【初心者必見】IPO株は初値で売るべきって本当?理由と売り方を解説

IPO株は初値で売るべきだとよく言われます。でも実際にどうやってIPO株を初値で売るのか、その方法はご存知ですか?株の売り方と聞くと初心者には難しそうな印象もあると思いますが、この記事ではそうした疑問や不安を解決するためにIPO株の初値での売り方を解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

IPO株の初値での売り方とは?

最先端の技術を保有する将来性の高いベンチャー企業、そんな企業のIPOは非常に魅力があり多くの方がIPO投資にチャレンジします。


では実際にそのIPO投資で利益をだすにはどうしたら良いでしょうか。


「IPOはの売り方は初値で売るのが良い」とよく言われますがそれは本当でしょうか?


IPO投資を始めた方々のなかには


「IPO株で損はしたくないけれど売り方が難しそう」


「IPO株の売り方で注意することがあれば知りたい」


という方々も多くいると思います。


そこでこの記事では

  • IPO株の売り方は
  • IPO株の売り方は成行売りがベスト
  • 初値売りにもリスクはある
  • 初値での売り方の詳細
以上のことを中心に説明していきます。

この記事を読めばIPO株の売り方が詳細までわかると思います。

ぜひ最後までごらんください。

IPO株を初値で売るには「成行注文」

IPO投資とは未上場の会社が証券市場に上場する際に募集する新規公開株を買い付けることです。


未上場の企業は上場するまでに自社株をベンチャーキャピタルや機関投資家向けに発行し、会社を成長させるための資金を調達します。


そしてその企業が成長性し上場基準をみたせばIPO、新規株式公開となります。


IPOによっていままではクローズドだったその企業の株を、証券市場を介して多くの方が購入することができるようになります。


またその企業としても新たな資金調達をおこなうことができるのです。


上場初日は市場内でそのIPO株を買いたい人と売りたい人がそれぞれ 


「この価格なら買ってもいいよ」 


「この価格なら売ってもいいよ」 


「いくらでもいいから買いたい」 


 という意思を持って注文をだします。 


 それらをすべてまとめた結果が一つの値段として付くのです。 


 これが「IPO株の初値」です。  


「初値で売る」とは上記のように上場初日に市場内で、最初についた値段でIPO株を売ることです。


そんなIPO株を初値で売却する売り方、しかも確実に売るためには「成行注文」がベストです。

IPO投資における成行注文とは

株の売り方を大きく2つに分けると以下のようになります。

  • 成行(なりゆき)
  • 注文指値(さしね)注文
成行き注文とは「金額を指定せずに売る」という売り方であり、つまりはいくらでもいいから売りたいという売り方です。

指値注文とは「価格1500円ならば売りたい、それよりも安い値段では売りたくない」という売り方です。

IPO株の初値は板寄せ方式という方法できまりますが、その中で売買のルールがあります。

このルールのひとつに「時間優先の原則」というものがあります。

これは「指値注文」よりも「成行注文」が優先されるというルールです。

マグロのせりをイメージするとわかりやすいです。

「50万なら買う!」「100万なら買う!」という声が出ている場面を想像してください。

ここで「いくらでもいいから買う!」という声を出したらその人がそのマグロを競り落とすことができますよね。

IPO株を売り方でも「いくらでもいいから売る」という声を出した人は最優先でその注文を取り扱ってもらえるのです。

成行の売り注文の出し方は?

では成行で売り注文をだすには具体的にどのようにしたらよいのでしょうか?


売り注文は証券会社各社のウェブサイトやアプリを通じて出すことができます。


売り方の流れは以下の通りです

  1. ログイン後に該当のIPO株をを選び「売り」を選択
  2. 注文の形式で「成行」を選択
  3. 希望する売却株数を入力
売り注文は当選後すぐに出せるのではありません。

株式には受け渡し日というものがありその受け渡し日になって初めて、その株が自身の手元に渡り、その株を売却できるようになるというルールがあります。

IPO株の受け渡し日は上場日がその受け渡し日となります。

各証券会社が夜間にデータの洗い替えを行った後、株式上場するその日の早朝から注文を出すことが可能となります。

成行の売り注文の際の注意点

成行の売り注文を出す際にはどんな点に注意したらよいでしょうか?


株式市場は午前9時に開始されます。


ですからそれまでに成行の売り注文をだしておかなければなりません。


初値は公開初日につかないこともありますが、9時過ぎにすぐ初値がつくこともありますので確実に9時前に注文を出すことが必要です。


また初日に値段がつかない場合は9時前に出した成行の売り注文がキャンセルされます。


成行注文の有効期限がその日限りとなっているからです。


ですから再度改めて注文を出す必要があります。


上場後2日めの場合の注文時間は証券会社各社によって異なりますが、多くの会社で19時以降であれば翌日分の成行の売り注文を出すことができます。

参考:なぜ、IPO投資は初値で売るのがいいのか

なぜIPO投資は初値で売るのが良いのでしょうか?


