赤ちゃんの予防接種は保険適用?保険証など当日の持ち物や服装、費用も解説

ロタウイルスやBCGなどの赤ちゃんの予防接種(ワクチン)は生後2ヶ月頃から始まります。今回、赤ちゃんの予防接種は保険適用なのか、定期接種と任意接種の費用はどれくらいなのかを解説します。また、保険証などの当日の持ち物、スケジュール、服装なども解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

赤ちゃんの予防接種は保険適用?費用はどれくらいなの?


赤ちゃんがいる家庭には、しばしば予防接種の案内が届きます。

赤ちゃんにとって予防接種は、重篤な感染症にかからないようにするための大切なものです。


予防接種には、定期予防接種といって公費で賄えるものから、任意予防接種という自己負担で受けられる2種類があります。


予防接種は生後2か月から12歳までの長い期間に渡り続くものでついつい忘れてしまっていた……。ということも考えられます。母子手帳をもとにスケジュールを立てて、忘れないように予防接種を受けていきましょう。


この記事では

  • 予防接種の種類や内容について
  • 予防接種の自己負担の金額や内容について
  • 予防接種のスケジュールや当日の持ち物、服装について
  • 予防接種当日はお風呂にはいっていいのか

以上のことを中心に、予防接種について幅広く解説していきます。


この記事を最後までお読みいただくと、赤ちゃんの予防接種について、「その種類や費用・公的補助等」についてご理解いただけますので、ぜひ最後までお読みください。

赤ちゃんの予防接種(ワクチン)が健康保険適用かは種類による

赤ちゃんは生後5~6か月までは、お母さんからもらった免疫などによって、多くの細菌やウィルスの感染から守られていますが、少しずつその免疫が落ち始めることで、感染症にかかりやすくなります。


そのような感染症の危険から赤ちゃんを守るために行われるのが「予防接種」で、生後2か月くらいからスタートすることが一般的です。


この予防接種に関しては、健康保険が適応できるものとそうでないものがあります。


ここからは、この予防接種において、健康保険の適応になるもの・ならないものについて解説していきます。

赤ちゃんの予防接種には定期予防接種と任意予防接種がある

赤ちゃんの予防接種は、定期予防接種任意予防接種の二種類に分けることができます。


ここからは、定期予防接種と任意予防接種について、健康保険の適応になるか等も合わせて解説していきます。


定期予防接種

定期予防接種とは、法律に基づいて市町村が接種を実施するものです。


そのため、ほとんどの地域で健康保険が適用され、無料接種が行われています(一部で自己負担あり)。


医療的重要度が高い病気を防ぐワクチンであるため、健康保険の適用となり接種には経済的負担も少なく済みます。


定期予防接種の対象となるワクチンは

ワクチン名予防できる感染症
B型肝炎ワクチンB型肝炎
Hib(ヒブ)ワクチンHib感染症(細菌性髄膜炎・喉頭蓋炎)
小児用肺炎球菌ワクチン小児の肺炎球菌感染症
(細菌性髄膜炎・敗血症・肺炎など)
4種混合ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ
BCG結核
MR(麻しん風しん混合)麻しん・風しん
水痘(みずぼうそう)ワクチン水痘(みずぼうそう)
以上のワクチンが、定期予防接種の対象です。

任意予防接種

任意接種は、希望者が任意で摂取するワクチン
です。


そのため、保険は適用されず全額自己負担となります。


任意予防接種の対象となるワクチンは

ワクチン名予防できる感染症
ロタウイルスワクチンロタウイルス胃腸炎
おたふくかぜワクチンおふくかぜ(流行性耳下腺炎)
A型肝炎ワクチンA型肝炎
インフルエンザワクチンインフルエンザ
髄膜炎金ワクチン髄膜炎菌感染症

