更新日:2022/07/05
地震保険の上乗せ補償に特約は必要?特約と上乗せ補償について解説!
万が一の地震に備えて地震保険へ加入したものの、補償割合に納得いかない方も多くいらっしゃると思います。火災保険とセットで加入する地震保険の補償内容が不十分だと感じて特約について考えることもあるでしょう。今回は地震保険へ特約を上乗せすべきかを徹底解説していきます。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 地震保険の特約を付帯する必要はある?
- 結論:補償を手厚くしたい方は「特約」を付帯する必要がある
- 付帯すべき理由①:地震保険の保険金は火災保険の50%
- 付帯すべき理由②:大地震の発生確率が高い
- 地震保険の補償内容と保険金についておさらい
- 地震保険の補償内容
- 地震保険で支払われる保険金
- 上乗せ補償ができる2つの特約を紹介!
- 地震火災費用特約
- 地震危険等上乗せ補償特約
- 特約を付帯すると保険料はいくらくらい上がるの?
- 保険料を抑えたい方は少額短期保険がおすすめ!
- 税制優遇には注意しよう
- 火災・地震保険の見直しなら一括見積もりサービスを利用しよう
- まとめ:地震保険の特約は自身の状況に応じて付帯しよう
目次
地震保険の特約を付帯する必要はある?
地震保険は、地震・噴火・津波被害を補償する保険商品です。
火災保険では地震は補償対象外なので、地震保険へ加入していれば地震被害の補償も安心ですよね。
しかし、地震保険の補償割合が火災保険の最高50%までとなっているのはご存知でしょうか。
この半分以下の割合では、生活再建に程遠い地震保険金額しか受け取れないおそれがあります。
地震保険金額に不安を感じたなら、地震被害を補償する特約を追加して補償内容を厚くする必要があります。
そこで今回は「地震保険に付帯する特約の必要性」について
- 地震保険の補償内容とは
- 地震火災特約の有用性
- 単独で加入できる地震補償保険
結論:補償を手厚くしたい方は「特約」を付帯する必要がある
地震保険は火災保険を契約するときに加入するのが一般的ですが、その際に迷うのが地震特約を付帯する必要があるのかどうかですよね。
特約を付けることでその分保険料は高くなりますが、地震保険だけでは被災時の生活再建には補償が不十分になっている場合があるため、補償を手厚くしたい方は特約を付帯する必要があります。
ここでは、特約を付帯する必要性について
- 地震保険の保険金は火災保険の最大50%まで
- 大地震が来る可能性が高まっている
付帯すべき理由①:地震保険の保険金は火災保険の50%
地震保険の補償金額は、火災保険金額の30~50%で設定されています。
また、限度額は、建物は5,000万円、家財は1,000万円となっています。
たとえば、火災保険の保険金が2,000万円の場合、地震保険では地震や噴火などで建物や家財がすべて壊れてしまっても最大で1,000万円までしか保険金を受け取ることができません。
1,000万円あれば当面の生活を支えるための費用にはなりますが、住宅の再建築費用には不十分な金額です。
また、住宅ローンが残っている場合には、仮住まいの費用や家財の購入費用に加えて住宅ローンの返済を行う必要があるため、大変苦しい状況になることが予想されます。
このように、地震保険だけでは不十分な場合があるといえるでしょう。
付帯すべき理由②:大地震の発生確率が高い
高い確率で大地震の発生が予測されています。
近い将来の発生が予想されている大地震として、
- 南海トラフ地震
- 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震
- 首都直下地震
- 中部圏・近畿圏直下地震
特に西日本全域の広範囲への被害が予想される南海トラフ地震や、日本の中枢である東京が被害を受けることで全国への影響が懸念される首都直下地震は、30年以内の大地震の発生確率は70%以上といわれています。
また、大地震が予想されている地域でなくても大地震が起こる可能性があります。
たとえば、平成28年4月に発生した熊本地震の地震発生確率は30年以内に1%未満でした。
日本には、北海道から九州まで発見されているものだけでも約2,000以上の活断層があり、まだ見つかっていない活断層があるとされています。
このように日本は大地震が起こる確率が高いので、地震への対策が必要といえます。
地震保険の補償内容と保険金についておさらい
地震保険の特約の必要性について説明してきましたが、特約を付帯することで保険料は高くなってしまうので、本当に必要かは自分自身で考える必要があります。
ご存じかとは思いますが、地震保険についてここでおさらいをしておきましょう。
地震保険の内容を整理しておくことで、現在加入している地震保険でも被災した場合にも対応可能か、特約を付帯して補償を手厚くしておいた方がいいのかを判断できるようになります。
こちらでは、地震保険の補償内容と地震保険の保険金について解説します。
