海外旅行保険に加入して告知義務違反になるのはどんな場合か解説!

海外旅行保険に加入する際には、傷病歴や持病等の有無を告知書に記載しなければなりません。海外旅行保険への加入に不利になるからと、都合の悪い事実を書かなければ告知義務違反になります。告知義務違反になると、保険会社から契約を解除されてしまうこともあります。

ケガや病気で治療中の場合、海外旅行保険に加入はできないの?告知義務違反とは?

海外旅行保険とは、海外を旅行中に予期せぬ病気・ケガ・事故等に遭遇したとき、それが原因で負担した分を金銭的にカバーしてくれる保険です。


この保険は傷害保険の一種ですが、病気・ケガの補償の他、海外旅行中に起こるいろいろな事態を総合的に補償する商品です。


ただし、海外旅行保険は加入を希望する方が、生命保険会社に申し込んだだけで契約できるわけではなく、保険会社側が加入を認めなければ契約を締結できません。


生命保険会社が加入を認めるかどうかを決める重要な書類が告知書です。この書類に記載した健康状態等の内容によっては加入を拒否される場合もあるのです。


残念ながら加入希望者の中には拒否されることをおそれ、健康上の異常があることを偽り契約する方もいます。


しかし、偽って加入したことが明らかになれば、生命保険会社から告知義務違反を問われてしまうことになります。


そこで、今回は海外旅行保険における告知義務違反について解説します。この記事を読めば、契約の際に正確に告知することの大切さが、ご理解頂けるはずです。




持病や既往症などの健康上の異常があると海外旅行保険に加入できない

海外旅行保険のみならず傷病を補償するタイプの保険は、生命保険会社が加入希望者の健康状態を把握する「告知義務」という審査があります。

この審査で健康上に問題があると判断された方は、海外旅行保険に加入することができません。


審査基準は各生命保険会社により異なりますが、概ね次のような場合は加入を拒否されてしています。


  • 病気・ケガで治療中の方
  • 医師からの指示された薬を服用している方

海外旅行保険における告知義務違反について解説!

海外旅行保険の加入を希望する際には「海外旅行保険加入申込書」の他、「告知書」と言う、質問項目に回答する形で告知する書類を提出することが必要です。


この書類へ正確にご自分の健康状態等を記載しなければ、「告知義務違反」となります。以下では告知しないと告知義務違反になる場合や、告知が必要ない場合を説明します。

海外旅行保険における告知が必要な場合とは?

海外旅行保険へ申し込む際に、告知が必要とされている事項は主に次の通りです。こちらの事項に嘘の回答をすれば、告知義務違反となります。


  • 現在の健康状態
  • 過去の傷病歴・持病の有無
  • 身体の障害状態
  • 他の傷害保険契約に加入しているか
  • 過去における保険金の請求・受領の有無
  • 旅行行程中の危険な運動等の有無等

告知が必要な場合は、病気やケガだけにとどまらず、旅行中の危険な運動も該当します。


渡航先で行うスカイダイビングやハンググライダー、ボブスレー、ロッククライミング、ピッケル・アイゼン等使用する山岳登はん等、決して安全なスポーツとはいえないものが該当します。


安全なスポーツと偽って保険へ加入し、渡航先で危険なスポーツが原因で大事故に遭っても告知義務違反として、まったく保険金が下りない場合があります。

告知義務違反にはならない、告知が必要ない場合とは?

海外旅行保険へ申し込む際に、告知しなくても良いケースがあります。概ね次のような病気・ケガは告知書に記載しなくても告知義務違反にはなりません。


  • かぜ
  • 食中毒
  • 軽症で定期的な医師の治療を要しないすり傷、切り傷、やけど等
  • 虫歯
  • 市販のかぜ薬・胃腸薬等の服用 等

持病があり海外旅行保険に加入する場合、特約などをつける方法もある

持病がある場合でも、その症状によって年に数回程度の検査のみを受けているケースや、投薬等を行うために毎週医療機関へ通院しているケースもあります。


そのため、生命保険会社によっては持病の部分だけ補償の対象外にするなど、条件付きで海外旅行保険に加入を認められることがあります。


告知義務違反になるリスクを冒して持病を黙っているよりも、積極的に生命保険会社と持病について相談すれば、良い結果につながることもあります。

疾病に関する応急治療・救援費用担保特約とは?

持病があっても条件付きで海外旅行保険に加入できて一安心、というわけにはいきません。旅行前は元気でも、渡航先で持病が悪化してしまう場合も考えられます。

そこで事前に主契約の海外旅行保険に付加したいのが「疾病に関する応急治療・救援費用担保特約」です。


この特約は、渡航先で持病が悪化してしまった場合、その治療や救援費用を受け取ることができます。


ただし、全ての生命保険会社で扱っている特約ではありません。また、対面契約が基本で保険期間はおよそ31日以内保険金額は300万円が上限と制限があります。

海外療養費制度を利用して対処する方法もある

海外旅行保険には持病等の関係で加入できなくとも、公的な制度を活用する方法もあります。それが、「海外療養費制度」です。


この制度は、健康保険または国民健康保険の加入者が、海外渡航中に病気・ケガで現地の医療機関で治療を受けた際に、海外療養費支給申請書を提示することで、一部の医療費の払い戻しを療養給付費として受けることが可能です。


海外療養費の申請は、各保険者(健康保険:健康保険組合窓口、国民健康保険:市区町村窓口)で、書類を取得し手続きを行います。

告知義務違反が原因で、保険金が減額されたりすることもあるので注意が必要!

持病等があることを告知せずに海外旅行保険に加入した場合、後日その事実が発覚すれば告知義務違反に問われます。


告知義務違反になると、保険金の減額はもとより、保険事故があっても保険金を受け取ることができない場合や、生命保険会社から契約解除をされてしまうこともあります。


告知義務違反になってしまうと、渡航先で病気やケガをした場合、保険金が受け取れず深刻な事態が発生することもあります。

まとめ

告知書に正確な記載をしなければ告知義務違反になります。一方で、告知義務違反をせずに正確にご自分の持病等を記載して、生命保険会社から加入を拒否されることもあります。


しかし、生命保険会社の審査基準は各社ともそれぞれ異なります。


そのため、「あの保険会社では断られたけれども、この保険会社に条件付きで加入が認められた。」と、言うこともあります。


諦めずに、加入を認めてくれる保険会社を探すことも、海外旅行で万が一の事態に備えるための必要な行動と言えます。

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