予定納税の支払いについて解説!払えない場合はどうすればいいの?

毎年決まった時期に税金の支払いに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。中でも個人・法人問わず悩むものの1つは予定納税でしょう。そこで今回は予定納税が払えない場合について解説します。今回はちょっと払えないかもしれないとお悩みの方は是非参考にしてみてください。

予定納税とは?払えない場合はどうなるの?


個人事業を営んでいる人には付き物の所得税や事業税、消費税の納税ですが、資金繰りが大変な会社にとっては負担も大きいものですよね。


それに加えて、一定額以上の納税をしていると一年も経たずに「予定納税額の通知書」が届いて、慌てている人も多いのではないでしょうか。


そこで、この記事では「所得税と消費税の予定納税と払えない場合の対処法」について、

  • 予定納税とはどのような制度なのか
  • 予定納税がある税金の種類
  • 予定納税を支払えないときはどうすれば良いのか

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、予定納税の意義や仕組みを理解することができ、事前の資金準備や払えないときの対策を立てるのに役立てていただけます。


ぜひ最後までご覧ください。

予定納税とは前年度を基準とした税金の前払いである

予定納税が払えない、対策をすぐにでも知りたいと思うかもしれませんが、その前にまず予定納税とはどのような制度なのかを詳しく解説します。


予定納税とは、前年度の納税額がある場合にその3分の2の金額を予定納税額として納めなければならない制度で、次年度の税金の前払いという性格を有しています。


そもそも事業を営む者は、毎年継続的に利益を上げることが目的であるという前提のもとで、前年度に利益が出ていれば今年度も利益が出るだろうという推測のもと、今年度の利益に対する税金を先に徴収するという目的の制度です。


そして、翌年度の確定申告において決定した年税額と予定納税の差額を、確定申告納付額として翌年納付することになります。


法人で言えば、中間納付に該当する制度と言えます。


この制度には、以下のようなメリットとデメリットがあります。


予定納税のメリット

  • 税金を先払いすることで、確定申告における翌年の納税負担を軽減することができる
  • 納税が一回にまとめてではなく分割されることで、資金繰りなどの負担が軽減される
  • 予定納税額が還付となった場合、還付加算金を受け取ることができる

特に、還付加算金はメリットが大きいところです。


還付加算金の利率は令和2年度は1.6%であり、銀行預金などと比べても高い数値になっています。


予定納税のデメリット

  • 確定申告よりも前に次の納税が来るため、資金繰りが厳しい会社では納税資金が不足することが考えられる
  • 万が一何の手続きもせず予定納税をしなかった場合、延滞税が加算される

メリットとは逆で、延滞税がかかってしまったときは余計なお金を支払わなければなりません。


延滞税の利率は、納期限より1か月間は2.6%、それを過ぎると8.9%であり、還付加算金よりも遥かに高い利率です。


予定納税できない場合、デメリットが大きいためなるべくきちんと納税したいところですが、特に規模の小さい会社や個人はそれも難しいという人が多いのも事実です。

所得税の場合の予定納税

一般的に、予定納税といえば所得税を指すことが多いです。


所得税とは一年間の事業などの利益に対してかかる税金で、確定申告によって税額を確定し、納付する手続きを行います。


その確定税額に基づき、予定納税額が決定されます。


自身で税額を計算する確定申告とは異なり、予定納税額は前年度の所得税から計算され、税務署から金額が通知されます。


その金額は、前年度に納税した所得税額の3分の2で、これを2回に分けて納付を行います。


1回目の納付期限は7月中(7月1日から7月31日まで)、2回目の納付期限は11月中(11月1日から11月30日)までで、それぞれ前年度の所得税額の3分の1ずつを納めます。


この予定納税額ですが、あくまでも前年度の確定税額から概算で算出されるものであり、今年度の確定した所得税額というわけではありませんのでご注意ください。

消費税の場合の予定納税

一方、事業主が納める税金は所得税だけではありません。


事業規模が売上高で1,000万円を超える人は課税事業者となり、消費税の納税義務も生じます。


消費税は、最終消費者である個人や法人に売り上げた際に預かる消費税と、それに対応する仕入れをしたときの消費税との差額を国に納付することになっています。


この消費税にも予定納税のような制度がありますが、消費税については予定納税とは言わず、中間申告という表現が使われます。


消費税の中間申告は、前年度の消費税の納税額が48万円以上のときに適用され、前年度の2分の1の金額を中間納付します。


さらに事業規模が大きくなり前年度消費税納税額が400万円を超えると年3回、4,800万円を超えると年11回(毎月)中間納付を行うことになります。


これも所得税の予定納税と同じく、税金の前払いという性格を有していて、翌年度の確定税額から中間納付額を控除した金額だけが、確定申告によって決定する納付額となります。


以下、予定納税に関しては所得税の予定納税という前提で解説を続けます。

予定納税の納付期間と金額は?

予定納税は、年2回行われます。その期間と納税金額を以下にまとめました。

回数納付期間納税金額
1回目7月1日〜7月31日前年度所得税額の3分の1
2回目11月1日〜11月30日前年度所得税額の3分の1

確定申告による納税は3月15日までなので、ちょうど4か月ずつ納付期間が到来することになります。


金額も3分の1ずつなので、納税を一年間のうち3回に分けると考えれば分かりやすいでしょう。

予定納税の納税方法は3種類ある!

