親の年収関係なしの給付型奨学金はある?【2024年最新版】

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奨学金を利用したいけれど、親の年収が審査に引っかかってしまう…。そんな学生の方もおられることでしょう。この記事ではそんなあなたのために、親の年収に関係ない給付型奨学金の制度の紹介をはじめ、給付型奨学金に関する基本知識などを網羅的にご紹介しています。




▼この記事を読んでほしい人

  • 給付型奨学金の利用を検討している人
  • 親の年収が原因で給付型奨学金を諦めようとしている人
  • 奨学金の審査に落ちてしまった人


▼この記事を読んでわかること

  • 親の年収に関係ない奨学金制度
  • 給付型奨学金の審査基準
  • 奨学金の審査に通らなかった場合はどうすれば良いのか
  • 給付型奨学金の基礎知識
特に給付型奨学金の利用を検討している方は必見の記事となっています。

最後までぜひご覧ください。

内容をまとめると

  • 親の年収に関係ない給付型奨学金を探しているなら、「キーエンス奨学金」がおすすめ
  • 奨学金の審査は、親の年収(世帯年収)・成績・保証人の有無・募集人数で決まる
  • もし奨学金の審査に落ちてしまっても、「祖父母を頼る」「機関保証制度を利用する」「在学採用を目指す」「他の奨学金制度を探す」「教育ローンを利用する」などの方法がある
  • 奨学金を継続したいのであれば、成績や日頃の生活態度などに気を配るべき
  • 奨学金制度をはじめマネーライフに関して質問があるなら、いますぐマネーキャリアを利用するのがおすすめ!
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親の年収制限なしのおすすめの奨学金「キーエンス奨学金」


早速親の年収に関係ないおすすめの奨学金をチェックしていきましょう。


今回ご紹介するのは、キーエンス奨学金です。


というのも今回調査したところ、現在親の年収に関係ない奨学金はこの「キーエンス奨学金」しか見当たりませんでした。


では特徴を解説していきます。


「キーエンス奨学金」は公益財団法人 キーエンス財団が運営している奨学金です。


学業優秀・品行方正な学生に経済的な支援を行い、社会へと貢献する人材の育成に寄与することを目的として奨学金の給付を行っています。


こちらで給付されるのは、「給付型奨学金」というタイプの奨学金です。


簡単に言うならば、返済の必要はありません。


推薦応募方式ではないため、財団のホームページから学生自身が応募してください。


応募の流れはキーエンス財団「給付までの流れ」からもご確認が可能です。


審査をクリアすると、大学1年生からの4年間にわたって月額8万円が支給されます。


総支給額は4年間で384万円です。


日本国内の4年生大学へ入学予定の方であれば、全員が対象となります。


なお審査は

  • 学業成績
  • 経済状況
  • 小論文 など
これらの総合的な評価によって行われるものとなっています。

貸与型奨学金や海外留学支援の奨学金、授業料減免制度との併用が可能です。

奨学金の審査に通るために審査基準を理解しよう!

さて、そもそも奨学金の審査にはどうすれば通るのでしょうか。


ここでは日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金について

  • 親の年収(世帯年収
  • 成績
  • 保証人の有無
  • 募集人数
以上の4つの観点から解説していきます。

これから奨学金を借りることを検討しているご家庭は特に必見です。

以下の内容をしっかり理解し、奨学金の給付が受けられるように意識していきましょう。

①世帯年収

まずは世帯年収、言うならば親の年収の制限についてです。


基本的に日本学生支援機構の給付型奨学金の対象となるのは、

  • 生活保護世帯
  • 住民税非課税世帯
  • 社会的養護を必要とする人
以上に当てはまる人となっています。

貸与型奨学金では返済が困難となり得る人は、返済が不要な給付型奨学金を受けられる可能性があるということですね。

詳しく表にまとめてみましたので、一緒にチェックしていきましょう。

収入基準
第1区分当事者と生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円未満
第2区分当事者と生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円〜25,600円未満
第3区分当事者と生計維持者の支給額算定基準額の合計が25,600円〜51,300円未満
なおこの区分については
  • 第1区分:生活保護世帯・住民税非課税世帯
  • 第2区分・第3区分:非課税には該当しないものの厳しい世帯
となっています。

