおすすめ

こちらの超人気記事もぜひ読んでみてください!


普通預金よりも金利が高い定期預金を、将来の貯蓄のために使っている人は多いのではないでしょうか。


定期預金を解約する場合、原則として本人が行わなくてはいけませんが、急な病気やケガなどが理由で、本人以外の代理人に頼まなくてはいけない場合もありますよね。


定期預金の解約は本人以外の代理人でも可能ですが、手続きのために用意しなくてはいけないものがあります。


そこで、今回の記事では定期預金の解約方法について、

  • 本人以外の代理人が解約の際に用意しなくてはいけないもの
  • 委任状について
  • 本人以外の代理人のATMと窓口での定期預金の引き出し方
  • 各銀行・金融機関の定期預金の引き出し方
以上のことを解説いたします。

この記事を読んでいただければ、本人以外の定期預金の解約方法やお金の引き出し方、解約の際に必要なものがわかると思います。ぜひ最後までご覧ください。

定期預金の解約は本人以外の代理人でも可能だが、審査が厳しい

定期預金の解約は、原則として本人が行わなくてはいけません。


しかし、物理的に窓口に行って手続きができないという場合に限り、本人以外の代理人解約手続きを行えます。


この物理的にというのは、以下のような理由が挙げられます。

  • 海外赴任をしており日本国内に居ない
  • 病気やケガで入院している
  • 平日忙しくて解約手続きをする時間がない(仕事など)

本人以外の代理人が解約手続きを行う場合、委任状を用意しなくてはいけません。

ですが、近年では金融詐欺の対策も強化されており、委任状を用意してもすぐに解約手続きができる訳ではありません。定期預金の残高が特に高額の場合は、手続きに時間が掛かることもあります。

その場合、金融詐欺ではないかの確認のために、本人に電話がいくこともあるでしょう。

このようなことからも本人が手続きできるのであれば、代理人を立てないほうがスムーズであることがわかります。

どうしても本人以外の代理人を立てなくてはいけない場合は、事前に契約をしている金融機関の担当者に相談をしておくと良いでしょう。

本人以外の代理人が定期預金を解約する際に必要なもの

定期預金の解約には通帳と届出印・本人確認書類が必要ですが、本人以外の代理人が解約手続きを行う場合は、それ以外にも必要なものがあります。


ここでは、本人以外の代理人の定期預金解約に必要なものを、ATMで引き出す場合窓口で引き出す場合について分けて解説したいと思います。

代理人による解約に必要なもの①:ATMで引き出す場合

ATMを使って行う解約には、

  • 自動継続になっている定期預金の自動解約
  • 満期日当日の解約
これらの手続きがあります。

本人以外の代理人がATMで引き出す際に必要となるものは、定期預金の通帳キャッシュカードです。ただし、定期預金の残高が高額の場合は、1日のお取引可能金額を確かめたうえで普通預金への振り替えを行いましょう。

また、取り扱っている銀行や金融機関によっては、満期日より前に解約をする場合ATMで手続きができない場合もあります。

途中解約は利息が下がるなどのデメリットがあるため、あまり手続きをするという人はいないとは思いますが、もし解約手続きを行う場合は必ず事前に確認をしましょう。

代理人による解約に必要なもの②:窓口で引き出す場合

本人以外の代理人が窓口で引き出す場合は、以下のものを用意しましょう。

  • 定期預金契約者の身分証明書
  • 定期預金契約者の印鑑
  • 代理人の身分証明書
  • 委任状
委任状の書き方が分からないという方もいらっしゃると思います。

各銀行や金融機関によっては、委任状のフォーマットが用意されている場合もありますのであらかじめ入手しておくと良いでしょう。

本人以外の代理人が窓口で手続きを行う場合、ATMとは違い本人確認などの確認で時間が掛かることが予想されます。

そのため、まとまったお金がすぐに必要だという場合は、まずは各銀行・金融機関の担当者に相談をすることを忘れないでください。

参考①定期預金の解約で本人が死亡している場合

定期預金を契約している者が死亡した場合には銀行口座を速やかに凍結してください。


これにより相続人のうちの一人が相続の許可なしに預金の引き出しをすることを防ぎます。


亡くなった方の預貯金は基本的に法定相続人が相続分に応じて取得することになります。


相続人はご自身の相続分の預金を払い戻しが請求することが法律上で認められています。しかし銀行はその請求に応じてくれません。


それは遺産相続に巻き込まれたくないという銀行側の勝手な行動です。


しかし実際には払い戻しをしてもらわなければなりませんので銀行側の手続きに従うしかありません。


なお亡くなった方の口座を凍結するときに必要な書類がいくつかあります。

  • 口座払戻請求書(各銀行所定のもの)
  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 預金口座の通帳と銀行届出印
  • 遺産分割協議書相
  • 続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
これらの書類が必要となります。また銀行により必要書類が異なる場合もありますので事前に問い合わせることをおすすめします。

