法人保険の福利厚生プランはお得なの?契約状態やメリットを解説!

法人保険の福利厚生プランは保険料の半分を損金算入できるなど3つのメリットがありますが、加入する際には「契約状態」「普遍的加入」を満たす必要があります。また、法人保険の福利厚生プランには遺族とのトラブルが起こるデメリットもあるので、福利厚生規定の作成が重要です。

法人保険の福利厚生プランの3つのメリット・2つのデメリットは?

昨今の売り手市場の世の中では、採用難や早期離職が法人にとっては大きな悩みになっています。


ですから、悩み解決のために福利厚生を充実させたいと思っている企業経営者の方は多いと思います。


しかし、どのように充実させればいいのか分からず悩んでいて、実行に移せていないのが現状です。


そこで、その現状を解決する方法の一つとして、法人保険を利用した福利厚生プランを紹介します。


この記事では、福利厚生プランを

  • 2つの条件
  • 3つのメリット
  • 2つのデメリット
  • 福利厚生規定の作成

を中心に解説します


この記事、特にメリット、デメリットをよく読んでいただければ、導入するかどうかの判断に役立つかと思います。是非、最後までお読みください。




法人保険の福利厚生プランとは?2つの条件を解説

法人保険を使った福利厚生プランとは、養老保険を活用したものです


養老保険とは、保険期間を定めて期間が満了すると満期保険金が支払われる保険商品です。


もし、保険期間の途中で被保険者が死亡しても、満期保険金と同額が死亡保険金として受ける取れるので、退職金の準備として利用されています。


また、保険料が損金計上できるため、節税もできる商品として活用されています。


ただし、

  • 決められた契約状態
  • 普遍的加入

という、2つの加入条件を満たさないと損金計上はできませんので注意が必要です。


その加入条件については以下で解説します。


契約状態は「死亡保険金受取人:被保険者の遺族、満期保険金受取人:法人」

最初に、福利厚生プランの契約状態について解説します。


福利厚生プランの契約状態は

  • 契約者  :法人
  • 被保険者 :役員または従業員
  • 死亡受取人:役員または従業員
  • 満期受取人:法人

になります。


これ以外の契約状態でも契約することは可能です。


他には

  1. 死亡受取人、満期受取人とも法人
  2. 死亡受取人、満期受取人とも従業員(または遺族)
  3. 死亡受取人が法人、満期受取人が遺族
という3パターンがあります。


