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法人契約の逓増定期保険はどんな保険?メリット4つとデメリット3つ

法人の逓増定期保険は保険料が損金に算入され、解約返戻率が早い段階で高くなるのが特徴です。しかし、間違った時期に解約するとメリットが台無しになります。今回は法人の逓増定期保険のメリット4つとデメリット3つ、上手に使う方法についてご説明します。

法人契約の逓増定期保険はどんな保険?

逓増定期保険は法人の節税を助けたり、経営者のもしもの時を保障する保険ですが、本当に理解できていますか?

「節税ができる」と保険会社に勧められても、具体的にどのように税金対策できるのかもっと知りたいという方は多いはずです。


逓増定期保険のしくみや上手な活用方法・商品の選び方など基本的な情報を理解することで、法人に有利な財政戦略を立てることができます。


そこでこの記事では、「逓増定期保険」について

  • 逓増定期保険とは
  • 逓増定期保険の4つのメリット
  • 逓増定期保険の3つのデメリット
  • 逓増定期保険を上手に使う方法
以上のことを中心に解説しています。

この記事を読んでいただければ、逓増定期保険の正しい活用法を理解していただけます。

ぜひとも最後までお付き合いいただければと思います。


逓増定期保険は保険金が5倍まで増加する法人保険

逓増定期保険には、以下のように3つのタイプがあります。


  • 全額損金タイプ
  • 1/2損金タイプ
  • 1/3損金タイプ

このように損金算入できる保険料の割合によって種類が異なります。

たとえば、1/2損金タイプの場合は、1年間の保険料を3,000万円として設定すると、損金算入できる額が1,500万円になるということです。

また、逓増定期保険を解約すると「解約返戻金」を受け取ることができます。

この返戻金は保険に加入している年数で返戻率が変動し、1/2損金タイプでは5〜10年で返戻率が90%以上になります。

そして、逓増定期保険は保険金額が最大で5倍まで増えるので、経営者やそのご家族の生活を十分に保障してくれます。

法人契約の逓増定期保険のメリット4つ

逓増定期保険に加入することで法人はどのような得をすることができるのでしょうか。


ここでは逓増定期保険のメリットを4つご紹介していきます。


具体的に4つのメリットとは、

  • 保険料を損金として扱うことができる
  • 経営者のもしもの場合に対処できる
  • 従業員の退職金と病気・死亡のためにまとまったお金を用意できる
  • そのほか緊急時の資金をすぐに準備できる
です。

