火災保険につけられる個人賠償責任特約とはなに?補償内容は?

自分や家族が重大な事故を起こしてしまった場合、賠償責任が発生します。その賠償金はどうすれば良いのでしょうか。火災保険の個人賠償責任特約に加入すれば、賠償金を補償することができます。ここでは、火災保険の個人賠償責任特約、注意点について解説します。

火災保険につけられる個人賠償責任特約とはなに?補償範囲は?

火災保険に加入する際は、個人賠償責任特約を追加で設定できる場合がほとんどです。


火災保険へこの特約を設定できれば、自分の不注意で他人・他人物に損害を負わせても、金銭的サポートが受けられるので安心ですよね。


しかし、個人賠償責任が適用されないケースや、火災保険へ追加する場合に注意すべき点があることはご存知でしょうか。


良かれと思って個人賠償責任特約を付加しても、特約が適用されず唖然とすることもあり得ます。


そこで今回は、「火災保険につけられる個人賠償責任特約の特徴・注意点」について

  • 個人賠償責任特約とはなにか?
  • 個人賠償責任特約の対象となるケース
  • 個人賠償責任特約で注意すべきこと
以上のことを中心に解説していきます。                                                             
 

この記事を読んでいただければ、個人賠償責任特約の基本的な知識と、その注意点を知ることに役立つかと思います。                               

ぜひ、最後までご覧ください。

火災保険の個人賠償責任特約について解説

火災保険は、火災・爆発、自然災害等でご自分の建物や家財が損傷した時に補償対象となります。


その他、火災と関係するわけではないものの、被保険者等の不注意で発生した被害も「個人賠償責任特約」で補償されます。


こちらでは、個人賠償責任特約の特徴とその必要性について解説します。

個人賠償責任特約とはなに?

