がん保険のがん診断給付金(一時金)はいくら必要?【FP監修】

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がん保険では、がんと診断確定された場合「診断給付金」という一時金を受け取れます。診断給付金の金額を自由に決めらる場合、そのお金でカバーできる諸費用だけでなく、保険料とのバランスも考える必要があるため、実際にがん保険の一時金はいくら必要なのか、考えてみましょう。




▼この記事を読んで欲しい人

  • これからがん保険への加入を考えている方
  • がん保険の診断給付金(一時金)の金額設定に迷っている方

▼この記事を読んでわかること

  • がん保険の診断給付金が必要だといえる理由
  • がん保険で診断給付金(一時金)を決める際のポイント

内容をまとめると

  • がん保険の診断給付金とは、がん診断確定時に申請できる給付金のこと
  • 診断給付金(一時金)は金額だけでなく条件や受け取り回数などにも注目
  • 診断給付金(一時金)の用途は自由であり、家族の生活費等にも使用できる
  • 診断給付金(一時金)で保険適用外治療に伴う費用をカバーできる
  • 診断給付金(一時金)は将来受け取れるお金と保険料のバランスを考えて決める
  • 診断給付金(一時金)の決め方など、がん保険に関して悩みがある方は「マネーキャリア」がおすすめ!優秀なFPに何度でも無料でオンライン相談が可能です!

がん保険の診断給付金(一時金)とは?


日本人の死因一位である「がん」は、誰でも発症するリスクがある病気だからこそ、今後発症してしまったときにきちんと早期発見・早期治療できるためにお金の準備をしておく必要があります。


そのために各保険会社から用意されているのが「がん保険」あり、加入することで将来的にがんになったときに治療や手術でかかる治療費を準備できます。


ほとんどのがん保険はがんの治療だけでなく、医師からがんだと診断されたとき、保険会社に申請すれば一定額が給付される「がん診断給付金(一時金)」という保障が付帯されています。


一時金は、入院給付金のように「1日あたり5,000円」のような形式ではなく、「診断1回あたり50万円」のように保障額は定額です。


さらに、この一時金は入院給付金のように使い道が限定されていないのが特徴であり、通院費や入院に伴う準備費用、仕事の調整に伴う生活費などに充当することもできます。


現在、各保険会社から販売されているがん保険の中には、この「がん診断給付金(一時金)」の金額や有無を選択できるものがあります。


当然ながら一時金の金額を下げた方が保険料が安くなるため、「受けられる保障」と「上がる保険料」を天秤にかけて、金額や付帯の有無に関して決める必要があるのです。

診断給付金(一時金)で確認するべき4つのポイント


この記事をご覧の方の中には、これからがん保険への加入を考えてはいるものの、がん診断給付金(一時金)は本当に必要なのか疑問に思っている方も少なくないでしょう。


では次から、がん診断給付金(一時金)の加入について考えるとき、必ず確認するべき点について、

  1. 診断給付金の金額
  2. 支払い条件
  3. 受け取れる回数
  4. 上皮内新生物の保障適用

以上4つのポイントを解説していきます。

①診断給付金の金額

まず確認するべきポイントは、がん診断給付金(一時金)の保障金額です。


診断給付金は一般的に受け取れる金額ルールが決まっており、それは「がん入院給付金の100倍」の金額です。


支払う保険料(プラン)により受け取れる一時金の金額が異なるのもこのためであり、

  • がん入院給付金→1日あたり5,000円:500,000円
  • がん入院給付金→1日あたり10,000円:1,000,000円
  • がん入院給付金→1日あたり20,000円:2,000,000円
基本的には上のような法則により、がん診断給付金の金額が決まります。


一般的に、受け取れる一時金の金額を上げると保険料も高くなります。


そのため、保険料を安くするために一時金の金額を下げるか、または保険料を多く支払ってでも多くの一時金を受取りたいか、各自が比較考慮して決定する必要があります。

②支払い条件

次に確認するべきポイントは、がん診断給付金(一時金)の支払い条件です。


基本的にがん保険における診断給付金は「がんと診断確定される」ことが診断給付金の支払い条件となっています。


この「診断確定」とは、単に医師から「がんかもしれない」と診断されたタイミングのことではなく、実際の検査によって、病理組織学的所見から検査結果で完全にがんだと確定されることを指します。


あるがん保険における一時金の支払事由では、
  • 初めてがんと診断確定された
  • 一度目のがんが認められなくなった後、再発と診断確定された
  • がんが他の臓器へ転移したと診断確定された
  • がんが新たに発生したと診断確定された
  • 初めて上皮内新生物と診断確定された
このように定義されており、初回診断のみが支払い対象となるわけではないこともわかります。