以上のワクチンが任意予防接種の対象です。


これらは任意接種ではありますが、医療的重要度が低いわけではありません。


任意予防接種も受けることをおすすめします。

自治体によっては任意予防接種費用の助成が受けられる

保険が適用にならず自己負担が発生する任意予防接種ですが、自治体によっては助成が受けられる場合もあります。


目的は、保護者の経済的負担の軽減のためです。


予防接種の費用は決して安くないので、やむを得ず接種を見送らなければならない家庭があるのも実情です。


費用が助成されることにより、予防接種を受けやすくなります。


対象疾病は、インフルエンザやロタウイルスが多く、助成額は1,000円程度が目安ですが、なかには半額を助成する自治体もあります。


ただし、助成が受けられる自治体は地方が多く、大都市ではほとんど行っていないため各自治体に確認されることをおすすめします。

健康保険適用外の任意予防接種の種類と金額を紹介

ここまでは、赤ちゃんの予防接種の概要を解説させていただきました。


それでは、健康保険が適用されない予防接種はどのようなものがあるのでしょうか?

保険適用外の任意予防接種については、先述したとおりです。


インフルエンザなどの季節流行性感染症などは、希望者のみが受けられることになっています。


しかし、保険が適用されないのにも関わらず、大半の人が任意接種を希望していますね。


ここからは、健康保険が適用されない赤ちゃんの任意予防接種の主な種類と金額をご紹介させていただきます。

ロタウイルス

最初にご紹介するのはロタウイルスです。


ロタウイルスとは、生後6ヶ月から2歳児に多く見られる急性胃腸炎を引き起こす感染症です。


特徴は下痢や嘔吐が激しく、症状が重い場合は入院に至る可能性があります。


流行時期は2~3月にかけてのため、インフルエンザと並行して感染対策をしなければなりません。


そうなると、赤ちゃんには是非とも接種をしておきたいところですが、健康保険が適用されないのが実情です。


ロタウイルスの接種費用は、1回12,000~15,000円です。


ワクチンの種類によって2回もしくは3回の接種が必要になります。

おたふくかぜ

次にご紹介するのはおたふくかぜです。

おたふくかぜとは、流行性耳下腺炎のことです。


症状として、耳下腺の腫れが見られます。


軽症で済む場合がほとんどですが、稀に重篤化する可能性がある病気です。


おたふくかぜは予防接種で防ぎやすいと言われており、世界各国では定期接種で2回受けています。


しかし、日本では任意接種で保険が適用されないため、1回接種するという人が多くなっています。


費用は1回6,000~7,000円を自己負担することになります。

A型肝炎

次にご紹介するのはA型肝炎です。


A型肝炎とは、A型肝炎ウイルスによって引き起こされます。


症状は、発熱や倦怠感、黄痰が見られることです。


赤ちゃんにとってはあまり馴染みのない感染症かもしれませんが、かかってしまった場合に重篤化し、死に至ることもあるため、こちらも免疫をつける必要があります。


A型肝炎の接種回数は3回です。


費用は1回8,000~9,000円ですが、保険適用外のため自己負担になります。

インフルエンザ

最後にご紹介するのはインフルエンザです。

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症のことです。


39度を超える発熱が特徴で、毎年冬にかけて流行します。


赤ちゃんに関わらず、大人も対策が必要な感染症です。


おそらくこの4つのなかでは一番馴染みのあるワクチンだと思いますが、実は任意予防接種のため保険が適用されません。


かかる費用は自己負担になりますのでご注意ください。


赤ちゃんがインフルエンザの予防接種を受ける場合、毎年秋頃2回、1回3,000~4,000円の費用がかかります。


自治体によっては助成を受けられるので、お住まいの地域の情報をチェックしてみることをおすすめします。

赤ちゃんの予防接種、当日の持ち物やスケジュール、服装を解説

赤ちゃんの予防接種は、お母さんにとっても大イベントです。


予防接種は月齢や年齢で受ける内容が決まっていますが、うっかり忘れてしまい、時期を逃してしまうと公費負担で0円の予防接種が自腹になったなんてケースも。


ここからは、赤ちゃんの予防接種のスケジュールについてや当日の持ち物、予防接種に望ましい服装についてお伝えします。

赤ちゃんの予防接種は生後2ヶ月から!スケジュールを確認

赤ちゃんの予防接種は生後2か月からはじまります。


ここからは、赤ちゃんの予防接種のスケジュールを表で解説しますので、ぜひお役立てください。


ワクチン接種スケジュール表(2歳まで)

