個人年金共済で大丈夫?年金保険との違いやメリット・デメリット解説

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個人年金共済を検討中/加入中の人にとって、保険の見直しで積立年金が十分か不安になる方も。地方公務員や農協職員など、共済に馴染み深い方は注意です。共済で個人年金の積立するメリット・デメリットを解説。個人年金保険との違いを比較し、利率やおすすめ度合い、評判/口コミを確認しましょう。

個人年金共済で大丈夫なの?おすすめなの?

内容をまとめると

  1. 個人年金共済は、個人年金保険と違って非営利の事業なので低リスクの運用がメイン
  2. 共済が組合員しか利用できないため、出資金を支払う必要がある
  3. 個人年金共済は掛け金が安いが、貯蓄率が低いというデメリットもある
  4. メリットデメリットを見極めながら、自分に最適な個人年金を探す必要がある

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共済は掛け金が安く加入しやすいため、共済で積立年金している方、これから検討している方も多いと思います。

特に、地方公務員や農家の方などは、労働組合員の周りの方からおすすめされるということもあるのではないでしょうか?

しかし、個人年金共済は、保険会社が販売する個人年金保険とは違いがあり、知っておくべきデメリットがあります。

そこで今回は、個人年金共済の特色とメリット・デメリットについて、共済と保険の違いを踏まえつつ、
  • 個人年金共済のメリット・デメリットについて
  • おすすめの個人年金共済について
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、個人年金共済の個人年金保険とは違う点、個人年金共済のメリット・デメリットを知ることに役立つと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

個人年金共済と個人年金保険の大きな違い3つを解説


公的年金とは別に老後資金を確保したいときには、任意で加入する個人年金に加入するのも1つの方法です。

個人年金には、全労済や都道府県民共済などが取り扱う個人年金共済と、保険会社が取り扱う個人年金保険があります。

どちらも加入者が自分で積み立てる個人年金である点は同じです。しかし、制度上異なる面もあります。同じ個人年金なのに何が違うのか、個人年金共済と個人年金保険の違いを理解しておきましょう。

違い①:監督官庁や根拠となる法令

共済と保険の大きな違いは、個人年金を取り扱う保険者(保険の運営者)の監督官庁です。

個人年金共済を取り扱う全労済や都道府県民共済などは厚生労働省、保険会社は金融庁が監督しています。

農業協同組合(農協)が運営するJA共済は、農林水産省の管轄です。そして、監督官庁が違うということは、根拠となる法令も異なります。
会社監督官庁
根拠法令
保険会社各社金融庁保険業法
全労済
都道府県民共済
COOP共済
厚生労働省消費生活
協同組合法
JA共済農林水産省農業協同組合法
また、使用する用語にも違いがあります。
区分共済保険会社
用語
・掛金

・共済金

・割戻金

・共済期間

・加入者
(組合員)
・保険料
・保険金
・配当金
・保険期間
・契約者

違い②:共済は非営利

共済は加入者がお金を出し合い、加入者の中に困った人がいたら、そのお金を共済金として支払うことで助ける「相互扶助」を目的としており、利益を得ることを目的としていません。

掛金として納めたお金の一部は共済によって運用されていますが、非営利なので預金や低リスクの国債といった、安全性の高い方法が取られます。

一方、保険会社は個人年金保険を含む各種保険商品を、営利目的で販売しています。契約者が出し合ったお金を保険金として支払い、契約者同士で助け合う仕組みになっている点では共済と同じです。

しかし、保険会社が利益を得るという目的があるため、共済と同じく保険料の一部が保険会社によって運用されますが、積極的でリスクの高い運用が行われることもあります。 

違い③:共済は組合員以外加入できない

保険会社が取り扱う保険は、保険会社の審査にさえ通過すれば、誰でも加入できます。審査といってもそれほど厳しいものではなく、健康状態に問題がなければ、ほとんどの人が加入できるでしょう。

ただし、ケガや死亡のリスクが高い職業の人や、契約者や被保険者が反社会的勢力である場合などは、審査に落ちる可能性が高まります。

対して、共済は共済の運営元の組合員でないと加入できません。とはいえ、例えばJA共済の組合員には農業関係者しかなれないのかというと、そのようなことはなく、JAが所在する地域住民であれば組合員になれます。

個人年金共済に加入する際に併せて、組合員の申込手続きも済ませるとよいでしょう。なお、共済の組合員に申し込むときには、数百円から数千円程度の出資金が必要です。

個人年金共済のメリット・デメリットを理解しておこう


個人年金共済は前述したように、営利目的で販売されている商品では無いため、組合員であれば加入しやすく、金銭的な負担も少ないと言われています。

しかし、これだけだけだと思っていませんか?