ちなみに「上皮内新生物」と診断された場合の保障対応も各社で異なっており、この点は後ほど詳しく説明します。

③受け取れる回数

3つ目の確認ポイントは、がん診断給付金(一時金)の受取回数です。


基本的には、一時金の支払限度回数は「保険期間を通して1回」と設定されています。


ただし、これも保険会社や契約するプランによって異なり、

  • A社:初回診断時と、診断確定から2年以上経過後に治療を受けたとき
  • L社:初回診断時のみ(支払限度が保険期間を通して1回)
  • T社:2年に1回(上皮内新生物と診断された場合は保険期間を通して1回)
A社とT社のように、初回診断確定時から間隔が空いていれば、診断確定2回目以降も一時金が受け取れるプランもあります。

④上皮内新生物の保障適用

最後に挙げる重要なポイントは、がんの中でも軽度ながんである「上皮内新生物」と診断された場合の一時金給付の有無に関する点です。


上皮内新生物とは、簡単にいえば「がん(悪性新生物)になりきっていない腫瘍」のことであり、腫瘍が「上皮細胞」という基底膜の外側で留まっている状態のことを指します。


上皮内新生物はがん(悪性新生物)に比べて完治しやすく、再発もしにくいのでリスク度合いは低いとみなされ、がん保険においても保障額が悪性新生物より少なく設定されています。


また、がん保険によっては上皮内新生物の場合は診断給付金(一時金)の対象外となっていることもあるため、注意が必要です。


保険会社ごとに上皮内新生物への保障例を見てみると、

  • A社:上皮内新生物と診断確定されたとき5万円給付(がんの場合は50万円)
  • L社:上皮内新生物と診断確定されたとき、がん診断給付金の「50%」を給付
  • T社:上皮内新生物と診断確定されたときもがんと同様に給付(ただし明確な記載なし)
このようにそれぞれ異なります。

診断給付金(一時金)の4つの必要性 |診断給付金(一時金)の使い道


自由に使用できるまとまったお金が受け取れるという意味では、がん保険においてもかなり重要な保障である診断給付金(一時金)ですが、逆に一時金はいらないので、できるだけ保険料を下げてほしいと考える方もおられるでしょう。


診断給付金の有無について考える際には、そもそも「なぜ診断給付金が給付される必要があるのか」を考えるべきです。


そこで次からは、診断給付金が必要だと言える理由について、

  1. 様々な治療費に活用できるため
  2. 生活費を賄うため
  3. 精神的な安心感のため
  4. そのほかの健康保険適用外にかかる費用
これらの点を解説していきます。

①様々な治療費に活用できるため

基本的に診断給付金(一時金)は用途が限定されていないため、様々な用途に使用できます。


まず一時金の主要な使い方となるのが「がんの治療費」ですが、大前提として

  • 保険適用治療の場合、患者の自己負担額は3割である
  • 月間の自己負担額が一定額を超えた場合は「高額療養費制度」の対象となる
以上2つの基本的なルールがあります。

たとえば、がんの治療に伴い発生した治療費が「60万円」である場合、単純計算すると自己負担額は20万円となります。

自己負担額が20万円の場合、年収が400万円の方だと

80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

この計算式が適用され、
  • 保険適用自己負担限度額:84,097円
  • 高額療養費制度による給付額:115,903円
結果的に11.5万円ほど高額療養費制度によって負担が軽減するものの、少なからず「8.4万円の自己負担」が発生することになります。

診断給付金(一時金)は、この「自己負担になる分」の費用を賄うことができます。

②生活費を賄うため

診断給付金(一時金)は、治療費だけでなく入院中および退院後の家族の生活費などにも使えるため、がん治療による大幅収入減というリスクを軽減できます。


たとえ当人が入院したとしても、

  • 家賃・光熱費などの固定費
  • 家族の食費などの生活費
  • 子どもの教育費
こういった費用は変わらず発生し続けることになるため、特に家族がいて自分が主な収入源である方の場合は必要性が高くなります。

共働きで貯蓄が少ない世帯の場合も、世帯主の入院によって生活が成り立たなくなるリスクに備えられるため、がん保険の一時金を受け取れるのは大きいメリットです。

③精神的な安心感のため

おそらくほとんどの人が、自分自身や家族ががんだと診断され場合突然のことにショックを受けますが、診断給付金(一時金)が受け取れるということは、短期的にでもお金の心配をする必要はなくなるため、精神的な負担を軽減できます。


そもそもがん保険は「がんを防ぐため」に加入するものではなく、将来的に「がんになったときのために備える」ものです。


自分または家族のがん治療がうまくいくかという不安に加え、治療に伴って減少する収入や、家族の生活費や子どもの教育費が足りなくなる、などの金銭面での不安要素をある程度払拭できるという意味では、一時金はプラスにはたらきます。

