早産の危機!!切迫早産での入院。医療保険は請求することができる?

順調にお腹で育っている赤ちゃんを早産してしまいそうになる切迫流産。早産をとめる為に、入院して治療を行う場合、その費用は医療保険で賄えるのでしょうか。妊娠、出産では適用とならない医療保険ですが、切迫早産の場合はどうなるのか、知っておくようにしましょう。

切迫早産は健康保険の対象となるのか

健康保険という制度は、さまざまな病気や怪我の治療においてその医療費の負担を軽くしてくれる、日本における優れた社会保障制度です。


そんな健康保険制度ですが、一般的に妊娠や出産にかかる病院への通院費や入院費、出産費用は、健康保険制度の対象とはなっていません。


しかし、通常の出産とは異なり帝王切開や切迫流産により入院などをした場合、これらによる出産は治療扱いとなり、健康保険制度の対象となることをご存知でしょうか。


そこで、この記事では「切迫流産の医療費」について、

  • 切迫早産とはどういう出産か
  • 切迫早産による入院費と入院期間 
  • 切迫早産と医療保険の関係
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、切迫早産と健康保険や医療費の関係が分かり、医療保険の加入のために役に立つ知識を得ることができます。

是非最後までご覧ください。

切迫早産とは

早産と切迫早産は、別物です。

早産とは、妊娠22週から37週に入る前に生まれることを言いますが、切迫早産とは、妊娠37週から42週未満で生まれてしまうことを言います。


あと少し、お母さんのお腹で成長するべきなのに、子宮伸縮が起きてしまい子宮口が開き、破水したり赤ちゃんが出そうになってしまう状態を、切迫早産と言います。




切迫早産の入院期間と入院費用

切迫早産の場合は、薬を飲んで安静にしていれば、子どもが成長するまでお腹の中に留めておくことも可能です。

しかし、場合よっては子宮口の広がりを防ぐ為に子宮頸管縫縮術という手術を受ける必要もあります。


また、手術を受けなくても経過観察の為、入院をしなければならない場合もあり、症状によって入院期間は異なります。


症状が軽ければ、子宮伸縮を抑える薬の内服や点滴で、早産の兆候が治まれば1週間ほどで退院ができます。


しかし、子宮頸管が短かったり子宮口が開いてしまっているなど、妊娠37週に入るまで入院が必要となります。切迫早産により1~3ヶ月の長期にわたる入院を余儀なくされるケースも少なくありません。


では入院費用は、どれくらいかかるのでしょうか。


大きく分けると費用がかかるのは3つとなります。

  • 切迫早産にかかる治療費用
  • 入院中の食事費用
  • 個室などにより差額ベッド代
病院によってその費用は異なりますが、治療と食事費用で1日1万円程になります。

差額ベッド代は病院次第で大きく異なり、1日1,000円の場合もあれば、1日1万円以上かかる場合もあります。

いざという時の入院時に慌てない為にも、かかりつけの病院にあらかじめ確認しておきましょう。

切迫早産は健康保険の対象

妊娠における健診や出産にかかわる費用は、健康保険に加入していたとしても、医療保険の適用にはならず全額自己負担となります。

しかし、切迫早産の場合は、医療費や入院費用が健康保険の医療保険適用となります。


医療費や入院費用は、病気などと同様に扱われ、3割の自己負担となるのが一般的です。


また、入院中の食事代も健康保険の適用となりますので、知っておいて損はありません。


『入院費食事療養費』は所得に応じた金額となりますので、全ての人が同じ金額にはなりませんが、1食260円程となり1日3食で入院日数分が、健康保険で賄うことが可能となります。

高額療養費制度により自己負担額に上限がある

切迫早産により入院期間が長引いた場合、やはり費用が大きくなってしまいます。

その時に助けとなるのが『高額療養費制度』となりますので、医療費が高額となる場合には、必ず利用するようにしましょう。

高額療養費制度を申請した場合、毎月の医療費が一定額を超えた場合には、超過した分が払い戻され自己負担額を減らすことができます。


この自己負担額は、所得に応じて上限が定められています。


例えば、年収が370万円以下であれば、その月の自己負担上限額は57,600円までとなり、どれだけ医療費を支払ったとしても自己負担額が上限額を超えることはありません。

