突然の旅行キャンセルに備える海外旅行保険の旅行変更費用特約とは?

海外旅行の途中で起きたトラブルによって旅行を中止せざるを得ない時には、海外旅行保険の旅行変更費用特約が便利。しかし、保険会社によっては海外旅行保険に旅行変更費用特約が付帯されていないこともあります。特約の付保を確認して安心して海外旅行を楽しみましょう。

海外旅行保険に加入している場合、旅行変更費用にかかった費用はどのぐらい補償されるの?

海外では治安の状況や社会的なインフラといった点が日本とは違うため、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。


たとえば、テロ行為によって予定していた日程が変更になったり、空港が閉鎖されたりした場合には、旅行の中止、または空港での足止めといった状況に追い込まれてしまう可能性があるのです。


そうなると、飛行機代や宿泊代など、予想外の出費を強いられることとなります。


そのような時に役立つのが海外旅行保険の旅行変更費用特約です。


ここでは、海外旅行保険の旅行変更費用特約について解説いたします。

海外旅行保険では、補償外だが旅行変更費用特約を付帯させることによって補償の範囲になる

たとえば、海外旅行先で思わぬ事故に遭って、死亡もしくは危篤状態に陥った時、あるいはそこまでいかなくても入院しなければならない大けがを負った時などは、やむを得ず旅行を中止して帰国せざるをえない場合があります。

このような場合に発生する費用を補償するのが旅行変更費用特約です。

通常、海外旅行保険では、死亡補償や治療費などの保険金は支払われますが、旅行を途中でキャンセルしたために支払わなければならない費用を補償する旅行変更費用特約については保険会社によって取扱が異なり、補償の対象となっていない可能性があります。


保険会社によっては、旅行変更費用特約が海外旅行保険のパッケージに組み込まれていないことがあるからです。


もしも、旅行変更費用特約が海外旅行保険のパッケージに組み込まれていない場合には、旅行途中の事故や急な病気などにより、旅行をキャンセルして帰国せざるを得なくなった場合に発生する費用は補償されません。


そのようなことがないように、海外旅行保険に加入する場合には、旅行変更費用特約の付帯がされているか否かを確認し、もしも付帯されていなければ、特約として付帯することをおすすめします。

旅行変更費用特約は、出発前も出発後も補償の範囲である

旅行変更費用特約は、海外旅行保険に付帯される特約ですから、保険期間も海外旅行保険と同じです。

海外旅行保険の保険期間は出発前から始まり、旅行終了後、自宅に戻るまでとなっています。


そのため、旅行変更費用特約による補償が適用されるのも、出発前および出発後となります。


たとえば、被保険者およびその配偶者が、出発前に交通事故に遭い、入院をしたことによって旅行を中止した場合に発生したキャンセル料は旅行変更費用特約で補償されるのです。


しかし、出発前の入院が原因による旅行のキャンセルに伴う補償は、3日以上の入院が条件となっています。


3日を超えない入院による旅行のキャンセルは補償の対象とはなりませんので、注意が必要です。

旅行取り消し料・査証料・予防接種料などの渡航手続費などが支払われる

海外旅行に出発する前の事故によるケガや病気による入院などによって、旅行をキャンセルした場合に旅行変更費用特約で支払われる費用は次の通りです。
  1. 旅行取り消し料
  2. 査証料
  3. 予防接種料
  4. その他、キャンセルに係る料金として旅行会社に支払った手数料

これらの費用が保険金額を限度として支払われます。

海外旅行保険の旅行変更費用特約の保険金が支払われる内訳とは

海外旅行保険の旅行変更費用特約によって保険金が支払われるのは、次に掲げる理由によって旅行を中止した場合です。


  1. 保険の対象者(被保険者およびその同行者)が死亡もしくは危篤状態となった時、およびケガまたは病気によって入院をした場合。(出国前は3日以上入院した時)
  2. 保険の対象者の配偶者、3親等内の親族が死亡もしくは危篤状態となった場合。
  3. 保険の対象者の配偶者、2親等内の親族がケガや病気によって14日以上入院をした場合。
  4. 保険の対象者が搭乗する飛行機もしくは船舶が遭難したり、旅行中にアイゼン、ピッケルなどの道具を用いて行う山岳登攀をしている途中で遭難したりした場合。
  5. 急激かつ偶然な外来の事故によって、保険対象者の捜索または救助が必要となったことが警察などの機関によって確認された場合。
  6. 火災、水災などによって、保険対象者の居住する家屋や家財が100万円以上の損害を受けた場合。
  7. 保険対象者が裁判の証人や鑑定人として裁判所に出頭する場合。
  8. 旅行先での、戦争、テロ行為、宿泊先や交通機関の火災・事故、日本政府からの退避勧告などがあった場合。
  9. 感染症等による隔離が発せられた場合。

