学資保険と個人向け国債を比較!国債投資の魅力とデメリットを解説

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教育資金を準備する方法は、学資保険に限りません。学資保険と比較して、信用度が高くリスクも低い、個人向け国債で学資保険を準備する方法もあります。国債は金利が低く、換金時のデメリットもありますが、学資保険にはないリスク対応が可能です。

学資保険と個人向け国債を比較!それぞれの特徴も解説



子どもの将来のために教育資金の準備に頭を悩ませている方は多いと思います。


学資保険で教育資金を準備しようと各社の返戻率(利回り)を見比べても、以前に比べてあまり増えなくなっている傾向があり、学資保険で教育資金を準備することに対して、不安を感じてしまいますよね?


返戻率が低くなっていることもそうですが、一見すると返戻率が100%以上であれば損はないように思えますが、実は学資保険だけで教育資金の準備をするのはリスクがあります。


学資保険以外にも教育資金を準備する方法はたくさんありますが、学資保険のリスクがカバーできて、その中でも一番リスクが低いと言われてる「個人向け国債」と比較するとわかりやすいと思います。


そこで、この記事では「学資保険の代わりに個人向け国債が活用できるか」の観点で、

  • 個人向け国債はどんな特徴があるのか?
  • 個人向け国債を学資保険と比較したときのメリット・デメリットは?
  • 個人向け国債の中でも種類によってメリット・デメリットが異なる?

以上のことを中心に解説していきます。


教育資金を準備する方法は学資保険以外にも、個人向け国債、地方債や社債、外国債券、(国内・国外)株式、投資信託、定期預金、外貨預金、FX(外国為替証拠金取引)、CFD(差金決済取引)などがあります。

資産運用商品

示唆運用商品
この記事では、「投資の基本中の基本」といわれる個人向け国債の仕組みについてご説明していきますので、最後までご覧いただければ、他の金融商品についても考え方が応用できると思います。  

国債とは?個人向け国債の特徴は?


国債とは債券(借金の証明書)の一種で、国が発行する債券のことを国債と呼んでいます。

国債の主な特徴としては、次の4つのポイントがあげられます。

  • 国が発行している信用度の高い借金証明書
  • 満期(償還日)が設定されており、国に貸したお金(元本部分)は元本割れなし
  • 満期までに、半年ごとに金利の支払いを受けられる(割引国債はなし)
  • 発行体(日本国)が破たんすると貸していたお金は返ってこない(デフォルトリスク


要するに国債は、自分のお金をしばらく国に預けておくことによって、その対価(金利など)を得ることができるものです。


国債の種類については、様々な種類がありますが、ここでは個人向け国債について説明します。


個人向け国債とは、国債の中でも個人が購入しやすい国債です。


少額から購入でき、元本割れしにくく、預け入れ期間も3~10年と短く、個人でも購入しやすい点が優れています。


中途換金制度も利用でき、発行後1年経てば換金できるようになっています。


個人向け国債は、現在、次の3種類があります。


※ここで解説しているのは日本国債のみです。中上級者向けとして、外国の国債もありますが、ここでは割愛します。

  • 変動10年
  • 固定5年
  • 固定3年

すべての金融商品の金利や価格は、その国の国債の金利を基準に決まります。


国債は奥が深い金融商品なので、投資のことに興味がある方はぜひ調べてみてください。

学資保険の代わりに個人向け国債を買うメリット


教育資金を準備する方法として、学資保険の代わりに個人向け国債を買うという方法もあります。

学資保険に比べて、国債で教育資金を準備する場合には、大きく分けて2つのメリットがあります。

学資保険の代わりに国債を買うメリットは、以下の通りになります。
  1. 国が発行する債券のため、銀行や保険会社よりも信用度が高い
  2. 変動金利10年は、インフレになると自動的に金利が上昇し、物価の上昇に追いついてくれる

それでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

銀行や保険会社よりも国の信用度が高い

まず、一つ目のメリットは、個人向け国債は日本国が発行する債券なので、信用度が高いことがあげられます。

信用度とは、その金融商品がどれだけ健全に運用されるかの指標となっていますが、個人向け国債は、その信用度が銀行や保険会社よりも比較的高いとされています。

銀行には、預金1,000万円まで保護される制度がありますし、保険会社も責任準備金の90%までは保証される制度がありますので、万が一経営が破綻した場合でも一定の保障はあります。

