法人保険は本当に貯蓄効果があるの?それぞれの法人保険を確認

法人保険にはどのようなメリットがあるのかご存知ですか?実は法人保険には貯蓄効果があります。法人保険において貯蓄に最大限の効果をもたらすには解約返戻金の受け取り方が大事です。今回は、法人保険における貯蓄効果と押さえておきたい法人保険に関してご説明します。

法人保険に貯蓄効果はあるのか?おすすめの法人保険は?

法人税を少しでも減らして資産を有効に使うため、法人保険の節税効果や貯蓄性について興味をお持ちの方も多いでしょう。


とはいえ、難しい経理処理や専門用語に何を選んだら良いか判断できず、担当者に任せきりで不安を感じる人も多いはずです。


実は、節税効果・貯蓄性・保障内容の3つの関係を理解することで、会社のニーズに合った商品かどうかを判断する目安になります。


そこで、この記事では法人保険の上記3つのバランスを知るために

  • 貯蓄性のある保険種類と保障内容
  • 貯蓄性と節税効果の関係
  • 貯蓄性と節税効果のどちらを選ぶか
について解説していきます。

この記事を読めば、法人保険を選ぶ際に重要な3つのバランスを理解するのに役立つはずです。

是非最後までご覧ください。

法人保険の貯蓄性とは?

法人保険は、保険料を払って保障を得るという商品です。


万が一のことが起こらず、そのまま保険期間満了と共に終了する商品を「掛け捨て型」と言います。


一方、途中解約した場合にそれまで支払った保険料に対して解約返戻金(かいやくへんれいきん)が戻ってくる商品を「貯蓄型」と言うのです。


ここで、貯蓄性の高い法人保険と貯蓄性の低い法人保険の経理処理を具体的に見ていきましょう。


  • 貯蓄性の高い法人保険の保険料
    保障に充てられる分・・・損金
    解約返戻金に充てられる分・・・資産
  • 貯蓄性の低い法人保険の保険料
    全額損金

こうしてみるとわかる通り、貯蓄性の高い商品の場合、保険料の一部が「資産」に計上されてしまいます。

法人税というのは、会社の益金(稼ぎなど)から損金(経費など)を引いた「所得」に対して支払う税金のことです。

生命保険を使った節税の仕組みは、この保険料を「損金」に計上することで会社の益金となる額を減らし法人税を下げようというもの。

つまり、節税効果は保険料を「損金」にしないと得られないので、貯蓄性が高いほど節税効果は低くなるという特徴があるのです。

この点を理解しておきましょう。

貯蓄性のある法人保険の種類とその特徴

ここからは貯蓄性のある法人保険の具体的な種類と特徴について押さえていきます。


ここでご紹介するのは、3つの商品です。

  • 終身タイプの法人がん保険
  • 法人契約の養老保険
  • 法人契約の終身保険
この3つの商品でポイントとなるのは「被保険者と受取人は誰か」という点です。

基本的な考え方としては、受け取るお金が法人に入ってくる場合は「資産」として見なされます。

そのため、貯蓄性と節税効果のバランスは「被保険者と受取人」の関係で調整していくことになります。

終身タイプの法人がん保険

まずは、終身タイプで解約返戻金がある法人がん保険です。


被保険者(保険の対象者)ががんになった際に、手術代や入院費などが保障されます。


終身タイプがん保険の活用方法には

  • 退職金の準備
  • 経営者のがんによる不在に備える
  • 福利厚生としてがんを保障する
の3つがあります。

まず、解約返戻金のピークを退職時に合わせることで、退職金として活用することができます。

また経営者ががんになった際には、がんの保障を受けても解約返戻金が減らず会社の立て直し資金確保が可能です。

他にも、福利厚生の一環としてがん保険に加入するという方もいますが、解約返戻金がなく保険料も福利厚生費として全額損金となる形態が一般的なので貯蓄性はありません。

それでは、以下の契約例を元に具体的な経理処理を見ていきましょう。

  • 契約者・・・法人
  • 被保険者・・・役員
  • 受取人・・・法人
  • 保険期間/払込期間・・・終身

この場合の経理処理はこちらです。

  • 保険期間の前半半分の保険料
    1/2は損金、1/2は資産
  • 保険期間の後半半分の保険料
    全額損金
    前半に資産計上した分を残り期間で割った額を損金にする

