健康診断の血液検査で「異常なし」でもがんの可能性がある?がん検診がおすすめ!

「健康診断の血液検査で、病気は全部わかってしまう」と思っていませんか?健康診断の血液検査は、生活習慣病の予防や早期発見には効果はあるのですが、がんの早期発見は難しいのです。がんの発見、特に早期発見にはがん検診を受けましょう。

健康診断の血液検査で「異常なし」でも癌の可能性がある?

内容をまとめると
  • 健康診断の血液検査で異常なしとなった場合でも、がんになっている可能性はある
  • 健康診断の血液検査は生活習慣病の予防が主な目的で、がんの発見ではない
  • 腫瘍マーカー検査でもがんの有無にはがん診断が必須


1年に1度、定期的に健康診断を受けている方は多いと思います。この検診の中で血液検査が行われることも多いですよね?


血液検査を行うことで、様々な事が分かると思います。貧血など血液自体の異常はもちろん、血液中に含まれる様々な要素を見ることで、肝機能の異常や中性脂肪・血糖値の高さなどから生活習慣病の有無を調べることが可能です。


この検査でがんの発見もできると考えている方もいらっしゃるかもしれません。


確かに、がんの血液検査では腫瘍マーカーなどを調べることでがんの兆候などがわかる場合もあります。


しかし、健康診断でがんの腫瘍マーカーを調べることはあまりありません。血液検査の結果が「異状なし」だったとしても、がんの可能性がないわけではないのです。


そもそも、腫瘍マーカーを調べる血液検査であっても、早期のがんでは腫瘍マーカーの数値が上がっていることはほとんどありません。この数値に異常がみられる場合、ある程度進行してしまっている可能性があるため、早期発見を行いたい場合にはがん検診などで確実に見つけていくしかないのです。

会社などの定期健康診断の血液検査ではがんの早期発見はできない

会社などで定期的に行う健康診断に参加している方は多いと思います。自分の健康状態を把握するためにも、定期的に健康診断を受けることは重要です。


しかし、このときに行われる血液検査ではがんの発見につながることはごく稀です。


そもそも、会社で行われる健康診断の目的は、

  • 業務内容に関連して注意すべき疾患の有無のチェック
  • 生活習慣病の予防

が主な目的となっています。がんの発見のために行われるものではないため、がんに関する項目が無い場合もあるのです。


血液検査である程度の病気は発見することができるかもしれませんが、基本的には生活習慣病の予防に繋がるような病気の発見がメインです。


がんは定期健康診断では発見しにくい病気と言われています。

がんの兆候を判断することは可能

健康診断の血液検査ではがんの発見自体は難しいのですが、がんの兆候が確認できる項目もあります。「貧血」です。


貧血とがんはあまり関係がないと感じてしまうかもしれません。確かに、がん以外の原因で貧血になることも多いと思います。


しかし、大腸がんや胃がん、子宮がんなどでは発症部位に出血が見られる場合が多くあります。この出血が長期間続いた場合には、貧血として血液検査の結果に反映されることになります。


ただし、あくまで「兆候」です。貧血があったからと確実にがんがあるわけではないため、このような兆候が確認できた場合には、がん検診などでしっかりと検査を行う必要があります。

健康診断の血液検査の検査値と判定できること

健康診断の血液検査では生活習慣病の発見をメインに検査が行われます。


では、どのような項目でどのような事が分かるのでしょうか?血液一般で調べる項目についてみていきましょう。

検査項目基準値分かる病気
ヘマトクリット値男性:38.0~48.9%
女性:34.0~43.9%
高値:多血症
低値:貧血・出血
血色素測定男性:13.0~16.6g/dl
女性:11.4~14.6g/dl
高値:多血症
低値:貧血・出血
赤血球数男性:400~539(×10⁴/㎜³)
女性:360~489(×10⁴/㎜³)
高値:多血症
低値:貧血・出血
白血球数33~89(×10²/㎜³)高値:膠原病・感染症・アレルギー疾患・白血病・がん
低値:膠原病・がん
血小板・血液像14.0~35.9(×10⁴/㎜³)未満高値:赤血球増多症・慢性骨髄性白血病
低値:貧血・急性白血病・血小板減少性紫斑症
(参考:全国健康保険協会・血液一般