しかし、銀行や保険会社が倒産するリスクと日本国が破綻するリスクを比較すれば、どちらのリスクが高いかは一目瞭然でしょう。

個人向け国債は日本国が元本と金利の保証をしているので、日本国の財政が破綻しない限り、損をすることがない金融商品です。

様々な金融商品と比較しても、個人向け国債は信用度が高く、元本割れのリスクがほぼないので、教育資金の運用方法の一つであると言えるでしょう。

学資保険と異なり、個人向け国債はインフレリスクにも対応できる

もう一つ目のメリットは、インフレのリスクにも対応できる点です。


お金を投資せずに貯金をしていれば、リスクはないと思う方もいるでしょう。


インフレとは物価の価格が上昇することで、お金の価値が下がることを言いますが、お金をそのまま持っていても、お金の価値が下がり損をしてしまうこともあるのです。


日本は、安倍内閣の経済政策アベノミクスでインフレ率2%を目標としています。


この政策が成功すれば、今1,000円で買えるものが、数年後には1,020円を出さないと購入できないようになります。


このことが国の目標として定められているのです。


実際に、国立大学の授業料を見てみると、1985年時点では252,000円ですが、2015年時点では535,800円と大幅に上がっています。


学資保険に加入すると、決められた祝金や満期保険金が受け取れますが、将来お金の価値が下がっていた場合には足りない可能性があります。


一方、変動金利型の個人向け国債を購入していれば、半年毎に利率が見直されるので、物価が上昇してもその分金利が増え、実状に沿った金額が用意できます。


教育資金は長期的な運用をしますから、経済状況が利率に反映されるのは、メリットが大きいと言えるでしょう。

学資保険の代わりに個人向け国債を買うデメリット



いくつか国債のメリットを紹介しましたが、当然デメリットもあります。

国債と学資保険はそれぞれ異なった性質を持っている金融商品と言えます。


個人向け国債のデメリットを知り、学資保険の代わり教育資金を運用できるか、考えてみましょう。


個人向け国債のデメリットは次のようになります。

  1. 学資保険に比べ、金利がよくない
  2. 購入してから1年以内は換金できない

学資保険に比べると、個人向け国債金利がよくない

まず、デメリットとして個人向け国債の金利がよくない点が挙げられます。

学資保険は、解約の時期によっては元本割れをするリスクがあるものの、個人向け国債よりも利率(返戻率)が高くなっています。


学資保険と個人向け国債でそれぞれ100万円を運用した場合、どのくらい金利の差が出てくるのか、シュミレーションしてみましょう。


学資保険で100万円を運用した場合

  • 払込保険料:100万円
  • 払込期間:10年
  • 返戻率:105.0%
  • 満期時の受取金額:1,050,000万円

個人向け国債で100万円を運用した場合

  • 個人向け国債(10年満期):100万円
  • 固定金利:0.05%(年率)
  • 満期時の受取金額:1,005,000円

お金を受け取るタイミングが異なるので、単純に比較はできませんが、満期時の受け取り金額に差が出てくることが分かります。


現在、個人向け国債の金利は低く、それはデメリットであると言えますが、変動金利型の国債であれば、今後金利が上がる可能性もありますので、一概にどちらがお得とは言い切れません。

購入してから1年以内は換金できない

もう一つのデメリットとして、購入してから1年以内は換金できない点が挙げられます。

個人向け国債はいつでも換金できる訳ではなく、購入してから一年後(2回目の利子支払日)からとなります。

また、契約から一年経つと、中途換金制度が利用でき、基本的にはいつでも一部または全部を中途換金することができます。

しかし、満期を待たず中途換金すると、手数料はかからないものの利率が下がってしまうので注意が必要です。

個人向け国債には、このような換金時のデメリットがありますが、学資保険には、契約から数年で解約すると、解約金が減ってしまう元本割れのリスクがあります。

個人向け国債は、購入から1年を超えていれば、利率は低くなるものの、元本割れもせず、自由に換金できますから、学資保険と比較して自由度の高い金融商品と言えるでしょう。