地震保険の補償内容
地震保険は地震・噴火・津波が原因となった、ご自分の建物または家財への被害を補償対象とします。
- 居住用建物:住居として使用される建物、その併用住宅が対象です。
- 居住用建物内の家財一式:基本的に建物内の家財は補償されますが、1個(1組)の価額が30万円を超える貴金属類等は補償されません。
なお、火災保険と同様に、建物と家財へ別々に地震保険をかけないと、補償対象とならないので注意しましょう。
次に、以下のようなことが原因で、被害を受けたケースが補償条件です。
- 地震による火災により契約建物が焼失した
- 地震により契約建物が倒壊した
- 地震が原因による津波で、契約建物が流出した
- 地震が原因で家財の損壊、焼失した
- 地震による噴火活動で契約建物・家財が損壊、焼失した
地震保険で支払われる保険金
地震保険の補償金額は、火災保険金額の30%~50%で設定されます。
更に建物ならば5,000万円、家財ならば1,000万円の上限が設定されています。
地震保険の補償認定
地震被害で下りる保険金額は、被害の状況によって判断されます。
地震保険では火災保険のように、実際の損害額が保険金として下りるわけではありません。
まず、損害の程度で「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の認定を行います。
その後、地震保険金額の100%・60%・30%・5%が保険会社から支払われるという形になります。
ただし、これらの認定は一般社団法人日本損害保険協会が定めた「地震保険損害認定基準」に従って決定されます。
つまり、各保険会社で認定基準がバラバラというわけではありません。
地震保険の認定と保険金額
補償内容は次の4段階です。
なお、時価額とは損傷した同等の物を現時点で再購入する金額から、経年・消耗分を差し引いた、現在の物の価値を言います。
[1]全損:保険金額100%(時価額が限度)
①建物
- 建物の主要構造部(※):時価額の50%以上の損害
- 焼失・流失した床面積:建物延床面積の70%以上の損害
- 家財全体の時価額80%以上の損害
[2]大半損:保険金額60%(時価額の60%が限度)
①建物
- 建物の主要構造部:時価額の40%~50%未満の損害
- 焼失・流失した床面積:建物延床面積の50%~70%未満の損害
② 家財
- 家財全体の時価額60%~80%未満の損害
[3]小半損:保険金額30%(時価額の30%が限度)
①建物
- 建物の主要構造部:時価額の20%~40%未満の損害
- 焼失・流失した床面積:建物延床面積の20%~50%未満の損害
②家財
- 家財全体の時価額30%~60%未満の損害
[4]一部損:保険金額5%(時価額の5%が限度)
①建物
- 建物の主要構造部:時価額の3%~20%未満の損害
- 床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水
②家財
- 家財全体の時価額の10%~30%未満
上乗せ補償ができる2つの特約を紹介!
被災した際に生活再建するためには、住居の確保、家財道具の購入、住宅の修理あるいは再建築などが必要であるため、一度に大きなお金が必要となります。
しかし、火災保険金額の設定によっては、地震保険だけでは生活再建が難しい場合もあります。
万が一地震が起こった際の生活再建費用に不安がある方は、地震保険の特約を付帯しておきましょう。
特約を付帯することで補償金額を引き上げることが可能です。
地震保険に上乗せできる特約には「地震火災費用特約」と「地震危険等上乗せ補償特約」の2つがあります。
それぞれの詳細を説明していきます。
地震火災費用特約
地震火災費用特約では、地震が原因で起こった火災の損害を地震保険と合わせて最大100%まで補償をアップできます。
火災保険には加入時に「地震火災費用保険」というものが自動的に付帯しているものが多いです。
地震火災費用保険では、
- 地震、噴火またはこれらによる津波を原因とする火災で建物が半焼以上
- 保険対象の家財が全焼
地震危険等上乗せ補償特約
地震危険等上乗せ補償特約では、地震保険に付帯することで被災時に地震保険の補償金額と同額の保険金を受け取り可能になります
地震保険で火災保険の最大50%が補償され、残りの50%を地震危険等上乗せ補償特約で補うことで合計で最大100%の補償が受けられるようになります。
たとえば、火災保険で保険金を2,000万円に設定したとき、地震保険で最大1,000万円が補償され、残りの1,000万円が地震危険等上乗せ補償特約で補償されるので、合計で2,000万円の保険金を受け取れます。
こちらは、地震保険の補償金額をアップさせるものになっているので、地震によって生じた火災の被害だけでなく、地震や噴火、津波によって起きた被害に対して適応可能です。地震全般に対して備えたい方や今加入している地震保険だけでは補償金額が不十分と感じている方におすすめです。
特約を付帯すると保険料はいくらくらい上がるの?