全4パターンがありますが、国税庁が保険料を損金計上とし明文化ているのは、最初に紹介した福利厚生プランだけです。


国税庁では

  • 1の保険料は資産計上
  • 2の保険料は従業員の給与、個人の生命保険控除の対象になる
として明文化しています。


3の保険料ついては明文化していませんが、保険をかけることの合理性がないとのことから普及していません。



「普遍的加入」原則的に全従業員が加入する必要がある

次に、普遍的加入ついて解説します。


普遍的とは「全てのものに共通している」あるいは「すべてのものにあてはまると」いう意味になります。


普遍的加入とは、その法人の全ての役員と従業員が加入するという意味になります。


ただし、法人に在籍する全ての役員と従業員というわけではありません。


合理的な基準があれば、全員が加入していなくても普遍的とみなされます。


わかりにくいので以下で説明します。


例えば

  • 3年以上勤務しているもの
  • 25歳上の従業員

などです。


勤務3年以上などの合理的な基準があれば、普遍的加入として認められます。


その場合、保険金額を従業員300万円、管理職500万円とした格差があったとしても普遍的加入になります。


福利厚生プランとするためには、これら2つの条件を満たすこと必要があります。ご理解いただけたでしょうか。


次に、法人保険の福利厚生プランの「メリット」「デメリット」について解説します。


法人保険の福利厚生プランの3つのメリット

法人保険の福利厚生プランには

  • 加入すると福利厚生の充実につながる
  • 保険料に半分を損金計上できる
  • 解約返戻金が緊急時の財源になる

の3つのメリットがあります。


メリットは、保険に加入するかどうかの重要な判断材料になります。


自社の状況と照らし合わせると、メリットにならない場合もあります。本当にメリットなのかを判断してください。


それでは、一つずつ詳しく解説していきます。

【メリット①】従業員の福利厚生の充実につながる

1つ目のメリットは福利厚生の充実につながることです。


福利厚生プランを導入することで退職金の準備ができます。


また、万が一従業員が満期前になくなった場合は保険金を遺族にお支払いするので遺族補償としても活用できます。


このような制度を導入することで、従業員は安心して働くことができます。


これが、冒頭で述べた離職率の低下につながります。

【メリット②】支払う保険料の半分を損金算入できる

2つ目のメリットは節税です。


先にあげた2つの条件を満たすことで、保険料の1/2を損金計上できます。


貯蓄性が高い保険の保険料は法人の資産と見なされるので、通常損金にはなりませんが、福利厚生プランは損金計上できます。


1/2でも損金計上できるのは大きなメリットです。


【メリット③】解約返戻金が受け取れるので緊急時の財源になる

3つ目のメリットは解約返戻金が緊急時の財源になることです。


福利厚生プランでは、万が一満期前に資金が必要になった時に解約することで解約返戻金が受け取れます。


他の保険でも解約返戻金は受け取れますが、貯蓄性のある保険は解約返戻金の返戻率を低く設定しているので、中途で解約すると掛け金の半分程度しか受け取れません。


一方、福利厚生プランの養老保険の解約返戻金の返戻率は高く、解約しても80%〜90%受け取れます。


中途解約はしないほうがいいのですが、事業をしていれば突発事項や不測の事態が発生します。


その時に、解約返戻金が緊急時の財源として計算できるのは心強いです。


法人保険の福利厚生プランの2つのデメリット

福利厚生プランのメリットはお分かりいただけたと思います。


しかし、どのような素晴らしい保険にもかならずデメリットは存在します。


ここでは、福利厚生プランの2つのデメリットについてご紹介します。


メリットとデメリットをよく比べ、どちらが会社にとって影響があるかで加入を判断してください。

【デメリット①】全従業員の保険料を支払うので資金繰りが悪化

デメリットの1つ目は、加入により資金繰り悪化の可能性があるということです。

福利厚生プランは普遍的加入になりますので、保険料の負担が大きくなります。

事業や資金繰りが順調な時は特に問題ありませんが、売り上げが落ちてきた場合にはこの保険料が大きくのしかかり資金繰りの悪化につながります。

福利厚生プランの導入後は保険料を払い続けるので、キャッシュフローを悪化させない保険料はいくらなのかを吟味する必要があります。

その際、現状の環境をベースに設定するのではなく、ある程度将来ビジョンを見据えて決定する必要があります。

【デメリット②】遺族とのトラブルが起こる可能性がある

2つめのデメリットは遺族とのトラブルの可能性です。


契約状態から分るように、従業員が死亡した際の保険金受け取りは従業員の遺族(相続人)になります。


この際、遺族は保険金請求手続きを自身で行いますので、故人が加入していた生命保険と錯覚してしまう可能性があります。


一方、法人は死亡保険金を遺族が受け取りますので、死亡退職金として支払いしたという認識をしています。 


もし、遺族が錯覚した場合、死亡退職金を受け取っていないと思い、死亡退職金を請求するというトラブルに発展する可能性があります


では、遺族とのトラブルを防ぐためにはどのような対策を取れば良いのでしょうか?


以下で、その対策について説明します。


トラブルを避けるためには「福利厚生規定」の作成が必須

遺族とのトラブルは先に説明したように認識の相違から起こります。


ですから、福利厚生規定を作成し、従業員などに開示しておくことでこのトラブルは回避出来ます。


また、死亡退職金なのか死亡保険金なのかの判定や、税務調査時に経費算入できるかどうかも福利厚生規定などの内容で判断されます。


従業員の「限度額・病気・加入否定」時の対応方法

最後に、普遍的加入の補足として

  1. 限度額を理由に保険会社に加入を拒否された場合
  2. 病気を理由に保険会社に加入を拒否された場合
  3. 従業員が加入拒否した場合

について解説します。


1.限度額を理由に保険会社に加入を拒否された場合は、別の保険会社で対応しましょう。


保険会社1社で運用する必要はありませんし、多少保険内容が違っていても問題ありません。

2.従業員の病気を理由に加入を拒否された場合は、会社側に非があるわけではなく、致し方ないので病気の方が加入しなくても普遍的加入になります。

3.従業員が加入を拒否した場合も、会社に非はありませんので普遍的加入とされます。


ただし、2と3の場合は、その経緯を残しておかないと税務調査の時などに1/2損金を否定される可能性があり注意が必要です。


また、その原因が解消された場合は速やかに追加加入させる必要があることも覚えておきましょう。 

まとめ:福利厚生プラン加入時には2つの条件を満たそう

法人保険の福利厚生プランについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 福利厚生プランの契約状態は「契約者:法人」「被保険者:役員または従業員」「死亡保険受取人:役員または従業員」「満期保険金受取人:法人」
  • 福利厚生プランは普遍的加入が必要

2つの加入条件を満たす必要があるでした。


福利厚生プランでは加入条件を満たさないと損金計上できませんので注意しましょう。


福利厚生プランにはデメリットもありますが、雇用の確保や早期離職対策として一度検討されるのはいかがでしょうか。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますのでご覧ください。

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