更新日:2023/03/06
親が生命保険に加入していなかった。子どもが払うことはできる?
親が生命保険に加入していないことがわかったときに、あなたは生命保険の加入を勧めますか?親が受けられる社会保険の内容を理解しないと、生命保険に加入しても無駄なお金を払う可能性があります。なぜ、加入する必要があるのか、をきちんと理解して検討をしましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
親が生命保険(死亡保険)に入っていなくても大丈夫?
親が生命保険に加入していなことがわかったら、あなたはどうしますか?
- 親のライフプラン、今後いくら必要になるの?
- 社会保険を使うとどれくらい負担が減る?
- 子どもが親の保険料を払うと、節税に効果的?
- 保険を選ぶ際の注意点
- 親が加入していた生命保険を確認するには?
ほけんROOMでは他にも保険に関する記事や、どの保険相談窓口を選べば良いかと言った記事を公開しておりますので、お悩みの方はそちらも合わせてご覧ください。
親のライフプランを考えて、いくらお金が必要なのか計算してみましょう
年齢によりますが、今後発生する可能性があるのは、病気になったときに発生する治療費、介護費用などの費用、実際になくなられた際の葬儀費用などが考えられると思います。
順番に考えましょう。
親が死亡するまでと死亡後に掛かるお金
まずは、死亡するまでにかかるお金です。すぐに思いつくのは、病気になって発生する治療費です。親御さんがどのような病気になる可能性があるのでしょうか。
加齢による病気としては、
- 臓器にかかわる病気
- 骨や関節かかわる病気
- 筋肉にかかわる病気
等があります。
【臓器にかかわる病気】
肝臓や腎臓、精巣、卵巣といった臓器は、加齢とともに細胞の減ってしまいます。そのため、臓器としての機能が衰えることとなります。
臓器の機能低下は、さまざまな病気を引き起こす原因となります。
動脈硬化になれば、腎臓の血管が細くなり腎臓の機能低下による病気の発生が起こります。
また、加齢により高血圧や糖尿病といった生活習慣病も発生します。
動脈硬化が進めば、心筋梗塞や脳卒中といった病気も発生リスクも高くなります。
【骨や関節にかかわる病気】
女性に多く聞かれる病名ですが、骨粗しょう症、変形性膝関節症といった病気があります。
この病気は、股関節の骨折や膝の痛みといったことが中心となります。股関節の骨折が発生すると「入院生活」となります。
また、骨粗しょう症による骨折は、当然治療にも時間がかかることとなってしまいます。
【筋肉にかかわる病気】
筋肉のばあいは、病気よりもけがが中心となります。
筋肉が弱くなることにより、転倒の危険性が増えることとなります。
亡くなられる前であれば、当然治療費を中心とした費用となります。
では、もし生命保険に加入をしているのであれば、証券のどこを気にすることになるか、をみてみましょう。
まず、入院日額を期待しましょう。これは入院したら1日いくら、という基本になります。
次に、「入院時一時金」とういった名称があるか。これにより、入院したときに入院日額とは別に保険金の支給があります。
では、亡くなった後に発生するお金はなんでしょうか。
まずは、葬儀関連に費用が上げられます。葬式をあげ、読経をしてくれた僧侶にお布施を渡す。
通夜の際には、お悔やみにこられた方へのご会葬、食事、などかかります。さらには、お墓代、等が発生することになります。
実際の計算例
1ヶ月(31日間・月をまたがないで)入院し多としましょう。医療費として34万円かかりました。
なかなか高額な医療費で、やはり保険に入っておくべき、と考えるかもしれませんが、高額療養費制度を利用することで、自己負担は57,600円で済むことになります。
かなり金銭的な負担が減り、これくらいならば保険はいらないかも、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、この制度では食事代や差額ベッド代は対象外になる点に注意しましょう。
食事代が1食460円なので(入院中の食事代負担額)、1日にかかる費用は、
460×3=1,380円
31日間となると、
1,380×31=42,780円
食事代だけでかかる計算になります。
合わせると、
57,600+42,780=100,380円
となるため、1ヶ月の入院で10万円以上の負担になります。
個室などを希望する場合は、さらに負担金額が増えてしまうのです。
高齢の場合、治りも遅くなってしまう事もあるため、入院日数が長引いてしまう事もあります。このような場合、さらに金銭的な負担が増えていくことになります。
まずは社会保険(高額療養費制度)の利用を考えましょう
でも、そのまますべてを支払うことはありません。
社会保険には「高額療養費制度」が存在します。
一般的な収入の方であれば、月の医療費から8万3千円、その残額の1%の支払いとなります。
つまり、毎月10万円程度ということになります。
生命保険がなくても、月34万円を支払う必要はありません。
高額療養費制度は、まとめて申請することも、毎月で精算することも可能です。
もし、経済的に負荷が高いと感じるようであれば、毎月の精算、手術を行うようであれば、月初に行うようにしましょう。
月をまたがるようになると、申請の回数が増えるといった負荷が増えますので、病院と相談し決定しましょう。
子どもが親の生命保険の支払いをすることも 節税対策になる?
