自転車事故は火災保険の特約で補償可能?事故や盗難への対応を解説

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自転車による事故は、火災保険の個人賠償責任保険(特約)で補償されます。これは、自転車保険の義務化の代用になることがあります。個人賠償責任保険(特約)は、家族による自転車事故の被害も補償対象になりますが、自転車保険とは異なり自転車による事故で自分が怪我をした場合は補償対象外なので注意が必要です。

自転車事故は火災保険で補償可能?自転車事故を補償する特約とは

今お住まいの自治体は、自転車保険の加入を義務化努力義務化になったりはしていませんか。


もし今お住まいの自治体が自転車保険の加入を義務化していた場合、今から自転車保険に加入しなくてはいけないのでしょうか。


火災保険に加入しているならば、もしも自転車事故を起こした場合に、個人賠償責任保険特約で補償が可能となり、この特約が付いていれば新たに保険に加入することもないのです。 

  • 火災保険の個人賠償責任保険で自転車事故が補償される
  • 自転車事故以外の日常生活のトラブルに使えるおすすめ特約を紹介
  • 自転車事故を補償する火災保険の加入方法・必要書類
この記事では上記のポイントについて、そして自転車事故は火災保険で補償が可能なのか、また、自転車事故を補償する特約について詳しく解説していきます。

自転車保険の義務化と自転車事故の高額賠償事例

自転車は、幼児から高齢者まで手軽に利用できる移動手段として普及してします。

 その一方で、

  • 日本には自転車専用レーンが普及していない
  • 路上駐車が多い
  • 自転車利用のルールが徹底されていない

などの理由から、歩行者と自転車の事故は増加傾向にあります。


自転車の事故で覚えておきたいのは、賠償額が高額になる可能性があることです。


自転車事故による高額賠償事例

裁判所・年月・賠償金額
 
事故の概要
横浜地裁 平成17年11月
5,000万円
女子高校生が夜間、携帯電話を操作しながら無灯火で走行中、前方を歩行中の看護師(57歳)の女性と衝突し、看護師には重大な障害(手足がしびれて歩行が困難)が残った。
東京地裁 平成20年6月
9,266万円

自転車運転中の男子高校生が車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた24歳会社員男性と衝突し、会社員は言語機能の喪失等重大な障害が残った
神戸地裁 平成25年7月
9,520万円
坂道を下ってきた小学5年の少年の自転車が歩行中の62歳女性と衝突し、歩行者の女性が意識不明とな った。


このような事例が増える中、2015年10月に兵庫県で自転車保険への加入が義務化されて以来、自転車保険加入の義務化の流れが全国に広がっています。 


地方公共団体の条例の制定状況(令和4年4月1日現在) 

条例の種類都道府県    
 義務宮城県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、山梨県、長野県、新潟県、静岡県、岐阜県、愛知県、三重県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県  
努力義務北海道、青森県、茨城県、富山県、和歌山県、鳥取県、徳島県、高知県、佐賀県

 

このように、全国的に自転車保険加入が義務化されており、自転車事故への備えが必要不可欠となってきています。

火災保険の個人賠償責任保険で自転車事故が補償される

火災保険というのは本来火災による損害に対する補償なのですが、火災の他、台風や豪雨、地震などの自然災害による損害、その上建物だけでなく家財などの動産も補償されます。

また盗難などの屋内事故や、自宅の火災で隣家を燃やしてしまった場合などの個人賠償も補償されます。


そして個人賠償責任保険の補償内容では自転車事故による損害賠償も対象となっています。


ただし、個人賠償責任保険は事故の相手への損害賠償には対応できますが、自転車事故などで自分がけがを負ってしまった場合には対象となりません、あくまでも他人に対しての損害賠償への備えとなっています。


その他保険会社によって補償内容もさまざまで、個人賠償を特約で付けなければならない保険や、セットで組み込まれているものもあります。

補償内容の範囲が狭いほど保険料も安くなっていますので、加入の際には補償内容の確認が必要です。

火災保険の個人賠償責任保険(特約)とは?その特徴を解説


火災保険の個人賠償責任保険(特約)は、日常の生活の中で保険契約者やその家族が他人にけがをさせてしまったり他人の物を壊してしまった時に、他人から損害賠償責任を負ってしまった場合に補償できる保険です。


