海外旅行中に入院…ピンチに欠かせない、海外旅行保険の救援者費用

もしも海外旅行中に病気やケガで入院し、家族の助けが必要となったら?海外旅行保険では、日本から家族などの救援者を呼び寄せる費用が補償されます。思わぬ高額となる可能性もある、海外旅行保険の「救援者費用」の補償内容と加入の注意点について解説します。

海外旅行保険の救援者費用とは?どのぐらいの保障金額があればいいの?

海外旅行保険の補償のひとつである救援者費用

 

治療費用とならんで重要とされる補償のひとつです。 


被保険者が旅行中に病気やケガで一定期間入院したときや亡くなったときに、日本から駆けつける救援者の旅費などが支払われます。  


この記事では、海外旅行保険の救援者費用はどれくらい必要なのか、救援者費用の補償の対象となるケースと対象とならないケースについて説明します。


ぜひ最後までご覧ください。


海外旅行保険の救援者費用は300万円ほどあれば十分

海外旅行保険の救援者費用で、救援者と認められるのはおおむね3名までです。 

3名の渡航費用と滞在費を一人あたり50万円とすると、合計で150万円。 


ここに諸経費、患者(場合によってはご遺体)の移動費用も加わります。 


おそらく通常は300万円程度あれば十分ではないかと思います。 


また最近の海外旅行保険では「治療費用」と「救援者費用」をセットにして「治療・救援者費用」として販売しているものも増えてきています。 


こちらの方が、合計の保険料は割安に設定されています。 


この場合、治療・救援者費用の上限額は最低でも1,000万円は欲しいところです。

海外旅行保険の救援者費用とは万が一の時に家族が現地に駆けつけるための費用のこと

海外でたった一人で入院することになってしまったら、もちろんとても不安でしょう。

一人では身動きがとれず、入院生活や各種手続きもままならないかもしれません。 


そんなとき頼れる身内の方が来てくれれば、どんなにありがたいでしょう。 


海外旅行保険の救援者費用は、こういったときに家族が現地に駆けつけるための費用なのです。

救援者は家族だけではなく親族以外の友人や、会社の同僚でも救援者にあたる

救援者として現地に呼べるのは家族だけなのでしょうか。 

いいえ、ご身内に限らず友人や会社の同僚などでも問題はありません。 


海外旅行保険における救援者は「被保険者の親族(代理人を含む)」と定義されています。 


法律上の親族以外でも、救援者として現地へ赴くためにかかった費用が補償されます。

海外旅行保険の救援者費用として支払われるケースとは

一般的に、海外旅行保険において救援者費用が支払われる条件は次のようになっています。  

  • ケガをした日から180日以内に死亡したとき 
  • 病気により死亡したとき 
  • 病気にかかり医師の治療を受け、旅行行程終了後30日以内に死亡したとき 
  • ケガまたは病気により継続して3日以上入院したとき 
  • 搭乗している航空機、船舶などが行方不明または遭難したとき 
  • 事故により生死が確認できない場合、または緊急の捜索や救助活動が必要となったとき(ただし被保険者の無事を確認後に現地に向かった救援者の費用は対象外) 


また、支給される主な項目は以下の通りです。


  • 遭難した被保険者を捜索、救助または移送する活動に必要となった費用
  • 救援者の現地までの航空機などの往復運賃
  • 現地および現地までの行程における救援者の宿泊施設の客室料
  • 救援者の渡航手続費 
  • 救援者・被保険者が現地で支出した交通費 
  • 被保険者の入院・救援に必要な身の回り品購入費および国際電話料等通信費など

海外旅行中の事故や病気で3日以上の入院から発生する

支給条件の中で、通常最も該当する可能性が高いのは


「ケガまたは病気により継続して3日以上入院したとき」


なのではないでしょうか。


入院したからといって必ず救援者費用の適用となるわけではなく、その条件としては入院期間3日以上というのが一般的です。


おおむね入院が継続して3日以上である場合に適用され、呼ぶことができる救援者は3名までとなっています。 


ただし入院が7日以上にならないと救援者費用を補償しない保険もあります。


あわてて家族3人で荷物をまとめて出発せず、現地に向かう前に必ず確認しましょう。 

死亡したり、飛行機や船が遭難したり、行方不明になったりしたときの捜索や救助費用

被保険者の乗る飛行機や船が遭難してしまったとき。

捜索・救助費用のうち、被保険者や親族が払った分について救援者費用から補償されます。 


また不幸にして亡くなられた場合のご遺体の回収費用についても同様です。 

ホテルなど宿泊施設の客室料(救援者3名分×14日分までが一般的)