節税効果があるのはもちろんですが、従業員と経営者のもしものときにとても頼りになる法人保険でもあります。

会社や従業員にとって有益な逓増定期保険の上記4つのメリットの詳細について解説します。

【メリット1】保険料が損金算入できる

逓増定期保険の保険料は「損金」として扱うことができるので、うまく運用すれば大きな節税効果があります。


例えば50%損金タイプでは保険料のうち半分が資産計上され、残りの半分は損金に算入されます。


資産計上されたお金は課税対象ですが、損金として扱われたお金は課税の対象にはなりません。


このように本来は100%資産計上されるはずだった資金を、保険料を支払うことで50%分を損金として扱えるので支払う税金を少なくできます。


【メリット2】経営者のもしもの場合に対処できる

税金対策だけではなく、経営者の万が一のときにもまとまったお金が用意されるのが逓増定期保険です。


例えば3,000万円を保険金としてあらかじめ設定していた場合、被保険者である経営者が死亡時に遺族が受け取る金額は最大で1億5000万円にもなります。


保険金が倍になる理由は、企業が成長するにつれて会社や経営者のご家族のリスクが大きくなることが考慮されているためです。


そのほかにも被保険者が高度な障がいを抱えてしまった場合にも保障がきく法人保険です。 


障がいが原因で働けなくなってしまった場合に、お子さんの学費やローンの返済などの出費を保障してくれます。
  

このように経営者側にとっても大きなメリットがある法人保険です。

【メリット3】従業員の退職金の準備と病気や死亡に対応

逓増定期保険は役員や経営者のためだけの法人保険だと思われがちですが、従業員にもしっかりとメリットがあります。

役員や経営者と違い、1億円を超える保障額は設定できませんが、2つの条件をクリアすることで加入できます。


  • 亡くなった場合の保障金は2,000万円〜5000万円まで
  • 対象となる従業員が受け取っている年収の5倍まで

このように限度額はありますが、従業員にも十分に高額といえる保障があることは逓増定期保険の強みです。

【メリット4】緊急時の資金確保ができる

税金対策と死亡保障に関して説明させていただきましたが、そのほかにも「契約者貸付」といって想定される解約返戻金の中から資金を借りられる制度があります。


つまり、解約返戻金を担保に保険会社が経営者にお金を貸し付ける制度です。


保険そのものは解約しているわけではないので、保障を受けながら低利子で資金を融資してもらえます。


さらに一部解約もできますので、解約返戻金の割合が一番高くなった従業員や役員の保険を部分的に解約していく方法もあります。

一部解約をすることで解約返戻金が支払われますので、会社の経営が苦しいというときに資金を確保できます。


このように逓増定期保険をうまく運用していけば、法人や会社の赤字を埋めていくことができます。


法人契約の逓増定期保険のデメリット3つ

逓増定期保険のメリットをご説明しましたが、逆にデメリットはあるのでしょうか。


法人契約の逓増定期保険のデメリットは、

  • 解約返戻率が低い時に解約すると損
  • 解約時に“出口戦略”を考えておく必要性がある
  • 高い保険料で経営が悪化する場合もある

の3つです。


逓増定期保険は4つのメリットがある法人保険ですが、加入する前にリスクを知っておく必要があります。


保険会社がなかなか説明してくれない3つのデメリットをわかりやすく解説します。


【デメリット1】解約返戻率が低い時に解約すると損になる    

解約返戻金(解約金)はさきほども説明しましたが、保障期間によって金額が違ってきます。


逓増定期保険のタイプによって解約返戻率のピークは違いますので、解約を考えている方はあらかじめピーク時期を知っておく必要があります。

解約する場合の注意点は、解約返戻率が低い時に解約してしまうと損をしてしまうことです。


参考までに1/2損金タイプの保険を例に説明します。


1〜4年目までは解約返戻率が低い状態ですが、5年目からは一気に95%近くまで解約返戻率が上昇します。


この割合は10年目まで維持され、10年目を境に減少し最終的には0になります。


このように解約返戻率のピークが来る前、または過ぎてから解約をしてしまうと、期待していた解約返戻金を受け取れなくなるので注意が必要です。


【デメリット2】解約時に出口戦略を考えておく必要がある

経済損失をいかに少なくし節税をしていく“出口戦略”を考えておくことは、この法人保険の運用にとって必要不可欠です。


逓増定期保険でいう出口戦略とは解約時に解約返戻金をどのようにして使うかということです。


逓増定期保険には「全額損金タイプ」「1/2損金タイプ」「1/3損金タイプ」がありますが、それぞれ解約返戻率のピークは違います。


会社の財務上の出口戦略を考えるのであれば、解約返戻率が最も高いときに解約をして、さらに使い道のことまで考えておかなければなりません。


しかし、法人が資金を必要としているときに解約返戻率のピークが被るとは限りません。


会社の将来の財務状況をしっかりと見積もる必要があり、どの商品が自分の会社にマッチしているのかを考えて選ばなければなりません。


この運用の難しさが逓増定期保険の2つ目のデメリットといえます。

【デメリット3】高額な保険料によるキャッシュフローの悪化に注意

逓増定期保険は死亡保険金が保険料の5倍まで膨らむなど保障が厚いため、保険料が高額に設定されています。


そのため、十分な資金を準備できない法人などが加入してしまうと会社のキャッシュフローが悪化してしまう恐れがあります。


解約時に返戻金が戻ってはきますが、毎年の保険料は発生しますので法人の状況にあったタイプの逓増定期保険を選びましょう。

法人の逓増定期保険を上手に使う方法

逓増定期保険を上手に使うには解約返戻金を受け取るときに何らかの対策が必要です。


解約返戻金は「益金」扱いなので、課税の対象となるので注意してください。


このため解約返戻金を損金として計上するために、解約返戻金をどう使うのか出口戦略をよく考えておく必要があります。


あやふやに節税になるからという理由で加入するのではなく、明確な目的を作ってから加入するようにしてください。


解約返戻金受取時に合わせて従業員の退職金を支払う

解約する時に解約返戻金というまとまったお金が手に入るので、退職金として活用できます。


逓増定期保険のタイプによっては数年でピークがくるものから、数十年後に解約返戻率のピークに達する商品もあります。


特に1/3損金タイプの解約返戻率のピークは加入してからおよそ20年後と非常に遅いです。


このように様々なタイプがあるのが逓増定期保険です。


この逓増定期保険を利用すれば、従業員の退職時期に合わせて保険を解約することで退職金のためのまとまった資金を準備できます。



解約返戻金受取時に合わせて経営資金に使う

解約返戻金で得たお金は会社の事業拡大における経営資金として上手に使いましょう。


解約返戻金をより多く得るためには解約返戻率が高い時期に解約をすることがベストです。


言い換えれば、解約をする時期を事業拡大や人材確保など大きな出費をする時期に合わせなければなりません。


参考までに1/2損金タイプは、5〜10年目の間で解約返戻率のピークを迎えますので、この間に大きな出費や損出が予想される法人が加入するといいでしょう。


起業してから数年は保険料を損金算入して節税し、事業拡大や新しい人材の確保に資金が必要となったときに、解約返戻金を受け取ります。


このように法人の必要な時に解約することで節税をしつつまとまった資金を用意できるのです。



まとめ:逓増定期保険は解約時期とその用途に気をつけよう

逓増定期保険をまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 逓増定期保険のタイプは目的を明確にしたうえで決める
  • 解約返戻金の受け取りは解約返戻率のピークを考慮する
  • 逓増定期保険の保険料は損金算入なので節税できる
  • 解約返戻金をどのように使うか出口戦略を考えておく

 です。


法人の規模や解約返戻金の使い道をよく考えて逓増定期保険のタイプを選ぶことが重要になってきます。


そうすれば大きな節税効果が期待できるだけでなく、従業員の退職金や法人の緊急時にまとまったお金を解約返戻金として受け取ることができます。


逓増定期保険のメリットをしっかりと知ったうえで法人保険の加入を検討しましょう。


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