こちらでは個人年金共済のメリット・デメリットを全て解説していきます。

経済的な負担が少ないなどのメリットがある

メリット①:経済的な負担が小さい

何と言っても経済的な負担が一番に上がります。

保険会社の個人年金保険は概ね毎月の支払保険料であれば20,000~30,000円程度かと思います。

一方で、個人年金共済は、10,000~20,000円程度で掛金を積み立てていくことになります。

保険会社の個人年金保険よりも、比較的掛金(保険料)は割安で負担の少ないことがメリットです。
一方で、裏を返せば少額向きの積立なので、口数を複数申し込んだり、複数の年金保険で積立額を増やすなど、対策が必要です。

メリット②:個人年金保険料控除(共済掛金控除)の対象の場合も

税制適格タイプなら、生命保険料控除のうちの、個人年金保険料控除の対象となります。

もちろん、個人年金保険でも対象ですが、共済でも対象となる場合があるのです。

詳しい条件等は後述しますが、所得税・住民税合わせて、最大7万円弱の控除対象となるので、嬉しいですよね。

貯蓄率が小さいなどのデメリットがある

デメリット①:貯蓄率が小さい

個人年金共済は保険会社の個人年金保険よりも、返戻率が低くなってしまう傾向があります。

返戻率とは、払い込んだ保険料と戻るお金の割合を意味しています。

保険会社の個人年金保険では、概ね110%~120%の返戻率となり加入側へ有利な割合になっていることが多いです。

一方、個人年金共済の場合は一部の共済の個人年金商品を除いて、102%~105%程度の返戻率となり、戻ってくるお金の面では保険会社の個人年金保険より見劣りしてしまいます。

利回りが悪い場合は、給付を受ける際に所得税が小さくなるということもありますので、一概に悪いとは言えない点もポイントではあります。

個人年金保険も貯蓄率が小さいので、強制的な積立年金として捉えているのであれば問題ないかもしれません。

デメリット②:セーフティーネットがない

生命保険会社には、生命保険契約者保護機構があり、保険会社が倒産した場合にも、セーフティーネットがあります。

一方で、共済には保護機構はありません。

もちろん、かなり低い可能性にはなりますが、不安視される方も多いようです。

おすすめとされている個人年金共済を一挙ご紹介!

こちらでは各共済が取り扱う個人年金共済を紹介します。中には、特定の職業の方々に限定して加入が認められている共済商品もあります。

口コミや評判も合わせて解説していきます。

全労済「ねんきん共済」

全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)が取り扱っている個人年金共済です。保障プランは次の通りです。
  • 確定年金(家重型):年金受け取り期間5年・10年・15年から選択、掛金(月払い)10,000円からとなります。
  • 終身年金(基本型):年金受け取り期間終身、掛金(一時払い)24万円からとなります。
  • 確定年金(基本型):年金受け取り期間10年・15年から選択、掛金(月払い)10,000円からとなります。
この共済は加入者が掛金払込期間中に亡くなった場合、年の掛金が24万円だと総額480万円(24万円×2倍×10年)分が家族に支払われる等、加入者の老後資金のためだけではない保障内容となっています。

しかし、現在のところ、この商品は新規加入および追加加入受付が停止されております。

各商工会議所「個人年金共済」

全国の都道府県にある商工会議所では、商工会議所会員事業所(特定商工業者を含む)の事業主、役員およびその従業員で満15歳以上65歳未満の方々に限定した個人年金共済を取り扱っています。

掛金(月払い)は、概ね1口1,000円で5口5,000円以上から自由に掛金を設定できます。年金開始時に10年確定年金または15年保証終身年金のどちらかを選択できます。