出産一時金や傷病手当金ももらえる

妊婦さんが働いており産休に入る前に、悪阻や切迫早産により自宅療養や入院となってしまい、4日以上のお休みが必要となった場合には、傷病手当金を申請することができます。

3日間、給与が支払われておらず4日目以降も継続して仕事ができない場合は、4日目から傷病手当金を受給できる制度です。

受給金額は、標準報酬月額の3分の2が支払われますので、該当する場合には手続きを行うようにしましょう。

また、普通分娩と同じく、切迫早産も出産一時金が受給できますので、赤ちゃんが生まれた時には、忘れずに申請手続きが必要です。

ただし差額ベッド代などは保険の対象外

切迫早産の場合、健康保険で賄える部分は多数ありますが、気をつけておきたいのが入院中に発生する差額ベッド代です。

また、テレビ代や経膣エコーや赤ちゃんの心音確認などは、健康保険の適用外となるので注意が必要です。

切迫早産で入院したからと言って、全てが健康保険が使えるとは限らないのです。


もし切迫早産になりそうになった場合には、加入している生命保険会社へ確認してみるようにして下さい。

切迫早産で医療保険はおりるのか?

切迫早産などは正常分娩とは相違し、異常分娩として病気として扱われますので、健康保険と同様、加入している医療保険でも給付金支払い事由に該当します。

入院や手術が必要となった場合には、加入している保険会社に確認し、申請の手続きを行うようにしましょう。

ただし、妊娠発覚後に医療保険に加入していたりする等で、『部位特定不担保』が付加されている場合には、医療保険の請求を行えない場合もありますので、まずは、加入している保険会社に医療保険の保障内容を確認をしてみましょう。

医療保険の入院給付金が支給される

加入している医療保険に『入院特約』が付加されている場合には、切迫早産で入院した場合、入院給付金を受け取ることが可能です。

加入内容によって入院日額は相違しますが、例えば入院日額が1日5,000円だった場合には、5,000円×入院日数が入院給付金となります。


ただし、加入している医療保険によっては入院5日目からの保障となっている入院特約もあります。


このような入院から4日目までは保障されませんので、5,000円×(入院日数-4日)が受け取れる入院給付金となります。

医療保険の入院給付金の請求手続きの流れ

もし切迫早産により入院した場合には、医療保険の手続きが必要です。請求手続きの流れを知っていれば、いざという時に慌てずにすみます。


一般的には、切迫早産で入院後、退院したのちに請求します。


  1. 加入する保険会社に給付金請求の書類を送付依頼する
  2. 病院に診断書を記入してもらう
  3. 給付金請求書に必要事項を記載する
  4. 保険会社に、診断書と共に給付金請求書を郵送する
  5. 保険会社の手続き完了後、3日から7日程で振り込まれる

せっかくの医療保険ですので、手続きは速やかに行いたいものですよね。入院中でも結構ですので、給付金請求書と取り寄せてください。医師の診断書には、『切迫早産』の旨の記載が必要です。

高額医療の出産費についてはこちらで解説していますので、ぜひ読んでみてください。

まとめ:切迫早産は健康保険の対象となる

切迫早産と健康保険や医療保険の関係について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 切迫早産に関する医療費は高額になる
  • 切迫流産は健康保険の適用となり、医療費に上限がある
  • 切迫流産であっても、当然出産一時金や傷病手当金がもらえる 
  • 切迫流産は医療保険の対象となり、給付金を受けることができる

です。


自身がいざ切迫流産の可能性があるとなると、医療費についても不安に思うかもしれませんが、切迫流産にかかる医療費は基本的に高額療養費の対象となります。


高額療養費の対象であれば、医療費にも上限があり、一般的には高くとも9万円程度で収まるため、あまり医療費については心配することがなくなります。


焦って医療保険などに頼る前に、まずは公的な社会保障の制度を知っておくことが大切です。また医療保険に既に加入している人は、もし切迫流産となってしまい医療費を支払う際に、きちんと医療保険会社に請求することを忘れずに行ってください。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、是非ご覧ください。

ランキング