子どもが親の生命保険の支払いをした場合、節税対策につながる場合もあります。どの種類の税金に対する節税対策になるのでしょうか?
子どもが親の生命保険の支払いをした場合、相続税の節税対策になる場合があります。
どのような場合に節税効果が期待できるのかというと、親の保険料を子どもが親のお金で支払った場合です。
生前贈与を利用して、親から保険料を生前贈与してもらい、そのお金で親の保険料を支払っていきます。
親の財産が徐々に減っていくことで、最終的に相続する際の金額を減らし、節税対策に利用するのです。
親の生命保険の選び方と注意点
- 高齢のため保険料が高くなる
- 親の許可が必要
- 介護時に利用できるのか
加入時の年齢が高齢になればなるほど、保険料は高くなります
親の年齢はいくつでしょうか。
生命保険は、年齢により保険料が変わります。高齢になれば保険料は上がることになります。
もし、親が生命保険に入ってない、入る必要があると考えた場合には、できるだけ速やかに保険会社を検討しましょう。
生命保険会社によっては、最近加入年齢を高くしているところもあります。
また、既往症などがあっても加入ができるタイプの保険もあります。
それ以外にも、実際には条件付の引き受けといった方法もありますので、年齢と効果を考えて加入を検討しましょう。
65歳以上の方におすすめの生命保険についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
親の許可なく勝手に生命保険に入ることは出来ません
これは、モラルリスクを排除するとともに、無断で加入された場合には、告知がきちんと行われないことも排除しています。
契約者(保険料負担者)として、子供たちが入れるのだから、という理由は成立しません。
また、親は保険料を子供に負担してほしくない、と思っているかも知れません。必ず、親が加入することを了承したうえで手続きをします。
親の介護のことも考えて生命保険は選びましょう
よく言う内容ですが、
- 第一段階は「病気になって入院する」
- 第二段階は「寝たきりになる」
- 第三段階は「介護状態」
そして、死亡すると言われています。
社会保険として介護保険がありますが、支給条件等は理解されていますでしょうか。
親の年齢を考えて、生命保険の介護費用の加入を検討してみてください。
親が亡くなり、生命保険に入っていたか確認するには?
親の保険加入状況を、亡くなった後に確認する必要が出てくる場合も考えらます。
保険証券などがすぐに見つかれば問題なく手続きができます。しかし、失くしてしまっている可能性もあります。
このような場合には確認することができないのでしょうか?
- 保険会社からの書類(手紙など)
- 預金通帳
- 保険会社のグッズ
などが利用できます。
保険会社からは毎年「契約内容のおしらせ」や「生命保険料控除証明書」が送られてきています。これらの書類が無いか探してみましょう。
預金通帳も手掛かりを得るための重要なポイントです。通帳を見て、保険料の引き落としが無いかを確認する方法です。どこの保険会社かくらいは手掛かりがつかめます。
上記2つでも手掛かりが見つからないときは、保険会社のグッズ、例えば、社名の入ったカレンダーやタオルなどが無いかを探してみましょう。保険会社に問い合わせをするきっかけになります。
まとめ
いかがでしたか?ここでは親が生命保険に入っていなくても大丈夫なのか、選ぶときの注意点などをご紹介しました。
- 親が生命保険に加入していない場合、まずはライフプランを考える
- 社会保険を利用することで、医療費自体はそこまで高額にならない
- 親の保険料を子どもが払うと、相続税対策になる場合もある
- 親が亡くなった後に保険の加入を確認したい場合、保険証券や通帳などで確認することができる