がん保険の責任開始日前に健康診断でがんが発覚したら保障されない

責任開始日とは、保険の保障が開始される日のことを言います。がん保険の責任開始日は一般の死亡保険や医療保険などと違い、独特のルールを設けています。がん保険独特のルールとは何なのか、なぜ他の保険と違うのかについてお伝えします。





▼この記事を読んでほしい人 
  • がん保険への加入を検討している人 
  • 免責期間のないがん保険のメリットやデメリットなどを知りたい人

▼この記事を読んでわかること
  • がん保険に加入の際は免責期間などを考慮しておくこと
  • 免責期間のないがん保険も存在する
  • がん検診は定期的に受診することが大事

内容をまとめると

  • がん保険には支払い猶予期間がある
  • 健康診断を受ける時期やがん保険とのタイミングも考えておくべき
  • 免責期間のないがん保険に加入する際には保障内容を確認しよう
  • がん検診はデメリットがあるもののがんの早期発見は大きなメリットである
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監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

がん保険の責任開始日前に健康診断でがんが発覚したら保障されない


がん保険に加入したことで、がんのリスクに備えることができたと安心されている方は多いと思いますが、ではもしも責任開始日すなわち保障開始日より前にがんが発覚したらどうなるのでしょうか。


たとえば健康診断があり、たまたまがん保険の責任開始日前がんが発覚したとしましょう。この場合にはがん保険の診断一時金などは保障されません


せっかく加入したのにと嘆く方はこれまでにも大勢いらっしゃったと思いますが、残念ながら責任開始日が来ないと、一時金だけでなく入院給付も受けることはできません。


そうなってしまったら、やはり「もっと早くがん保険に加入しておけば良かった」と後悔してしまうはずです。ただがんになっても医療保険での保障は受けることができます


そもそもどうしてがん保険は一般的な医療保険とは違っているのでしょうか。大きな違いとしてがん保険には一時金が受け取れる保障が付いていて、がんに対しての保障を特別に強化した保険となっています。


そんながん保険の疑問について、責任開始日前のがん発覚はどうして保障されないのかなど、さらにその不安を解消するためにはどのようながん保険が良いのかなども含めて詳しく解説していきます。

がん保険の責任開始日と免責期間とは


がん保険は基本的に契約をしてすぐに保障が開始される保険ではないということはご存知でしょうか。がん保険の場合まず契約が完了すると免責期間すなわち保障対象外の期間となり、その期間が過ぎた後責任開始日となります。

  • 責任開始日は保障が開始される日
  • 免責期間は支払い猶予期間
そのためがん保険に加入する場合は、このような期間や日数までを考慮したり、加入するタイミングなども考えておく必要があるでしょう。

がん保険の責任開始日とは保障が開始される日のこと

がん保険以外の一般的な保険の場合は、契約が完了するとその時点から保障が始まることはみなさんご存知のとおりです。


ではがん保険の場合は何が違うのでしょうか。まずがん保険の加入を考えたとき多くの場合、申し込みを行い、その時点で告知もして第1回目の保険料の支払いが完了して、保険会社の承諾が得られた時点で契約が成立することとなります。ここで初めてがん保険の契約が完了するわけですが、がん保険の場合この時点ではがんの保障はすぐに始まりません。


すなわちがん保険のほとんどが、契約が完了してから91日後から保障が開始されることとなっているため、がん保険の責任開始日は契約日から90日を経て91日後となるのです。そう考えれば、がん保険の責任開始日とは保障が開始される日のことを指しているということが理解できたのではないでしょうか。

がん保険の免責期間とは待ち時間と呼ばれる支払い猶予期間のこと

がん保険に加入する際には、この90日の間のことを保障が支払われない期間として掲げているはずです。


特にインターネットから加入した場合だと見逃している可能性もあるでしょう。対面式でがん保険に加入した方は担当者からこの90日の間のことは説明を受けているはずです。


この90日はほとんどのがん保険に設定されている免責期間で、俗に言われる待ち時間と呼ばれる期間のことで、この間は支払い猶予期間とされています。


健康な人なら3ヶ月なんて知らない間に過ぎてしまう期間かもしれませんが、実際にこの間に健康診断を受けることとなれば、この待ち時間はとても長く感じるかもしれません。

がん保険には待ち時間と呼ばれる免責期間が存在する理由

もしも免責期間中にがんになってしまった方なら、なぜ免責期間が存在するのかと思う方は大勢いらっしゃるでしょう。


たとえば、契約をしているときすでにがんにかかっている人もいるかもしれませんし、診断もされてないし、自覚症状もないけれどがんになっている人もいらっしゃるかもしれません。そんな人がもしもがんにかかっていることを知っていた場合、当然知らないふりしてがん保険に加入してしまうかもしれません。