個人賠償責任保険は、火災保険に限らず傷害保険や自動車保険など、いろいろな保険の特約として案内されています。


賠償責任を負う事故と聞くとそんな大きな事故は日常で起きるのと思ってしまうかもしれませんが、意外と身近に起こり得る事故も対象となります。


例えば

  • 飼い犬が散歩中に他人にけがを負わせた
  • 自転車で走行中に歩行者にけがを負わせた
  • 買物中商品に触って誤って壊してしまった
このようなことは日常茶飯事に起こることではないでしょうか。


特徴①家族の自転車事故も補償範囲


個人賠償責任保険(特約)の特徴を見ていきましょう。


個人賠償責任保険は、家族の自転車事故も補償範囲です。


もしも家族が自転車を運転中に歩行者に衝突して死傷してしまった場合、どこまで補償してくれるのでしょうか。

一般的な個人賠償責任保険の補償対象は本人だけでなく、配偶者・生計が同じの同居親族または未婚の子供まで対象となります。

個人賠償責任保険は、相手への賠償が必要な場合に賠償金等の費用を補償してもらえる保険ですから、この場合は全面的に補償されます。

保険会社によって補償額は変わってきますが、数億円から無制限まで選択できますので、もしも相手の方が亡くなったとしても火災保険等の個人賠償責任保険の特約があれば、万が一の場合でも安心の備えになるでしょう。

特徴②自転車保険の義務化に対応

個人賠償責任保険(特約)の特徴の2つ目を見てみましょう。

個人賠償責任保険は、自転車保険の義務化に対応しています。

2015年10月に兵庫県で自転車保険への加入が義務化されて以来、各都道府県で自転車保険の加入義務化や加入の努力義務が普及しています。

今後、さらに自転車保険の義務化は浸透していくでしょう。


では自分が住んでいる場所が自転車保険への加入を義務化した際、新たに自転車保険に加入しなければならないのでしょうか。


自治体の「自転車保険加入義務化」は、被害者への賠償に関する保険への加入を求めています。


個人賠償責任保険の補償内容では、自転車事故による損害賠償も対象です。


つまり、別途自転車保険に入らなくても、火災保険に個人賠償責任特約をつければ自転車保険の加入義務を果たしていることになります。

個人賠償責任保険と自転車保険の違いは「自分のケガへの補償」

ここで自転車事故を補償する火災保険などの個人賠償責任保険と自転車保険の違いを見てみましょう。


事故の被害者に対する賠償事故等で自分が死亡・負傷に対する補償
自転車保険補償できる補償できる
個人賠償責任保険補償できる補償できない


上記のように、単独の自転車保険は事故の被害者に対する補償だけでなく、事故等で自分が死亡や負傷した場合も補償の対象となっていて、その上、自転車以外の交通事故でも同じように相手も自分も補償の対象となっています。

また、自転車保険では事故によるケガの手術や入院等も補償の対象となっています。


ところが、火災保険等の特約の個人賠償責任保険では、事故等が起こった場合には被害者に対する補償のみで、自分に対する補償はありません。


だからと言ってそのために自転車保険に新たに加入しなくても、交通事故等にあった場合は、医療保険や生命保険でカバーできるようにしておきましょう。

火災保険で自転車の「車体」は補償される?

ここまでで、自転車事故による損害賠償も個人賠償責任保険の対象となり、個人賠償責任保険で補償できることは分かりました。


では、事故で自分の自転車が破損した場合、自転車の車体自体は火災保険で補償されるのでしょうか?


また、自転車が盗難被害にあうこともありえます。

盗難にあった場合には、火災保険でその自転車も補償されるのでしょうか?


ここでは、そんな疑問にお答えします。

事故により自転車が破損した場合は家財保険の補償対象


もしも事故が起きた場合自分が乗っていた自転車が故障や破損してしまったり、または駐輪場に駐車していて壊されてしまったなどという時の修理代金は補償の対象となるのでしょうか。

この場合は、家財保険の対象となります。


ここで家財保険について見てみましょう。

家財とは、建物の中にあるもので動かせる物で、例えばテレビや家具、洋服やカーテン、そして自転車なども含まれます。

そもそも火災保険の補償の対象は、建物のみ・家財のみ・建物+家財の中から自分の生活状況に合わせて設定が必要となります。

ですから、建物のみの火災保険に加入している場合は、例えば自転車を盗難されたりしても補償はされません。


けれども、家財のみや建物+家財が補償対象となっている火災保険では、自転車の盗難に対しての補償も、自転車が壊されたりした時の破損や故障にかかる修理代も補償の対象となります。