地震保険に特約を付帯することで保険料は上がります。
保険会社によっていくら上がるかは異なりますが、
- 地震火災費用特約:地震保険の約0.7~0.9倍
- 地震危険等上乗せ補償特約:地震保険の約1.3~2.1倍
保険料を抑えたい方は少額短期保険がおすすめ!
特約を付帯すると保険料が高額になってしまいます。
少しでも保険料を抑えて、地震に対する補償を手厚くしたい方は少額短期保険という選択肢も検討してみるとよいでしょう。
少額短期保険とは、少額の保険金額を短い保険期間のみで契約する保険です。
他の保険に比べて補償金額が少額かつ保険期間も短いため、保険料が安くなっています。
地震保険は火災保険とセットでしか加入できませんが、少額短期保険は単独で加入できます。
地震保険の上乗せとして少額短期保険に加入することで、被災した際の生活再建費用として役立つでしょう。
税制優遇には注意しよう
地震保険料は、所得税で5万円、個人住民税で2.5万円を上限に課税所得から控除されます。
地震危険等上乗せ補償特約は控除の対象となっていますが、地震火災費用特約と少額短期保険は控除の対象外となっている場合が多いです。
税制優遇を考慮して保険を検討するときは注意しましょう。
火災・地震保険の見直しなら一括見積もりサービスを利用しよう
地震保険は政府と民間の保険会社が共同で提供しているため、保険会社が異なっても保険料や補償内容は同じです。
基本的に地震保険は火災保険に加入する際に一緒に加入するため、地震保険の特約を見直す際には自動的に火災保険の見直しが必要となります。
火災保険は保険会社によって保険料や特約が異なるので比較することが重要です。
また、自然災害の多発で2022年10月から保険料が値上がりが予定されているため、「暇なときに見直そう」と思っていると、保険料が高くなっている可能性があります。さらに、保険料の改定の際にこれまで割安で契約できていた10年契約が廃止され、最大5年契約に変更されます。
今のうちに見直しておくことで最大10年間の保険料を安く抑えられる可能性があります。
しかし、火災保険は建物の構造や所在地によって保険料が異なるので、正確な保険料を調べるためには保険会社から見積もりを取る必要があります。
火災保険を販売している会社は多く、一つ一つ見積もりを取ることは大変ですよね。
そのような場合には、一括見積を利用しましょう。
保険スクウェアbangの一括見積を利用することで、一度入力するだけで無料で最大26商品を比較でき、最短即日で見積もりが手に入ります。
「自分に必要な補償内容が分からない…」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。保険スクウェアbangでは、保険アドバイザーが何度でも無料で相談できるので、保険に詳しくない方でも自分に必要な補償を選ぶことができます。
もちろん、無理な勧誘はなく、見積もりを取った会社と必ず契約しなければならないという規定もないので、安心してくださいね。
火災保険料が上がる前に保険料の見直しがしたい方は、ぜひ利用してみてください。
まとめ:地震保険の特約は自身の状況に応じて付帯しよう
地震保険の特約の必要性について説明してきました。
今回の記事のポイントは、
- 地震保険の補償金額は火災保険金額の最大50%
- 地震保険は建物と家財へ別々に保険をかけないと補償が受けられない
- 地震保険の上乗せ特約には「地震火災費用特約」「地震危険等上乗せ補償特約」がある
- 保険料を抑えたい方は少額短期保険がおすすめ