商工会議所ごとに個人年金共済の内容が異なる場合もあるため、興味のある人は会員となっている商工会議所へ問い合わせてみましょう。

JA共済「予定利率変動型年金共済ライフロード」

JA共済(農協)が運営する、予定利率変動型年金共済とは、予定利率の推移によって年金額が増加する場合がある年金共済です。

また、一度増加した年金額は減少せず確実に貯蓄していくことが可能です。

このライフロードの掛金(月払い)は10,000円です。また、契約内容によっては返戻率も120~130%と高いのが特徴と言えます。

ただし、予定利率の推移次第で、年金額が増加しない場合もあることに注意は必要です。

jam共済「新ねんきん共済」

JAM共済とは、機械・金属産業に従事する人向けの産業別労働組合が運営する共済です。機械や電機、自動車精密機器、鉄鋼、住宅関連機器などの企業に勤める人同士の相互扶助を目的としています。


火災・自然災害に備える個人火災共済や個人生命共済など、多彩な保障が用意されているのが特徴です。老後に備えるための新ねんきん共済、積立年金共済といった保障もあります。


JAM共済の運営元であるJAMには、機械・金属産業から約2000の単位労働組合が加盟しており、新ねんきん共済や積立年金共済に加入したい場合は、職場の労働組合から申し込み手続きを行います。


職務内容が危険を伴うものの場合、保険会社が取り扱っている商品には加入できないことがあるので、機械・金属産業従事者向けのJAM共済の個人年金共済も検討してみましょう。


ここまでに紹介した個人年金共済の中でどれが一番自分に合っているか知りたいですよね。


自分だけで判断するのは難しい場合は、お金や保険のプロであるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

税制適格タイプなら個人年金保険料控除の対象

生命保険料控除とは、保険商品で1年間に支払った掛金(保険料)を年末調整や確定申告の際に、申告することで所得控除が受けられる制度です。

個人年金共済の掛金は、通常ならば生命保険や学資保険等と共に一般の生命保険料控除枠の対象になります。

しかし、加入した個人年金共済に「税制適格特約」が付いていると、独立した個人年金保険料枠として更なる節税効果が期待できます。

この特約を付けるためには次の条件を満たすことが必要です(確定年金の場合は5つ)。

  • 掛金の支払方法が分割払いであること
  • 契約発効日現在における加入者の年齢が満15歳~満55歳までであること
  • 加入者が契約者または契約者の配偶者で、かつ年金を受け取る人が加入者と同じであること
  • 年金の掛金を払う期間が10年以上であること
  • (確定年金の場合)年金の受取開始時が60歳以降で、かつ年金の受取期間が10年以上であること

まとめ:個人年金共済の特徴やメリット・デメリット

個人年金共済と個人年金保険の違い、個人年金共済の特色とメリット・デメリットを理解できたでしょうか?あらためてポイントを整理してみましょう。

  • 「個人年金共済」は全労済や都道府県民共済などの共済が取り扱う個人年金、個人年金保険は保険会社が取り扱う個人年金

  • 監督官庁や根拠法令、営利目的か非営利かといった点が異なる

  • 個人年金共済のメリットは、「掛金が安く経済的な負担が小さいこと」「個人年金保険料控除が受けられる可能性があること」

  • 個人年金共済のデメリットは、「返戻率や貯蓄率が小さいこと」「破たんしたときの補償がないこと」

  • 個人年金保険料控除と受けるには、「税制適格特約」を付ける必要がある
個人年金共済は個人年金保険と比較して、将来戻ってくるお金が少ないという点が見劣りします。しかし、個人年金保険は貯蓄性が高い代わりに保険料が高額になるケースが多く、家計への負担が大きくなりやすい点がデメリットです。

保険料の高さから個人年金保険の加入をあきらめていた人でも、個人年金共済であれば加入しやすいでしょう。

全労済やJA共済、国民共済など、各共済が個人年金共済を取り扱っています。それぞれの特徴やメリットを比較して、自分に合う個人年金共済がないか探してみましょう。

その際、保険のプロに相談しながら決めると、自分に最適な保険を見つけることができます。

下のボタンから無料相談の予約ができますので、ぜひご利用ください。

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