それはIPO株のセカンダリー市場の予測が非常に難しいからです。


IPO株の上場後の相場を「セカンダリー」といいます。


このセカンダリー市場では大口機関投資家や短期トレード中心の個人投資家など多くの投資家が参加します。


株価の構成要因は業績や投資指標などさまざまなものがあります。


しかしこれらの株価の構成要因とはまったく関係なく、参加している投資家の思惑によりセカンダリー市場ではその株価は大きく乱高下します。


その企業と同業種のデータは存在するので比較検討はできますが、肝心のその企業の公正な過去の長期データが存在しません。


指標とするものがないので、多くの投資家はその思惑で投資判断を行います。


また上場前から多数の株式を保有しているベンチャーキャピタルや、その企業の創業者や創業メンバーも多くいます。


これらの関係者が上場後にその株を売るのか売らないのかは、その株式規模から考えて大きな受給要因となります。


しかしながら、この点について予測を行うことはほぼ不可能です。

初値売りでも損失が出ることはある

初値売りという売り方でも損失が出ることはあります。


2018年のIPOの89社のうち9社が公募価格割れとなっています。


初値売りがおすすめの売り方ではありますが、絶対に利益が出る売り方というものではないということも理解しておきましょう。


株価は受給でその価格がきまります。


IPO株の供給は新規公開株数として決まっています。


供給数がきまっているなか、証券会社は多くの顧客へIPO株の購入を勧めるプロモーションを行います。


また、その企業のもつ目新しい技術がテレビなどで紹介されれば、いままで株式に興味がなかった人たちもその企業のIPOに参加するようになります。


このように供給が決まっている中で需要が喚起されるので、IPO株の初値は公募価格を上回ることが大きくなります。


しかし、株式市場全体に影響する、個別株の受給をも吹き飛ばしてしまうようなものが発生すれば公募価格割れが発生します。

  • 地政学的リスクによる影響(例 北朝鮮問題)
  • 為替価格の動向(例 急激な円高進行)
  • 世界政治動向(例 トランプ大統領の発言)
ですから上場するときの全体の相場についてもある程度検証しておく必要があるのです。

損失を避けるために気をつけたいこと

IPO株で損失を出さないために注意する点はなんでしょうか?


それはIPO株のセカンダリー市場の乱高下に飲み込まれないようにすることです。


セカンダリー市場では大きく株価が上昇する局面もありますが、反対に大きく下落することもあります。


2018年の注目のIPOであった「メルカリ」は公募価格3,000円に対し、初値5,000円と大きく上昇しました。


初値でしっかりと売却できていれば利益を得ることができましたが、その後の株価の推移は軟調でジリジリと価格を下げて半年後には初値の半額である2,500円を割り込みました。


このように初値で売るか売らないか迷っているなかで、公募価格に対して初値が高くついた場合などはどうしてもその後の上昇を期待していまいます。


上昇を期待してそのまま売却せずに株を持っていると、その後大きく下落する局面に出くわすことがあります。


しかも「初値が5,000円だったからそこまでもう一度いくんじゃないか」このように考えてなかなか売却できないのが人間です。


そして気づけば株価が公募価格を割って損失が発生していくのです。


自身でIPO株の売り方を事前に決めておき、忠実にその売り方を実行するのがよいでしょう。

初値売りのデメリット

では初値売りのデメリットはあるのでしょうか?


はっきり言ってメリットが大きくこれと言ったデメリットはありません。


あえてデメリットとしてあげるとすればこんな場合でしょうか。

  1. 初値で売却
  2. 公募価格よりも高い値段で売れた
  3. その後さらに株価は上昇
  4. 指を加えて見ている間に公募価格の倍の価格になっていた
このような流れになった場合には「初値で売らなければよかった」という後悔が生まれます。

この「もっと儲けられたのに」という後悔が生まれるのがデメリットと言えます。

しかし、セカンダリー市場の価格がどうなるかは不透明で初値よりも価格が上昇する保証はどこにもありません。

IPO投資では「タラレバ」を考えずに確率の高い方法で利益を狙う方法をとりましょう。

各証券会社の初値での売り方

証券会社の初値での売り方について説明します。


各証券会社により多少の違いはありますが、流れは以下の通りとなります。

  1. ログイン後保有残高をクリック
  2. 対象IPO株の「売却」をクリック
  3. 株数・成行・有効期限を選択
  4. 「注文する」をクリック

各証券会社のIPO株の取扱いについてその特徴を下記にまとめますので、参考にしてください。


SBI証券

  • IPO取扱数が大手証券会社に引けを取らない
  • 1単元1票の平等抽選

SMBC日興証券

  • 店頭でのIPO取扱が9割
  • ネット配分10%は平等抽選

マネックス証券

  • ネット配分100%
  • 完全平等抽選
大和証券
  • 多くの銘柄で主幹事を務める
IPO株投資はまず抽選に当選しないと始まりません。

ですから証券会社選びも重要になってきます。

まずはネットメインの証券会社か店頭メインの証券会社なのか、そのなかで当選のしやすさを考えて証券会社を選びましょう。

まとめ:IPOの売り方は成行注文。初値で売るのが吉。

IPO株の売り方について説明してきましたがいかがでしたでしょうか。


今回のこの記事では

  • IPO株は成行注文で売る
  • 成行注文のメリット
  • IPO株リスクをしっかりと認識しよう
  • 証券会社を選ぶのも重要
でした。


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