参考②親が認知症であることを銀行が知った場合定期預金の解約ができない

また死亡した場合以外でも銀行口座を凍結できるケースがあります。それは親が認知症であり、自らでは解約できない場合です。


なぜ認知症の場合に口座を凍結するのかというと、詐欺や横領などの犯罪やトラブルに巻き込まれなて財産を失うことを防ぐためです。


しかし一度、口座を凍結してしまうとお金を引き出すことができなくなります。これはたとえ名義人による利用だとしてもです。


更には明白な親子関係が証明されていたとしても子供が引き出すこともできません。


では凍結して口座の財産を介護費用としてし用意したい場合にはどうすればいいのでしょうか?


実は「成年後見制度」という制度を使用することによって本人の介護の費用に使用することができます。


この「成年後見制度」とは認知症などにより財産管理や判断が困難な方を犯罪や詐欺から守る制度です。また本人の判断能力に応じて後見と保佐と補助の3つの制度に別れています。


かわりに介護費用を肩代わりした場合には相続で差し引いてもらえるのでしょうか?


代わりに支払った介護費用は生活費として見なされますので相続の時に差し引かれるかは断言できません。


遺産分割協議の場において寄与金として認めてもらうため相談はできますがその内容が認められるかは定かではありません。


そのため介護費用は本人が支払うことが一番安全です。

本人が定期預金解約の委任状が書けない状態の時は?

定期預金の契約者本人が委任状を書けない場合、後見人制度を利用して成年後見人を立てれば本人以外でも解約が可能です。


後見の対象となる人は、判断能力が全くない人です。


後見人には、財産管理や法律行為を代わりに行う代理権と取消権が与えられます。そのため、本人の病状や意識が回復して意思表示ができるようになれば成年後見人は解任されます。


成年後見人は家族や親族でもできますが、その場合は家庭裁判所の選任が必要となります。


また、以下の3つの注意点に気を付けましょう。

  1. 家庭裁判所に選任される公的な任務であることを自覚すること
  2. 本人の財産の贈与や貸与などは行わないこと
  3. 親族間で話し合いをきちんと行ってから決めること

特に気を付けなくてはいけないのが、3の親族間で話し合いをきちんと行うことです。


後見人はよく、「財産を自由に使える人」であると誤解されるところがあり、親族間のトラブルを避けるためにも事前にきちんとした話し合いが必要でしょう。


また、後見人自身も自覚がなく、お金を自由に使うことができると勘違いをしてはいけません。


定期預金の残高が高ければ、それだけトラブルに発展する恐れも高いため、その場合は家族や親族ではなく弁護士司法書士が後見人になることもあるようです。

参考:定期預金の引き出し方!本人以外の代理人の場合も解説

定期預金は普通の口座よりも金利が高いので貯蓄のために契約している方がほとんどだと思います。


そのため定期預金は基本的には満期解約で引き出したいものです。


しかし突然、お金が必要になってしまった時に中途解約ができないものか?と考えますよね。そこで定期預金の中途解約は可能です。


また一部だけを解約できる場合もあります。


それらを踏まえて定期預金を引き出す方法は4つをご紹介します。

  • 満期解約で引き出す方法
  • 中途解約で引き出す方法
  • 一部解約で引き出す方法
  • 満期の解約予約で引き出す方法
次の項目ではこの4つの引き出し方法について詳しく解説していきます。