④そのほかの健康保険適用外にかかる費用

診断給付金(一時金)は、治療には直接関係がなく健康保険ではカバーしきれない費用についても賄うことができます。


まず、健康保険に加入しており保険適用内の治療において自己負担額が3割となっている場合でも、

  • 先進治療:国で認可されている、最先端の治療や投薬
  • 自由診療:国で認可されていない、最先端の治療や投薬
これらの治療にかかる費用は保険適用外となり、自己負担となります。

一部例外として、「先進治療」の方は治療費以外の検査や投薬にかかる費用に関しては保険が適用されます。


治療に直接関係しない、健康保険適用外としてかかる費用の種類としては、

  • 差額ベッド代:入院に個室を利用した場合にかかる費用
  • 食事代:入院中の食事、1食あたり460円(共通)の費用負担
  • 交通費:入院・通院に伴う交通費、家族の見舞いにかかる費用も含む
  • 服代:入院中の寝衣・下着・抗がん剤使用後のウィッグ等の費用
このような費用が挙げられます。

例外として、住民税が非課税となっている世帯の方が入院する場合の食事代(1食あたりの単価)は「210円」となります。

このような、意外にかさむことになる入院時の「治療費以外」の費用にも、一時金の給付があれば対応できます。

診断給付金(一時金)はいくらに設定するべき?


がん保険のプランによっても異なりますが、診断給付金(一時金)の保障額は、加入者それぞれが決められる場合がありますが、いったいいくらが最適なのか分からない方も多いでしょう。


では次から、一時金の金額をどのような基準で設定するべきか、

  • ライフステージを考えた保障と家計に合わせた保険料で変わる!
  • 部位別のがん治療にかかる費用
これらの点を解説していきます。

ライフステージを考えた保障と家計に合わせた保険料で変わる!

がん保険の診断給付金(一時金)は、受け取れる金額とかかる保険料のバランスを考えましょう。


あくまで一例ですが、

  • 悪性新生物:100万・150万・200万・250万・300万のいずれかから選択
  • 上皮内新生物:選択した一時金額の半分(変更不可)
このような一時金の受け取り金額に関する選択肢が用意されている保険においては、金額に比例して保険料も高くなります。

そのため、どのくらいの年齢になったときにがんになるリスクが高いのか、ライフステージにおける必要額を試算し、家計負担とのバランスを考えて金額を決める必要があります。

将来がんと診断されたときにたとえ300万円受け取ることができるとしても、保険料というハードルが家計状況に見合っていないために、生活が苦しくなってしまっては意味がないからです。

ただし、いわゆる「自由診療」という完全に保険適用外となり自己負担となる先進的な治療を視野に入れる場合、一時金の金額を高く設定しておいた方が良いでしょう。

部位別のがん治療にかかる費用

診断給付金(一時金)の金額を決めるうえでは、実際にがん治療にどれだけの費用がかかるのかを把握しておくことも大切です。


日本病院協会の「重症度別医療費(第4四半期)によると、部位別の平均がん治療費は、

  • 胃がん:964,565円
  • 結腸がん:778,824円
  • 直腸がん:933,053円
  • 気管支・肺がん:694,418円
以上のとおりです。

この統計によれば、がんの中でもとりわけ治療費が高額になりやすいのが「胃がん」で約96万円、もっとも安く済む可能性が高い「気管支・肺がん」でも約69万円となっています。

ただしこれは健康保険が適用されていない金額であり、適用されれば負担額はこの3割となるため、
  • 保険適用自己負担額:284,024円
  • 高額療養費制度による給付額:197,127円
単純計算した場合の、胃がんの平均負担額は「86,897円」となります。

ちなみに、2018年のがん統計を見てみると、
  • 1位:大腸がん(死亡率:2位)
  • 2位:胃がん(死亡率:3位)
  • 3位:肺がん(死亡率:1位)
このように罹患率でも胃がんは上位であるため、治療費を備えておく必要性は高いといえます。

最適な保険料と保障内容のバランスを検討するならまずは保険のプロに無料相談!