また世帯収入が基準を満たすかどうかは、家族構成によっても異なるものです。

あなたの家庭が該当しているかわからない場合は、日本学生支援機構「進学資金シミュレーター」によってざっくり確認することができます。

②成績

奨学金は基本的に「経済的に困難ではあるけれども、進学して勉学に励みたい」という学生を支えるためのものです。


そのため成績は審査において大きな存在となっています。


進学前に給付型奨学金を申請する場合、

  • 高等学校などにおける全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上
  • 将来社会で自立し及び活躍する目標をもって、進学しようとする大学などにおける学修意欲を有している
以上の項目を満たしていなければなりません。

2項目めの学修意欲に関しては、面談やレポート提出などによって評価・確認がされます。

ただ成績が良い、あるいは学修意欲があるのみではなく、その両方を兼ね備えていることが求められるというわけです。

③保証人の有無

奨学金はれっきとした金銭のやり取りであり、責任が生じるものです。


しかし給付型奨学金は返済の必要がないタイプなので、保証人を立てる必要はありません


一方でこれが貸与型奨学金(返済義務が存在しているタイプ)である場合は、保証人が必要となります。


この際は

  • 人的保証:連帯保証人と保証人を立てる
  • 機関保証:保証機関に保証してもらう
のどちらかを選択しなければなりません。

要するに、奨学金を返済しなければならないかで保証人の有無が変わってくると考えてください。

再度になりますが、給付型奨学金には保証人の必要はありませんのでこの項目は無関係です。

④募集人数

給付型奨学金には具体的な募集人数の制限は設けられていないようです。


一例として、令和元年度の給付型奨学金は18,915人が採用されています。


採用候補者として挙がったのは21,205人なので、結果としておおよそ9割弱が奨学金の給付を受けられたということです。


なお給付型奨学金が誕生した平成29年度からの採用人数は、

採用状況
平成29年度
(先行実施)
2,503人
平成30年度18,649人
令和元年度18,915人

となっています。


最新の採用者の内訳などは、日本学生支援機構「令和元年度「給付奨学生」の採用状況について」をご確認ください。

奨学金に通らなかった場合の対処法

審査の結果、奨学金に通らない可能性もありますよね。


しかしやはり、進学のためには経済的支援が不可欠という場合も。


ここではそんなときの対処法として、

  • 祖父母を頼る
  • 機関保証制度
  • 在学中に申請する
  • 様々な機関の奨学金制度を探す
  • 教育ローンを利用する
以上の5つをご紹介します。

もちろん、すべての方が絶対に利用できる方法ではないかも知れません。

それでも万が一の事態に備えられるよう、一緒に確認していきましょう。

①祖父母を頼る

家庭の環境にもよりますが、祖父母からの援助が受けられないか相談するのも1つの手です。


相談時には

  • 奨学金の審査に通らなかったこと
  • 進学のために必要な金額
をしっかり伝えるように心がけましょう。

進路ナビ「「生活費」について」によると、大学生の1ヶ月あたりの生活費は全国平均で12万6,100円

これに加えて、大学の入学金や授業料なども必要となります。

あなたが進学予定の大学・学部学科はどの程度の費用がかかるのかも前もってしっかり確認しておいてください。

②機関保証制度

「親の年収や成績などには問題がないけれど、保証人がいないために奨学金の審査に落ちた」という方もおられます。


その場合は、「機関保証制度」を利用しましょう。


機関保証制度とは、貸与型奨学金を利用する際に、公益財団法人 日本国際教育支援協会(JEES)機関保証センターが保証人となってくれる制度です。


このとき、保証料として奨学金の約5%を納める必要があります。