節税効果は低いですが、半分損金にしながら退職金を積み立てながらがんの保障も受けられるため、バランスの取れた商品と言えるでしょう。

法人契約の養老保険

法人の養老保険は、万が一被保険者が死亡した際には「死亡保険金」、生存して満期を迎えた場合には「満期金」を受け取れるというものです。


法人が養老保険に加入する場合、次のような活用方法が考えられます。

  • 経営者死亡時に備えた資金
  • 退職金
  • 残された遺族への保障
被保険者と受取人を役員や法人にした場合、役員に万が一があった際でも会社存続のための資金が確保できます。

また、退職に合わせて保険期間を設定して加入すれば、退職金として活用することができます。

他には、受取人を被保険者の遺族にすることで残された遺族の生活立て直し資金として確保することができます。

具体的な経理処理ですが、被保険者と受取人を誰にするのかで保険料の経理処理は大きく変わります。
  • 被保険者・受取人が法人

    資産計上
  • 被保険者・受取人が役員

    損金(給与扱い)
  • 被保険者が役員や従業員、受取人がその遺族や法人
    1/2損金(従業員全員加入)
このように会社がお金を受け取る契約には節税効果が期待できません。

しかし、必ずお金を受け取ることができる商品なので高い貯蓄性を求めるなら最適な商品でしょう。

法人契約の終身保険

資金運用・資産形成といったニーズに向いているのが法人契約の終身保険です。


被保険者が死亡した際に死亡保険金を受け取ることができ、解約時には解約返戻金が戻ってきます。


法人契約の終身保険活用法は、こちらです。

  • 退職金の準備
  • 経営悪化時の資金確保
  • 万が一の際の会社存続資金
終身保険の場合、払込が終わった後は払込総額より多くの解約返戻金が戻ってきます。

払込満了後に退職のタイミングをもってくれば、より多くの退職金を確保することができるでしょう。

また、契約者貸付制度や一部解約で解約返戻金の一部を受け取れるので、経営悪化時の資金を確保することが可能です。

デメリットとしては、貸付金を返済しないと解約返戻金を受け取る際に貸付分を引かれてしまう点です。

また、払込期間前に一部解約することで元本割れする可能性もあるので注意しましょう。

他にも、万が一経営者が亡くなった際に死亡保険金によって会社の立て直し資金手にすることができます。

経理処理については、保険料は全額資産となり節税効果はありません。

主に財政強化や退職金の確保に活用するのが効果的と言える商品です。

保障内容が厚いと貯蓄性は弱くなる

上記で解説した法人保険は、貯蓄性が高い分保険料も割高です。


定期保険に代表されるように安い保険料で大きな保険金額を設定できる商品も存在しますが、この場合は解約返戻金のピークを越えると一気に目減りしてしまうというリスクもあります。


保障内容の厚い商品が保険料を安くできる理由は、解約返戻金をそこまで払う必要がないからなので「保障内容を求めると貯蓄性は弱くなる」と考えておきましょう。


どちらを優先するかは、会社の求めるニーズや必要性、今後の計画からしっかり検討して加入してみてください。


法人保険を選ぶときは貯蓄性か節税性のどちらをとるべき?

法人保険を選ぶ際、節税効果と貯蓄性、一体どちらを選べば良いのでしょうか?


ここで、それぞれのメリットデメリットを確認してみましょう。


貯蓄効果のある法人保険節税効果のある法人保険
メリット会社の資産を増やせる
会社の信頼が高くなる
万が一の際に対応できる
法人税を払わず資産を増やせる
解約返戻金を受け取れる
デメリット支払う法人税が増える
保険料が割高
帳簿上の資産が減るので会社の信頼を損ねる
貯蓄性のある商品より解約返戻金が少ない


会社の信頼を得たい時、黒字経営を守っていきたい時、経営に余裕がある時には貯蓄性のある法人保険を選ぶと良いでしょう。


また、受取人や被保険者の設定次第では半分損金にすることも可能です。


一方、法人税を節約したい人や支払う保険料の負担を減らしたい人は、節税効果の高い法人保険を選ぶのがおすすめです。


いろいろなプランを提案してもらいながら、検討してみてください。  

法人保険における貯蓄効果に関するまとめ

貯蓄効果の高い法人保険について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?


今回のこの記事のポイントは、

  • 貯蓄性と節税効果は反比例する
  • 受取人と被保険者で経理処理は変わる
  • どちらを選ぶかは会社のニーズ次第
です。

まずは、会社の規模や今後の展望、必要としている保障をよく考えるところから始めてみてください。

その点を明確にして保険のデメリットまで理解しておけば、おのずとあなたの会社に最適な保険を選ぶことができるでしょう。

保険ROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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