予定納税を行うには、国に現金で納める必要があるのですが、以下の3通りの方法で納付することができます。


直接納付

直接納付は、納付書を税務署や銀行などの金融機関の窓口に持参し、現金で納付する手続きです。通帳と金融機関の納付用紙も提出すれば、預金から直接納付することもできます。


振替納付

振替納付は、事前に申し込んでおくことで口座振替によって自動的に納付することのできる手続きです。


窓口に出向く必要がないため納税の手間を省くことができ、納付忘れも防げますが、逆に事前に資金を準備しておかないと払えない状態(引きとし不能)になってしまうため注意が必要です。


電子納付

電子納付とは、インターネットバンキングや金融機関のATMから納付を行う方法です。特にインターネットバンキングは銀行に出向く必要がなく、自宅から納付までの処理を完結することができます。


納期限までの間であればいつでも納付ができるため、振替納付と異なり日付を気にすることなく、資金に余裕のあるタイミングで納付ができます

期間内に納税できなかった場合はどうなるのか

なお、期限内に予定納税が払えない場合は、納付遅れとなり延滞税が加算されます。


延滞税は、令和2年度現在は納付期限後1か月間は年利率2.8%で、その後は8.9%となり、納期限の翌日から加算されますのでご注意ください。


ただし、納税額が少なく、計算された延滞税が1,000円未満の場合には延滞税の納付義務はありません。


万が一納付を忘れてしまっていた場合は、至急納付手続きを行いましょう。

予定納税を払えない場合は減額申請を活用しよう

納税は国民の義務ですので、きちんと納税するに越したことはありません。


しかし、そうはいっても事業の状況によっては資金繰りが苦しくなり、今年度の予定納税を払えないということもあるでしょう。


そんな時は、予定納税の減額申請を行うことができます。


このような状況は、前年度の業績が好調で多くの利益が出て納税も済ませたけれど、今年度に入り事業の見通しが悪くなり、資金繰りが苦しくて払いたくても払えないという時に起こり得ます。


予定納税の減額申請は、名前の通り予定納税で通知された金額を減額して納税することのできる制度です。減額申請をするためには、以下に記載するように税務署に手続きを行う必要があります。

減税申請する際の注意点とは

予定納税の減額申請は、それが受理されたとしても税金が免除になるわけではありません。


減額された予定納税額を払えないときは、結局は延滞税がかかってしまいますのでご注意ください。


また、確定申告で税額が発生すれば、それは必ず納めなければなりません。


あくまでも予定納税は税金の前払いであることに留意し、資金繰り管理はきちんと行うようにしましょう。


また、いくら資金繰りが苦しくて払えない状態でも、何も手続きせずに予定納税額は減額されません。


そのまま放置してしまうと、税金の滞納という扱いになってしまうため、そうならないうちにまずは税務署に相談に行きましょう。


税務署では、書類の作成や提出だけではなく税金にまつわる相談も日々受け付けていますので、減額の相談や申請書の作成方法など、アドバイスをもらうこともできます。予定納税が払えないと思ったり、困ったときは税務署に相談に行きましょう。

予定納税の減額申請の方法や対象条件とは

予定納税の減額申請は、確かに資金繰りが苦しく払えないときには頼りたい制度ですが、誰でも行えるわけではありません。


予定納税の減額申請を行うことができる人は、その年の6月30日の時点において、所得税及び復興特別所得税を利益から見積った額が、予定納税基準額よりも少なくなる人です。


つまり、その年の6月30日時点で利益の金額をきちんと見積もることができないと、減額申請を認めてもらえない可能性が高くなってしまいます。


7月15日までに、居住地を管轄する税務署長に「予定納税額の減額申請書」を提出して承認されれば、予定納税額は減額されます。


減額申請をするためには、以下の手続きを踏んで税務署に申請する必要があります。

  1. 減額申請書をダウンロードして印刷する、もしくは税務署に取りに行く
  2. 6月30日時点での所得金額や控除額を計算し、申請書に記入する
  3. 減額申請書および添付書類を期限内に税務署へ提出する
要するに、予定納税までの上半期の業績が良くないため、予定納税を減額したいという手続きです。


そのために、6月30日までの帳簿をしっかりと完成させておく必要があります。 


減額申請書は、7月分と11月分の2回とも減額申請したい場合は7月1日〜7月15日までの間に税務署に提出し、11 月分のみで良い場合は11月1日〜11月15日までの間に税務署に提出します。


添付書類としては、損益計算書を一緒に提出します。


場合によっては売上計算書など、他の証憑類も提出が求められる場合がありますので、普段の会計処理はきちんと迅速に行っておきましょう。


数値の記入漏れ等がないかを最後にきちんと確認し、税務署に提出すれば、手続きは完了です。


減額申請が認定されれば、減額後の予定納税額の通知書が届きますので、その金額をもって予定納税を行ってください。

予定納税丨国税庁

予定納税を払えない場合についてのまとめ

予定納税の制度および支払えないときの対処法について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 予定納税は前年度所得税額を基準とした今年度の所得税の前払いである
  • 予定納税を行うことにより得られるメリットは大きいが、資金繰りの苦しく払えない個人も支払わなければならない
  • 予定納税が支払えないときは、減額申請によって納付額を軽減することができる

です。


予定納税も納税の一種ですので、支払義務がありますし回避することはできません。


予定納税を払えない場合は減額申請も活用しつつ、利益が出ていても油断せず、納税準備用の口座などを活用し納税資金は毎期必ず準備し、払えないという事態が起こらないようにしましょう。


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