個人賠償責任特約とは、ご自分・同居家族が他人にケガをさせた、または他人の物を壊した等の法律上の賠償責任を負った場合、補償される特約です。


火災保険でこの特約が付帯されていると、一見すれば火災等に関連した賠償責任が補償されるのかと思いがちです。


しかし、火災や爆発等とは関係性のない、日常のトラブルが補償の対象となります。

個人賠償責任特約の対象となるケース

この特約は日常生活の幅広いトラブルに適用されることが特徴です。


概ね次のようなケースがあげられます。


契約建物・敷地内で生じたトラブル


ご自分・家族がマンションに居住していて、ベランダ(専有部分)に飾っていた鉢植を落下させ、歩行者にケガをさせた場合が該当します。

その他、ご自分・家族の一戸建て家屋にセールスマンが営業で訪問した際、敷地内で飼っていたペットの犬が、突然セールスマンに噛みついたという場合も適用されます。

契約建物・敷地外で生じたトラブル


ご自分や家族が通勤・通学中に自転車を運転して、歩行者と接触事故を起こしたというケースがあげられます。

また、自分の子供が空き地で友人と遊んでいたら、何らかの理由でケンカとなり友人にケガをさせたという場合も該当します。

個人賠償責任特約の必要性

前述した個人賠償責任特約の対象となるケースを見ると、些細な不注意や思慮の浅い行動をとったために起きた賠償責任といえます。
 


このような事態は、日常生活で大事には至らなくても、十分起きることが想定されるトラブルばかりです。
 


日常で想定されるトラブルに備えるため、事前に個人賠償責任特約を付加することが賢明な対応といえます。

個人賠償責任特約で注意すること

個人賠償責任特約は、日常の幅広いトラブルに対応する頼もしい補償と言えます。


しかし、どんなケースでも一律に個人賠償責任特約で補償されるわけではありません。


こちらでは、火災保険へ個人賠償責任特約を付加する際、確認しておくべき点について解説します。

火災では重過失が認められないと保険金が支払われない

個人賠償責任特約が適用されるのは、ご自分や家族の不注意で他人や他人の財物に損害を加えた場合です。


火災保険の加入を希望する人の中には、失火が原因で隣家を延焼した場合も、この特約が適用できるのではないか、と思われるかもしれません。


しかし、失火の場合、次のような理由で個人賠償責任特約は適用されません。


失火責任法の存在


建物の失火に関しての法律である失火責任法では、失火者に重大な過失が無いと責任を問えないと規定しています。


この「重大な過失」とは、誰が考えても危険だと感じる問題に注意をせず放置したため、損害が生じたことを指します。


この重大な過失があったと認められるのは非常に稀なケースと言われています。


つまり、賠償責任に問われなければ、延焼した隣家に弁償したくとも、個人賠償責任特約を利用することはできません。


類焼損害補償にも加入を


火災保険では特約として、「類焼損害補償」が設けられている場合がほとんどです。


この特約は、ご自分の建物で発生した火災が近隣の住宅を延焼させた場合、その延焼した住宅の再築費用を補償します。


ただし、延焼させた住宅の所有者が火災保険に加入していた場合、まずその火災保険での補償が優先されます。


そして、再築費用が下りた火災保険金だけでは足りないとき、失火者が加入している類焼損害補償が利用できます。

重複加入をしていないかチェック!

個人賠償責任特約を希望する時は、他の損害保険へ既に加入している場合、重複加入とならないかまずチェックしましょう。


個人賠償責任特約は火災保険の他、自動車保険や自転車保険でもオプションとして設定できます。


この特約も損害保険の1種である以上、実損害のみが補償されることになります。


例えば、個人賠償のため3,000万円の賠償責任が発生したら、3,000万円のみが補償されるにすぎません。


この場合、2つの保険会社にそれぞれ3,000万円の補償を設定していても、実際に事故が起きたら、2つの保険会社から1,500万円ずつ下りることになります。


つまり、同じ特約を何個設定しても、その分だけ保険金が余計に貰えるわけではないのです。
 


そのため、個人賠償責任特約の重複加入は、保険料が余分にかかるだけで、補償の際あまり有利になることはありません。

参考:東京海上日動の個人賠償責任特約の保険料、補償限度額はいくら?

東京海上日動では、2019年1月1日以降の始期契約を対象として、個人賠償責任特約の保険料の改定、補償範囲の拡大を行っています。


この改定で更に個人賠償責任補償が手厚くなります。


補償限度額・保険料


こちらでは、補償限度額、保険料を解説します。

  • 補償限度額:(国内事故)無制限、(国外事故)1億円
  • 年間保険料::1,530円→2,000円(改定後)
国内事故は補償限度額が無制限となっています。

つまり、どんなに高額な賠償となっても補償されることを意味しています。

補償範囲の拡大

対物賠償の場合、ほとんどの火災保険で「管理財物」は補償対象外となっていました。

この管理財物とは、他人から借りたり預かったりしている物品や、ホテルの備品等が該当します。

しかし、今回の改定でこれらの管理財物も補償対象となっています。

認知症患者の個人賠償責任補償も拡大

また、認知症患者が起こした電車運行トラブルへの補償も改定されました。

認知症患者等が線路に立ち入り電車を止めた場合、その家族等に鉄道会社から高額の損害賠償が請求される場合もあります。

以前ならば、電車の損壊が無ければ個人賠償責任補償は下りませんでした。

しかし、この改定により電車損壊の有無を問わず、立ち入りが原因で営業損害を与えた場合、補償の対象とされることになりました。

まとめ:火災保険につけられる個人賠償責任特約について

火災保険につけられる個人賠償責任特約の特徴・注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。                              


今回の記事のポイントは

  • 個人賠償責任特約は火災保険のオプションであっても、幅広い日常生活のトラブルを補償する
  • 個人賠償責任特約は失火が原因の場合は補償対象外
  • 個人賠償責任特約の重複加入はあまり意味がない
でした。

火災保険に個人賠償責任特約を付帯すれば、補償範囲もぐんと拡大します。

しかし、他の損害保険と個人賠償責任補償が重複していないか事前に確認しましょう。

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