もしもすぐに保障が開始されてしまえば、そのような人はわざとがん保険に加入しようとするかもしれません。


特にがん診断給付金のようにまとまった額の一時金を受け取れる保障は、悪用される危険性もあるはずです。


そういったことを防ぐために、そして加入者の公平性を保つために免責期間が存在しています。

がん保険の責任開始日付近でがんが発覚したときの保障についてケース別紹介


がん保険に加入して契約が完了したけれど保障が始まるまでに、もしもがんになってしまったらという不安は少なからずあると思いますが、実際にはどうなってしまうのでしょうか。


がんの保障の開始がまだ始まっていないうちにがんが発覚した場合、そしてその翌日にがんが発覚してしたときの保障についてみていきましょう。

  • 契約から責任開始日までにがんが発覚した場合
  • 責任開始日の翌日にがんが発覚した場合
がんが発覚した時期によって保障がどうなるのか詳しく見ていきましょう。

ケース①:契約してから責任開始日の間にがんが発覚した場合

ではここで38歳の男性Aさんのケースを見てみましょう。


この方は職場で毎年健康診断を受けています。そしてその年も健康診断を受けましたが、なんとなくがん保険への加入をそろそろと考え始め、健康診断のあとがん保険に加入しました。


その後健康診断結果が出ましたが、「要精密検査」とのことでした。Aさんは自分で何も症状など変わったこともないので、大したことはないのだろうけれど、家族にも勧められ精密検査を受けることになりました。


ところがそこでがんと診断されてしまったのです。このときがん保険の契約からまだ30日しか経っていませんでした。とりあえず保険会社に連絡したものの、「免責期間ですから保険金は支払うことはできません」ということでした。


Aさんは愕然としてしまいましたが、この後入院したり通院したりするのもすべて対象とならないということでした。

ケース②:責任開始日の翌日にがんが発覚した場合

ここでは30歳の女性Bさんのケースを見てみましょう。


この方の場合は結婚を機にがん保険を考えなくてはということで、がん保険に加入しました。その後2ヶ月が過ぎた頃妊娠していることがわかりました。


そしてそこからは1ヶ月ごとに妊婦検診に行くことになります。ところががん保険の加入からちょうど3ヶ月を過ぎた頃に、子宮がんが発覚してしまいました。


その日はがん保険の契約から92日目であり、責任開始日の翌日でした。さっそく保険会社に連絡をすると、「がん診断一時金請求のための診断書を提出してください」ということでした。


Bさんは無事がん診断一時金を受け取ることができ、その後の治療も保障対象となりすべて給付金を受け取ることができました。


ただしがん診断確定日定義は保険会社によって異なりますので、注意しておくことが必要となります。

がん保険の責任開始日や免責期間は約款で確認しよう

がん保険に加入した直後にがんが発覚されてしまったときには、そのタイミングで大きく違って来ることがおわかりになったはずです。


がん保険の責任開始日や免責期間は、加入する際には事前に確認しておく必要があります。


もしも免責期間の間にがんが発覚してしまうと最悪な事態になってしまいます。そうならないためにも、約款で日にちの確認は確実に行っておくことが大切です。


せっかくがん保険に加入しても、何もならなかったのでは備えにもなりませんし、結局お金や病気への不安と戦って行くことになってしまいます。がん保険に加入するのならなるべく早く健康なうちに加入することが大事だということになります。


今後は保険金が支払われないという事態を避けるためにも、事前に自分でよく確認することが重要です。

がん保険の責任開始日前の健康診断でがんが発覚しても隠すのはダメ


先ほどのAさんのケースの場合は健康診断の後がん保険に加入したということでしたが、もしAさんの健康診断を受けた時期が、がん保険に加入した後だとします。そしてその結果精密検査となり、責任開始日前にがんと診断されてしまいました。そのときにはどうなってしまうのでしょうか。


Aさんはがん保険の責任開始日前の健康診断でがんが発覚してしまいましたが、責任開始日を待って責任開始日後に保険会社に連絡をしたとします。そのとき、保障金であるがん診断一時金は支払われるのでしょうか。