貧血かどうかをメインに、白血病や血小板などの数値も確認します。

また、脂質なども血液検査で分かります。
検査項目基準値分かる病気
総コレステロール定量140~199mg/dl高値:脂質異常症・家族性高コレステロール血症・ホルモンの病気
低値:栄養吸収障害・ホルモンの病気
中性脂肪150mg/dl未満高値:動脈硬化・脂質異常症・膵炎
低値:肝硬変・低栄養
HDLコレステロール40mg/dl以上動脈硬化・脂質異常症・慢性腎不全・肝硬変・糖尿病・甲状腺機能障害
LDLコレステロール120mg/dl未満脂質異常症・動脈硬化・腎臓病・肝硬変
(参考:全国健康保険協会・脂質

コレステロールや中性脂肪を測ることで、脂質異常や動脈硬化などの病気の可能性が分かります。

肝機能の状態も調べることができます。
検査項目基準値分かる病気
GOT30U/l以下
急性/慢性肝炎・アルコール性肝炎・脂肪肝・肝硬変・心筋梗塞
GPT30U/l以下同上
γ-GTP50U/l以下アルコール過剰摂取・薬物摂取・肝臓病・胆道の病気
ALP38~113U/l以下急性/慢性肝炎・総胆管結石・胆管炎・骨肉腫・甲状腺亢進症
総蛋白6.5~8.0g/dl
高値:脱水症・膠原病・感染症
低値:慢性肝炎・肝硬変・腎臓病・栄養障害
アルブミン4.0g/dl以上腎臓病・肝臓病
総ビリルビン1.1mg/dl以下急性/慢性肝炎・肝硬変・胆石症・黄疸
LDH230U/L未満急性/慢性肝炎・肝硬変・心筋梗塞
アミラーゼ50~200高値:急性/慢性膵炎・膵臓がん・耳下腺炎・慢性腎不全
低値:重度の糖尿病
(参考:全国健康保険協会・肝機能等

肝機能等の状態も、血液検査を行うことで様々な事が分かります。

これらを見ると、中にはがんの発見につながるものもあるように見えます。しかし、ごくわずかながんしか発見することはできません。

また、健康診断の血液検査で発見されたがんは、比較的進行している場合のものが多いことを覚えておきましょう。

がん診断の補助や治療の経過確認のためのがんの腫瘍マーカー検査とは

がん診断やがんの治療を行った後の経過観察などの際に、腫瘍マーカー検査が行われます。


がんになるとそれぞれの部位ごとに特徴的なたんぱく質が作られることがあります。この数値を確認することで、がんの有無や異常部位などの情報がある程度分かることになるのです。


がんができる部位によって特定のたんぱく質ができることを利用した検査ですが、がん以外でも特定のたんぱく質が増えることが確認されています。そのため、高い数値が出たからと言ってがんがあると判断できるわけではないのです。


また、がんがある状態でも必ず特定のたんぱく質が出るわけではないため、異常が無い場合にもがんの可能性が0になるわけではありません


あくまでがん診断の補助や経過観察中の情報として扱うため、これだけでがん診断を行った、ということにはならないのです。

腫瘍マーカー検査の方法

腫瘍マーカーの検査方法としては、

  • 血液検査
  • 尿検査

のどちらかで行われます。


がんの種類によって適した方法でおこなわれます。


がんの種類ごとに特定のたんぱく質の種類が違っています。専用の装置を利用することでこれらのたんぱく質を測っていきます。


がんがある場合特定のたんぱく質などの増加が見られます。このたんぱく質が血液中や尿の中にどれくらい含まれているかを見ることで、補助的なデータとして診断に用いたり、経過観察の場合には転移や再発の可能性を探ることができます。