保証料は奨学金の貸与月額・貸与利率・貸与年数によって異なるものです。


例えば、令和3年度の採用者が第二種奨学金(有利子)を4年間利用した場合の保証料は以下のようになります。

奨学金月額借入総額保証料月額
3万円144万円1,120円
5万円240万円2,114円
10万円480万円5,390円
12万円576万円6,468円

公益財団法人 日本国際教育支援協会「令和3年度 保証料月額(目安)」


保証料は決して安いとは言えませんが、それでも奨学金を利用できる手段ですのでぜひご検討ください。

③在学中に申請する

奨学金には

  • 予約採用:高校3年生時に進学のための奨学金を申請する
  • 在学採用:大学・専門学校入学後に申請する
以上2種類の採用方法があります。

予約採用で奨学金の審査に落ちてしまった方は、進学後に在学採用の申請を行うのも有用な手段です。

というのも、予約採用と在学採用では審査における成績基準・収入基準が異なります。

それぞれの特徴を簡単にまとめてみましたのでご覧ください。

予約採用


▼成績基準(第一種奨学金の場合)
  • 大学・短大・専門学校ともに5段階評価で3.5以上

▼収入基準
  • 進路に関係なく一律で設定されている

在学採用


▼成績基準(第一種奨学金の場合)
  • 大学・短大:5段階評価で3.5以上
  • 専門学校:5段階評価で3.2以上 

▼収入基準
  • 進路や通学環境ごとに細かく設定されている
  • 授業料自体が控除対象になる

以上のように、予約採用と比較すると在学採用のほうが少し審査通過のハードルが下がります。

そのため一度通らなかった方でも奨学金を利用できる可能性があるのです。

④様々な機関の奨学金制度を探す

日本学生支援機構以外の様々な奨学金制度を探すというのも良いでしょう。


最初にご紹介した、親の年収に関係ない「キーエンス奨学金」もその1つです。


その他にも

  • 大学
  • 自治体
  • 企業 など
様々な奨学金制度が存在しています。

さらに、年度によっては新しい奨学金制度が生まれる可能性も。

それぞれの採用基準も日本学生支援機構の奨学金とは異なります。

例えば大学独自のものを利用したい場合は、進学先のホームページや学生支援課などに問い合わせてみましょう。

⑤教育ローンを利用する

どうしても奨学金が借りられない場合は、教育ローンの利用を検討しましょう。


奨学金は学生本人が借り入れることになりますが、教育ローンの場合は親が借入者です。


教育ローンにも2種類あり、

があります。


日本政策金融公庫の教育ローンは、いわば国のローンです。


2021年4月で金利は1.68%と、奨学金と比べて高くなっています。


それでも一般的な民間銀行で教育ローンを利用するよりも金利は低いので、有用な手段であると言えるでしょう。


では簡単に、国のものと民間銀行のものの利用対象となる方をご紹介していきます。


日本政策金融公庫の教育ローン


▼利用対象者

子どもの人数世帯年収の上限
1人790万円
2人890万円
3人990万円
4人1,090万円


民間銀行の教育ローン


今回は一例として、みずほ銀行の教育ローンを見てみます。


▼申請対象者

  • 借入時の年齢が満20歳~66歳未満、最終返済時年齢が満71歳未満
  • 勤続年数が2年以上
  • 前年度税込み年収が200万円以上で安定かつ継続した収入が見込める
  • 保証会社の保証を受けられる
なお金利は3.475%、インターネットで申し込みの場合は2.975%です。

国のローンより金利は高い一方で、年収は関係ないものとなっています。

給付型奨学金に関するよくある質問


では最後に、給付型奨学金へのよくある質問について回答していきます。


今回扱うのは

  • 申請や受給するに当たって必要な書類は?
  • 貸与型と併用できる?
  • 一度申請して通ったら在学中はずっと給付される?
の3つの質問です。

わからないことがある方は、この機会にしっかり疑問を解決しましょう!