救援者の現地でのホテル客室料が、救援者費用から補償されます。 

救援者3名分×14日分までというものが大半ですが、2名までとする保険もあります。 


また「3~6日の入院では1名×14日分」だが「7日以上の入院なら3名×14日分まで」という場合もあります。 


こちらも必ず事前に確認してください。

渡航手続き費用・現地での諸雑費

その他手続きの費用や、現地における救援者の交通費なども支払われます。  

また被保険者の入院に必要な物品の購入費や、国際電話の通信費なども補償されます。 


ただしこれら費用には、救援費用の中でも「20万円まで」等さらに細かい支払い限度額が設けられている場合があります。 

遺体処理費用・移送費用

救援者の往復交通費だけではなく、被保険者の移送費用も救援者費用から補償されます。  

  • 被保険者が亡くなられた場合の、ご遺体の処理費用や日本への輸送費用 
  • 治療継続中の被保険者を現地から日本の病院などへ搬送するための費用  


というように、生死に関わらず救援者費用からの補償となります。


ただしどちらも、もし無事であったなら帰国時に乗る予定だった交通手段の払戻し運賃は差し引いて支払われます。


けっこうシビアですね。 


また被保険者の症状が重篤である場合、搬送に医師や看護師をともなうことも考えられます。 


その場合は、搬送費だけでかなり高額になる可能性もあります。 


下手をすれば治療費用よりも搬送費用のほうが高いことも少なくありません。 


ゆえに救援者費用は、海外旅行保険において治療費用とならんで重要といわれるのです。 

海外旅行保険の救援者費用として補償外になるケースとは

たとえ入院しても死亡しても、救援者費用が支払われない場合もあります。


海外旅行保険救援者費用で、補償の対象外となるのはどんなケースなのでしょう。


主なパターンについて確認していきましょう。


本人あるいは保険金受取人が故意による事故や重過失

契約者本人や保険金受取人がわざと起こした、またはあまりにも大きな過失がある事故により怪我を負ってしまった場合。

他の保険と同じく、もちろんこれは補償の対象外となります。


しかし交通ルール一つ取っても、海外と日本では大きく違うもの。


たとえ「わざとではない、知らなかった」と主張しても、事故が重過失ととらえられてしまう可能性は大いにあります。


特に運転をするときには、ルールを確認して細心の注意を払うようにしましょう。

無免許運転や飲酒運転などが原因の事故

自動車やオートバイの無資格運転・酒気帯び運転・麻薬など薬物を使用した上の運転で事故をしてケガを負ってしまったとき。 

この場合も救援者費用はもちろん、海外旅行保険全体の補償対象となりません。 


海外旅行の非日常感に酔って、普段は絶対にやらないような行為に手を染めてしまう方も少なくはありません。


海外であるからこそ節度を守り、あまりはめをはずさないようにご注意ください。

喧嘩や自殺・旅行開始前から発病していた病気による入院

喧嘩や自殺行為で負傷した場合も、本人の責任部分が大きすぎるため原則として補償対象外です。  

ただし自殺に関しては、事情がやや異なります。


「補償期間中に被保険者が自殺行為を行った日から180日以内に死亡したとき


この場合に限り、救援者費用については支払われる場合もあるのです。 


また、旅行開始前から患っている病気による治療は海外旅行保険の対象とはなりません。 


たとえばもともと心臓疾患があり、海外旅行中に心臓発作を起こして倒れてしまった場合などですね。


持病があるから海外旅行保険に入っても倒れたとき保障されない。


保険がつかえないから、怖くて海外旅行に行けない…。 


そういう方もいらっしゃるのではないでしょうか。 


しかしそんな場合「応急治療・救援費用担保」という特約がつけられる保険もあります。 


海外旅行中に持病(既往症)が急激に悪化して病院にかかったとき、診療代や入院費が補償の対象となります。 


保険料は高めですが、不安のある方はご検討されてはいかがでしょうか。

参考:複数のクレジットカード付帯の海外旅行保険で救援者費用も合算される

海外旅行保険付帯のクレジットカードを複数持つことで、治療費・救援者費用携行品損害・個人賠償などの補償上限金額が、すべてのカードを合算した額になります。 

重複してもらえるわけではなく、上限額が上がるだけですのでご注意ください。

ちなみに死亡・後遺障害保険金については、合算した額にはなりません。 


それぞれのカードの中で最も高い保険金額を限度として、各保険から按分して保険金が支払われる形になります。 


医療費が高騰している場所、たとえばニューヨークなどでは、病気やケガの治療費が数百万~数千万円に及ぶこともあります。


もしそういった所に長期間滞在するときは、海外旅行保険付帯のクレジットカードを複数枚持っていても安心とは言い切れません。 


さらに保障を万全とするために、クレジットカード付帯保険と一般の保険とを組み合わせることをおすすめします。 


治療費などの補償限度額が上がることはもちろん、死亡・後遺障害の補償金額については 


  • 一般の海外旅行保険の補償額 
  • クレジットカード付帯保険の補償額(複数なら最も高い金額) 


この二つが単純に合算された額となります。


またクレジットカード付帯保険は、病気による死亡や歯科治療を補償できません


歯の治療ができないとなると、長期滞在は厳しいと言わざるをえないのではないでしょうか。

まとめ

思った以上に高いコストがかかる救援者費用。  

海外旅行保険は「あなただけのため」のものではありません。 


何かあったときには、ご家族は日常生活を放り出してあなたの元に駆けつけることになるのです。 


ご家族は、あなたが無事に帰国することを祈っています。 


もしものことがあったときの対応について、事前にしっかりご家族と話し合っておくことも忘れないでください。

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