腫瘍マーカー検査の特徴

血液検査や尿検査を行うだけで、ある程度のがんの可能性が分かり、体に負担がかかることはほぼない検査という特徴があります。


補助的な検査として、がん検診時や治療後の経過観察などで利用されることの多い検査です。


あくまで補助のための検査ということを忘れてはいけません。


異常があった場合でもがんが確定するわけではありません。がん以外にも、

  • 肝障害
  • 腎障害
  • 糖尿病
  • 気管支炎
  • 飲酒
  • 喫煙

などが原因で数値が上がってしまう可能性もあるためです。良性腫瘍でも数値として異常が出てしまう事があります。


また反対に、がんがある状態でも特定のたんぱく質が作られず、見逃されてしまう可能性もあるのです。


このように、この検査のみで診断することはできません。他の検査と合わせてそれぞれの可能性を探る必要があるのです。

腫瘍マーカー検査を行うがん

腫瘍マーカー検査ではどのようながんがある場合に数値に異常がみられるのでしょうか?

腫瘍マーカーがんの種類他の原因
CEA消化器がん
肺がん
乳がん
膵臓がん
子宮がん
慢性肝炎
糖尿病
高齢者
長期喫煙者
CAI-9膵臓がん
胆のうがん
胆管がん
子宮体がん
肺がん
膵炎
胆のう炎
胆管炎
胆石症
肝炎
糖尿病
気管支炎
気管支拡張症
子宮内膜症
PSA前立腺がん前立腺肥大症
前立腺炎
CA125卵巣がん
子宮体がん
子宮頸がん
肝臓がん
膵臓がん
胆管のうがん
子宮筋腫
子宮内膜症
月経時
妊娠初期
それぞれの腫瘍マーカーごとに特徴的ながんがあるため、その数値が高いことでこれらのがんの可能性があることが分かります。


しかし、がん以外の原因でも数値が高くなってしまう可能性があります。血液検査で高い数値が出たからとあせらず、その後にしっかりとがん検診などで異常がないかをチェックするようにしましょう。

血液検査で「異常なし」でもがん検診に行くのがおすすめ


会社などで行われる健康診断の血液検査は、生活習慣病などを見つけることが主な目的です。


そのため、「異常なし」となった場合でもがんになっている可能性が0なわけではありません。


確実にがんの有無を調べるためには、がん検診に行くことが重要になるのです。


健康診断に異常がないと、がん検診を受けようと思う方は少ないかもしれませんが、確実に有無を知るためには受ける必要があるのです。


以下では、

  • 判定される項目
  • 費用や料金

についてご紹介します。

がん検診で判定される項目は?

厚生労働省では市町村にがん検診を行うように指示を出しています。


行われる項目としては、

  • 胃がん
  • 子宮頸がん
  • 肺がん
  • 乳がん
  • 大腸がん

です。この5つの検査を国が推奨しています。


がん検診の目的は「早期発見」です。がんは早期に発見できれば完治の可能性が高くなる病気です。


進行する前に検査で発見することで、がんでの死亡を防ぐ効果が期待できます。


しかし、誰でも受けられるわけではありません。対象などが決っているのです。

種類対象年齢検診間隔
胃がん50歳以上
(エックス線検査は40歳以上)
2年に1回
(エックス線検査は毎年)
子宮頸がん20歳以上2年以に1回
肺がん40歳以上毎年
乳がん40歳以上2年に1回
大腸がん40歳以上毎年
対象年齢以降でしか利用することはできませんが、罹患率の上がり始める年齢から開始されているため、早期発見につながると言えます。


これよりも若い年齢で受けたい場合は、人間ドッグなどを利用することで調べることができます。

がん検診にかかる料金・費用・値段はどのくらい?

がん検診を受けたいけれど、費用が高額になると思うと検診に踏み切れないと考える方もいらっしゃると思います。


しかし、自治体で行われているがん検診の費用はそこまで高くはありません。費用は自治体ごとに異なるため、参考までに埼玉県さいたま市の金額を見てみましょう。

検診の種類費用
胃がん1,000円
肺がん600円(エックス線検査)
子宮がん頸部:700円
頸部+体部:1,000円
乳がん1,000円
大腸がん400円
自治体で行われているがん検診は、負担する金額はかなり抑えられています。自治体によっては全て無料で受けられる地域もあります。

このように、がん検診にかかる費用はそこまで多いわけではありません。進行したがんの治療のことを考えると微々たるものです。

早期発見に繋げるためにも、定期的な検診を行うことを心がけましょう。


ただし、精密検査などが必要になった際の検査費用は自己負担となってしまいます。

がん保険にはがんだと分かる前に加入しておくべき理由3選

健康診断の血液検査などでがんの有無を判断することは難しいと言えます。しかし、がんの有無は気になりますよね?