数年で解約して乗り換えなどを検討する考えるなら、学資保険よりも個人向け国債の方が、元本割れもしにくく、リスクが少ないのではないでしょうか。

中途換金については、財務省のHPに詳しく書いてありますので、確認してみましょう。

学資保険ではなく、個人向け国債はどうやって選ぶのか


では、個人向け国債を選ぶなら、どのような基準について選ぶとよいのでしょうか。


国債には、デフォルトリスク(その国が破たんして国債に投資した金額が返ってこないリスク)があります。


そのデフォルトリスクは、国によってさまざまなですが、日本国はそのリスクが比較的低いとされています。


その安全性を見れば、学資保険ではなく個人向け国債で教育資金を貯めようと考える方もいるでしょう。


個人向け国債を選ぶなら、下記のような基準で選ぶとよいでしょう。

  • 個人向け国債を選ぶなら金利変動型を
  • 購入先は証券会社 キャンペーンを狙う

個人向け国債を選ぶなら金利変動型を

学資保険の代わりに個人向け国債を選ぶとき、金利で迷ったら金利変動型を選びましょう

個人向け国債には、金利変動型と金利固定型の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

金利変動型の特徴

  • 10年国債の取り扱いである。
  • その時の金利情勢に合わせ、金利が上下する

金利固定型の特徴

  • 3年、5年国債の取り扱いである。
  • 当初の金利のまま、満期まで継続する。

このように、預け入れ期間も違いますが、大きな違いは、金利が変動するかどうかです。


今後金利が上昇していくと考えるなら、金利変動型のほうがよいですし、逆に金利が低下すると考えるなら、金利固定型のほうがを選ぶとよいとされています。


先ほどお話したように、現在の国債の金利は最低の利率で設定されており、大きな利益を望むことは難しい状況です。


金利固定型を選んでも現在の利率で資金が運用されるので、メリットは少ないと言えます。


金利変動型ならば、将来金利が上がり利率も上がったら、その利益が反映されるのでメリットが大きくなるでしょう。

購入先は証券会社 キャンペーンを狙う

個人向け国債を選ぶときは、ネット証券会社のキャンペーンを狙うとよいでしょう。

個人向け国債は銀行や証券会社で、1万円から購入することができます。

国から委託販売をしているので、どの銀行や証券会社を利用しても、商品内容は同じで変わりありません。

どこで購入しても同じなら、近くの銀行や証券会社で手続きをしようと考える方もいるでしょう。

しかし、ネット証券(インターネット上の証券会社)の中には、「〇万円以上の購入で〇円キャッシュバック」などのキャンペーンを行っているところがあります。

先ほどお伝えしたように、現在の国債の金利は最低の利率で設定されていますから、このようなキャッシュバック等のキャンペーンを上手に利用してみると、金利のデメリットも多少カバーできるのではないでしょうか。

複数の証券会社でキャッシュバック等のキャンペーンを行なっていますから、個人向け国債を選ぶときはそのキャンペーンを比較検討するとよいでしょう。

まとめ:学資保険の代わりに個人向け国債を


学資保険の代わりに、個人向け国債について見てきましたがいかがだったでしょうか。

個人向け国債のポイントは、以下の通りです。
  • 個人向け国債も、教育資金を準備する一つの方法である。
  • 個人向け国債は、信用度が高く、インフレリスクにも対応できる。
  • 一方で、学資保険に比べて利回りが悪く、換金時のデメリットもある。
  • 個人向け国債を選ぶなら、金利固定型でネット証券のキャンペーンを利用する。
教育資金を準備する方法は、学資保険というイメージがありますが、必ずしも学資保険一択ではありません。

個人向け国債・定期預金・投資信託など様々な選択肢を持つことが大切です。

学資保険であろうが、個人向け国債であろうが、どちらも資産を投資することになります。

学資保険と個人向け国債を比較すると、表面上は学資保険のほうがお得に見えるかもしれません。


しかし、将来金利が思った以上に上昇したり、万が一保険会社が倒産して、保険料を支払ってもらえないような状況になる可能性はゼロではありません。


学資保険と個人向け国債をよく比較検討して、子どもの教育資金を貯めていく最善の方法を考えていきましょう。


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