保険と賭博は似ている!?類似点と相違点について解説します!

保険と賭博はイメージとしては、かけ離れた存在ですが、実は類似点が多くあるのをご存知でしたでしょうか?保険と賭博の関係性(類似点と相違点)をふまえたうえで、保険本来の目的を理解して賭博との違いを知ることで正しい保険選びの参考になると思います。

実は保険と賭博(ギャンブル)は変わらない?

みなさんは賭博(ギャンブル)という言葉を聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか?


闇賭博、ギャンブル依存症、賭博罪などあまり良いイメージをお持ちでない方も多いと思います。


賭博(ギャンブル)と一言で言っても様々な種類があり、パチンコや競馬はもちろん、宝くじも一種の賭博になりますし、実は、保険も賭博と同じ性質の商品であることをご存知でしたでしょうか?


一見すると賭博と真逆の存在である保険がなぜ賭博と似ているのか、また違いは何なのか気になる方もいらっしゃると思います。


そこで、この記事では「保険と賭博(ギャンブル)の関係性」について、

  • 保険と賭博(ギャンブル)の類似点は?
  • 保険と賭博(ギャンブル)の違いは?
  • 保険と貯蓄の違いは?

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、保険に対する考え方が変わると思いますので、是非最後までご覧ください。


保険と賭博(ギャンブル)の類似点

保険と賭博は言葉の意味としては真逆の意味に感じる方も多いと思いますが、本当に似ているのでしょうか?


まずは、保険と賭博(ギャンブル)の類似点について説明していきます。

保険の歴史のはじまりは賭博

そもそも保険の歴史をたどるとはじまりは賭博からなのです。


保険発祥の地だとされるイギリスのロイズコーヒー店には、船が沈没して積み荷を失うリスクに対して保険をかけるという行為がはじまりましたが、当時は当事者以外の方も保険をかけられたので、他人の船に保険をかけて、その船が沈没せず、海賊に襲われず、無事に帰港すれば大儲けができるという人達もいたそうです。


また、17世紀に生命保険が販売されると、一般人が自分自身ではなく、ローマ法王や皇帝に生命保険をかけたのです。


対象の人間方もの死亡時期が早ければ、支払った保険料よりも多額の保険金が受けとれ、逆に長生きをすれば保険料を支払い続けなければいけないので損をしてしまいます。


つまり、生命保険は他人の命を対象にした規模の大きなギャンブルだったのです。

賭博の仕組みにおける契約者・被保険者・保険会社の役割

イギリスでは現在もブックメーカーと呼ばれる賭け屋が存在し、スポーツの勝敗やアメリカの大統領選挙までもが賭けの対象になっています。


なぜ多くのブックメーカーが営業をしているかというとずばり儲かるからです。


賭博には

  1. お金を賭ける人
  2. 賭けの対象になる人
  3. 胴元(賭博の主催者)

が存在し、集まったお金の中から当たった人にお金を支払い、残りは胴元が利益として得ることになります。


これを保険に当てはめると

  1. 保険料を支払う契約者(保険金受取人)
  2. 保障の対象となる被保険者
  3. 保険の仕組みを取りしきる保険会社となります。


保険会社は契約者から支払われた保険料の中から保険金を支払い、残りの利益で会社を経営していまるので、賭博の運営と似ていることがわかると思います。

保険と賭博(ギャンブル)の違い

ここまで保険と賭博の類似点をお伝えしてきましたが、まったく同じものではなく、実は似て非なるものなのです。


ここからは保険と賭博の相違点について説明していきます。

保険はリスクを軽減・分散するもの

保険と賭博の一番の違いはその目的にあります。


保険はその保障の対象を失った際に発生する際のリスクに対して、そのリスクを分散させるために加入します。


一方で、賭博はその賭けの対象を失っても、お金を賭ける人には影響がありません。


しかし、大きなリターンを得るために、お金を賭けて自らリスクが発生する状態を作りだしているので、リスクに挑戦していると言えるでしょう。

「被保険利益」という制度が保険を賭博から峻別している

また法律によっても明確に保険と賭博が区別されています。


生命保険法では「被保険者利益」がないと保険として認められないと定められています。


「被保険者利益」という言葉がありますが、これは例えば夫が事故で突然亡くなった場合、妻は夫が稼いでいた収入などを失い損害を被る可能性があります。


このように夫と妻との間に存在する利害関係のことを「被保険者利益」と言います。


まったく関係のない赤の他人Aさんが亡くなっても、Bさんは被害を被ることはありませんが、このような場合には「被保険者利益」は存在しませんので、BさんがAさんにお金を賭けていたとしても保険とは認められません。


仮に保険と認められていない状態でお金をかけてしまうと賭博罪に抵触してしまいます。

保険事故の統計に基づいた市場化

また保険は賭博とは異なり、過去の事故や損失のデータから保険事故の経験統計の分析を行い、その中に現れた一定の規則性に着目し、将来もこの規則性に変化がないものとして、保険金に対する保険料を定めています。

正確な分析をおこなうために下記の内容を満たしている必要があります。
  1. 危険の原因にさらされる多数の対象が同質的である
  2. 損失の大きさや危険の原因が確定できる
  3. 危険の原因の発生が個々には偶然である

保険と貯蓄の違いは?

続いてはリスクを軽減させるという目的では同じである保険と貯蓄の違いを見ていきましょう。


貯蓄は時間の経過とともに徐々に増えていくため、当面は大きな金額を用意することができませんが、保険は通常加入したときから大きな保障を用意できます。


例えば、毎月2万円を積立てると1,000万円を貯めるには、金利などを考慮しなければ約42年間もかかってしまいますが、保険であれば保険金が1,000万円の商品に加入すればその瞬間から1,000万円の保障を得ることができます。

まとめ:保険は賭博(ギャンブル)とは別物

保険と賭博(ギャンブル)について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 保険のルーツは賭博にあるため仕組み自体は同じ
  • 保険はリスクを軽減・分散するために、賭博はリスクに挑戦するためのもので目的が異なる
  • 保険は「被保険者利益」が存在していないと保険とは認められない
  • 貯蓄はリスクに備えるためには時間がかかるが、保険は急なリスクにも対応できる

です。


保険と賭博は類似点もあり、過去には同じ用途のものだった時代もありますが、現在では法律でも明確に区別されており別物になるので、賭博のように敬遠する必要はありません。


保険本来の目的を見失わずに、自分にとって本当に必要な保障を考えましょう。


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