このように、火災保険の補償範囲は一般的に火災、落雷や風水災などの自然災害、そして盗難・破損・爆発などによる被害となっていますが、その上に家財保険が加われば幅広く補償できるということです。

自転車の「盗難保険」になる場合もある

自転車が盗難の被害にあった際、火災保険の家財の補償で「盗難補償」をつけていれば、補償対象となる場合があります。


補償の対象となるのは、「自宅の軒下などの敷地内や、自宅マンションの駐輪場から盗まれてた場合」です。

駅やスーパーの駐輪場から盗まれた場合や、自宅の塀の前など自宅の敷地外で盗まれた場合には対象外となります。


自転車の盗難に備えて自転車向けの盗難保険に加入する人もいるますが、このように、火災保険の盗難補償でも一部カバーができます。


自転車向けの盗難保険では自宅以外の場所で盗難にあった場合でも補償されるため、火災保険で完全に代替できるわけではありませんが、家財保険でもカバーできることは知っておくとよいでしょう。

自転車事故以外の日常生活のトラブルに使えるおすすめ特約を紹介


自転車事故以外にも日常生活のトラブルに使えるおすすめの特約を紹介していきます。

個人賠償責任危険補償特約

日常生活の中で偶発的に起きてしまった事故に対して、契約者本人やその家族が損害賠償責任を負った場合保険金が支払われます。

保険会社によって示談交渉が付いていたり、限度額が設けられています。


遂行品損害補償特約

家財保険の補償内容に破損等を選択していれば、もしも外出した時に持ち出したビデオカメラなどの遂行品に、偶発的な事故による損害が生じた場合保険金が支払われます。

ただし、保険の契約時に限度額や自己負担額を設定していますので、補償額はその範囲内ということになります。


受託物賠償責任危険補償特約

受託物とはその字の通り、他人から預かった受託品が、破損や損壊または窃取などの事故によって損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。

ただし、この特約は個人賠償責任危険補償特約と付帯しているので、限度額も事前に設定しておく必要があります。


自転車事故を補償する火災保険の加入方法・必要書類


自転車事故を補償する火災保険の加入方法は、保険会社で見積りを行い自転車事故の特約が付随されている保険を選び加入しますが、既に火災保険に加入しているという方は、補償内容の確認をして個人賠償特約が付いているかどうかの確認をしてください。


そして、もしも自転車事故を起こしてしまった場合は、どのようにすればよいのでしょうか。

また保険金の請求をするときにはどのような書類が必要なのでしょうか。


ここからは、事故が起こったと想定して、保険金請求の流れを見てみましょう。

  1. 保険会社に連絡して事故が起きたことを報告
  2. 保険会社から必要書類棟等が送られてくる
  3. 保険会社に必要書類等を提出
  4. 保険会社による鑑定人が調査・報告
  5. 保険金の入金
流れとしてはこのようになっています。


ここで用意すべき必要書類は、保険金請求書・事故内容報告書・損害箇所の写真(5枚程度)・修理見積書・損害明細書・建物登記簿謄本以上の書類が必要とされていますが、保険会社によって違いはあるので注意しましょう。



まとめ:自転車事故は火災保険の個人賠償責任保険(特約)で補償しよう

ここまで自転車事故は火災保険で補償が可能なのか、可能であればどんな特約なのかを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

  • 火災保険の個人賠償責任保険で自転車事故は補償される
  • 自転車事故以外の日常生活のトラブルにも使える特約は3種類
  • 自転車事故を補償する火災保険の加入方法や必要書類は保険会社によって違うため注意が必要
火災保険は、火災だけでなく個人賠償特約を付ければ自転車事故まで幅広く補償できる保険ということがお解りいただけたのではないでしょうか。


自転車保険を検討されている方は、火災保険の加入や見直しをし、個人賠償責任保険特約で補償するのもひとつの方法です。


火災保険の見直しや加入を検討する際には、きちんと見積もりをとり、比較検討して選ぶのがおすすめです。


その際には、一度に比較・検討ができる保険の見積りサイトの利用が便利です。


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