①申請や受給するにあたって必要な書類は?

日本学生支援機構の場合は、

  • 提出書類一覧表
  • 確認書
  • 確認書に親権者が署名できない場合の追加書類(該当者のみ)
  • 申込資格に関する証明書類(該当者のみ)
  • 社会的養護に関する証明書類(該当者のみ)
  • 収入に関する証明書類(該当者のみ)
  • 障がいのある人に関する証明書類(該当者のみ)
  • 単身赴任実費計算書+生計維持者の単身赴任の実費に関する証明書類(該当者のみ)
  • 長期療育費計算書+長期療育費に関する証明書類(該当者のみ)
  • 災害等による長期間収入減(支出増)の証明書類(該当者のみ)
  • マイナンバーの代用書類(該当者のみ)
  • 海外居住者の提出書類(該当者のみ)
これらの書類が必要となります。

なお、書類に関しては日本学生支援機構「申込みのてびき」から入手が可能です。

②貸与型と併用できる?

結論から申しますと、給付型奨学金と貸与型奨学金の併用は可能です。


併用する場合は給付奨学金の支援区分(第1区分〜第3区分)などによって、第一種奨学金(無利子)の貸与月額が調整されることになります。


なお第一種奨学金の貸与月額は、以下の場合に調整されるようです。

  • 給付奨学金の支給を受けている
  • 給付奨学生に採用されているものの、支給月額が0円または支給されていない
  • 給付奨学金を利用していないが、高等教育の修学支援新制度に基づく授業料の減免を受けている

③一度申請して通ったら在学中はずっと給付される?

奨学金は「一度審査をクリアしたら在学中はずっと安心」ではありません。


日本学生支援機構の場合は、毎年「奨学金継続願」を提出する必要があります。


これによりその学生が奨学金を継続して利用するに相応しいかどうかを審査されるのです。


もしあなたが奨学生として適さないと判断された場合、

  • 廃止:奨学生としての資格を失い、奨学金は打ち切りとなる
  • 停止:一定の期間(1年以内)、奨学金が一時的に打ち切りとなる
  • 警告:奨学金は継続となるものの、改善されなければ廃止・停止となる
これらの処置が下されます。

どういう行為が打ち切りにつながるのか、ご紹介しましょう。

廃止となる理由

  • 留年などによって卒業延期の可能性が高い
  • 修得単位が極めて少ない
  • 犯罪やカンニングなどの重大な問題を起こした
  • 申込時や継続願提出時に虚偽の申告を行った
  • 家計の状況が一定以上になった
  • 退学・除籍になった
  • 奨学金継続願を提出していない

停止となる理由

  • 成績が著しく悪いものの、やむを得ない理由かつ卒業の見込みがあると認められる
  • 停学などの処分を受けた
  • 犯罪を起こしたが不起訴処分になった など 

一度審査を通ったからといって油断せず、成績や日頃の行いに気を配りましょう。

親の年収関係なしの給付型奨学金に関するまとめ


今回は給付型奨学金を中心に、親の年収に関係ない制度や審査基準などをご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。


記事内でも述べたように、奨学金は経済的に厳しいけれど進学して勉強をしたい学生を支えるための制度です。


そのため、どうしても親の年収や学生自身の成績・意欲など審査対象となるものは多くなってしまいます。


素敵な学生生活を送るためにも、奨学金を利用するための基準をあらかじめしっかり理解しておきましょう。


キーエンス奨学金以外の親の年収が関係ない奨学金制度などといった新たな制度が今後誕生する可能性も存在しますので、そのチェックも忘れずに行いたいですね。


ほけんROOMでは他にも読んでおきたいマネーライフに関する記事が多数掲載されておりますので、ぜひご覧ください。

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