この場合告知義務違反になる可能性が高いうえに、保障金も支払われませんし、契約自体が無効となってしまいます。


ただ加入者にしてみると加入した時には本当に本人的には元気だと思っていたのだから、告知義務違反となるのはおかしいと思う方もいらっしゃるかもしれません。


けれども保険会社の見解は、加入した時点で体の中にすでにがんはあったとして保険給付上では区切っています。


Aさんのように、がん保険の責任開始日前に行った健康診断でがんが発覚したとして、それでも隠してうその報告をしてしまっても診断書等を見ればバレてしまいます。


やはりこうなってしまうことも可能性としては考えられますので、がん保険はできるだけ早めに加入しておきたいですね。

待ち時間と呼ばれる免責期間が存在しないがん保険もある


がん保険すべてに猶予期間があると思われていますが、実は待ち時間と呼ばれている支払い猶予の期間が存在しないがん保険もあるのです。

そこで免責期間のないがん保険の保障内容についてみていきましょう。

  • 免責期間が存在しないがん保険のメリット
  • 免責期間が存在しないがん保険のデメリット
がんへの不安があって通常のがん保険より支払い猶予のないがん保険を検討したいという方もいらっしゃるはずです。
ここではそんな方に、保障内容を参考にして免責期間のないがん保険の方が自分にとって良いのか、それとも通常のがん保険が良いのかを見極めておきましょう。

免責期間のないがん保険のメリット

支払い猶予のないがん保険があるのならそちらで良い、と思われている方でもあまりに保険料が高いとか、保障内容が納得いくようなものでない場合もあります。一番肝心なのはがんになったときの保障条件がどのようなものかということです。


そこでここでは免責期間のないがん保険の一般的な保障内容についてみていくことにしましょう。


支払額
がん診断給付金なし
がんによる手術給付金1回20万円
放射線治療1回20万円
化学療法1回10万円

このような保障内容の場合にこれらのがん保険に加入するメリットはあるのでしょうか。

  • すぐに保障が開始される
  • 保険料が比較的割安な傾向にある
確かにがん診断給付金の給付はないけれど、手術に対しての給付金や治療にかかる給付金を保障してもらえるのなら、加入したすぐにがんになったとしても大きな備えにはなるはずです。


またもしもに備えて十分な貯蓄がある人にとっては、がんの診断給付金がなくても対応できますし、その分保険料が安くなるのであれば大きなメリットとなるでしょう。

免責期間のないがん保険のデメリット

免責期間のないがん保険に加入するメリットはありましたが、ではデメリットについてはどうなのでしょうか。

  • 診断給付金が受取れない
  • 上皮内新生物に関しての保障は特約扱いとなることが多い
免責期間を設ける理由は先に述べましたが、免責期間はがん診断一時金を受け取るための待ち時間ということでした。そのため免責期間が設けられないとなれば、当然診断給付金も保障内容には含まれてないと言われてしまっても納得できるのではないでしょうか。


ただしがん保険に加入するメリットとして、がん診断一時金を要望している方にとっては、この診断一時金を受け取れないとなるとかなりのデメリットとなってしまうはずです。


さらに免責期間のないがん保険では、上皮内新生物に対しての保障は基本的には保障しないけれど、特約で保障するという形が取られていることが多くなっています。

免責期間のないがん保険を探すなら保険のプロに相談しよう

免責期間のないがん保険の保障内容をもっと詳しく知りたいと思った場合、インターネットで探す方は多いはずです。けれどもなかなか目当てのがん保険を探せないし、細かいところまで説明してくれている会社は少ないと感じる方は多いのではないでしょうか。


そんなときにはマネーキャリアの保険無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。マネーキャリアでは保険に加入するしないは関係なく、自分に合った保険を見つけてもらうことができます。


対面式でもオンラインでも相談は可能ですし、がん保険を選ぶ際のアドバイスや助言をしてもらうこともできますので、自分はこんながん保険に加入したいということを伝えるだけで、希望に沿った商品を見つけてもらうことができるでしょう。


また希望があれば、いまの自分が加入している保険の診断も保険のプロに相談することで可能となりますので、この機会にぜひマネーキャリアを活用してみてください。

参考:がん検診の概要と現状


35歳を過ぎると自治体や健康保険組合でがん検診が行われていると思いますが、ここではがん検診の概要と現状についてみておきましょう。

  • がん検診の受診率
  • がん検診の種類と料金
  • がん検診の流れ
  • がん検診を受けるメリット
  • がん検診を受けるデメリット
今まで気になってはいたけれど、がん検診を受けたことがない方は、定期的にがん検診を受けることをおすすめ致します。

がん検診の受診率

がん検診はどのくらいの方が受診しているのでしょうか。ここでは2019年に行った全国の部位ごとのがん検診の受診率についてみていきましょう。

以下の表は40歳以上の方が過去1年間に受けたがん検診の率ですが、子宮がんに関しては20歳以上の方のデータとなっています。

男性受診率(%)女性受診率(%)男女計(%)
胃がん44.434.139
大腸がん45.237.641.2
肺がん50.14245.8
乳がん37.4
子宮がん35.8