定期預金を満期解約で引き出しする場合

お金を預ける際に自動解約型を選択すると、満期になった時に普通口座に元金と利息が自動的に移ります。


元金と利息が自動的に普通の口座に移りますので満期の当日にお金を引き出すことができます。


入金される日時としては満期日が銀行営業日なら午前12時、銀行休業日ですと翌日の午前12時となります。


また引き出す際に特別な手続きをする必要もありません。一番手軽なプランが自動解約型の定期預金でもあります。

定期預金を中途解約で引き出しする場合

定期預金とは基本的に途中契約はできません。しかし、どうしてもお金が必要になった場合にのみ中途解約が認められています。


その場合は満期での金利よりも低い金利が適用されます。また一部の金融機関では中途解約ができない場合や商品によっても中途解約ができない場合もあります。


更には解約手数料がかかる場合もあります。


基本的には窓口かインターネットバンキングでの解約が可能です。ATMでの解約はごく一部の金融機関でのみできます。


窓口の手続きでは、通帳、銀行印、本人確認書類が必要となります。

定期預金を一部解約で引き出しする場合

定期預金の一部だけを解約して引き出す方法です。残りの預金はそのまま定期預金として契約を続行することができます。


しかし一部解約ができる金融機関は少なく、多くの場合は中途解約になってしまう場合がほとんどです。


更に一部解約をする際には金融機関が定めた条件を満たす必要があります。


その条件とは例えば「定期預金を行っている期間が一定期間以上である」か「自由引出型定期預金であること」などです。


またこの場合も金利は低く設定されます。

定期預金を満期の解約予約で引き出しする場合

満期の解約予約とは契約内容を自動継続から自動解約にします。


そうすることにより満期解約と同様の引き出し方法となります。そのため元金と利息が満期になったら普通口座へ自動的に移されます。


自動継続型とは満期になったら、自動的に引き続き定期預金の期間が開始する仕組みです。その場合には同じ条件で定期預金が再スタートします。


解約の方法としては銀行の窓口かインターネットでできる金融機関もあります。更に満期を知らせる通達をしてくれる金融機関もあります。

各銀行・金融機関ごとの定期預金の解約・引き出しの方法

定期預金の解約の仕方、引き出し方は、各銀行・金融機関ごとに手続き方法が異なります。主要銀行と金融機関の定期預金の解約手続き方法のページと委任状のURLは以下になります。

定期預金は引き出す金額によって本人確認書類が必要になるなど、手続きに必要なものも変わってきますので、事前にきちんと確認をしておくことが大切です。

定期預金の解約についてのQ&A

定期預金の解約に関して気になるのが、どこで解約できるのか?解約に必要な書類は?このような点だと思います。


定期預金の解約は支店やインターネットバンキング、ATMでの解約が可能です。しかし金融機関によって違いがありますので金融機関のホームページで確認するといいでしょう。


また解約に必要となる書類は

  • 通帳
  • 届出印
  • 顔写真付き本人確認書類等の公的書類
以上の書類が必要となります。

定期預金の解約は支店やATMでも可能なのか?

定期預金も解約は支店やATMでも可能です。


しかし金融機関や中途解約なのか満期解約なのかによって違いがあります。


例えば百十四銀行で中途解約をする場合は必要書類を持って支店で行うことができます。その際の必要書類とは通帳・証書 お届出印 運転免許証などの本人確認書類です。


他にも三菱UFJ銀行ではATMでの解約が可能です。その際には総合口座通帳と総合口座普通預金のキャッシュカードが必要となります。


またみずほ銀行では解約予約と満期日当日の解約はできますが、中途解約はできません。

定期預金の申し込みも代理人が手続きできる?

定期預金の申し込みは代理人でも手続きすることがあできます。


その場合には事前に代理人を指名する手続きをしておくことが必要です。なお代理人には2親等以内の親族を指名する決まりがあります。


しかしこの代理人の手続きには口座の契約者本人が行う必要があります。


更に代理人キャッシュカードといって代理人がお金を引き出せるカードも発行することもできます。これも契約者本人から代理人へ渡す仕組みとなっています。


代理人の手続きがない場合には申し込みはできません。

まとめ:定期預金の解約や引き出しを本人以外の代理人がすることはできる

定期預金の本人以外の代理人が解約する方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 定期預金の解約は本人以外の代理人でも可能だが、手続きには時間が掛かる
  • ATMと窓口の引き出し方は手続き方法が異なる
  • 本人が委任状を書けない場合は、成年後見人制度を利用できる
でした。

定期預金の残高が高額の場合ですと、本人以外の代理人が解約手続きを行うと審査が厳しくなるため、事前に必ず金融機関に相談をしておくことが大切です。大きな出費があり、どうしてもお金が必要となった場合に備えて、事前に知識を身に着けておくことはとても大切です。

本人以外の代理人が手続きをするというのは、決して珍しいことはありません。今後のためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

また、マネーライフに関する記事がほけんROOMには数多くあるため、是非ご覧ください。


ランキング