生後2か月3か月4か月5か月6か月7か月8か月9か月1歳
ロタウイルスワクチン1回目2回目3回目
B型肝炎(HBV)1回目2回目
3回目
ヒブワクチン1回目2回目3回目4回目
小児用肺炎球菌1回目2回目3回目4回目
4種混合
(DPT-IPV)
1回目2回目4回目
BCG1回目(終了)
MR
(風しん・麻しん)
1回目
(3ヶ月後から2回目の摂取が可能)
水痘
(みずぼうそう)
1回目
(3ヶ月後から2回目の摂取が可能)
おたふくかぜ
(流行性耳下腺炎)
1回目
(3ヶ月後から2回目の摂取が可能)
A型肝炎1,2,3回目


2歳以降の予防接種のスケジュール

3歳4歳5歳6歳9歳11歳
日本脳炎
1回目・2回目
(生後6か月から摂取可能)
3回目
4回目
(9~12歳の間に摂取)
インフルエンザ毎年10月ごろから受けられます
(3歳未満は2回)
MR
(麻しん・風しん)
年長の4~6月を推奨
4種混合4回目(10歳までに3種混合をⅠ回受ける)
おたふくかぜ
(流行性耳下腺炎)
かかったことのない人は7歳までにもう一度受ける
HPV
(ヒトパピローマウイルス)

小学校6年生になったら摂取可能 (小6~高1の女子対象) 
髄膜炎菌2歳から摂取可能
(海外・寮生活をする人に推奨)

任意の予防接種も含めると10代後半まで続きます。予防接種は内容によっては予約がとりづらいのもあるので、余裕を持ってかかりつけのクリニックで予約を取りましょう。

予防接種当日の持ち物

赤ちゃんの予防接種は、一般的に生後2か月目くらいからスタートしますが、いざ予防接種を受けるときはバタバタしがちですよね。


ここでは、予防接種当日に持っていくべきものを紹介します。


《予防接種当日の持ち物》

  • 保険証
  • 予防接種の予約券
  • 母子健康手帳
  • 各予防接種の予診表  
  • 大きめのタオル
  • お着替え一式     など
以上が、予防接種当日に持っていくべき主なものになりますが、この中で、「各予防接種の予診表」というものがありますので、説明を加えたいと思います。

赤ちゃんの予防接種に当たっては、そのワクチンごとに原則的に予防接種をうけた方がよいとされている時期があります。

また、予防接種後、次の予防接種を受けるためには一定の間隔をあけることが必要とされています。

これらの事情から、ワクチン接種の多い赤ちゃんにおいては、各ワクチンの予防接種を計画的におこなうため、ワクチン接種のスケジュールを立て、予診表をつくることが推奨されています。

予診表の作成に当たっては、各自治体の方針やスケジュールもあるため、事前に問い合わせてみると良いでしょう。

予防接種当日の服装はどんなものがいい?

予防接種の当日の服装についてお伝えします。赤ちゃんの予防接種は一度に最大4種類受けられます。


予防接種の前に、医師による診察があります。赤ちゃんの胸の音を聞くので、ボタンで簡単に胸を出せるような服装がいいでしょう。


予防接種を打つ場所は、両腕・両太ももです。この場所をスムーズに出せる服装がおすすめです。夏は薄着なので心配いりませんが、冬はズボンを脱がせたり服を脱がせたりする場合があります。このときに着替えづらい服装だと、お母さんが大変な思いをしてしまうことも……。


生後6か月くらいまでは緩めのロンパース、ハイハイなど一人で動けるようになったら上下の分かれた服にすると脱がせやすく予防接種もスムーズに進みます。


冬の時期の防寒はチャックやボタンの上着がおすすめです。赤ちゃんはある程度大きくなると、病院や医師がどんなことをするのかを覚えるので泣き出してしまうケースが多いです。