引用:国立がん研究センター「国民生活基礎調査」


このようにほぼ半数以下の方しかがん検診を行っていない状況となっています。国が定めているがん検診の目標率は50%といいますから、男性の肺がん検診以外はすべて目標値に届いていないことがわかります。

がん検診の種類とかかる料金

先の表のように国が推奨しているがん検診は5つのがん検診となっています。

  • 胃がん
  • 大腸がん
  • 肺がん
  • 乳がん
  • 子宮がん
またがん検診には2つの検診方法があり、その方法などによって検診にかかる料金も変わってきます。

対策型検診任意型検診
目的対象集団全体の死亡リスクを下げるため個人の死亡リスクを下げるため
概要公共的サービス任意で提供するサービス
検診対象者一定の年齢範囲の住民定義されない
検診費用公的資金を使用(少額を自己負担する場合もある)全額自己負担

引用:厚生労働省「がん検診ハンドブック」


このようにがんの種類や、検診の方法によっても費用は違ってきます。そのため国は地方自治体や健康保険組合から少しでもがん検診を受けてもらうように、さまざまなサービスを掲げています。

がん検診の流れ

がん検診はどのように行わるのでしょうか。がん検診率が低い理由として「時間がない」ということが一番に挙げられていました。


確かにがんの部位によって医療機関を変えなくてはならなかったり、一度にすべてのがん検診を行いたい場合には検診センターに申し込む必要があります


市町村などの自治体が行っているがん検診も、職場や健康保険組合で行われるがん検診も、医療機関や検診センターに検診の予約をすることとなります。


それぞれの部位のがん検診を行った後、検査結果が送られてくることとなります。


その検査結果で「精密検査の必要あり」となれば精密検査を受けなければなりません

がん検診を受けるメリット

ここでがん検診を受けるメリットをみておきましょう。

  • 早期発見
  • 早期治療
  • がん以外の病気を見つけることもできる
  • 安心して生活ができる
  • 救命効果がある
やはり大きなメリットとしては、早期に発見することができるということです。毎年検診を受けていれば、たとえ進行性のがんであっても急激に進むこともないはずです。とはいえ今まで見つけられず自覚症状もなかった場合にがんが進行している可能性は大いにあるでしょう。けれども検診でがんを見つけることができれば、命を救うこともできるかもしれません。


さらにがんが見つからなかったとしても、がん以外のポリープやがんになる前の段階の状態を見つけることができるかもしれません。がんになる前の状態のときに治療を行えばがんになることも防ぐことができます。

がん検診を受けるデメリット

ではがん検診を受けるデメリットはあるのでしょうか。

  • がんが100%見つかるとは限らない
  • 結果的に不必要な検査や治療を招くこともある
  • 検査を行ったことで招いてしまう別の症状や病気がある
  • 受診心理的な影響がある
確かに症状は出ないし死に至ることのないがんを発見してしまうと、本当ならしなくても良い検査や治療を行ってしまい過剰診断となってしまうこともあります。


また胃透視やX線検査またはマンモグラフィー検査では、放射線被ばくによるがんの誘発が少なからずあるため、影響は低いものの100%安全とはいえないでしょう


そのうえ健診結果が出て精密検査を受けることとなれば、がんかもしれないという気持ちが大きくなり平常心ではいられない状態が続いてしまうことになります。これは精神的にかなり大きいものとなるはずです。

がん保険の責任開始日前に健康診断でがんが発覚した場合に関するまとめ

もしもがん保険の責任開始日前に健康診断でがんが発覚してしまった場合には、がんに対しての保障はされないということがわかりました。


さらにせっかくがん保険を契約できても、責任開始日前にがんが見つかってしまうと保険自体が無効となってしまいます。無効となった場合は、それまでに支払った保険料は戻ってきますが、がん保険には二度と加入できないこととなってしまいます。


そうなってしまってからでは、がん治療を行う上で大きな不安が残ってしまうでしょう。

がん保険の場合には後悔しても遅いということを本当に痛感させられるはずです。


免責期間のないがん保険に加入しておくのも一つの手ですが、できれば健康な体のうちに備えておくべきではないでしょうか。


そしてがん保険の加入に迷ったらマネーキャリアを活用して、自分に合ったがん保険を見つけて早いうちに加入することをおすすめします。新規に加入するだけでなく、保険の見直しをするにもとても効果的ですので、ぜひマネーキャリアで保険相談を行ってみてください。

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