終身保険には相続税の節税対策のメリットがある?非課税枠とは?

終身保険を使って、相続税対策をするということを聞いたことがあるかもしれません。損をするのでは?と思っている方もいらっしゃるかと思いますが、終身保険の相続税対策は非課税枠がある分、節税のメリットが大きいのです。この記事で詳しく解説します。

死亡保険金の非課税枠で相続税対策をするなら終身保険を選ぼう

家計の出費の中で、気付けばかなりのウェイトを占めている、『税金』の支払い。


生活上、必ず支払いが必要となる税金に関して考えることは多いかもしれませんが、「相続税」や「贈与税」といった税金に関する問題は、いざ問題に直面しなければ、考えることは少ないかもしれません。


私たちには税金を納める義務があるからこそ、節税が可能な部分はできるだけ節税したい、と誰もが思いますよね。


そこで、相続時に発生する相続税問題の解決方法として、『終身保険を契約する』という方法があるのを、 皆さんはご存知でしょうか。


今回取り上げるのは、 

  • 終身保険は、なぜ相続税対策に向いているのか
  • 「先払い」する保険に加入するメリットとは何か
  • 相続税対策として保険に加入する際、注意しなければならない点とは何か

これらの点を、いくつかの細かなポイントに分けて、取り上げていきます。

終身保険が相続税対策に向いている理由

これから、終身保険が相続税対策に向いていると言えるいくつかの理由を挙げていきます。

遺産を相続しようとするとき、なぜ保険を活用することが、「お得」だと言えるのでしょうか。

終身保険なら、死亡保険金が必ず受け取れるため

まず一つ目の理由として、終身保険は一生涯の保障のため、必ず死亡保険金を受け取れるということです。


よく保険のトラブルとしてあるのは、保障範囲内だと思ったのに、「保険がおりない」ということですよね。


定期保険では、満期を迎えると、保障期間が終わり、死亡保障がおりません。


一方、終身保険とは、一生涯保障してくれる生命保険ですから、そのような事態になることがないので、安心できます。

生命保険金の非課税枠が適用されるから

そもそも、終身保険が税金対策になる理由は、『非課税枠』というものが定められているからです。


非課税枠は、 

500万円 × 法定相続人の人数


で計算され、たとえば法定相続人が4人いる場合は、 

500万円 × 4人 = 2000万円


この「2000万円」が相続税の非課税枠となるわけです。


ポイントとして、この非課税枠、相続税の場合にのみ適用されます。 

そして、この相続税が適用されるのが、以下のように、



保険料支払い被保険者受取人
例1
例2

保険料支払い人と被保険者が同一の場合です。


このように、保険金を遺産相続のお金として用いるのなら、このような非課税の恩恵が受けられる、というわけです。

死亡時の保険金はすぐに受け取れるから

基本的に、終身保険における死亡時の保険金は、手続き後比較的短い期間で受け取ることができます。


ただし、保険に加入して期間が経っていない場合は、調査が入る可能性があり、 受け取るまでに余分な日数を要してしまう必要があります。

相続争いが起きる心配が少ないから

遺産を誰が何割受け取るのか…そういった相続のトラブルが後を立たないのは、『より多くのお金が欲しい』という気持ちや主張、また自分より、違う親族が『多くの金額受け取っているのはおかしい』という考えがある…という、人間関係のいざこざがあります。

そこで、遺言に記載される『遺留分』が関係してくるわけです。


遺留分とは、法定相続人が最低限の相続財産を受け取れるようにする制度のことです。




たとえば、夫婦のうち夫が死亡したとします。


その場合における法定相続人は、夫にもっとも近しい続柄の人となるので、「妻か子ども」…ということにとなります。


本来であればその法定相続人が遺産を相続するはずなのですが、遺産には、「遠い親戚の一人に遺産をすべて相続する」…という内容の文言があったとします。


本来であれば、遺言書に書かれていることは守られる必要がありますから、もっとも近しい家族という関係であった妻や子どもは、どれだけ悔しい思いをしても、遺産を相続する権利はありません。