がんの有無を気にしているかたの多くは、がんになった時のことを心配している方が多いと思います。心配事のひとつに治療費があります。


がんは進行してから治療することになった場合、かなり高額の治療費となってしまう事が考えられます。公的医療制度がしっかりと利用できても、治療が長引くと医療費の負担は大きくなってしまいます。


そのため、がんに対する備えとしてがん保険への加入がおすすめですが、加入するのはがんと診断される前がベストです。理由としては、

  • 罹患後の加入ができない
  • 免責期間がある
  • 早期の加入で保険料が安くなる

などが挙げられます。それぞれの理由について解説します。

①がん保険はがんに罹患してからは加入できない

がん保険はかんに罹患してからでは加入できません


がんは一度かかってしまうと再発や転移の可能性があるため、健康な方と比較すると罹患率が高くなると言えるのです。


保険は公平でなくてはいけないため、罹患率の高い人が加入することはできないのです。


一度罹患していても、年数が経過していれば平気なのでは、と考える方もいらっしゃるかもしれません。経過年数が長いため、告知書で申告せずに加入した場合にはどうなるのでしょうか?


この行為は告知義務違反です。年数など関係なく、罹患経験がある場合には申告する必要があるのです。違反となった場合には保障は受けられず、契約解除となってしまう可能性もあります。


罹患経験がある場合には引受基準緩和型などを検討する必要があります。罹患歴があっても入れる可能性のあるがん保険です。


罹患してからではがん保険への加入は難しいため、罹患する前に加入するようにしましょう。

②がん保険には免責期間がある

免責期間も理由のひとつと言えます。


がん保険の特徴の一つとして、契約から一定期間は対象外となる期間が設定されている事が挙げられます。


この期間中に健康診断をおこなって、がんが発見された場合、保障が開始されていると思っていると大変なことになってしまいます。


この場合、保障対象外という判断が下されます。契約も取り消しとなるのです。


この制度は、加入前から発症していたがんを対象から外すためのものです。一般的に対象となるのは加入後に発症したものに限られるため、このような期間が設けられているのです。


免責期間があるため、がんと診断される前、早めの加入が必須と言えます。

③早めの加入で保険料を安く抑えられる

早めの加入で保険料を安く抑えることができます。


保険料は年齢が若いほど安く設定されています。終身タイプの場合には契約時の保険料が生涯続くことになるため、かなりお得になる可能性があるのです。


参考までに、保険会社Aの男性の保険料を見てみましょう。

年齢保険料
30歳4,755円
50歳9,505円
かなり大きな違いがあることが分かります。その差は約5,000円です。

月々の保険料がこれほど違うと、家計への影響も違いますよね?金額が大きいほど負担に感じる方は増えると思います。

年齢が若いとがんの罹患経験もない方が多くなります。罹患前の加入は保険料を抑えることに繋がると言えます。

まとめ:健康診断の血液検査で「異常なし」でもがん診断に行こう


いかがでしたか?ここでは健康診断の血液検査でがんの有無が分かるのか、についてご紹介しました。


健康診断やその際に行われる血液検査で異常が見られない場合、健康そのものだと判断してしまいますよね?しかし、がんは健康診断の血液検査では発見されにくい病気です。


異常なしだったとしても、がんの有無とは関係がないとも言えます。


そのためにも健康診断だけでなく、がん検診も定期的に受けることが重要です。がんの治療には多額の費用がかかってしまう可能性もあります。早期発見すれば完治する可能性も高く、さらに治療費も抑えることができます。


がんの治療費が心配な場合には、マネーキャリアでがん保険について相談することがおすすめです。保険のプロががん保険が必要かどうかの判断から、どの商品があっているのかなどのアドバイスをしてくれます。


ほけんROOMでは他にも保険に関する記事を多数掲載しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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