がん保険は命にかかわる病気への出費リスクに早期から備えられる有用な保険である反面、保険料というコストが、少なくともがんになるまでかかり続けることになるため、保険は慎重に選ぶ必要があります。


診断給付金(一時金)の決め方を含め、保障内容はそれぞれの家計に合わせて適切な保険料になるように調整する必要がありますが、初めてがん保険に加入するという方は特に、保険料と保障内容のバランスをどのように取れば良いのか分からないと感じている方も多いでしょう。


そこで利用できるのが、がん保険への加入に関してFP(ファイナンシャルプランナー)などの「保険のプロ」に直接相談することができる「マネーキャリア」という保険相談サービスです。


マネーキャリアでは、現在の家計状況や将来に向けて設計したライフプランをもとに、相談者にとって最適ながん保険やプラン内容などを、FPが相談者に対して直接提案してくれます。


保険相談はスマートフォンやパソコン、タブレット端末等を用いてオンラインで行うことが可能であり、何度相談しても無料です。


40社の保険会社に対応しているため公平な視点でがん保険を提案してくれますし、特定の保険に加入するよう強引な勧誘を受けるようなこともないため、誰もが安心して相談できます。


診断給付金(一時金)の決め方など、がん保険やその他の保険について悩みを持っている方は、ぜひ一度「マネーキャリア」を利用してみてはいかがでしょうか。

診断給付金(一時金)はいつのタイミングで支払われる?


診断給付金(一時金)は、基本的にがんと診断確定された後、保険会社に対して一時金の請求手続きを行った後に給付されます。


そのため、一般的に一時金は入院給付金よりも早く受け取ることが可能ですが、「請求から支払いまで」何日、何週間かかるかは保険会社によって異なります。


申請書を郵送で送付する場合、オンラインで行う場合のどちらでも、一時金の請求時には医師の診断書が必要です。

診断給付金(一時金)・通院給付金・治療給付金を比較!


がん保険ごとに、どれだけの保障額の違いがあるかを改めて比較してみます。


次の表をご覧ください。

保障額A社L社T社
診断給付金がん:50万円
上皮内新生物:5万円
がん:100万~300万円
上皮内新生物:がんの金額の50%
がん(または上皮内新生物):100万円
治療給付金10万円
(合計600万円まで)
10万円
(回数無制限)
治療給付金額相当
(要見積もり・問い合わせ)
入院給付金1日あたり
10,000円
治療給付金と同様入院給付金相当×入院日数
(要見積もり・問い合わせ)
通院給付金1日あたり
10,000円
治療給付金と同様通院給付金相当×通院日数
(要見積もり・問い合わせ)
先進医療給付金自己負担額と同額
2,000万円まで
一時金:15万円
自己負担額と同額
2,000万円まで
自己負担額と同額
2,000万円まで

※契約するプランや付帯する特約によって金額は異なります。


診断給付金(一時金)の金額も含め、選択する保障内容やプランによって大幅に保険料が変わってくるため、まずは候補となっている保険会社のウェブサイトから見積もり・資料請求してみましょう。

参考1.診断給付金(一時金)以外の保障内容一覧


がん保険を比較する際には、診断給付金(一時金)以外の保障額にも注目しましょう。


給付金比較の部分で示したとおり、がん保険では一時金以外に、

  • 治療給付金(手術給付金):手術・投薬等のがん治療にかかる費用を保障
  • 入院給付金:がん治療に伴う入院費を1日ごとに保障
  • 通院給付金:がん治療に伴う通院費を1日(1回)ごとに保障
  • 先進医療給付金:保険適用外となる先進医療に伴う技術料を実費で保障
主に以上の保険金が支払われます。

実際のところ給付金の種類や名称は各保険会社によって異なり、選択するプランや特約の有無による差額も大きいため、単純に「A社はB社より入院給付金が◯◯円高いからA社」という比較の仕方は難しくなっています。

そのため、がん保険に加入しようと考えている方が重視している保障内容や、「自分は一番何に備えたいのか」を明確にしたうえで、まずはその条件を満たしている保険会社を複数社ピックアップして、見積もりしてみることをおすすめします。

参考2.診断給付金(一時金)に税金はかからない


がん保険における診断給付金(一時金)を受け取る際は、所得税等の課税が発生しません。


診断給付金の金額を大きくしたからといって、(ほとんどの場合は)課税の心配をする必要はありません。


これは所得税法施行令第30条で規定されているとおりであり、一時金以外の治療給付金や入院給付金、通院給付金や先進医療給付金等に関しても税金はかかりません


ただし、「ほとんどの場合」としたのは理由があり、

  • 給付金を直系血族以外の親族が受取った場合
  • 被保険者の死亡により給付金が相続される場合
以上のような稀なケースでは所得税や相続税が発生します。

がん保険の診断給付金(一時金)に関するまとめ


今回はがん保険の診断給付金に関して解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


誰にでも等しくリスクがある「がん」に備えられるがん保険においては、自由な用途で使用できるまとまったお金が給付される「診断給付金(一時金)」の存在は大きいです。


保険料とのバランスを考える際にも、がんになったとき、実際にどれだけの金額があれば自分の治療および家族の生活を肉体面・精神面の両方で支えることができるかを考えて決定しましょう。


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