しかし、そういった事態を避けるために、『遺留分』という制度があり、一定の割合で、法定相続人は必ずお金を受け取ることができるようになっている、というわけです。


ここで、保険の話に戻します。


終身保険による死亡保障は、確実な「受取人」が決められています。


そして、死亡保険金により受け取るお金は、例外こそありますが、基本的に『遺留分』が発生しません。


ですから、受取人と決められた人が確実に死亡保険金を受け取れることになります。

相続税対策に向いているのは一時払い終身保険

ここまで、終身保険が相続税対策に有効である、いくつかのポイントを紹介しました。

ここで、捉え方次第ではさらに有用である、『一時払い終身保険』について、加えて紹介します。


なぜこのタイプの保険が、相続税対策になる、と言えるのでしょうか。 

高齢者も可能である加入のしやすさ

まず、一時払い終身保険は、0歳から加入できるものもあり、高齢者であっても一時払い終身保険であれば、加入できることがあります。

保険によっては、高齢になればなるほど加入が難しくなる保険が多いことを考えると、この『加入のしやすさ』は大きな利点となるでしょう。

保険料を一括で支払うため、元本割れのリスクが低い

一時払い終身保険は、その名の通り保険料を加入時に一括で支払うタイプの保険です。

一月ごとに保険料を支払っていくタイプとは異なり、解約時に受け取ることができる解約返戻金が短期間で右肩上がりになっていきます。


通常の終身保険よりも、元本割れしにくく、利益がでやすい、というメリットがあるのです。

終身保険を相続税対策として利用するときの注意点

終身保険を相続税対策として用いることは有用ですが、運用するうえで注意しなければならないことがあります。

これから取り上げるいくつかの注意点について、覚えておきましょう。

保険契約者と受取人の契約を間違うと非課税枠が消えてしまう

この点は先述しているように、保険における相続には『非課税枠』が適用されます。


夫が契約者と被保険者の両方である場合、受取人は妻か子どものどちらかになり、その場合において相続税の『非課税枠』が適用されます。


しかし、この受取人を『兄妹』や『孫』などにしてしまっている場合、非課税枠が消えてしまうので、契約者と受取人の関係には注意が必要です。

保険料を分割で払うなら、早期の解約に注意

基本的にどのような終身保険も、加入から右肩上がりで、解約返戻金が推移していくことになります。 

ということは、長く終身保険に入ったままであると、それだけ解約時に受け取ることができる返戻金も多くなりますが、加入から一年足らず、またはそれ以前でやめてしまったら、支払った分の解約返戻金をほとんど受け取ることができません。 


いわゆる、ただの『支払損』となってしまうのです。 


あくまで、終身保険は「終身」まで継続し、保障されるもの…終身保険を相続税対策として加入しようとしている場合も加入を考えている時からそういった意識を持ち、契約そのものに、慎重を期すべきだと言えるでしょう。

参考:相続税の基礎控除枠についても知っておこう

保険における相続には非課税枠があるという点を取り上げましたが、そのほかにも、どのような場合でも相続を受ける際に適用される『基礎控除額』があります。

保険での相続税対策を考えている場合はこのことについても知っておきましょう。

『基礎控除額』は平成27年度から改正され、 

  • 3000万円+600万円×法定相続人の数

以上の計算式で導き出された分だけ、相続税は掛かりません。

まとめ:終身保険を利用した相続税対策

相続税対策に、終身保険が有効であるということを、ご理解いただけたでしょうか。

今回最もポイントとなる点としては、


  • 死亡保険金は、すぐに受け取ることができ、遺留分が発生しない
  • 死亡保険金には一定の非課税枠が適用されるので、節税になる
  • 非課税枠を適用させるためには、契約者や受取人の関係に注意する必要がある 

これらの点が挙げられます。


実際に金額を当てはめてみると分かりますが、 相続される元の金額が大きくなればなるほど、控除になる割合によっては、受け取れる金額が大幅に変わってきます。


ですから、相続税対策に最適な終身保険を選ぶという点も勿論重要ですが、漠然とした理解ではなく、具体的に『どうすれば相続税対策になるのか』という点を、一人ひとりが、きちんと理解していることが大切です。


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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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