被せるタイプの上着だと、余計に脱がせる時間がかかってしまうのであまりおすすめできません。

参考①:保育園や幼稚園に入園予定の場合は予防接種を受けるべき

ここまで赤ちゃんの任意予防接種にかかる費用をご紹介させていただきましたが、どのワクチンもある程度の費用がかかってしまうことが実情です。


「ウチは家計が厳しいから任意予防接種はしないでおこうかしら」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

しかし、保育園や幼稚園への入園を予定している場合は、保険適用外の予防接種であっても、予防接種を受けることをおすすめします。


なぜなら、保育園や幼稚園にはさまざまな子どもがいるため、思わぬ感染症の流行がおこり得るためです。


自分の子どもを感染症から守るためには、自己負担ではありますが任意予防接種を受ける必要があるといえます。


参考②:赤ちゃんの予防接種前後の授乳やお風呂について

赤ちゃんの予防接種前後の授乳についてや、当日のお風呂については病院で聞きたかったけど聞くのを忘れてしまった……。なんてこともありますよね。


赤ちゃんの予防接種前の授乳は、嘔吐の恐れがあるので、基本的には授乳をしないで病院にいきましょう。


空腹すぎてしまうと低血糖や不機嫌になる可能性があるので、1時間半前に授乳を終わらせておくと安心ですね。


当日のお風呂についても、熱が出たり注射を打った場所が腫れあがったりじゅくじゅくしていなければ問題なく入れます。


以下で詳しく説明していきます。

赤ちゃんの授乳は予防接種の直前はやめたほうがいい?

予防接種の前に授乳をしたほうがいいのか、悩んでしまうことがありますよね。


予防接種前の授乳は嘔吐の原因になるので、予防接種の前には授乳はしないようにしましょう。


たしかに、授乳をしておいたほうが赤ちゃんの情緒は安定します。


しかし、あまりにも予防接種の直前で授乳をしてしまうと予防接種で泣いた拍子で嘔吐してしまうケースが実は多いのです。


予防接種の1.5~2時間前には授乳を終わらせ、終わったあとに授乳をすると赤ちゃんもすぐに落ち着きを取り戻します。


「頑張ったね」や「えらいね」と声をかけながらお腹いっぱいになるまで授乳してあげましょう。しかし、もしあまりにも大泣きしている場合は落ち着いてから授乳しましょう。

赤ちゃんの予防接種後のお風呂は?

予防接種当日のお風呂は、制限がないので入っても問題はありません。


予防接種が終わり、止血のためのシールをはがしてかぶれないように優しく洗ってあげましょう。


しかし、なかには予防接種当日にお風呂に入ってはいけない場合もあります。


それは、予防接種の副作用で38度以上の発熱が出た場合や、BCGの予防接種を受けた部位がじゅくじゅくしている場合です。


発熱の場合は、本人の様子を見て元気そうならお風呂に入っても問題はありません。


しかし、38度以下の発熱で、いつもより元気がない場合はお風呂はお休みしましょう。


BCGを受けた部位がじゅくじゅくしている場合はお風呂はおやすみしましょう。


この他にも赤く腫れあがっていて熱を持っている場合や、機嫌が悪い場合でも大事をとってお風呂はおやすみしましょう。

まとめ:赤ちゃんの予防接種、定期予防接種は保険適用

ここまで、「赤ちゃんの予防接種に健康保険が適応されるのか}について解説してきましたが、いかがでしたか?


この記事のポイントは、

  • 予防接種には、健康保険が適用される定期予防接種と、適用されない任意予防接種の2種類がある
  • 予防接種に当たっては、任意予防接種に対し、助成を行っている自治体もある
  • 健康保険が適用されない予防接種の代表としては、ロタウィルス・おたふくかぜ・A型肝炎・インフルエンザなどがあり、金額はさまざまである
でした。


赤ちゃんの予防接種は、その種類や回数の多さから、家計に与える費用的な負担もある程度大きくなってしまいます。


それを補うために、助成金制度を設けている自治体もあります。


赤ちゃんの予防接種を受けるに当たり、健康保険が適応になるかどうかや、自治体による助成が受けられるかどうかを事前に確認し、安心して予防接種に望みたいものですね。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

ランキング