これらの理由により支払われる保険金は出国中止費用と中途帰国費用とに分けられ、それぞれが旅行変更費用特約の保険金額を限度として支払われることとなります。

出国中止費用:出国中止したことにより支払った費用

出国中止費用とは、旅行に出発する前に被保険者やその同行者が死亡したり、3日以上入院したりして旅行を中止した場合に、旅行会社に対して支払う費用のことです。

その中には、取消料、違約料、渡航手続費用などが含まれます。

中途帰国費用:企画旅行の場合と企画旅行以外の場合の費用

中途帰国費用とは、旅行中に発生した事故や急病によって、旅行を中止し、帰国する場合に旅行会社に対して支払うのことです。

中途帰国費用は企画旅行であるか否かによって、支払われる保険金額が異なります。


企画旅行の場合、旅行変更費用特約の保険金額と実際の旅行費用のいずれか少ないほうの金額に、旅行日程のうち中途帰国した日を差し引いた残日数を全旅行日数で除した数を掛けた金額が支払われる保険金となります。


企画旅行以外の場合には、取り消し料、違約料などの名目で旅行会社支払った費用のほか、査証料、予防接種料などの渡航手続きに要した費用が支払われます。

海外旅行保険の旅行変更費用特約の保険金が支払われない主な場合

海外旅行保険の旅行変更費用特約で保険金が支払われない主な場合は次の4点です。
  1. 契約者、保険の対象者または保険金受取人の故意または重大な過失
  2. 保険の対象者のケンカや自殺行為
  3. 戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変
  4. 日本国内における地震、噴火またはこれらによる津波や放射線照射、放射能汚染

契約者、保険の対象者または保険金受取人の故意または重大な過失

あえて事故を起こしたり、事故にあうことが十分に予見されているにも関わらず注意を怠り、事故を起こした場合を、故意または重大な過失による事故と呼び、保険会社は保険金を支払いません。

保険の対象者のケンカや自殺行為、犯罪行為

被保険者や旅行の同行者といった、海外旅行保険の対象者がケンカをしたり、自殺行為もしくは犯罪行為をしたことによって、旅行を中止した場合には、保険金は支払われません。

戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変

戦争や革命、武装反乱などの事変によって、海外旅行の中止を余儀なくされた場合、保険金は支払われません。

しかし、同じ武力による事変であっても、テロ行為によるものは除かれます。

日本国内における地震、噴火またはこれらによる津波や放射線照射、放射能汚染

日本国内で地震や噴火、さらにはこれらの災害による津波や放射線照射、放射能汚染などが発生し、旅行を中断した場合にも、海外旅行保険の旅行変更費用特約による保険金は支払われません。




参考:海外旅行のキャンセル費用の補償を受けたい方は少額短期保険の旅行キャンセル保険のチケットガードという手も

海外旅行に出発する前のキャンセルに伴って発生するキャンセル費用の補償が欲しい、という人は少額短期保険株式会社が販売している旅行キャンセル保険のチケットガードを利用する方法があります。

チケットガードは、被保険者と旅行の同行者およびその配偶者や3親等内の親族が死亡したり、ケガや病気で入院したりして、旅行をキャンセルした場合に加え、2時間以上の交通機関の遅延によって旅行を中止した場合のキャンセル費用を保険金額を限度に支払う保険です。


出国前の補償が旅行変更費用特約と重なる部分がありますが、旅行変更費用特約には、出国をした後のトラブルによるキャンセル料の支払いのみを補償する特約が設けられているため、その特約を利用することでチケットガードと併用することも可能です。


ただし、チケットガードは企画旅行の利用を前提とした保険となっています。


そのため、航空券や宿泊費用のみの予約をする場合には加入できないので、注意が必要です。

まとめ

いかがでしたか。

旅行変更費用特約について解説いたしましたが、ご理解いただけましたでしょうか。


海外旅行では、急な予定変更による出費は避けたいものです。


そのための補償として海外旅行保険の旅行変更費用特約への加入をおすすめします。

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